労働組合とは何か?会社員なら必ず加入する?わかりやすく解説します

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この記事のまとめ

  • 労働組合とは、労働条件や経済的な地位の向上を目的として組織された団体のこと
  • 労働組合には、加入する労働者の種類によって企業別組合や産業別組合などがある
  • 労働組合が行う団体交渉や団体行動は、憲法にある労働三権によって保証されている
  • 労働組合に加入すると、労働者の要望を会社に伝えたり不当行為に対抗できたりする

労働組合という団体について知ってはいても、どのような働きをするのかわからない方は少なくありません。労働組合は労働者にとって非常に重要な団体であり、加入することによって得られるメリットもあるのです。これから企業に就職する方に向けて、労働組合とは何か、どのような働きをするのかについて詳しく解説します。
労働組合に関係する法律についても説明しているので、労働組合について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

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労働組合とは?

労働組合法第2条によれば、労働組合とは「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」のことです。
労働組合と聞くと大きな団体をイメージするかもしれませんが、2人以上の労働者が合意し、労働組合の設立を宣言すれば自由に結成できるという特徴があります。ただし、労働組合の結成だけでは企業と交渉することは難しく、厚生労働省の労働委員会による資格審査を経て正式な組合として認められます

労働組合の役割

労働組合の役割と聞くと「春闘」を思い浮かべる方も多いでしょう。確かに、春闘に代表される賃上げ要求や労働条件の改善は労働組合の役割の一つです。
労働組合と経営陣の交渉によって労働条件が改善されれば、従業員はより一層働きやすくなるでしょう。
ただし、労働組合の役割は他にもあります。たとえば、労働組合に加入している組合員が会社に対して抱いている不満や苦情を代表して伝えるのはその一つです。加えて、不当解雇への対応やリストラの防止といった労働者を守る活動も行っています。
労働組合は、経営陣と対立していると見られがちですが、実際にはそうでないことがほとんどです。厚生労働省が発表している「令和元年労使コミュニケーション調査 結果の概況」の中の、「1 労使関係についての認識」を見ると、労働組合が労使関係を安定的に維持するために大きな役割を果たしていることが分かります。約3,000件の事業所を対象に行われたこの調査では、労働組合がある事業所は全体の30.2%、労働組合のない事業所は69.8%でした。労働組合がある事業所では、「労使関係が安定的に維持されている」と回答した企業が47.5%、「おおむね安定的に維持されている」と回答した企業が40.8%で、88.2%の企業で労使関係が良好という結果になっています。
一方、労働組合がない事業所では、労使関係が「安定的」と回答した企業が22.0%、「おおむね安定的」と回答した企業が57.2%、労使関係が良好である企業は79.2%でした。
つまり、労働組合がある企業の方が全体として労使関係が良好になると考えられます。労使間の意思疎通を図るうえで労働組合が大きな役割を果たしていることが分かるでしょう。

参照元
厚生労働省
令和元年労使コミュニケーション調査 結果の概況

労働組合の4つの種類

労働組合は、大きく「企業別組合」「産業別組合」「職業別組合」「合同労組・ユニオン」の4つに分類できます。最も一般的なのは、企業ごとの労働者が加入する企業別組合です。

1.企業別組合

一般的に労働組合といった場合には、企業別組合を指します。企業別組合とは、企業ごとに労働者が加入するもので、その企業の従業員であれば誰でも加入可能です。多くの大企業では、労使間でユニオンショップ協定が結ばれており、企業に入社すると同時に労働組合に加入するという形になっています。
ただし、労働組合を持たない企業も多くなっており、同労組合の組織率の低下が著しくなっているのが現状です。

ユニオン・ショップ協定
ユニオン・ショップ協定とは、企業別組合を持つ企業に雇用された労働者に対して、労働組合への加入を義務付ける制度。加入しなかったり、脱退や除名となったりした際は解雇となります。

産業別組合

産業別組合は、その名の通り特定の産業に携わっている労働者が企業を横断する形で結成した組合です。企業を問わずに労働者が直接加入できるのが特徴。産業別組合は日本ではわずかしかなく、産業別組合であっても実際には企業別組合の集合体である場合が少なくありません。

職業別組合

職業別組合とは、同じ職種に従事する労働者が加入する組合です。日本では、鉄工や印刷、看護といった特別な技術を必要とする技術者たちが組織した歴史があります。
ただし、現在の日本ではあまり見られない労働組合です。

合同労組・ユニオン

広域にわたって組織されているのが合同労組・ユニオンです。合同労組・ユニオンは、自社に労働組合がない労働者が加入できる組織で、職種や産業などにかかわりなく1名から加入できます
労働組合がなく団体交渉などが行えない労働者のために、問題に対処する役割を果たしているのです。

これから入社する会社や現在勤務している会社に労働組合がない場合の対処法についてさらに知りたい方は、詳しく書かれたコラム「労働組合がない場合の対処法をご紹介!加入のメリットやデメリットも解説」もご覧ください。

