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家賃補助は会社からいくらもらえる?支給条件やメリットを解説!
更新日
この記事のまとめ
- 家賃補助とは、会社に家賃の一部を支払ってもらえる制度
- 住宅に関わる福利厚生には家賃補助や社員寮、借り上げ社宅などがある
- 会社によって家賃補助を支給する条件や金額は異なる
- 家賃補助は所得税の課税対象となる
- 家賃補助を支給する会社は減少傾向にある
「家賃補助がある会社で働きたい」「いくら貰える?」と考える方もいるでしょう。賃貸住宅や持ち家に住んでいる場合、会社に家賃の一部を支払ってもらえることがあります。支給額の平均は、1~2万円程度です。
このコラムでは、家賃補助の条件や金額、メリットなどを解説します。また、家賃補助と社員寮(社宅)、借り上げ社宅の違いも触れているので、住宅に関する福利厚生について知りたい方はぜひご一読ください。
家賃補助とは
家賃補助とは、会社が従業員の住宅費の一部を手当として支給する福利厚生のことです。賃貸住宅に住んでいる場合は家賃が、持ち家に住んでいる場合は住宅ローンが補助されます。
家賃補助の支給条件や金額は会社によって異なりますが、条件に当てはまれば、自分の好きな物件に入居できるのがメリットです。会社の福利厚生によっては、「社員寮」や「借り上げ社宅」といった住居を用意し、実質的に社員の金銭負担を軽減している場合があります。
住宅手当との違い
家賃補助は住宅手当と呼ばれることもありますが、2つの呼び名に法律的な区別はありません。応募したい会社の福利厚生をチェックする際には、「家賃補助」や「住宅手当」といった項目があるかを確認しましょう。住宅手当が欲しい方は、「住宅手当をもらうには?支給条件を相場とあわせて解説!」のコラムでの解説もぜひご覧ください。
引っ越し手当との違い
引っ越し手当は、勤務地から遠くに住んでいる社員が入社や転勤するときに、引っ越し費用を負担してもらう手当のことです。具体的には荷造りや荷ほどきの費用、住居の初期費用、仲介手数料などを、引っ越し手当として補助してもらえます。
社員寮(社宅)との違い
社員寮(社宅)とは、従業員の居住用として会社が所有している建物のことです。自分の好きな物件に入居するのではなく、会社から指定される物件に入居したり、会社から提示される複数の選択肢のなかから選んだりします。
社員寮(社宅)に入居する場合は一定額の家賃を支払いますが、近隣の物件よりも安い金額で借りられるのがメリットです。会社や物件によっては、家具・家電が備え付けられていたり、食事がついていたりする場合もあります。家賃だけでなく生活費においても、従業員の金銭的な負担を減らせるでしょう。
しかし、近年では自分で居住地を選びたいという理由から、寮を利用しない従業員も増えているようです。高度経済成長期に建てられて老朽化が進んでいる物件も多く、社員寮(社宅)は減少傾向にあります。
借り上げ社宅との違い
借り上げ社宅とは、会社が不動産業者から賃貸物件を借り入れて、従業員に貸し出す制度のことです。以前は、会社がアパートやマンションを一棟丸ごと賃貸して各部屋を従業員に貸し出していました。しかし、昨今では従業員自身が条件の範囲内で物件を探し、会社名義で借りる場合も多いようです。会社が一定の割合で家賃を負担するため、賃貸よりも安く住めるのがメリットといえるでしょう。
なお、社員寮(社宅)や借り上げ社宅の広さや間取りは、入居する従業員が独身なのか既婚なのかによって異なります。独身の従業員が入居する場合は、ワンルームや1K、1DKの間取りで、広さは1部屋6畳〜8畳ほどの物件が一般的です。一方、既婚の従業員が家族3〜4人で入居する場合は、2DK〜3LDKくらいの間取りが一般的といわれています。
家賃補助を受けるか社宅に住むか選べるならどちらが良い?
会社によっては、家賃補助を受けるか社宅に住むか選べる場合もあるでしょう。家賃補助は住む場所を自分で選べたり、家賃補助の分の手当てが給与に上乗せされたりするのがメリットです。一方、社宅の場合は家を探さなくていいことと、一般的な相場よりも家賃を抑えられるのがポイント。どちらのほうが自分に向いているかを考えて選択しましょう。ハタラクティブアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
会社からもらえる家賃補助の相場は?
厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査の概況 2 賃金制度(3)諸手当(p.13)」によると、令和2年に支給された労働者1人あたりの平均住宅手当は17,800円でした。
会社の規模によって支給額は異なり、1,000人以上の従業員を擁する会社では平均21,300円、30~99人規模では平均14,200円です。規模の大きな会社のほうが、家賃補助の金額が高い傾向だと分かります。
業種や職種によっても、支給される金額は異なるもの。同じく厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査の概況 3 賃金制度(3)諸手当」によると、平成27年の調査で最も高いのは、サービス通信業の平均は25,312円でした。最も低いのは、電気・ガス・熱供給・水道業の平均10,466円です。この2業種では、約15,000円もの差があると分かります。
そのほかの業種別の家賃補助の相場金額は、以下のとおりです。
業種 | 家賃手当平均 |
---|---|
鉱業,採石業,砂利採取業 | 11,136円 |
建設業 | 16,760円 |
製造業 | 14,178円 |
運輸業、郵便業 | 15,471円 |
卸売業、小売業 | 18,305円 |
金融業、保険業 | 19,151円 |
不動産業、物品賃貸業 | 20,571円 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 19,808円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 15,442円 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 17,753円 |
教育、学習支援業 | 19,189円 |
医療、福祉 | 15,727円 |
複合サービス事業 | 12,091円 |
サービス業(他に分類されないもの) | 23,480円 |
引用:厚生労働省「平成27年就労条件総合調査の概況 3 賃金制度(3)諸手当 第18表 諸手当の種類別支給企業割合(平成26年11月分) (p.20)」
このように業種別で比較すると、1万円台から2万円台が支給されるのが多いと分かります。なお、近年人材不足が深刻なIT業界では、優秀な人材を獲得するために家賃補助の制度を新たに導入したり、支給額を増額したりする会社も増えているようです。
参照元
厚生労働省
就労条件総合調査:結果の概要
会社の家賃補助に税金は掛かる?
国税庁は、会社が従業員に支払う手当を、一部を除き原則として給与所得としています。現金で支給された家賃補助は、給料と同じとみなされるため所得税の課税対象です。つまり、家賃補助のぶんだけ所得税が増えることになります。
一方で、社宅の場合は税金が掛かりません。会社が借りている部屋の家賃の一部を従業員が支払うことになるからです。ただし、従業員が支払っている家賃が賃貸料相当額の50%未満の場合は、家賃と賃貸料相当額との差額が給与として課税されてしまいます。
家賃補助をはじめとした住宅補助制度がない会社もある
家賃補助の制度自体がない会社もあるため、住宅に関する手当を受けたい方は会社の福利厚生をしっかり調べることが大切です。
以下では、家賃補助をはじめとした住宅手当が出る会社の割合を解説しています。応募する会社を探す際の目安の一つとして、ぜひ参考にしてみてください。
家賃補助をはじめとした住宅手当が出る会社の割合
厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査の概況 2 賃金制度(3)諸手当(p.13)」によると、1,000人以上の従業員がいる会社のうち61.7%が住宅手当を支給しています。30~99人の規模の会社の場合、全体の43%が支給。会社の規模にこだわらない場合は、47.2%の会社が住宅手当を出していることが分かります。
気になる求人をいくつか見つけたら、その半分程度の会社は家賃補助を出している可能性が高いと考えられるでしょう。
家賃補助は、会社だけでなく自治体が行っているものもあるようです。詳しくは、「家賃補助は一人暮らしでも支給対象?自治体からの補助制度も解説」のコラムをご確認ください。
参照元
厚生労働省
就労条件総合調査:結果の概要
家賃補助を支給する会社は減少傾向に
