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メールで敬語を正しく使うには?気をつけるポイントを解説
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この記事のまとめ
- 敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類がある
- メールなどで間違えやすい敬語には、「二重敬語」「過剰敬語」が挙げられる
- メールで敬語を正しく使うなら、相手企業のことを「貴社」と書こう
- メールの相手に役職がある場合は、役職に「様」を付けず「〇〇部長」と書くのが正しい
- クッション言葉を添えると、さらなる印象アップを目指せる
「メールで敬語を正しく使えるようになりたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。敬語には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。「二重敬語」「過剰敬語」などに気をつけながら、シーンによって正しく使い分けましょう。クッション言葉も使いこなせるようになると、さらなる印象アップが図れます。このコラムでは、メールで敬語を正しく使うためのポイントをまとめました。
3種類の敬語をマスターしよう
敬語には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。3種類の敬語の意味を理解し、シーンによってうまく使いこなせるようにしましょう。ここでは、3種類の敬語についてそれぞれ解説していきます。
尊敬語
尊敬語は目上の相手に使う敬語で、主に相手を立てるときに使います。尊敬語の使用例は、以下のとおりです。
尊敬語の例
- ・する→される、なさる
- ・言う→おっしゃる、言われる
- ・行く→いらっしゃる、おいでになる
- ・食べる→召し上がる、おあがりになる
- ・聞く→お聞きになる
- ・与える→くださる
- ・待つ→お待ちになる
- ・会社→貴社、御社
上記のような尊敬語は、相手を主語にした動作を表す際の動詞に使用しましょう。また、相手企業の敬称には「貴社」「御社」を用います。尊敬語を使えば、相手を高め、敬意を表すことができます。
謙譲語
謙譲語は、自分を下げて相手を立てるときに使います。「へりくだる」や「謙遜」の意味があり、自分を低める表現です。謙譲語の例としては、以下のようなものが挙げられます。
謙譲語の例
- ・する→させていただく
- ・言う→申し上げる
- ・行く→うかがう
- ・食べる→いただく、頂戴する
- ・聞く→拝聴する、うかがう
- ・与える→いただく、頂戴する
- ・待つ→お待ちする
- ・会社→弊社
尊敬語とは違い、謙譲語で動作の主体となるのは自分自身です。たとえば、自分が上司をお迎えに行くシーンであれば、「お迎えに行きます」ではなく、「お迎えにあがります」「お迎えに参ります」と、自分をへりくだった表現を使いましょう。
丁寧語
丁寧語はその名のとおり、聞き手に対して丁寧に述べるときに使われる敬語です。尊敬語や謙譲語とは違い、使用する相手や話す内容は問いません。丁寧語の例は、以下のとおりです。
丁寧語の例
- ・する→いたします
- ・言う→申し上げます
- ・行く→参ります
- ・食べる→食べます
- ・聞く→聞きます
- ・与える→あげます、差し上げます
- ・待つ→待ちます
- ・買う→買います
丁寧語は語尾に「です」「ます」をつけることで、上品さを表現できます。ビジネスだけでなく、日常生活でもよく用いる敬語だといえるでしょう。
敬語の種類については、「就活で使う敬語とは?種類や正しい使い方を一覧で紹介」のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
メールや会話で間違えやすい敬語とは?
間違えやすい敬語には、「二重敬語」「過剰敬語」が挙げられます。これらを知っておくと、ビジネスシーンで正しい敬語を使うのに役立つでしょう。ここでは、「二重敬語」「過剰敬語」について詳しく紹介していきます。
二重敬語
二重敬語とは、1つの語に敬語を2回使うことです。よく間違えやすいパターンとしては、以下のようなものが挙げられます。
「役職」+「様」
社長や部長という役職を示す言葉自体が敬語となっているので、「部長様」「社長様」などのように「様」をつけるのは二重敬語にあたります。そのまま「部長」「社長」として、問題ありません。
「伺わせていただきます」
「伺わせていただきます」は、「伺う」「いただく」の2つが謙譲語にあたります。この場合は、「伺います」が正しい表現です。
「おっしゃられる」
「おっしゃられる」も、「おっしゃる」「される」の2つが尊敬語にあたるため、二重敬語に該当します。正しい敬語は、「おっしゃる」「お話になる」「話される」などです。
二重敬語の例については、「「発表させていただきます」は何が間違っているのか?」のコラムでも紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
過剰敬語
過剰敬語は、敬語を使いすぎたり、謙譲語や尊敬語が混在したりすることを指します。相手を敬いたい気持ちが過剰に表れてしまったときに起こりやすいようです。正しい敬語が身に着いていないと懸念される可能性もあるので、過剰敬語には注意しましょう。過剰敬語の例文と正しく言い換えた表現は以下のとおりです。
過剰敬語の例
- ・(誤)「〇〇の本はお読みになられましたか?」
- →(正)「〇〇の本はお読みになりましたか?」
・(誤)「〇〇様がいらっしゃられました」 - →(正)「〇〇様がお見えになりました」
・(誤)「後ほどメールで送らせていただきます」 - →(正)「メールでお送りいたします」
・(誤)「そちらは雪が降っていらっしゃるそうですね」 - →(正)「雪が降っているそうですね」
・(誤)「おビールはいかがでしょうか」 - →(正)「ビールはいかがですか」
「後ほどメールで送らせていただきます」は一見違和感がないように感じますが、「送らせて」「いただく」の2つの謙譲語が入っているため、文法的な誤りがあります。また、「おビール」のように、カタカナに「お」や「ご」を付けるのも誤りのため、避けるようにしましょう。
