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大卒と高卒の違いは給料だけじゃない?就職時のメリットや就活のコツも解説
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この記事のまとめ
- 大学と高卒では、人数や履歴書に記載する学歴に違いがある
- 大学と高卒の違いには社会人経験の長さや学費、就職率なども含まれる
- 大卒と高卒とでは、メリットとデメリットにも違いがある
- 高卒者の仕事探しは、専門知識や資格を得たり就職しやすい分野を見つけたりするのがコツ
- 就職成功を図るには、エージェントのサポートを活用するのも手
就職の場において、大卒と高卒ではどのような違いが見られるのか知りたい方もいるでしょう。大卒と高卒とでは、社会人になるスピードや就職状況、就職しやすい仕事、生涯賃金などに違いがあります。
このコラムでは、大卒と高卒の違いについてまとめました。大卒と高卒それぞれのメリット・デメリットも解説しているので、これから就職活動を始める方はぜひ参考にしてみてください。
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高卒と大卒の10個の違い
「大卒と高卒の違い」と聞くと、もらえる給料の差を思い浮かべる方もいるでしょう。しかし、大卒と高卒の違いは給料だけでなく、人数や応募できる求人数、社会人になる早さなど、さまざまな点が挙げられます。
この項では、大卒と高卒それぞれの違いを10個紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
高卒と大卒の違い
1.高卒者と大卒者の人数
文部科学省の「令和6年度学校基本調査(確定値)について公表します。 (p.5)」によると、高校卒業後に高等教育機関(大学・短大・高等専門学校)へ進学する人の割合は87.3%でした。この結果から、最終学歴が高卒の方は大卒の方よりも少ないといえるでしょう。
2.履歴書に記載する最終学歴
応募資格として、「大卒以上」と最終学歴の条件を設けている企業もあります。大卒者は「高卒以上」「大卒以上」のどちらにも応募可能です。
一方で、高卒の方は基本的に、「大卒以上」と記載のある求人には応募できません。そのため、大卒者のほうが高卒者よりも応募できる求人の幅が広がるでしょう。
高卒の場合は応募条件に注意しよう
履歴書において、高卒と大卒では、記載する最終学歴が異なります。高卒者が大卒を要件としている求人に応募した場合、書類審査の段階で候補から外される可能性が高いので留意しておきましょう。
なお、大学に進学し、途中で退学した場合の最終学歴は高卒となります。学んでいた分野や資格の取得状況などによっては、「大卒以上」と記載がある求人に応募して選考に通る可能性もありますが、基本的には「高卒以上」の求人に応募するのが無難です。
大卒の場合は求人の選択肢が多い
大卒の場合は、高卒者よりも求人の応募条件に関する懸念が少なくなります。研究職を目指す場合は、大学院卒を要求される場合もありますが、基本的にはほとんどの求人に応募できるでしょう。
履歴書の通過率
「高卒以上」が応募条件の求人には、大卒者や専門学校卒者も応募可能です。そのため、書類選考時に高卒者と大卒者の評価が同等だった場合、最終学歴が「大卒」の履歴書のほうが通りやすいことも。企業が求める応募者の学歴は求人情報だけでは十分に把握できず、「高卒以上と記載がある求人なら必ず採用される」とは言い切れないので注意しましょう。
3.社会人になる早さ
高卒者は大卒者よりも早く社会に出るため、社会人経験は高卒者のほうが長くなることが一般的です。社会人としての経験を重視する業界や企業もあり、社会人になる早さはキャリア形成において優位に働くこともあるでしょう。
キャリアアップ
技術や実戦的な経験が重要な仕事では、社会人経験がキャリア形成に必要とされやすい傾向にあります。そのため、大卒者よりも先に社会人になった高卒者のほうが、キャリアアップを早く目指せる可能性があるといえるでしょう。
一方で、学歴がキャリアに影響する業界や企業では、あとから入社した大卒者が経験年数の長い高卒者よりも先に、昇進・昇給することも考えられます。学歴による評価を避けたい場合は、企業選びの際によく調べることが大切です。
4.受験費や学費
大学進学のためには、学費や受験費などの費用が掛かることが一般的です。一方、大学進学を目指していない場合は、これらの費用は掛かりません。
なお、費用をおさえて大学進学を目指すことは可能です。具体的には、私立大学に比べて学費が安い国立大学を目指したり、特待生や奨学金の支援制度を利用して金銭的な負担を減らしたりする方法があります。
