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大卒無職者の就職は難しい?就活成功のための具体的な方法とコツを紹介
更新日
この記事のまとめ
- 大卒無職者は就職に不利な部分もあるが、無職期間が短ければ問題視されない場合もある
- 大卒無職者が就職活動を始めるなら、卒業後3年以内を目処に計画を立てるのがおすすめ
- 面接では、大卒無職期間中も就職するために努力していたことをアピールしよう
- 大卒無職の期間が長引いたら、将来のビジョンを明確にしモチベーションを高く保とう
- 大卒無職者が就活をするときは、ハローワークや就職エージェントなどの助けを借りよう
新卒時に就職先が決まらず大卒無職になった場合、内定をもらうのは難しいのでは?と考える人は多いでしょう。新卒に比べると不利になる可能性はあるものの、無職期間が短ければ就活に成功しやすくなります。大卒無職から脱出するためにも、早いうちに行動を起こしましょう。このコラムでは、大卒で無職の方に向けて就職を成功させるコツを紹介します。大卒で無職になった人の割合や、就活の方法にも触れるので参考にしてください。
大卒の無職者は就活で不利?
大学卒業後の無職期間が長くなると、新卒に比べ内定を獲得しにくくなると考えられます。しかし、無職期間が短ければ、特に問題視しない企業も多くあるようです。大卒で無職の人を対象にした求人の実態や、無職期間を長引かせないためのポイントを確認しておきましょう。
大卒無職者を新卒扱いにする企業の割合は全体の70%
新卒を対象とする求人であっても、既卒者の応募を受け入れている企業は少なくありません。厚生労働省の「令和5年8月労働経済動向調査(P14)」によると、令和4年度新卒採用枠で正社員の募集を行った企業のうち、既卒者の応募を受け付けていたのは全体の70%。このうち約38%が採用に至っています。
企業 | 令和4年度新卒者の採用枠で正社員の募集を行った | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
計 | 既卒者の応募の可否及び採用状況 | |||||
既卒者の応募可能 | 応募不可 | 無回答 | ||||
全体 | 採用 | 不採用 | ||||
100 | 70(100) | (38) | (62) | 29 | 1 |
引用元:厚生労働省「令和5年8月労働経済動向調査(P14)」
また、既卒者の新卒枠での応募における今後の方針については、不明・未定とする企業が約半数を占めたものの、応募可能と答えた企業(年齢条件付きのケースを含む)は全体の約40%、応募不可とする企業は約3%に過ぎませんでした。
企業 | 既卒者の新卒採用枠での応募における今後の方針(令和5年8月1日現在) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
計 | 応募可能 | 年齢により応募可能 | 応募不可 | 未定 | 本社等でしか回答不可 | 無回答 | |
100 | 28 | 13 | 3 | 31 | 17 | 8 |
引用元:厚生労働省「令和5年8月労働経済動向調査(P14)」
なお、厚生労働省が定めた「青少年雇用機会確保指針」には、新卒採用にあたり少なくとも卒業後3年以内は応募できるようにすることや、できる限り年齢条件を設けないよう努めることという指針が記されています。
実際に厚生労働省のパンフレット資料である「「新卒枠」での応募受付を!」によると、新規学卒者採用枠に応募可能な卒業後の経過期間として、上限はないとする企業が全体の約43%、3年以内に該当する企業が約50%を占めているのが現状です。
新卒採用枠に応募可能な卒業後の経過期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
計 | 上限はない | 3年超 | 2年超~3年以内 | 1年超~2年以内 | 1年以内 | 不明 |
100 | 43 | 4 | 29 | 8 | 13 | 1 |
引用元:厚生労働省「令和2年8月労働経済動向調査」
大卒で無職の人が就活をするなら、まずは卒業後3年以内を目処に計画を立てましょう。3年を超えると新卒採用枠に応募できる企業が少なくなり、20代後半になるとスキルや経験が求められる傾向があります。20代のできるだけ早いうちに無職から抜け出したい方は「20代のニートが就職する方法は?正社員の目指し方やおすすめの仕事を紹介」も確認してみてください。