最近では、家賃補助制度を導入している会社が減少傾向にあります。同じ会社の従業員でも勤務地によって支給額に差があったり、実家暮らしの人には支給されなかったりと、不公平さが生まれるのが理由です。また、ルームシェアや事実婚のように、ライフスタイルの多様化によって支給基準を設定しにくいことが背景でもあります。従業員側も、家賃補助の有無にこだわらず、基本給が高いことや能力に応じた昇給があることを重要視する方が増えているようです。
会社が家賃補助を支給する条件
家賃補助は会社が提供する福利厚生なので、法的な強制力はありません。家賃補助を支給している会社は、「会社から家までの距離」「世帯主かどうか」「持ち家か賃貸か」などの条件を定めています。以下で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
会社から家までの距離が規定の範囲か
会社が家賃補助を支給する条件の一つに、「会社から△km圏内に住む従業員には毎月△円を支給する」と、会社から家までの距離を定めていることがあります。
距離による支給条件は、2km・3km・5kmなど、会社によってさまざまです。なかには、距離ではなく「会社から自宅の最寄り駅まで△駅圏内」というように、「駅数」を条件にしている会社も見受けられます。
世帯主かどうか
家賃補助が支給される条件として、「世帯主であること」としている会社もあります。2名以上で暮らしている場合、支給対象となる人が世帯主であれば支給されますが、世帯主でない場合は支給されません。この場合、世帯主は年齢や所得に関係なく申請できるので、家賃補助の支給額が高い人を世帯主にするのがおすすめです。
持ち家か賃貸か
持ち家か賃貸かによって、家賃補助支給の有無や支給額が変わることがあります。持ち家のほうが金額が低く、賃貸住宅のほうが高い金額を支給される場合が多いでしょう。なかには、支給対象を「賃貸」のみに絞っている会社もあります。
これまで賃貸に住んでいても、家を購入して引っ越した場合、家賃補助の金額が少なくなることがあるでしょう。
家賃補助がもらえる契約内容で雇用されているか
家賃補助を導入している会社では、「正社員勤務であるか」「転勤はあるか」といった雇用条件で支給の有無を判断している場合もあります。今後は同一労働同一賃金の原則に則り、手当支給の対象をあらためる会社も増えていくかもしれません。家賃補助を受けたいと考えている方は、就業規則を確認し、自分が対象となるのかをよく調べることが大事です。
同棲・結婚している場合は会社の家賃補助を受けられる?
同性・結婚している場合も、会社から家賃補助を受けることが可能です。ただし、「1世帯につき1人のみに支給」と定められている傾向にあるため、自分とパートナーの両方が家賃補助を受けることは難しいでしょう。会社から家賃補助を受けるときは、「どちらがどのくらいの額を支給してもらえるか」を踏まえて話し合うのがおすすめです。会社に家賃補助を申請する際に必要なもの
会社に家賃補助を申請するときに必要なものは、以下のとおりです。
・住民票
・入居契約書
・賃貸借契約書の控え
・通帳の写し
・登記簿謄本
上記の書類を用意して、会社に申請します。会社によっては、ほかに提出を求められる書類がある場合もあるので、申請の際は自社の規則をよく確認しましょう。
会社の家賃補助に関するメリット
家賃補助は、従業員と会社の双方にいくつかのメリットがあります。ここでは、従業員と会社側のメリットをまとめました。
従業員側のメリット
従業員が家賃補助を受けるメリットには、「住宅費用の負担軽減」「物件の選択肢の増加」「モチベーションの向上」などが挙げられます。
住宅にかかる負担が減る
家賃補助を受ける従業員のメリットは、「家賃支払いの負担が軽くなり生活が楽になる」ことです。新卒をはじめとした若い従業員が実家から出て一人暮らしを始める際は、引っ越し代や新生活のための家具・家電の買い揃えのように、出費がかさみます。また、実家を出て、1人で生計を立てることへの不安もあるでしょう。家賃補助は、そういった金銭面での負担や不安を軽減できます。
選べる物件が増える
家賃補助を受けることで、ある程度割高な物件も選べるようになります。駅から近い物件や利便性の高い物件ほど、家賃も高くなる傾向にあるでしょう。給与に家賃補助が加わることで、仕事とプライベートの両方で充実した生活を送る助けになります。
仕事へのモチベーションが保ちやすくなる
家賃補助を受けられれば経済的な負担が軽くなり、結果的に仕事へのモチベーションが保ちやすくなるのもメリットです。会社が社員を支えてくれているという実感も感じられ、会社への貢献意欲や帰属意識も高まるでしょう。