5.就職状況
高卒と大卒では、就職状況においても違いがあります。下記で詳しく解説するので、ぜひご一読ください。
高卒の就職率
文部科学省の「令和6年3月高等学校卒業者の就職状況(令和6年3月末現在)に関する調査について」によると、高卒者の就職率は98%であることが分かります。就職を希望する高卒者は、就職を実現できている場合が多いといえるでしょう。
大卒の就職率
厚生労働省の「令和6年3月大学等卒業者の就職状況 (4月1日現在)を公表します」によると、大卒者の就職率は98.1%でした。高卒者の就職率は98%であったことから、学歴による就職率に差はないため、大卒者が就職に有利であるとはいえないでしょう。
企業規模別の就職率
就職先の企業規模を見てみると、高卒と大卒とで違いがあります。以下の表は、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「新規学卒採用の現状と将来―高卒採用は回復するか―」を参考に、2004年の企業規模別の就職率をまとめたものです。
高卒 | 大卒・大学院卒 | |
---|---|---|
50人未満 | 32.3% | 12.4% |
50人~99人 | 45.9% | 32.1% |
100人~299人 | 59.4% | 60.0% |
300人以上 | 56.2% | 86.7% |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「新規学卒採用の現状と将来―高卒採用は回復するか―(p.8)図表Ⅰ- 8 企業規模別・学歴別・新卒採用有り企業の割合」
表を見ると、規模の大きい企業へ就職する割合は、高卒よりも大卒のほうが多いことが分かります。高卒で大企業に就職したいと考えている場合は、大卒者に比べると難易度が上がる点に留意しておきましょう。
6.離職率
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」によると、新卒者の3年以内の離職率は、大卒者が34.9%、高卒者は38.4%でした。この結果から、高卒者のほうがやや離職率が高いことが分かります。
高卒者のなかには、「就職先を選ぶ際に希望の企業を見つけられず、妥協して内定を受けた」という人もいるようです。そういった場合、やりがいやモチベーションが低下し、早期離職につながることも。その結果、大卒者に比べて離職率が高くなっていると考えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
7.就職できる仕事
就職できる仕事においても、高卒と大卒で違いがあるといえます。下記で詳しくみていきましょう。
高卒が採用されやすい仕事
一般的に高卒者は、ブルーカラーと呼ばれる製造業や建設業、林業、漁業といった仕事で採用されやすいといわれているようです。厚生労働省の「令和6年度『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況』取りまとめ(7月末現在)」からも、高校新卒者を対象とする製造業や建設業のハローワーク求人は多い傾向にあると分かります。
大卒が採用されやすい仕事
大卒者は、一般的にホワイトカラーと呼ばれる仕事で採用されやすいといわれています。ホワイトカラーの仕事として、医師や教師、研究職などが挙げられます。研究職や学者など高度な知識を求められる職種では、大卒以上の学歴が必要な場合が多く、医師や教師といった職種では、専門的な知識だけでなく資格が必要です。
ホワイトカラーと呼ばれる仕事のなかには、学歴よりも能力を重視する企業もあるようなので、自分の希望に合った就職先を選びましょう。
8.待遇と福利厚生
高卒者の初任給を、大卒者よりも低く設定している企業もあります。これは、大卒者のほうがより高い知識や技術をもっているとみなされる場合があるからです。一部の企業では、大卒者に比べて高卒者の出世が遅れる可能性もあるでしょう。
福利厚生については、学歴によって左右されることは多くないようです。高卒者も中卒者も条件を満たすことで、休暇や手当を受けられるでしょう。
9.転職市場
転職の際は、これまでの実績や経験が重視される傾向にあります。高卒者は大卒者よりも早く就職し社会人経験を積んでいるため、社会人としての基本マナーやスキル、業務経験をもっていると考えられやすく、転職市場において有利な場面もあるでしょう。
また、転職時は実績があれば学歴を問われないこともあるようです。そのため、高卒者の転職では社会人経験をうまくアピールすることで、希望する企業への就職成功を叶えられる可能性があります。
