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残業が100時間を超えるのは問題あり?長時間労働の原因と対処法
更新日
この記事のまとめ
- 月100時間の残業は、「過労死ライン」を超えている
- 勤務日数22日の場合、毎日4時間半の時間外労働をすると残業が100時間を超える
- 働き方改革関連法の改正により、月100時間以上の残業は罰則の対象になった
- 長時間残業は心身に影響を及ぼすので、無理せず休息を取ることが大切
「残業が月100時間近くなる」「100時間はいかないけど長時間の残業が慢性化している」など、悩む方も多い残業・時間外労働。法改正によって厳しく対応されはじめているものの、依然として長時間労働を行う企業も少なくないようです。このコラムでは、残業が慢性化する理由や違法性についてまとめました。長時間労働が解決しない場合は心身に影響が出るおそれがあるため、転職も検討しましょう。
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残業100時間超は労働基準法に違反する
2019年4月に施行された働き方改革関連法。この施策によって「月100時間以上の残業をさせた企業は労働基準法違反の処罰対象」と定められました。厚生労働省の「時間外労働の上限規制わかりやすい解説(2019年4月施行)」に記載されたことをまとめると、以下のとおりです。
- ・時間外労働の上限は月45時間、年360時間
- ・時間外労働は年間720時間以内
- ・時間外労働と休日労働は月100時間未満、2~6ヵ月平均は80時間
- ・原則月45時間の超過は年6ヵ月まで
なお、これらの規則に反した場合は、罰則として6ヵ月の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。労働基準法については、「労働基準法違反の例と罰則」のコラムを参考にしてください。
参照元
厚生労働省
働き方改革特設サイト 時間外労働の上限規制
残業100時間の実態
残業時間が月に100時間となるのは、月の労働日数が25日なら1日あたり4時間、労働日数が22日なら1日あたり4.5時間ほどの残業を実施した場合です。残業は就業時間後に行うことがほとんどのため、定時が19時だと毎日23時過ぎまで働くことに。通勤時間なども考慮すると、プライベートの時間を確保できず、睡眠もままならない状況である可能性が高いといえるでしょう。
月の残業時間が100時間を超えると「過労死ライン」
過労死ラインは、長時間労働による過労死または過労自殺を労災認定する基準です。「過労死ライン=時間外労働時間80時間」とし、時間外労働と労働者の健康障害または過労死リスクとの因果関係を判断するひとつの目安としています。
労働による健康障害(過労死)として労災認定されやすいのは以下のケースです。
- ・月の残業時間が100時間を超える場合
- ・2~6ヶ月の平均残業時間が80時間を超える場合
このように、月100時間の時間外労働をすることは、労働者の健康や精神に大きな負担がかかり、リスクをともないます。月80時間を超える残業が続いている場合は、上司への相談や残業時間、業務内容の見直しを行い、心身に負担をかけないように気を付ける必要があるでしょう。
参照元
厚生労働省
過労死等防止に関する特設サイト
なぜ長時間労働はなくならない?残業が慢性化する理由
残業が100時間近くなるなど、長時間労働が慢性化する理由には「労働者側の要因」「企業側の要因」それぞれが考えられます。
残業が慢性化する理由:労働者側の要因
人材不足などにより社員1人あたりが抱える仕事量が多いと、労働時間内に業務がなかなか処理しきれず残業が増える傾向にあります。
また、担当業務が苦手だったり非効率的な方法で進めていたりするのも、時間外労働を起こしやすい要因といえるでしょう。仕事の進め方については、「仕事が遅い原因とは?その理由や改善方法をご紹介」のコラムでも、改善法を確認してみましょう。
残業が慢性化する理由:企業側の要因
残業がなくならない理由の一つとして、長時間労働に対して「良いこと」ととらえる企業があることが挙げられます。年配の方の中には「若い頃には身を粉にして働くもの」という考え方が定着していることもあるようです。そういった固定概念が企業に根付いてしまうと、社風として長時間労働が行われてしまいます。
残業がなくならない理由には、ワークライフバランスの概念が企業に浸透していないことも挙げられるでしょう。
法改正前は規制がなかったのも要因のひとつ
