医療事務は既卒から目指せる？仕事内容や給料事情も解説

医療事務として働きたいと考えている既卒の方も多いのではないでしょうか。医療事務は未経験からも挑戦しやすく、既卒や第二新卒からの応募を歓迎する企業も多いです。興味のある人は転職を検討してみても良いでしょう。
このコラムでは、医療事務の仕事内容ややりがい、キャリアアップの方法などを紹介します。正社員やパートといった雇用形態による働き方や月給の違いも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

医療事務は既卒から目指せる

医療事務は、既卒で資格がない方や経験がない方も目指せます。医療事務の仕事は、働きながら知識を身につけてスキルアップができるからです。

そのため、医療事務の仕事に就きたいからといって専門学校に通い直したり、焦って資格を取ったりする必要はありません。未経験歓迎や急募の求人情報や安定した月給を得られる職場も多いので、興味がある方は積極的に応募をしてみましょう。

医療事務の仕事内容

この項では、医療事務の仕事内容をご紹介します。医療事務の仕事内容を事前に知ることで、入職してからのミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

受付

受付では、来院した患者から診察券や保険証を受け取ります。初診の患者に問診票を記入してもらい、診察券やカルテを作成するのも医療事務の仕事です。診察券や保険証を確認後、患者を診察室へ案内します。同時に、診察室にカルテを回すことも必要です。

受付が始まる前には、院内の清掃を行ったり、予約患者のカルテの準備を行ったりすることもあるでしょう。

カルテ管理

カルテとは、保険証の記載内容や診療内容など、患者についての情報がまとめられた書類です。診療内容は医師が記載しますが、保険証の記載内容は医療事務のスタッフが入力します。紙で管理するタイプとPCで管理するタイプがありますが、近年はPCで管理する電子カルテを導入している医療機関が多いようです。

そのため、医療事務の求人情報ではPCスキルがある人を急募している場合が多く、経験がなくてもトレーニングを受ければokとする医療機関もあります。

レセプト作成

レセプトとは、医療機関が市町村や健康保険組合などの保険者に対して医療費を請求する、診療報酬の明細書のことです。医療事務のメイン業務ともいえるでしょう。

レセプトには、患者がどの医療機関で何の科目で診察を受け、どのような診療行為を受けたかが記載されています。診療行為は点数化され、その点数によって診療報酬の額が決定する仕組みです。

会計

レセプト作成で計算した診療報酬額のなかから、患者が負担する代金を徴収します。病院の規模によって、会計スタッフと医療事務が分業されていることもあるでしょう。大学病院のような大きな病院では、医療事務が会計を行うことは少ないようです。一方、個人経営のクリニックのような病院では、受付やカルテ・レセプト管理、会計をはじめ、電話対応や診療補助などを医療事務が担当することもあります。

会計業務では、月給制で安定した月給を提供する求人情報も多いため、興味がある方は積極的に応募してみてください。医療事務の仕事内容については「医療事務は高卒からなれる！求人選びのコツや役立つ資格をご紹介」でも詳しく紹介しています。

医療事務の雇用形態

ここでは、雇用形態別に待遇や生活スタイルの特徴をまとめました。医療事務は、正社員やパート・アルバイト、派遣社員など、複数の雇用形態があります。自身のライフスタイルに合わせた雇用形態を選びましょう。最新の求人情報をチェックすると急募や経験不問の求人を確認でき、理想の雇用形態を見つけられるはずです。

正社員で働く医療事務の特徴

医療事務として正社員で働く場合、雇用と給与が安定して働きやすいことが特徴です。正社員として働く場合は、医療機関に直接雇用されます。同じ医療機関に長期的に勤められるため、患者や医師との関係性を深められるでしょう。ただし、複数の拠点がある医療機関に勤める場合は転勤の可能性があります。

給与が安定している

正社員として働く場合、毎月決まった月給が安定してもらえるのはメリットです。勤務先にもよりますが、ボーナスや退職金の制度が整っている職場も多いでしょう。厚生労働省の「令和５年賃金構造基本統計調査」によると、医療事務が含まれる「医療、福祉」の月給は以下のとおりです。

引用：厚生労働省「令和５年賃金構造基本統計調査第５－１表 産業､年齢階級別賃金及び対前年増減率（p1）」

正社員の給与面での魅力は、賞与（ボーナス）があることでしょう。
ただし、月給やボーナスの水準は職場や経験、地域などの条件によっても変化するので、上表は参考程度に捉えてください。

参照元
厚生労働省
令和５年賃金構造基本統計調査結果の概況産業別

雇用が安定している

医療事務に限らず、正社員は企業に直接雇用されており、さらに雇用期間の定めがありません。雇用期間の定めがないということは、雇用先が倒産しない限りは働き続けることができるということ。

アルバイトやパート、派遣社員の場合は、経営状況や勤務先の方針によって「契約延長はしない」といわれてしまう可能性があります。詳しくは「正社員が安定しているといわれる理由とは？契約社員との違いも解説」のコラムもご覧ください。

パートで働く医療事務の特徴

医療事務のパートとして働く場合、正社員と比較して勤務時間が短くなるのが一般的です。しかし、そのぶん自分の時間を確保したり家庭と仕事を両立したりしやすくなるでしょう。

デメリットは、社会保険の加入に条件があることやそもそも月給が十分に得にくいということ。また、限られた時間しか勤務できないため、知識やスキルを身につけるのに時間がかかるでしょう。スキルアップを目指す人にとってはデメリットといえます。