とはいえ、すべての企業で学歴が関係しないとは限りません。転職先によって求められる条件は異なるため、志望する分野の募集要項をしっかりと確認することが重要です。
10.生涯賃金
高卒と大卒では初任給や平均年収に差がある場合が多い傾向にあるため、生涯賃金も異なります。ユースフル労働統計の「ユースフル労働統計労働統計加工集2024」によると、学校卒業後60歳までフルタイムの正社員として働いた場合の生涯賃金は以下のとおりです。
学歴 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
高卒 | 2億1,000万円 | 1億5,000万円 |
大卒 | 2億5,000万円 | 2億円 |
参照:ユースフル労働統計「ユースフル労働統計労働統計加工集2024(p.302)21 生涯賃金など生涯に関する指標 ③ 作成結果の説明」
この結果から、一般的には男女ともに大卒者のほうが生涯賃金が高いことが分かります。しかし、企業によって初任給や昇給の基準、ボーナスの金額などはさまざま。成果を上げたり、役職に就いたりすることで、高卒者が大卒者以上の収入を得られる可能性もあります。
高卒と大卒の平均賃金の差が気になる方は、「高卒の平均年収は大卒とどれくらい違う?給与の高い仕事と収入アップのコツ」のコラムも参考にしてみてください。高卒者と大卒者の平均賃金差や、業界別の年収ランキング、高収入を得るための方法も紹介しています。
初任給と平均年収
先述したように、高卒と大卒の生涯賃金に差がある理由として、初任給と平均年収に違いがあることが考えられます。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、高卒者の初任給が16万7,400円であるのに対し、大卒者は21万200円でした。
学歴 | 初任給 |
---|---|
高卒 | 16万7,400円 |
大卒 | 21万200円 |
引用:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(p.2)第1表 性、学歴別初任給及び対前年増減率の推移」
上記の結果から、高卒と大卒の初任給の差は約5万円であることが分かります。年齢を重ねるにつれて収入も上がりますが、高卒と大卒の差は縮まらない傾向です。詳しくは、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」をもとに作成した以下の表をご確認ください。
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
高卒 | 大卒 | 高卒 | 大卒 | |
~19歳 | 19万2,300円 | - | 19万0,400円 | - |
20~24歳 | 22万2,400円 | 24万2,300円 | 20万5,900円 | 23万6,900円 |
25~29歳 | 25万0,900円 | 28万2,100円 | 21万6,000円 | 26万1,100円 |
30~34歳 | 27万3,600円 | 32万3,000円 | 22万3,000円 | 28万5,700円 |
35~39歳 | 29万5,400円 | 37万4,800円 | 23万0,500円 | 30万8,200円 |
40~44歳 | 31万9,300円 | 42万0,400円 | 23万4,900円 | 32万5,600円 |
45~49歳 | 34万1,000円 | 46万0,200円 | 24万3,000円 | 34万0,300円 |
50~54歳 | 35万5,700円 | 49万9,300円 | 24万7,900円 | 37万2,400円 |
55~59歳 | 36万0,500円 | 52万0,600円 | 24万6,300円 | 38万6,100円 |
60~64歳 | 28万7,200円 | 39万0,600円 | 21万9,100円 | 33万8,100円 |
65~69歳 | 24万9,100円 | 37万5,200円 | 20万5,600円 | 31万4,800円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況(p.8)第3表 学歴、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率」
上記の表を見ると、男女ともに50から59歳までは年齢が上がるにつれて賃金は増えていますが、高卒よりも大卒のほうが収入の増え幅が大きいことが分かります。
55〜59歳の賃金を年収に換算すると、男性の場合は高卒が432万6,000円で大卒が624万7,200円、女性の場合は高卒が295万5,600円で大卒が463万3,200円。ここから、高卒と大卒の年収の差は男性で約192万円、女性で約168万円と計算できます。