従業員の立場からみるメリットや働きやすい会社については、「優良企業とはどんな会社のこと?」のコラムもぜひご一読ください。
会社側のメリット
会社側が家賃補助を行うメリットは、「従業員の定着」「求人募集でのアピール」「安定した経済的基盤の証明」などが挙げられます。
従業員が定着する
前述したように、従業員にとって家賃支払いの負担が軽くなり生活が楽になるのは、大きなメリットです。「家賃補助があるから通勤が楽で良い条件のところに住める」といった声もあります。そのため、現在得ている家賃補助がなくなると困ることから、転職を思い留まるという従業員もいるでしょう。
求人募集でアピールできる
スキルや実績に関係なく手当がつく家賃補助は、魅力ある福利厚生といえます。求職者が求人募集を見比べる際にプラスの要素となるだけでなく、会社を選ぶ決め手になることもあるでしょう。
また、近年増えている外国人労働者にとっても金銭面での負担が減るため、家賃補助がある会社は人気となっています。
安定した経済的基盤を証明できる
会社にとって家賃補助は、コストの掛かるもの。しかし、生活を支える制度を導入できていること自体が経営基盤が安定している証明になります。また、従業員を大切にしているというイメージアップにもなるでしょう。
会社側のデメリットはある?
家賃補助を支給する会社側のデメリットとしては、支払う税金が増えることや、今後会社の経済状況が悪化しても廃止が難しいことなどが挙げられます。家賃補助は法定外の福利厚生のため義務ではないものの、家賃補助の廃止は社員の満足度を下げることにつながるため注意が必要です。家賃補助など福利厚生の充実した会社に就職・転職するなら
昨今は同一労働同一賃金の考えにより正社員と非正規社員の待遇を同一にする動きがありますが、家賃補助の福利厚生は正社員のみが受けられる会社もまだ少なくありません。比較的規模が大きな会社は、福利厚生が充実している場合が多く、働きやすい環境が整っているといえます。働きやすい職場は離職率も低いため、安定して長く働きたい方には魅力的といえるでしょう。
「福利厚生の詳しい内容を踏まえて応募を決めたい」という方は、転職エージェントを活用してみるのがおすすめです。
福利厚生が充実した会社への就職・転職を考えている方は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、若年層に特化した就職・転職支援エージェントです。求人サイトには載っていない非公開求人を用意し、そのなかからあなたの条件に合った会社をご紹介します。また、求人の紹介だけでなく、応募書類の作成や面接対策もサポート。1分程度で、性格から適性を分析する適職診断も受けられます。はじめて就職活動や転職を行う方も、キャリアアドバイザーがマンツーマンで内定獲得まで一貫した支援を実施するので安心です。家賃補助がある会社や適性に合う求人を見つけたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
会社から貰える家賃補助に関するお悩みQ&A
就職先を選ぶ際に、家賃補助の有無や支給対象が気になっている方もいるでしょう。ここでは、家賃補助に関するお悩みをQ&A方式で解決しています。
家賃補助とはどのような制度ですか?
家賃補助は、社員の経済的負担を減らすための福利厚生の一つです。賃貸住宅に住んでいる人が対象になる傾向にありますが、ローンを組んで持ち家を購入した人も対象となる場合もあり、会社によって基準は異なります。詳しくは、このコラムの「家賃補助とは」で解説しています。
家賃補助はどの会社にもありますか?
家賃補助は、すべての会社で設けられている制度ではありません。先述したように、あくまで福利厚生の一つであるため、家賃補助を支給していない会社もあります。就職する会社の条件を見直したい場合は、「希望の求人が見つからない!自己分析で自分に合った仕事を探す方法」のコラムをぜひ参考にしてみてください。
家賃補助がない会社があるのはなぜですか?
大きな理由としては、社員間で不公平感が生じる可能性が高いためです。たとえば賃貸住宅に住んでいる社員のみを家賃補助の対象としている会社の場合、たとえ自身でローンを組んで家を買った場合あっても実家で暮らしている人と同じ扱いになり、家賃補助は支給されません。このようにすべての社員を平等に扱うのが難しい制度であるため、近年は家賃補助を廃止する会社も増えているようです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。