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公務員を辞めたい…退職はもったいない?転職活動のコツも紹介
更新日
この記事のまとめ
- 公務員を辞める人のうち、普通退職者は3割以上を占める
- 公務員を辞めたい理由には「組織の体質が合わない」「仕事に面白くない」などがある
- 公務員を辞めると労働基準法の適用対象になる
- 公務員を辞めたい場合、転職活動は在職中に行い周囲には知られないようにするのが大切
公務員を辞めることを検討していても、無事転職できるかどうかや転職後に後悔しないかなどが気になる方もいるのではないでしょうか。民間企業に転職する人は決して少なくないですが公務員であることのメリットは大きいので、安易な退職は避けるのが無難です。
このコラムでは、公務員を辞めることのメリットとデメリットを紹介しつつ、民間企業への転職活動を成功させるためのポイントを解説していますので、お役立てください。
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「公務員を辞めたい」と感じる5つの理由
「公務員を辞めたい…」と感じる人のなかには、「仕事に面白さを見いだせない」「組織の体質が合わない」といった方もいるでしょう。公務員の仕事内容や勤務先に不満をもつ人や、労働時間や給料といった待遇に不満をもつ人などさまざまです。
「公務員を辞めたい」と感じる理由
- 組織の体質が合わない
- 仕事に面白さを見いだせない
- 長い労働時間に疲れた
- 給料に不満がある
- 人間関係に悩みがある
1.組織の体質が合わない
「公務員の組織の体質が自分に合わない」と感じることが、離職を考える原因となり得ます。年功序列や慣習を重んじる自治体などもあり、古いやり方やルールを変えづらいことも。そのような体質が合わず、日々の業務が苦痛になってしまう人もいるようです。
2.仕事に面白さを見いだせない
公務員になったものの、仕事に面白さを見いだせず辞めたいと思う人もいるでしょう。公務員の仕事は利益を追求することが目的ではありません。そのため、大きな成果や結果を挙げても職場で評価されづらかったり、前例のないことは歓迎されなかったりする面も。それが性格に合わない場合に、「民間企業に転職しよう」と考えるようになるようです。
3.長い労働時間に疲れた
公務員から転職を希望する人のなかには、「労働時間の長さや業務量の多さに疲れた」という理由もあるでしょう。公務員は比較的勤務条件に恵まれている傾向がありますが、なかには長い労働時間を強いられる場合もあるようです。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報(p.1)」によると、一般労働者における平均残業時間は、月に13.8時間となっています。
総務省の「令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると、2022年における公務員の平均残業時間は月に12.5時間でした。この数字をみるとそれほどでもないと感じる人もいるでしょうが、同資料によると、公務員の方の5.4%が「月に45時間以上の時間外労働があった」と回答しているようです。
公務員といっても残業が少ないとは限らず、このような過酷な状況で業務をこなす人のなかには転職を希望する人もいるようです。
参照元
厚生労働省
毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報
総務省
地方公務員における働き方改革に係る状況 ―令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要―
4.給料に不満がある
「公務員を辞めたい」と感じるのは、給料への不満がきっかけとなることもあるようです。「公務員は給料が高く身分も保証されている」という期待をもって公務員になった場合、思ったよりも「給料が良くなかった」と不満を感じて転職を考えることも。
総務省の「令和5年地方公務員給与の実態」を参考に、全地方公共団体における一般行政職の平均月収をみてみましょう。以下の値は、データをもとに算出したものです。
年齢区分 | 平均給料月額 |
---|---|
20~23歳 | 18万4,951円 |
24~27歳 | 20万8,727円 |
28~31歳 | 23万6,844円 |
32~35歳 | 26万5,924円 |
36~39歳 | 29万7,169円 |
40~43歳 | 33万4,004円 |
44~47歳 | 36万1,998円 |
48~51歳 | 38万1,565円 |
参照:総務省「令和5年地方公務員給与の実態(p.195)」
地方公務員の場合は自治体の規模によって給料に差があり、特別区や都道府県庁は比較的高額となっています。この値は全地方公共団体のおおよその平均なので、参考程度に留めましょう。