学歴による年収の違いは、生涯賃金の格差に影響しているといえるでしょう。
大卒よりも高卒のほうが生涯賃金が高いことも
一般的に、初任給や平均年収は大卒のほうが高いといわれていますが、場合によっては高卒のほうが生涯賃金が高くなることもあります。たとえば、中小企業の一般事務職として就職した大卒者と、大企業の営業職として就職した高卒者では、後者のほうが生涯賃金が高くなると考えられるでしょう。
高卒者が大卒者の生涯賃金を目指すのであれば、企業規模の大きい会社や成果主義の会社へ就職するのがおすすめです。
参照元
文部科学省
学校基本調査-令和6年度 結果の概要-
令和6年3月高等学校卒業者の就職状況(令和6年3月末現在)に関する調査について
厚生労働省
令和6年3月大学等卒業者の就職状況 (4月1日現在)を公表します
令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
独立行政法人労働政策研究・研修機構
新規学卒採用の現状と将来―高卒採用は回復するか―
ユースフル労働統計
ユースフル労働統計2024 ―労働統計加工指標集―
高卒で就職するメリット・デメリット
この項では、高卒で就職するメリットとデメリットをご紹介します。就職と進学で迷っている場合や、これから就活をスタートする方は、ぜひ参考にしてみてください。
高卒で就職するメリット
高卒で就職する場合、「大学の学費が掛からない」「経済的自立が早い」などがメリットです。それぞれについて、以下で詳しく紹介します。
大学の学費が掛からない
大学に進学する場合は受験費や学費などが必要になり、奨学金を借りる場合は将来的に返済する必要があります。一方、高卒であれば大学進学に掛かる費用を支払う必要がないため、経済的負担が大幅に軽減されるでしょう。
経済的自立が早い
大学進学の場合、親に学費や生活費を援助してもらうことが一般的ですが、高卒で就職すれば大卒よりも早く経済的に自立できる可能性があります。これにより、結婚や子育てなどのライフイベントを早く経験できたり、若いうちから家や車をもつことも検討しやすかったりするでしょう。
キャリアチェンジがしやすい場合もある
キャリアチェンジをする場合、高卒者は大卒者よりも就活を有利に進められる可能性があります。未経験の仕事に挑戦したい場合、社会人3〜4年目に転職するのが一般的です。大学卒業後に就職した会社を3年で離職すると25歳。一方で、高校卒業後に3年で離職した場合は21歳となり、大卒者の新卒就職時の年齢より若くなります。年齢が若くポテンシャルに期待でき、社会人経験もあるため、転職先の企業によっては大卒よりも有利に進められるでしょう。
高卒で就職するデメリット
高卒で就職するデメリットとして挙げられるのは、「基本給が低い」「大卒よりも自由な時間が少ない」「職業選択の時間が短く視野が狭まりがち」などです。下記で詳しく紹介します。
基本給が低い
高卒者のデメリットの一つは、一般的に大卒者と比べて基本給が低いことです。企業や職種によって異なるものの、高卒者の基本給を大卒者よりも低く設定している企業があります。
大卒よりも自由な時間が少ない
高校卒業後に就職する場合は、大学生と比べると自由に使える時間が少なくなるでしょう。社会人になると、起きている時間の半分ほどが仕事になります。場合によっては、職場の人との付き合いで退勤後に時間を必要としたり、帰宅後に仕事に必要な勉強をしなければならなかったりすることも。そのため、高卒者は大卒者よりも自分のために使える時間が少なくなるといえるでしょう。
職業選択の時間が短く視野が狭まりがち
高卒の方が就職先を選ぶ際、「自分に合った職業は何か?」を基準に求人を探す方もいるでしょう。大学に進学する場合、4年間かけて選択肢を絞れますが、高卒の場合はあまり余裕がありません。そのため、自分に合った職業を見つけるのが難しく、長期間アルバイトやニートとして過ごす場合もあるようです。時間が経つにつれて視野が狭まり、選択肢が限られることも考えられるでしょう。
高卒から就職するメリット・デメリットについては、「高卒で就職するメリット・デメリットは?大卒との違いやおすすめの職業を紹介」のコラムでも紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
学歴コンプレックスを抱く可能性がある
高卒で就職する場合、学歴コンプレックスを抱く可能性があります。企業によっては、大卒や大学院卒のほうが昇進しやすかったり、初任給が高かったりすることもあるため、不公平と感じる人もいるようです。