派遣社員で働く医療事務の特徴

派遣の医療事務員として働く場合、大病院から個人のクリニックまで、さまざまな勤務先を経験できるのが特徴。派遣会社と相談しながら医療機関を紹介してもらうことで、自分の希望に合った勤務先に出会える可能性が高まります。また、派遣会社によっては医療事務の研修を実施しているので、それを利用してスキルアップを目指すこともできるでしょう。

一方、長期間同じ職場で働けないことはデメリットでもあります。派遣社員は契約期間の上限が定められており、無期限に同じ職場で働くことはできません。また、正社員と比べて月給面などが充実していないこともあるでしょう。

医療事務の魅力

ここでは、医療事務の仕事の魅力ややりがいを紹介します。正社員やパートなど、さまざまな雇用形態に共通するものなので、ぜひ参考にしてみてください。医療事務の仕事に興味がある方は、最新の求人情報をチェックして自分に合った雇用形態や月給条件を見つけましょう。

1.人から感謝される仕事ができる

医療事務の仕事は、患者との接点が多いことが特徴です。資料作成や経理業務に携わることは一般的な事務職と似ていますが、直接人と関われることは医療事務の魅力でしょう。

医師や看護師、患者など多くの人と関わるため、感謝の言葉をもらえる機会も多いようです。人から感謝されることでやりがいを感じる方には、大きな魅力といえます。未経験者ok、学歴不問での応募をしている求人情報もあるので、人と接することに抵抗がない方は挑戦してみても良いでしょう。

2.アクセスの良い職場を見つけやすい

医療事務の仕事の特徴として、通勤のしやすさが挙げられます。医療機関は、全国のあらゆるところにあるものです。そのため、駅から近い場所やバスで通いやすい場所など、アクセスが良い場を見つけやすいでしょう。引っ越した先でも新しい求人情報を見つけるのが比較的容易なため、ライフプランの変化を控える方にもおすすめの仕事です。

3.プライベートと両立しやすい

医療事務の仕事は、比較的プライベートとの両立がしやすいのが魅力です。雇用形態は正社員だけでなく、パートやアルバイト、派遣などもあり、希望する月給条件、ライフスタイルに合う働き方を選べます。

勤務時間は、医療機関の診察時間が終わる夕方までが一般的です。診察時間や休診日はあらかじめ決まっていることが多いので、プライベートの予定を立てやすいことも医療事務の魅力といえます。医療事務のメリットについては「医療事務は高卒からなれる！求人選びのコツや役立つ資格をご紹介」でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

医療事務に向いている人

医療事務の仕事に向いているのは、細かい作業を正確かつ速くこなせる人やコミュニケーション能力がある人です。特に、既卒や第二新卒の方々にとって、経験不問で始められる職種として最適でしょう。

医療事務スタッフの業務のなかでも、レセプト業務では正確な情報を入力し、毎月迫る締切に対応する必要があります。また、患者の受付や案内業務では、気持ちの良い対応や細やかな配慮が求められます。人の気持ちに寄り添って親身に考えられる人には向いているでしょう。

医療事務を目指しているもののコミュニケーションに自信がない方は、「コミュニケーション能力を鍛えるには？具体的な方法をご紹介」をご一読ください。コミュニケーションが苦手な方に、意識すべきポイントをご紹介しています。

医療事務の正社員としてキャリアアップする方法

医療事務として働き始めたら、その後キャリアアップを目指す人もいるでしょう。既卒や第二新卒でパートや派遣から勤務を始めた方は、正社員になることで昇進やキャリアアップがしやすくなるため、雇用形態の変更も検討してみてください。

1.昇進を目指す

大きな病院で勤務する場合、医療事務のなかの管理職への昇進が目指せます。同じ医療機関で長く勤務し経験を積めば、昇進に繋がりやすくなるでしょう。昇進すると月給が高くなるだけでなく、チームマネジメントといったキャリアを積んでいるためほかの病院からも歓迎されやすいでしょう。

2.資格を取得する

医療事務の仕事に資格は必須ではありません。しかし、持っておくと転職やキャリアアップにつながりやすくなります。なかには比較的短時間で取得okな資格もあるので、忙しくてもキャリアアップを目指したい人は押さえておきましょう。

現在の日本には医療事務の国家資格がなく、すべて民間の資格です。受験資格が設けられていない資格も多く、既卒や第二新卒の方も受験しやすいでしょう。医療事務の資格については、「医療事務は高卒からなれる！求人選びのコツや役立つ資格をご紹介」でも紹介しています。

3.パソコンスキルを身につける

電子カルテやWeb予約システムをはじめとして、医療現場もIT技術を導入しています。そのため、医療事務として働く際は、データ管理や電子カルテの操作などの基本的なパソコン操作のスキルがあると重宝されるでしょう。スキルアップすることで、昇進や転職の際にも有利になります。

パソコンに関する資格を検討するのもおすすめ。「基本的なPCスキルとはどこまで？履歴書の記載方法とスキルの身につけ方」も参考にしてみてください。

4.転職を検討する

同じ医療事務の仕事でも、医療機関によって待遇は異なります。キャリアアップを目指すなら転職を検討するのも良いでしょう。現在の職場で経験を積みスキルを身につけておけば、急募の求人に応募ができます。医療機関によっては最初から好条件を提示しているところもあるので、求人情報のチェックを欠かさないようにしましょう。

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