中小企業の退職金の平均はいくら?制度の仕組みも解説!

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この記事のまとめ

  • 中小企業の退職金制度の導入率は71.3%(平成30年度時点)
  • 退職金相場は退職理由や学歴によって差が生じる
  • 大企業や公務員と比べた場合、中小企業の退職金は少なめ
  • 中小企業では退職後一括支払いの「退職一時金」を採用していることが多い
  • 退職後、支給されるまでは1ヶ月~6ヶ月程度かかるのが一般的

退中小企業に勤めている人、あるいはこれから転職を検討している人は、「勤め先が退職金を支給してくれるかどうか」が気になる人も多いでしょう。
本コラムでは中小企業の退職金モデルを始め、大企業や公務員との比べた金額、退職金制度の概要などを紹介しています。退職金への理解を深めて、今後のキャリアを見直すきっかけにしてみませんか。


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中小企業の退職金制度の有無を知ろう

まず最初に、退職金を導入している企業の割合についてご紹介します。以下は東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」の調査結果をまとめたデータです。
調査対象は従業員数が10~299人である東京都内の中小企業となっています。

退職金制度の導入率

今回の調査の集計企業数は全部で1,060社。このうち、退職金制度を導入しているのは756社で、全体の71.3%にあたります。さらに、導入している企業を産業別にチェックしていきましょう。

制度あり/集計企業数(単位:社、%)

・建設業 76/89(85.4)
・製造業 253/297(85.2)
・情報通信業 46/64(71.9)
・運輸業,郵便業 46/67(68.7)
・卸売業,小売業 127/181(70.2)
・金融業,保険業 40/50(80.0)
・不動産業,物品賃貸業 21/29(72.4)
・学術研究,専門、技術サービス業 46/65(70.8)
・宿泊業,飲食サービス業 15/52(28.8)
・生活関連サービス業,娯楽業 17/28(60.7)
・教育,学習支援業(学校教育を除く) 10/22(45.5)
・医療,福祉 18/53(34.0)
・サービス業(他に分類されないもの) 41/63(65.1)

退職金制度を導入している会社が多いのは建設業、製造業、金融業・保険業。この3業界は8割以上の会社が退職金を支給しています。反対に、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、教育・学習支援業は導入者数が全体の半分にも満たない結果です。
そのほかの業界は60%~70%を推移しています。

退職金制度がないのは違法?

退職金は法的に義務付けられていないため、退職金を支うかどうかは企業の判断によります。先述のデータ結果からも分かるとおり、中小企業の3割弱は退職金制度を導入していません。
傾向としては、大企業ほど導入率が高く、企業規模が小さくなるほど導入率が下がるようです。
いずれの場合も、退職金を求めるのであれば、就職先を決める際に制度の有無を確認しておくことが大切。
いま勤めている会社の退職金制度について調べたい場合は、企業の就業規則や賃金規則などで確認することができます。

参照元
東京産業労働局
小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)
7.退職金制度(32~34)
第7表-① 退職金制度

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中小企業の退職金相場

次に、中小企業の退職金相場をご紹介します。前項と同じデータを参考に、学歴別に退職金モデルをまとめました。

高校卒の場合

勤続10年

自己都合…898,000円
会社都合…1,227,000円

勤続15年

自己都合…1,702,000円
会社都合…2,230,000円

勤続20年

自己都合…2,796,000円
会社都合…3,441,000円

高専・短大卒の場合

勤続10年

自己都合…1,060,000円
会社都合…1,365,000円

勤続15年

自己都合…1,949,000円
会社都合…2,432,000円

勤続20年

自己都合…3,219,000円
会社都合…3,765,000円

大学卒の場合

勤続10年

自己都合…1,215,000円
会社都合…1,574,000円

勤続15年

自己都合…2,298,000円
会社都合…2,836,000円

勤続20年

自己都合…3,733,000円
会社都合…4,358,000円

上記のとおり、「自己都合」と「会社都合」のどちらの理由になるかで金額に差が出ることが分かります。また、学歴が上がるほど退職金の相場も高くなることも読み取れるでしょう。

参照元
東京産業労働局
中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)
8 モデル退職金(集計表 第8表)

中小企業の退職金は大企業や公務員と比べてどのくらい?