また、日本では大学進学する人は珍しくないため、人によっては高卒であることに自信をもてなくなり、自己評価が低下してしまうこともあるでしょう。このような学歴コンプレックスを克服するためには、自分の強みやスキルに焦点を当て、自己成長に努めるのがおすすめです。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
大卒で就職するメリット・デメリット
この項では、大卒で就職するメリットとデメリットを紹介します。以下でそれぞれについて詳しくご紹介するので、チェックしてみてください。
大卒で就職するメリット
大卒で就職するメリットには、「大卒の学歴が役立つことがある」「専門的な知識や経験を得られる」「自由な時間を有効活用できる」などが挙げられます。それぞれについて、以下で詳しくみていきましょう。
大卒の学歴が役立つことがある
大学を卒業することで、将来転職を考えた場合に大卒以上が必要な企業に挑戦できます。さらに、新しい分野を学びたい場合に、社会人向けの大学院に通いながら仕事をすることも可能です。
一時的に働けない期間があっても、大卒の資格をもっていれば再就職のハードルが下がる可能性もあり、さまざまな状況で役立つでしょう。
専門的な知識や経験を得られる
専門的な知識や経験を得られることも、大学進学のメリットの一つです。特定の教育課程を修了すると取得できる資格もあるため、興味のある分野や就きたい職業が明確な場合におすすめです。
自由な時間を有効活用できる
大学生の主な活動は学業ですが、高卒者と比べると時間的な余裕があります。アルバイトやサークル活動などに加えて、留学や海外旅行など、大学生ならではの経験をする方もいるでしょう。なかには、「海外経験が豊富な人材は自主性が高い」と捉える企業もあるようです。
大卒で就職するデメリット
大卒で就職するデメリットには「高卒よりも学費が掛かる」「時間を無駄にする可能性がある」「高卒よりも社会に出るのが遅くなる」などが挙げられます。以下で詳しく紹介するので、チェックしてみてください。
高卒よりも学費が掛かる
大学へ進学すると、高卒に比べて受験費や学費がかかります。地元を離れて一人暮らしをする場合は、家賃や食費などの生活費もかかるでしょう。奨学金を借りる場合は、卒業後から返済しなければならず、金銭的に負担が掛かる点はデメリットといえます。
時間を無駄にする可能性がある
大学は自由度が高いため、人によっては勉強を怠ったり、無気力になったりしてしまうようです。学業や興味のあることに集中できず、結果的に「ただ時間を無駄に過ごした」と後悔する可能性も考えられます。
一方、高卒で就職すると、大学生が学校に通っている期間に働きながらスキルや知識を身につけられるため、高卒者と大卒者の間で経験やスキルの差が生じることもあるようです。
高卒よりも社会に出るのが遅くなる
高卒で就職する場合、10代から社会に出て働きます。大卒の場合は早くて22歳、大学院進学や留年、休学した場合は23〜25歳で社会に出るのが一般的です。年齢的には、大卒のほうが社会に出るタイミングが遅く、年齢が上がったことがキャリアチェンジの際に影響する可能性もあるでしょう。
大卒のメリットとデメリットについては、「大卒に意味はある?大学に進学するメリット・デメリットを紹介」のコラムも参考にしてみてください。
大卒になる意味とは?
学びたいことがある場合や資格が取得できる場合は、大卒になる意味があるといます。専門性の高い医師や看護師、教師などの仕事に就きたい場合は資格が必要であり、試験を受けるためには大学で特定の教育課程を修了しなければなりません。研究職や学者を目指す場合も、大学や大学院でより専門性の高い知識を身に付ける必要があります。また、入りたい企業が「大卒以上」を対象にしている場合も、大卒になる意味があるといえるでしょう。
大学進学に興味を持った方は、「大学に入り直すのはあり?メリット・デメリットや金銭面の負担を解説」のコラムもぜひチェックしてみてください。
高卒から目指しやすいおすすめの職種・業種
高卒から目指しやすいおすすめの職種や業種には、以下のようなものがあります。
- ・ITエンジニア
- ・営業職
- ・建設作業員
- ・配送員
- ・Webマーケター
- ・飲食店スタッフ
- ・アパレルスタッフ
- ・介護職
上記以外にも、高卒から就職を目指せる仕事は多くあります。就職と進学で迷っている場合は、自分の興味関心がある分野や職業について考え、大学卒業が必要かどうか、または高校卒業で十分かを検討することが大切です。
「どうやって就職先を選べばいいのか分からない」と悩む高卒の方は、「高卒の就職先におすすめの業界・職種一覧!向いている人の特徴も紹介」のコラムもぜひご一読ください。高卒者におすすめの業界や人気の職種をご紹介しています。
