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手取りが増えないのはなぜ?減る理由や所得控除について解説
更新日
この記事のまとめ
- 手取りが増えないのは、収入が増えることで所得税率が上がるため
- 手取りが増えないと感じたら、給与明細の「控除」欄を確認する
- 手取りが増えないときは、所得控除を活用して税金を減らすのがおすすめ
- フリーターは昇給が見込めず収入も不安定のため、手取りを増やすなら正社員を目指そう
「手取りが増えないのはなぜ?」「昇給したのに手取りが減った!」と悩んでいる方もいるでしょう。給料が上がっても手取りが上がらない理由は、社会保険料や各種税金などの控除金額が上がるためです。このコラムでは、手取りが増えないときに確認するポイントや所得控除の活用法などを紹介します。転職を検討している方は、入社後「想定していた給与額と違う」と後悔しないよう、手取りが増えない仕組みを把握しておきましょう。
昇給したのに手取りが増えない…その理由とは?
昇給したにも関わらず手取りが増えない理由は、給料の増加にともなって所得税率が上がったためです。日本では、給料や財産などの課税対象となる金額が一定数を超えると、税率が上がる「累進課税制度」を採用しています。所得税率は課税の対象となる所得額が増えるほど高くなるため、納める税金が増えることで、給料が上がっても手取りが減る場合があるでしょう。
手取りが増えないと感じたときに確認するポイント
「給料が上がっても手取りが上がらない…」と感じたら、給与明細を確認してみてください。給料が上がっても、控除額が増えていれば手取りは増えません。総支給額からいくら引かれているか「控除」欄を確認し、昇給前の給与明細と比較してみましょう。
所得税
手取りが増えない場合、所得税が上がっている可能性が高いでしょう。先述したように、日本は「累進課税制度」を採用しているため、課税される所得金額が高くなるほど所得税率も上がる仕組みになっています。国税庁の「No.2260 所得税の税率」によると、所得金額ごとの税率は以下のとおりです。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から194万9,000円まで | 5% | 0円 |
195万円から329万9,000円まで | 10% | 9万7,500円 |
330万円から694万9,000円まで | 20% | 42万7,500円 |
695万円から899万9,000円まで | 23% | 63万6,000円 |
900万円から1,799万9,000円まで | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円から3,999万9,000円まで | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
参照:国税庁「No.2260 所得税の税率 計算方法・計算式」
税率は所得金額に応じて7段階に分けられます。そのため、昇給・昇進や転職などで所得金額が変わった際には、税率が最大で10%高くなる可能性があるでしょう。
参照元
国税庁
タックスアンサー(よくある税の質問)
住民税
住民税が上がった場合も、手取りが増えない可能性があります。総務省の「個人住民税」によると、住民税は道府県民税4%、市町村民税6%の計10%で一律です。負担の割合はそこまで大きくないものの、住民税は前年度の所得に対してかかるため、昇給のあった翌年度は住民税の負担額が増えるでしょう。
参照元
総務省
やさしい地方税
社会保険料
手取りが増えないと感じたら、健康保険や厚生年金などの社会保険料も確認してみましょう。社会保険料は、保険料率と標準報酬月額によって計算されるため、給料が上がれば保険料も上がることになります。全国健康保険協会ホームページの「令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」にあるように、協会けんぽの場合の保険料率は都道府県毎に異なるので、確認してみてください。
また、40歳になると給与から「介護保険料」が差し引かれます。厚生労働省の「介護保険制度の概要」によると、介護保険とは高齢者介護を社会全体で支える仕組みです。保険料は会社の医療保険に入っていれば事業主と折半になるため、そこまで大きな額にはなりません。しかし、これまで差し引かれていなかったぶん、手取りが減ったと感じることもあるでしょう。
参照元
全国健康保険協会
トップページ
厚生労働省
介護保険制度の概要
昇給額以上に生活における支出が増えている可能性もある
「給料が上がったはずなのに経済的な余裕がない…」とお悩みの方もいるかもしれません。手取りが増えないと感じる原因には、生活における支出が増えていることも考えられます。昇給してもそのぶん出費が嵩んでしまうと、「手取りが増えた」という実感が湧かない可能性もあるでしょう。
大きな支出がなくても、数ヶ月〜年単位でみれば違いは大きいもの。お金をかけるなら、「これだけは譲れない」というものに絞るのがおすすめです。「残業しても手取りが全然変わらない気がする」「自分は浪費癖があるかも?」など気になる方は、「生活できない原因は浪費や働き方改革のせい?対処法を解説」も参考にしてみてください。働いているのにお金がないと感じる原因や、家計の見直し方法などについて解説していますよ。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
手取りが増えないときは所得控除の活用がおすすめ
手取りが増えないと感じたら、所得控除を活用してみましょう。所得控除とは、各種所得税を計算する際、一定の条件を満たすと課税対象の所得額を減らせる制度です。少しでも手取りを増やしたいと考えているなら、自分が支払いを行っているもので対象となるものを確認してみましょう。
国税庁の「No.1100 所得控除のあらまし」によると、所得控除には以下の15種類があります。
- ・雑損控除
- ・医療費控除
- ・社会保険料控除
- ・小規模企業共済等掛金控除
- ・生命保険料控除
- ・地震保険料控除
- ・寄附金控除
- ・障害者控除
- ・寡婦・寡夫控除
- ・ひとり親控除
- ・勤労学生控除
- ・配偶者控除
- ・配偶者特別控除
- ・扶養控除
- ・基礎控除
企業に勤めている場合、これらの所得控除は年末調整で行うことが可能です。ただし、「医療控除」「雑損控除」「寄付金控除」は個人で確定申告を行う必要があるので注意しましょう。
控除の仕組みについては、「所得税の控除ってなに?仕組みや種類を知ろう」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
参照元
国税庁
タックスアンサー(よくある税の質問)
手取りが増えないフリーターの将来…生活はどうなる?