前項で紹介した「働き方改革関連法案」が改正される前は、時間外労働の上限が「1ヶ月45時間、1年360時間」とは定められていたものの、あくまでも告示であり規制ではありませんでした。これを超えたとしても行政指導程度。さらに特別条項を締結することで、年6ヶ月間は上限なく時間外労働を指示できたため、残業時間の慢性化につながったとも考えられます。残業が多いと感じるときの対処法
残業が多いと感じるときの対処法
- 有休を取って体を休める
- 休職を検討する
- 労働基準監督署に相談する
- 退職を検討する
100時間に達しなくても残業が多いと感じるときは、適切に休息を取って心身を休めることが大切です。ただ、休息を取っても根本的な解決にはならないでしょう。働く環境を改善するなら、労働基準監督署への相談や転職も検討すべきです。
有休を取って体を休める
残業が多く心身ともに疲弊していると感じたときは、有休などを取って体を休めましょう。休暇を取れば心身のリフレッシュに期待できます。
有給を取りづらかったり、拒否されたりする可能性もありますが、有給は会社の制度ではなく法律で定められている労働者の権利です。「有給とは何かを分かりやすく解説!取得条件やもらえないときの対処法」のコラムで有給について理解を深め、しっかりと取得して休息に充てましょう。
休職を検討する
数日の休日でも体調などが改善されなければ、休職を検討してもいいでしょう。休職とは、労働者の都合によって長期間仕事を休める制度のこと。就業規則で企業ごとに条件が定められているので、確認してみましょう。
なお、休職はあくまでも労働者の都合で仕事を休むため、企業に給与を支払う義務はありません。詳しくは「休職の申請方法を解説!傷病手当はもらえる?仕事に疲れたときの対処法」のコラムで解説しています。
労働基準監督署に相談する
残業時間が100時間を超えるなど法に触れる可能性がある場合は、労働基準監督署に相談するのも効果的です。労働基準監督署とは企業が労働関連法を遵守しているか監督する機関のこと。長時間労働や残業代の未払いについて相談する場合は、長時間労働の証拠となるものを用意しておきましょう。
退職を検討する
残業時間が多すぎる、労働時間が長すぎて心身ともにつらいという人は、転職して新しい環境で働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
会社の文化や社風として残業や付き合い残業が慢性化しており、賛同できないなら企業とのミスマッチが考えられます。担当業務が多すぎるのは、周囲とのコミュニケーションが足りていない可能性があるでしょう。いずれにせよ働きやすい職場とはいえないため、より自分に合った企業や職場を探してみるのがおすすめです。
就職・転職サポートサービスのハタラクティブなら、職場環境や希望条件から転職先を探せます。
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残業が100時間を超えている方が抱えるお悩みに関するFAQ
ここでは、残業100時間に関する質問にQ&A形式で回答していきます。残業が100時間を超えそうでお悩みの方は、ぜひお役立てください。
残業が100時間を超えた場合、弁護士に相談するべき?
残業が100時間を超過した場合は、法的なサポートを検討するのも一つの方法です。
違法な労働環境の可能性があるため、専門知識を持つ弁護士に相談し、最善の対処法を探ることをおすすめします。その際、労働関係に強い弁護士のサポートを受けるとなおよいでしょう。
残業が100時間を超えそうでつらいです…
対策をしても改善されない場合は、会社を変えてみることも検討しましょう。
その会社で働くのが「つらい」と感じたときは、転職を検討するのも一つの手です。ハタラクティブでは、プロのアドバイザーがヒアリングを行い、適性や要望に合った会社を紹介します。
残業が100時間を超えてしまう主な原因は?
残業が100時間を超える原因は、仕事の量が多い、会社の社員の人数が足りない、仕事の進め方が効率的でない、または上司の計画が適切でないことなどが挙げられます。残業が100時間を超える場合は、社員の能力不足よりも会社の管理に問題があると考えられるでしょう。適切な人員配置がなされているか、特定の人物に業務が集中していないか、不効率なやり方をしていないかなどを確認してみてください。。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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