高卒者が就職を成功させるコツ
高卒で就活を行う方のなかには、「高卒からの就活がうまくいくか不安…」という方もいるでしょう。高卒の就活を成功させるためには、次の5つのポイントを抑えることが大切です。
高卒者が就職を成功させるコツ
- 資格取得を経て専門知識をアピールする
- 具体的な数字を用いて自己PRを行う
- 就職を叶えやすい業種に絞る
- 求人数の多い企業を狙う
- 就職・転職エージェントを活用する
資格取得を経て専門知識をアピールする
専門性や難易度の高い資格を取得し、専門知識をアピールすることで、高卒からの就活が成功しやすくなります。高卒からの取得におすすめな民間資格は以下のとおりです。
- ・秘書技能検定
- ・マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- ・日商簿記検定
- ・調剤事務管理士技能認定試験
- ・医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- ・ネイリスト技能検定試験
- ・NSCA認定パーソナルトレーナー
- ・TOEIC
- ・登録販売者試験
- ・整体師
上記のような資格を取得しておくと、「専門的な知識が身に付いている」というアピールになり、入社後に即戦力として期待されることも。また、以下のような高卒からも取得可能な国家資格を取得するのもおすすめです。
- ・宅地建物取引士
- ・FP技能士(ファイナンシャル・プランニング技能士)
- ・司法書士
- ・行政書士
- ・弁護士
- ・公認会計士
- ・ITパスポート
- ・基本情報技術者
- ・調理師
- ・製菓衛生師
弁護士や公認会計士といった国家資格の取得には、大学進学をしなければ難しいイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、実際には受験資格に学歴要件はなく、高卒者も試験に合格することで国家資格を得られます。国家資格は社会的信用度が高く、職種や企業によっては採用条件に含まれることもあるため、就活で有利に働きそうな資格がある場合は取得を検討してみましょう。
それぞれの資格の詳細については、「高卒でも取れる資格はある?おすすめ27選と就活事情をご紹介」のコラムでまとめているので、ぜひご一読ください。
具体的な数字を用いて自己PRを行う
高卒の方が就活で自己PRを効果的に行うためには、具体的な数値や実績を示すことがポイントです。アルバイトや部活動での成果を数値やデータで具体的に説明すると、自身の実績がより明確に伝わるでしょう。
また、TOEICのスコアが高い場合や、業務で役立つ資格を取得していることなどもアピールポイントにつながりやすいといえます。
就職を叶えやすい業種に絞る
高卒の就活を成功させるためには、需要が高く人手不足が進む業界を選ぶのが有効です。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和6年11月分)について」によると、求人数が多い業種は以下のとおりでした。
業種 | 求人数 |
---|---|
医療,福祉 | 21万3,363件 |
サービス業 | 10万9,614件 |
卸売業,小売業 | 10万2,674件 |
製造業 | 7万2,644件 |
建設業 | 6万5,329件 |
引用:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年11月分)について(p.4)第3表-1 主要産業別、規模別一般新規求人状況 主要産業別、規模別一般新規求人状況(新規学卒者を除く)」
高齢化が進む現代では医療・福祉業界の需要が高まっており、求人数も多くなっています。医療の仕事では資格が求められる場合がありますが、医療事務や福祉関係の仕事などでは学歴不問や未経験の求人もあるようです。
医療・福祉以外の4つの業界についても人手不足が叫ばれており、学歴を問われない傾向にあります。需要が高く人手不足が進む業界のなかから職種を選ぶ際は、同資料の「第3表-2 産業別一般新規求人状況(新規学卒者を除く)(p5)」にある職種別の求人数も確認しましょう。
参照元
厚生労働省
一般職業紹介状況(令和6年11月分)について
求人数の多い企業を狙う
高卒から正社員就職を目指す場合は、求人数が多い企業を狙うのもおすすめです。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和6年11月分)について」によると、従業員数が29人以下の求人は51万0,137件、次いで従業員数が30~99人以下の求人が18万6,024件です。
企業規模 | 求人数 |
---|---|