フリーター生活をしていると、昇給が見込める可能性は正社員よりも低いのが現実です。賞与もない場合が多く、収入が不安定な傾向にあります。そのため、手取りを増やすのは難しいといえるでしょう。ここでは、手取りが増えない場合の将来について解説します。
手取り16万円は安い?
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(9) 新規学卒者の学歴別にみた賃金」をみると、2022年の大卒の新規学卒者の賃金は22万8,500円。手取りはそのうち75〜80%のため17万1,375円〜18万2,800円前後が大卒初任給の手取り平均と推測できます。つまり、手取り16万円は大卒の初任給の平均とほぼ同額ということになるでしょう。
手取りが増えない場合は生活が厳しくなる
同調査の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(6) 雇用形態別にみた賃金」によると、正社員の賃金は年齢とともに増加する傾向にあり、もっとも賃金が高い55~59歳では39万6,200円に。一方、正社員以外の賃金は同年代で21万6,700円。働き続けても手取りはほとんど上がらないことが分かります。
前項で述べた通り、手取り16万円は初任給の平均に近い金額です。昇給が見込めるのであれば良いですが、ずっと続くと生活が厳しくなってしまう場合もあります。実家暮らしの場合は必要な生活費が削減できるため、あまり苦しさは感じないかもしれません。しかし、将来的に結婚や住宅購入、老後などを考えたとき、生活に余裕がある金額とはいえないでしょう。
また、年齢を重ねれば病気をするリスクも高まるうえ、親の介護や子育てといった環境の変化によって出費がかさむ場合もあります。将来のことを考えると、フリーター生活を長く続けるのは厳しいといえるでしょう。
「フリーターとは?一人暮らしは実現できる?正社員就職のポイントも解説」では、フリーターの年収・月収や平均生活費について解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
「手取りが増えないときはどうしたら良い?」「手取りを増やすために正社員を目指したい」とお考えの方は、ぜひハタラクティブをご利用ください。ハタラクティブは、20代を中心とした若年層の就職・転職に特化した就職支援サービスです。専任のキャリアアドバイザーが丁寧なヒアリングを行い、一人ひとりの適性や希望に合った求人をご紹介。チャットや面談できめ細やかなサポートが受けられるほか、1分程度でできる適職診断を活用して適職候補を探すことも可能です。経歴や学歴を問わない求人を多く扱っているので、正社員経験のない方や、高校や大学を中退していて学歴に不安がある方も豊富な求人から仕事探しができるでしょう。
さらに、応募書類の添削や模擬面接、企業とのやり取り代行といったサービスも実施。一人ひとりの就職活動を丁寧にサポートする体制は万全です。サービスの登録・利用料は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。
参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
ここが知りたい!手取りや税金に関するQ&A
ここでは、給与の手取りや税金などの疑問について、Q&A方式で解決していきます。
フリーターも税金を払う?
年収が一定額を超えた場合、フリーターも税金を支払います。フリーターが納める税金は、「所得税」「住民税」です。また、条件を満たしている場合は「健康保険料」「年金保険料」「雇用保険料」も納める必要があります。支払う金額は収入によって異なるため、しっかり把握しておきましょう。詳しくは「フリーターが払う税金とは?払い方や計算シミュレーションもご紹介」も参考にしてみてください。
手取りは給料からどのように計算する?
手取りは額面の約75〜85%といわれているため、額面に0.75から0.85をかけることで大まかな手取り金額が求められます。明確な金額を把握するには、総支給額から税金や保険料などの控除額を引いてください。「給料の手取りとは?額面の収入から逆算する方法も解説」では手取りの求め方について詳しく解説しています。
給与明細の控除欄には何が記載されている?
給与明細の控除欄に記載されているのは、「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」「所得税」「住民税」などです。これらは企業を通じて支払われるため、給与から天引きされた金額も記載されています。給与明細の詳しい見方が知りたい方は、「給与明細の見方ともらえないときの対処法」のコラムもぜひ参考にしてください。
フリーターのままでも手取りは増えますか?
フリーターは収入が安定せず、昇給の機会も得にくいため、手取りを増やすことは難しいでしょう。手取りが増えないと悩む方は、正社員を目指すのがおすすめです。ハタラクティブでは専任のキャリアアドバイザーが一人ひとりに合った求人を紹介しており、初めて就職活動をする方も安心してチャレンジできます。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。