ここでは、大企業・公務員と中小企業の退職金の金額を比較してみましょう。
以下、資料(※3)を参考に【大卒・自己都合】で会社を辞めた場合の金額を比較しました。
なお、大企業については総合職のデータを参考にしています。

※単位:千円

勤続10年(公務員は10年~14年の結果)

大企業…1,915
中小企業…1,215
公務員…2,657

勤続15年(公務員は15年~19年の結果)

大企業…4,312
中小企業…2,298
公務員…5,359

勤続20年(公務員は20年~24年の結果)

大企業…8,224
中小企業…3,733
公務員…9,230

(※3)資料名は項目下記「参照元」に記載

金額がもっとも少ないのは中小企業、もっとも高いのは公務員です。ちなみに、この結果は大卒の一般職の金額を含めても変わりません。
また、勤続10年と勤続20年を比べてみると、10年よりも20年のほうが金額の開きが大きくなっているのが分かります。
勤続年数による金額の増加率は、大企業は329.45%、247.38%、207.24%。中小企業の場合、長く勤めても退職金が大幅にアップする可能性は低いようです。

参照元
東京産業労働局
中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)
8 モデル退職金(集計表 第8表)

参照元
e-Stat 政府統計の総合窓口
平成29年賃金事情等総合調査
平成29年退職金、年金及び定年制事情調査(表番号13-2)

参照元
e-Stat 政府統計の総合窓口
国家公務員退職手当実態調査(平成30年度)
退職手当の支給状況

退職金制度について知ろう

退職金制度は給付方法や金額の積立方法にいくつかの種類があり、どれを導入しているかは企業によって異なります。詳しくチェックしていきましょう。

給付方法

退職金の給付方法は以下の2種類に大別されます。

退職一時金

退職する際に一括で退職金を支給するタイプ。一般的な退職金とはこの給付方法を示すことが多いです。


退職年金(企業年金)

退職後、長期間に渡って徐々に退職金を支払っていくタイプ。企業は生命保険会社などの外部機関を利用しながら、退職年金を積み立てていきます。

ちなみに、「中小企業の賃金・退職金事情調査」にて「退職金を導入している」と解答した756社の内訳は以下の通り。

・退職一時金のみ 574社(75.9%)
・退職一時金と退職年金の併用 156社(20.6%)
・退職年金のみ 26社(3.4%)

中小企業では退職一時金を採用している企業が多いと分かります。

積立方法

一般的な退職金の積立方法は以下の2つのパターンです。

自社での積立

自社の利益を運用して退職金として貯蓄していくパターン。この場合、退職金のために積み立てたお金にも法人税が適用されます。そのため、母体の小さな零細企業などにおいては、自社での積立は負担の大きな方法といえるでしょう。

中小企業退職金共済制度を利用した積立

自社での積立が厳しい企業では「中小企業退職金共済制度」を利用することが多いです。中小企業退職金共済制度は国が運営する制度。この制度を利用すると積立金額に法人税がかからないので、社員の退職金が準備しやすくなります。

参照元
東京産業労働局
小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)
7.退職金制度(32~34)

退職金をもらえるタイミングは?

退職金の支給日は企業によって異なります。退職金制度の導入と同じように、支給日を定める法律は存在しないからです。

支給されるまで時間がかかる

退職金の支給においては、企業の経理や労務の担当が金額を算出したり書類作成したりと、入金の準備にある程度時間を要します。
共済制度を利用している場合、さらに時間がかかるでしょう。こういった背景から、退職後1ヶ月~6ヶ月の間に支給されるのが一般的。
ただ、場合によっては1年後など、支払いまで長期に渡ることもあるようです。
支給日の目安が気になる人は、前もって確認しておくことをおすすめします。

支払われないときは請求をしよう

制度を導入しているにもかかわらず、退職金を支給をしない場合は違法にあたります。
「一定期間待っても支払われない」「確認した支給日に入金がない」といった際には、担当者に問い合わせて請求しましょう。
請求があった場合は、7日以内に支給するように法律で定められています。もし7日過ぎても支給されないときは、労働基準監督署に相談してみてください。


退職金の有無や金額相場が分かると、無給期間の間に使える金額の目処が立ち、転職のスケジュールが立てやすくなります。「在職期間が短くて、もらえる金額が少なさそう」「退職金が尽きる前に次の仕事を見つけたい」といった際には、転職エージェントの利用がおすすめ。
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