労働組合に関係する労働三権と労働組合法

労働組合に加入するのであれば、労働組合に関係する権利や法律について知っておくことが重要です。労働組合が活動する基盤となる権利や法律なので、法律に詳しくなかったとしても概要を知っておくとよいでしょう。
労働組合に関係する団結権や団体交渉権、団体行動権、そしてこの労働三権を補完する労働組合法についてご紹介します。

労働三権

労働組合は、日本国憲法第28条により「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」の労働三権が保障されています。

1.団結権

団結権とは、労働者が労働組合を結成できる権利のことです。労使間では、雇用している企業側の立場が強くなりがちになります。
そこで、団結権を認めることで、労働者が団体として企業と対等に話し合えるようにしているのです。会社側も一人ひとりの労働者に個別に対応すると多くの時間を割かなければなりませんが、労働組合があれば時間と労力を節約できるというメリットがあります。

2.団体交渉権

団体交渉権とは、労働組合が会社と対等な立場でさまざまな交渉を行える権利のことです。賃上げやリストラの撤回、職場環境の改善などの交渉を行い、労使間の協定を結ぶ権利が保証されています。
企業側は正当な理由なく団体交渉を拒否できないので、団体交渉権は労働組合にとって非常に重要な権利なのです。

3.団体行動権

団体行動権は、労働環境の改善などを求める交渉がとん挫した時に、労働者が団体で行動する権利のことです。団体行動権には、ストライキなどを行って企業の業務を妨害する争議権とビラを配るといった組合活動を行う組合活動権という2つの種類があります。
正当な理由があれば、ストライキによって企業が損害を被っても労働者に責任を負わせることはできません。団体行動権の行使はまれですが、労働組合が持っている大きな武器といえるでしょう。

参照元
厚生労働省
労働組合/労働委員会

労働組合法

労働組合法は、労働三権を保証するために制定された法律です。労使間での約束を労働協約という形で書面に残す権利や、企業が労働組合員に対して報復的な扱いをするといった不当労働行為の禁止などが定められています。

企業側には経営三権が認められている

労働者に労働三権が認められているのと同様、企業側には経営三権が認められているという考えもあります。経営三権とは労働者に指示や命令を行う業務命令権、労働者の採用や解雇などを決定する人事権、企業が所有する施設を管理する施設管理権です。
この経営三権に関しては、企業側は団体交渉に応じずに自由に決められると考えられています。ただし、経営三権は憲法などで保証されている権利ではないので、労働組合の権利ほど強くないと考えられるでしょう。

労働組合に加入するメリットとデメリット

労働組合に加入することで要望を伝えやすくなる一方で、組合活動を維持するための時間やお金がかかります。これから就職する会社に労働組合がある場合には、メリットだけでなくデメリットについても把握しておくことが重要です。

労働組合に加入する4つのメリット

労働組合に加入するメリットは労働者側にも会社側にもあります。労働組合のメリットを4つご紹介します。

1.労働者の要望を伝えやすくなる

労働組合があれば、組合員である労働者の希望を会社に伝えることができるようになります。労働環境の改善はもちろん、賃上げや人事制度などのルールを変えてほしいといった要望も労働組合を通して行えるでしょう。
労働組合によって、労働者に不利なルールを作らないよう企業側に圧力をかけることも可能です。

2.労働者の不利益になる行為に対抗できる

労働組合は労働者を守るための組織なので、企業が労働者の不利益になる行為をしようとする場合に対抗できます。労働組合がなければ企業側は解雇や減給などを一方的に行えてしまいますが、労働組合によってこうした行為を防げるのです。

3.労働者の相談窓口となる

労働組合は企業との交渉役だけでなく、労働者の相談窓口としても機能します。さまざまなハラスメントや不当な扱いについて労働組合に相談し、会社に対応を促すことができるのです。
社員一人の声は小さくても、労働組合という組織を通すことで会社に行動することを要求できます。

4.労使間の信頼関係が向上する

労働組合の存在は、労使間の信頼を醸成するためにも重要です。労働組合は労働者の要望を取り上げ、企業はその要望を聞いて行動することで良好な関係を築けます。
結果的に労働者には会社への忠誠心が生まれ、よりいっそう業務に励むようになるでしょう。労働組合は労使双方にとって役立つ存在なのです。

労働組合に加入するメリットについてさらに知りたい方は、詳しく書かれたコラム「労働組合がないことによるデメリットって?」もご覧ください。

労働組合に加入するデメリット

労働組合は労働者を保護するために重要な組織ですが、加入のデメリットもあります。主な問題は組合費と組織力です。
労働組合によっては組合費が高額であるため、負担と感じる組合員もいます。労働組合の組合費は基本的に毎月の給与から天引きされるので、手取りが減ることを不満に感じる人がいるのも無理はありません。
さらに、労働組合が存在するもののあまり機能していない場合には、組合員の要望を適切に企業に伝えることができないという問題もあります。労働者としては毎月の組合費は支払っているのに、職場環境が一向に改善されないことになるでしょう。
労働組合がある会社で働くのであれば、組合費の金額や機能について前もって調べておき、納得したうえで加入するかを検討するのがおすすめです。

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