大卒無職の期間が長引かないよう行動することが大事
無職の期間が長いと採用担当者にマイナスの印象を与えかねないため、早めに行動を起こしましょう。全く働いていない状態が長く続くことは、あまり良いとはいえません。無職期間が1年以上に及ぶ場合は、アルバイトをして「仕事をするのに問題はない」ことをアピールできるようにしておきましょう。
働いていなくても就職するための努力は続けていたことを示すのも一つの手です。無職期間に資格を取得したりセミナーに参加したりしていれば、採用担当者に仕事への意欲が伝わるかもしれません。ビジネスマナーを学んだり、関心のある業種や企業のインターンシップに参加して仕事への理解を深めたりするのもおすすめです。インターンシップについては「フリーターがインターンに参加するのはあり?参加のメリットとデメリット」でも解説しています。関心のある方は、あわせてチェックしておきましょう。
なお、大卒ニートの割合や就職するための方法が知りたい方は「大卒ニートの割合はどれくらい?就職に向けてできる行動や就活のコツを紹介」にて解説しています。ぜひ、参考にしてください。
大卒無職になってしまう主な3つの原因
大卒で無職になる原因は人それぞれですが、主なものは以下の3つです。無職になってしまう原因について詳しく説明します。
大卒で一度就職したが退職して無職になった
大学卒業後に一度は就職したものの、何らかの理由により退職して無職になる場合があります。離職理由として多いのは「労働・賃金条件がよくない」「人間関係が良くない」「肉体的・精神的苦痛」などです。「自分がやりたい仕事とは異なる」「仕事がうまくいかず自信を失った」ことを理由に辞める人もいます。
厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によると、大卒後に入社した人の3年以内の離職率(平成30年~令和2年)は、約31〜32%でした。離職者数でみると、約14万人ほどが新卒で就職後3年以内に退職しているのが現状です。
大学卒業年度 | 就職者数 | 3年目までの離職者数(離職率) | |||
---|---|---|---|---|---|
計 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | ||
平成30年3月卒 | 462,084人 | 144,047人 (31.2%) | 53,782人 (11.6%) | 52,012人 (11.3%) | 38,253人 (8.3%) |
平成31年3月卒 | 466,722人 | 146,890人 (31.5%) | 55,037人 (11.8%) | 45,307人 (9.7%) | 46,546人 (10.0%) |
令和2年3月卒 | 458,464人 | 148,016人 (32.3%) | 48,541人 (10.6%) | 51,715人 (11.3%) | 47,760人 (10.4%) |
令和3年3月卒 | 437,123人 | 107,209人 (24.5%) | 53,619人 (12.3%) | 53,590人 (12.3%) | - |
令和4年3月卒 | 448,485人 | 53,840人 (12.0%) | 53,840人 (12.0%) | - | - |
引用元:厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
また、独立行政法人労働政策研究・研修機構が調査した「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(2019年)」によると、初めて就職した会社を離職後、1年以内に正社員として働き始めた人は、41.9%(男性:54.3%・女性:33.0%)でした。一方、契約社員・派遣社員・アルバイトなどをはじめた人は38.8%、就職活動をした人は12.2%であり、離職後1年以内に正社員として再就職した人は決して多くないといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移
独立行政法人労働政策研究・研修機構
若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(P127)
大学在学中に就職先が決まらずに無職になった