29人以下 | 51万0,137件 |
30~99人 | 18万6,024件 |
100~299人 | 7万1,738件 |
300~499人 | 1万4,491件 |
500~999人 | 1万0,380件 |
1,000人以上 | 9,697件 |
引用:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年11月分)について(p.4)第3表 - 1 主要産業別、規模別一般新規求人状況 主要産業別、規模別一般新規求人状況(新規学卒者を除く)」
上記の結果から、規模が小さい企業のほうが、規模の大きい企業よりも求人数が多いことが分かります。仕事探しの際は、大手企業だけでなく、中小企業も視野に入れるようにしましょう。
参照元
厚生労働省
一般職業紹介状況(令和6年11月分)について
就職・転職エージェントを活用する
「希望の企業に就職できるか心配」「学歴に不安がある」という場合は、就職・転職エージェントに相談するのがおすすめです。就職・転職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーがプロ目線で自分の希望に合った求人を紹介してくれます。また、労働環境や給与の詳細、待遇面、人間関係といった詳細な情報を教えてくれるので、安心して応募することが可能です。就職・転職エージェントの利用を検討している方は、ぜひハタラクティブにお問い合わせください。
ハタラクティブは、高卒や既卒、第二新卒などの若年層を対象とした就職・転職エージェントです。経験豊富なキャリアアドバイザーがカウンセリングで適性を把握し、一人ひとりの希望に合わせて仕事を紹介します。学歴不問や未経験OKの求人を多数ご用意しているため、学歴に不安がある方もご安心ください。また、応募書類の添削や面接対策のほか、面接日時の調整といったサポートをマンツーマン体制で実施。適職診断を通して自分に合った仕事を調べることも可能です。サービスはすべて無料で利用できるので、お気軽にご相談ください。
高卒と大卒の違いに関するQ&A
高卒と大卒の違いについて知りたい方もいるでしょう。ここでは、高卒と大卒の違いに関する疑問にQ&A形式でお答えします。
高卒女性は大卒者と比べて就職に不利ですか?
必ずしも高卒者が就職で不利になるとはいえません。ただし、学歴を重視する企業への就職を目指す場合は、大卒者と比べると不利になる場合もあるようです。
また、基本的に高卒者は「高卒可」の求人にしか応募できないため、申し込める求人数は大卒者のほうが多いといえるでしょう。
就職に悩みがある高卒女性の方は、「高卒女子の就職事情!高収入を得るには?おすすめ職種や就活のコツを解説」のコラムをチェックしてみてください。
高卒と大卒で人間性や考え方に違いはありますか?
高卒か大卒かによって人間性や考え方に違いはありません。学歴による区別は、人の性格や価値観とは無関係といえるでしょう。しかし、高卒者のなかには学歴コンプレックスを抱く方もいるようです。
「学歴が周囲からの評価に影響しているのでは…」という不安がある場合は、「高卒が学歴コンプレックスを感じる6つの理由と対処法まとめ!」のコラムもチェックしてみてください。
給料は高卒と大卒どっちがいいですか?
業界や企業によって異なるものの、大卒者のほうが給料を高めに設定していることが一般的なようです。このコラムの「10.生涯賃金」で紹介したとおり、生涯賃金も高卒者よりも大卒者のほうが高くなっています。
高卒と大卒の生涯賃金の差については、「高卒と大卒の生涯賃金の差はいくら?学歴が就職や年収に影響する理由」のコラムで詳しく紹介しているのでご一読ください。
公務員を目指す場合も高卒と大卒で違いがありますか?
公務員試験を受ける場合、高卒と大卒では公務員試験の内容や難易度、受験できる条件に違いがあります。高卒程度の公務員試験を受ける際は、年齢制限があるので注意が必要です。
公務員試験については、「公務員になるのに学歴は必要?給料は異なる?試験対策のポイントもご紹介」のコラムで詳しくまとめています。
高卒を後悔しない方法を知りたいです…
高校卒業後に就職を選んだことを後悔しないためには、仕事で実践経験を積むことが大切です。すでに正社員やアルバイトとして働いている方は、経験を積みながらスキルを向上させる努力を怠らないように心掛けましょう。
「高卒で就職しなければ良かった…」と後悔している方は、「高卒就職の良さと後悔する点を解説!大卒との違いを把握して進路を決めよう」のコラムも、ぜひ参考にしてみてください。高卒就職を後悔しているときの対処法をご紹介しています。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。