過剰敬語は知らず知らずのうちに使用してしまう傾向があります。敬語を正しく使うには、「これは正しい使い方なのか?」という疑問を持ち、常に学ぶ姿勢が大切です。また、日頃から意識して使うようにすると良いでしょう。
メールで敬語を正しく使うためのポイント
ビジネスメールでは間違った敬語を使ってしまうと、顧客や取引先の信頼を失ってしまう可能性があります。また、メールは顔が見えないことから、より丁寧な対応が必要です。ここでは、メールで敬語を正しく使うためのポイントを解説します。
初めてメールを送るとき
初めてメールを送る場合は、「初めまして」「突然のメール失礼いたします」などの挨拶から始めます。まだ顔を合わせておらず、メールでのやりとりも初めての相手に「お世話になっております」で始まるメールを送るのは避けましょう。「お世話になっております」は、2回目以降から伝えるのがポイントです。
相手企業のことを呼ぶとき
メールで相手企業のことを呼ぶ際は、「貴社」を使いましょう。会社の敬称には「御社」という表現もありますが、これは面接の場などの話し言葉で使うものです。メールなどの書き言葉では、「貴社」が正しい敬語のため、覚えておくと良いでしょう。
役職の相手を呼ぶとき
相手が役職のある立場の場合は、「〇〇部長」「〇〇課長」などと、苗字のあとに役職名を付けるのもポイントです。相手を敬いたいと思うあまり、「〇〇部長様」などと過剰敬語を用いてしまうと逆効果になる可能性があるため、注意しましょう。「〇〇部長」という呼び方に抵抗がある場合は、「部長の〇〇様」と呼ぶ方法もあります。
添付書類を確認してほしいとき
メールに添付した書類を確認してほしい場合は、「ご査収くださいますようお願い申し上げます」を使います。「ご査収ください」とは「よく調べて受け取ってください」という意味です。そのまま使うと上から目線になってしまうため、注意しましょう。「ご査収くださいますようお願い申し上げます」と謙譲語を用いることで、自分より立場が上の相手に対し、敬意を表すことができます。
確認したいことがあるとき
相手に何か質問したいことがある場合は、「~につきましてお尋ねさせていただきたく存じます」を使いましょう。自分の行為に対しては「ご質問があります」といった敬語表現は避けます。
お願いしたいことがあるとき
お願いするということは、相手に少しでも時間を割いてもらうということです。相手が忙しい状況にあることも考えられるため、「恐縮ですが、~お願いできますでしょうか」といった表現を使いましょう。「お忙しいところ申し訳ありませんが~していただけましたら幸いです」の使用も可能です。なお、「~してください」といった表現は、命令口調にもとれるため使わない方が賢明です。事前にクッション言葉を添えることで、相手も気持ちよく要望に応えてくれると考えられます。
クッション言葉で印象アップを目指そう
クッション言葉は、相手にお願いをするときや断るときに使用する言葉です。相手に言いづらいことも気遣いながら伝えることができるため、ビジネスの面においても役に立ちます。クッション言葉をうまく活用するためには、使用する適切なタイミングを知っておくことが大切です。ここでは、伝えたい内容ごとにクッション言葉を紹介します。
お願い・依頼・質問
相手に何かを依頼したいときや質問したいときに使うクッション言葉は、以下のとおりです。
- ・お忙しいところ恐縮ですが
- ・誠に勝手なお願いですが
- ・ご迷惑をおかけしますが
- ・大変失礼ですが
- ・差し支えなければ
- ・もし可能であれば
- ・よろしければ
- ・お手をわずらわせますが
- ・伺いたいことがあるのですが
- ・お使い立てて申し訳ございませんが
- ・お時間が許せば
- ・ご面倒でなければ
断り
相手にお願いされたことを断る際には、以下のクッション言葉を使用します。
- ・あいにくですが
- ・残念ながら
- ・せっかくですが
- ・〇〇したいのは山々ですが
- ・心苦しいのですが
- ・ありがたいお話ですが
- ・恐縮ですが
- ・申し訳ございませんが
- ・お気持ちは嬉しいのですが
- ・ご期待に添えられず申し訳ございませんが
- ・身に余るお言葉ですが
- ・お役に立てず申し訳ございませんが
反論・意見・指摘
相手に反対意見を述べたいときや指摘しなければいけないときは、以下のクッション言葉を用いましょう。
- ・老婆心ながら
- ・余計なこととは存じますが
- ・大変失礼とは存じますが
- ・誠に申し上げにくいのですが
- ・お節介とは思いますが
- ・お言葉を返すようですが
- ・おっしゃることは重々理解しておりますが
- ・確かにおっしゃる通りですが
報告・説明・感謝
相手に報告したいことがあるときや感謝の言葉を伝えたいときのクッション言葉は、以下のとおりです。
- ・おかげさまで
- ・ご心配かもしれませんが
- ・大変申し訳ないのですが
- ・あいにくですが
- ・お話し中大変恐縮ですが
- ・誠に勝手ながら
たとえば、メールで顧客に何かを報告する際、「〇〇を達成することができました」だけではただ単に報告のみの内容となります。好印象を与えたい場合は、「おかげさまで〇〇を達成することができました」と、クッション言葉を一文添えると効果的です。シチュエーションごとにクッション言葉をうまく使い分け、好印象なビジネスメールを目指しましょう。
クッション言葉については、「「夜分に失礼します」は正しい?ビジネスで使える表現例」のコラムも参考にしてみてください。
就職・転職活動において、敬語を正しく使用することは重要です。これから就職・転職活動を始めようかと考えている場合は、まず正しい敬語を理解することから始めてみると良いでしょう。履歴書や職務経歴書、面接などで役に立つほか、ビジネスマナーが身についているとして好印象に繋がる可能性もあります。もし「敬語の使い方にどうしても自信が持てない」「プロに指導してもらいたい」という場合は、ぜひハタラクティブまでご相談ください。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。