大学在学中に就活をしたものの、内定をもらえず無職となるケースもあります。書類審査や面接に何度も落ちることにより自信を失い、就活を辞めてしまう人も少なくありません。不採用が続くとモチベーションを維持するのも難しく、休息を必要とする場合もあるでしょう。なかには希望に合う求人が見つからず、在学中に就職先が決まらない人もいます。
前項でも紹介した「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(2019年)」によると、大学を卒業した翌々月から1年以内に正社員として就職した人の割合は男女ともに約5%。同様に、大卒後1年〜3年以内に就職した人は男性が約9%、女性が約6%でした。在学中に内定をもらえず、卒業後に無職のまま数カ月〜数年を過ごす人が一定数いることがわかります。
大卒者 | 新卒就職者 | 既卒就職者 | 学び直しを した人 | ||
---|---|---|---|---|---|
卒業翌々月~ 1年以内 | 卒業から1年~3年以内 | 卒業から3年超 | |||
男性 | 81.1% | 5.45% | 8.95% | 3% | 1.5% |
女性 | 84.8% | 5.1% | 6.35% | 2.6% | 1.1% |
引用元:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(P22)」
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(P127)
内定をもらったが就職せずに無職になった
在学時の就活中に内定をもらったにも関わらず、入社せずに無職となる人もいます。内定はしたものの勤務条件が合わなかったり、企業の雰囲気や人間関係に不安を覚えたりして辞退することもあるでしょう。目指す企業や仕事へのこだわりが強く、内定を辞退するケースもみられます。
早々に内定をもらった場合は、より良い条件の企業での採用を期待して辞退する人もいるでしょう。しかし、新しい内定先が決まらなければ、そのまま無職となります。就活にあたり、希望する勤務条件を優先するのか、確実に内定をつかむのか、あらかじめ優先順位を決めておくことが大切です。
学校を卒業したあとに無職となり期間が長引いた場合、転職にどのような影響を与えるか確認したい方は「無職期間が長いと転職では不利?与える影響や効果的な過ごし方を解説」を参考にしてください。
大卒無職になりやすい4つの特徴
大卒で無職になりやすい人には、いくつかの特徴があります。自分に当てはまる特徴がないか確認しておきましょう。
1.コミュニケーションを取るのが苦手
大卒無職になってしまった人のなかには、コミュニケーションに苦手意識を持つ人がいます。社会に出ると、どんな仕事でも最低限のコミュニケーションは求められるものです。
しかし、コミュニケーションが苦手だと思いこんでいる人は人間関係に悩みがちで、自分の力を最大限発揮できない場合があります。コミュニケーション力を高めたい方は「コミュニケーション能力とは?スキルを鍛える具体的な方法をご紹介!」のコラムにも目を通しておきましょう。
2.人生で挫折や失敗経験が少ない
人生で挫折や失敗をした経験が少ないのも、大卒無職になりやすい原因に。就活は多くの挫折を経験する場です。第一志望の企業のみに応募して内定を勝ち取れる人は多くありません。複数の求人に応募しても内定を得られないケースもあるため、挫折経験が少ない人は就活中に心が折れてしまいがちです。就活中に今まで体験したことのない挫折を味わい、そのまま就職せず無職になってしまうこともあります。
3.性格が真面目過ぎる
性格が真面目過ぎる場合も、その使命感から挫折してしまいがちです。真面目過ぎる人は、一つひとつのことを丁寧かつ確実に進めようと、履歴書や面接対策も真剣に取り組みます。しかし、うまくいかずに自分で納得ができないとストレスを抱え込み、諦めてしまうこともあるでしょう。そのまま、自信を失ったり無気力になったりする場合があります。
4.働かなくても生計を立てられる
実家暮らしをしていたり、両親から仕送りをしてもらったりしていて、お金に困っていない人も無職に陥りやすいといえます。就職しなくても生計を立てられる場合「無理に働かなくても良い」と考える人もいるでしょう。現状の生活に不自由していない場合は、就職する自分を具体的にイメージできないかもしれません。
前向きな気持ちで就職活動を進めるために「無職の不安を解消するには?就職活動のコツやおすすめの支援サービスを紹介」のコラムも見て不安な気持ちを取り除きましょう。
大卒無職の期間が長引いても就活を成功させるコツ
大卒で無職期間が長引いてしまった場合は、次の5つのポイントを踏まえて就活に取り組みましょう。
1.自己分析を行い自分と向き合う
自己分析をしっかり行い、自分の適性に合う仕事を知ることが重要です。自己分析を行う際は「なぜなかなか内定を獲得できなかったのか」「なぜ無職の期間が長くなってしまったのか」といった原因にも向き合いましょう。面接で尋ねられたときに答えられるよう準備しておく必要があります。
自己分析を行った上での反省点や、改善に向けて努力している点も伝えると、高評価につながるはずです。自己分析のやり方は「フリーターが自己分析するのは何のため?やり方がわからない方へのヒント集」のコラムで詳しくまとめています。ぜひ、参考にしてください。
2.将来のビジョンを明確に描く
就職へのモチベーションを高く維持し続けるためには、将来どうなりたいかを明確に描いておくことが大切です。なかなか内定をもらえなかったり無職の生活に慣れてしまったりすると、自分のやりたいことがわからなくなることもあるでしょう。自己分析を踏まえたうえで将来のビジョンを設定すると、企業選びの軸が決まりやすくなり今すべきことが明確になります。
3.業界・企業研究を徹底する
関心のある業界や、就職したい企業の研究を十分に行うことも大切です。大学在学時の就活中にリサーチをした人も、新卒者に差をつけるために再度深堀りしておきましょう。企業が求める人物像に近づけるよう努力したり自己アピールしたりすると、採用担当者に良い印象を与えられるはずです。時間をかけてじっくりと研究しましょう。
業界研究のやり方を詳しく知りたい方は「業界研究のやり方は?就活に役立つノートの作り方とポイントを紹介」のコラムで具体的に解説しています。ぜひ、あわせてチェックしてください。
4.資格やスキルを取得する
資格やスキルを取得して手に職をつける方法も有効です。入社後、即戦力として活躍できるような資格やスキルがある人は、無職からでも就職できる可能性が高くなります。資格やスキルを取得するとモチベーションにつながり、資格を活かせる仕事に就きたくなる人もいるでしょう。
特に「現状の環境を変えたい」「働く意欲が欲しい」と思っている人にはおすすめの方法です。稼げる資格やスキルを詳しく知りたいなら「高収入を目指せる資格は?将来に繋がる資格について解説」にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
5.ボランティア活動に参加する
就活につながるボランティア活動に参加するのも良いでしょう。特に、人とのコミュニケーションが苦手な人や、仕事に就くことに不安を感じている人におすすめです。ボランティア活動を通じて人間関係を構築したり、将来的にやりたいことを具体化できたりと、メリットがたくさんあります。
ただし、ボランティア活動に参加するだけでは、就活に有利になるとはいえません。ボランティア活動を行う目的を明確にして取り組み、経験から得られた気づきや今後のビジョンなどを伝えられれば、企業側にアピールできるでしょう。
不安なら専門家の支援を受けることも検討しよう
一人での就活が不安なら、就職支援を専門とする職業相談員などの支援を活用しましょう。大学卒業後に就活を一人で行うのは、簡単ではありません。あまりの辛さに、途中でめげそうになることもあるでしょう。無職の状態から脱出するには、強い意思を持って諦めずに活動を続ける必要があるため、専門家の支援を受けながら一人で頑張らないことが大切です。
ハローワークや就職支援といった第三者のサービスを利用すると、自分では知ることのできない情報を得られる可能性があります。第三者の支援を受けることで、より効率よく活動を進められるでしょう。
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特に、年齢を重ねると周囲との差がひらき「このままで良いのだろうか」と悩む人もいるでしょう。収入が不安定なことなどを理由に、金融機関や不動産の審査が通らないケースもあります。フリーターの期間が長くなるほど就職が難しくなる傾向があるので、早めに就活を始めて正社員でのキャリアをスタートしましょう。「正社員のデメリット・メリットとは?派遣や契約社員についても解説!」では正社員になるメリットを解説しているためあわせてご覧ください。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。