一方、人事院の「民間給与の実態」から、大卒・高卒事務職の平均月収をみてみます。
以下の値は、役職のない事務係員の年齢別平均月収のデータから算出しました。
年齢階級 | 事務係員の4月分平均月収(大卒) | 事務係員の4月分平均月収(高卒) |
---|---|---|
20歳以上24歳未満 | 29万2,457円 | 26万2,199円 |
24歳以上28歳未満 | 33万157円 | 29万8,232円 |
28歳以上32歳未満 | 36万3,529円 | 33万1,930円 |
32歳以上36歳未満 | 38万4,870円 | 37万6,564円 |
36歳以上40歳未満 | 39万4,658円 | 38万1,165円 |
40歳以上44歳未満 | 40万4,293円 | 39万5,908円 |
44歳以上48歳未満 | 40万9,769円 | 33万9,591円 |
48歳以上52歳未満 | 42万3,352円 | 36万531円 |
52歳以上56歳未満 | 44万5,585円 | 36万9,807円 |
56歳以上 | 48万1,639円 | 38万1,887円 |
参照:人事院「表9職種別、学歴別、年齢階層別平均支給額(事務・技術関係職種)」
こちらの値は、すべての企業規模を含めたデータから算出しているので、企業によって実際の額は異なります。しかし、先ほど挙げた公務員の平均値と比べると、民間企業のほうが比較的月収が高い傾向があるといえるでしょう。
公務員だからといって、給料が高いわけではありません。基本的には民間企業の給与に準じています。また、年功序列制度も根強いため、若いうちに大きな成果を出しても民間企業のように給与に反映されることは少ないでしょう。その額や制度に不満をもって民間企業に転職を希望する人もいるのが実情といえます。
参照元
総務省
地方公務員給与実態調査
人事院
民間給与の実態(令和6年職種別民間給与実態調査の結果)
5.人間関係に悩みがある
人間関係の悩みは公務員、民間企業問わず退職理由となり得るでしょう。職場の人間関係がうまく行かないと、仕事を続けるのがつらくなるもの。
ハタラクティブの「若者しごと白書2024(p.8)」では、仕事を辞めた人の1〜2割ほどが人間関係が原因で退職したと回答しています。人間関係を改善できる可能性が低いのであれば退職を選ぶという人も少なくないでしょう。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
「公務員を辞めたい」と感じたときは理由を分析してみよう
「公務員を辞めたい」と感じたときは、理由を分析してみるのがおすすめです。「公務員を辞めたい」と感じたときに理由を分析することは、自分の本当の不満や問題点を明確にし、改善策を考えるために重要。感情的な決断を避け、冷静に自分の立場や将来を見つめ直せるため、後悔のない選択がしやすくなります。
また、公務員を辞めたいと感じる理由が労働環境や職場の人間関係など具体的になれば、改善策を見つけることで、転職せずに現職を続ける選択肢も考えられるからです。今の心理状態や職場での不満など、理由として考えられることを書き出します。まずは、どのように行動すれば解決するかをはっきりさせることが大切です。
仕事のモチベーションの上げ方については、「仕事したくないときはどうする?対処法やモチベーションの上げ方を紹介」を参照してみてください。
公務員を辞める人の割合は7.3%増加している
総務省の「退職状況等調査結果のポイント」によると、2022年に普通退職した地方公務員の割合は、2021年に比べて増加していることが分かります。
2021年 | 2022年 | 対前年度 増減数 | 対前年度 増減率 | |
---|---|---|---|---|
普通退職者数 | 4万899人 | 4万6,103人 | 5,204人 | 12.7% |
退職者総数 | 12万9,713人 | 13万9,159人 | 9,446人 | 7.3% |
参照:総務省「退職状況等調査結果のポイント」
なお、普通退職とは自己都合退職や在職通算期間の通算を伴う退職など、ほかの区分のいずれにも該当しないものとします。また、上記における「普通退職者数」には、任命権者またはその委任を受けた者の要請に応じ、引き続きほかの地方公共団体の職員となるため退職手当を支給されずに退職した場合を除いた数字です。
上記によると、2022年における退職者の13万9,159人のうち、普通退職者は4万6,103人でした。2021年における普通退職者数の4万899人と比べると、5,204人(12.7%)増加していることが分かります。このことから、地方公務員における普通退職者数は増加傾向にあるといえるでしょう。
参照元
総務省
地方公務員制度等|高齢対策
公務員を辞めるメリット
ここでは、公務員を辞めるメリットについてまとめました。以下でそれぞれについて詳しく解説するので、ぜひご一読ください。
公務員を辞めるメリット
- 労働基準法の適用がある
- キャリアの可能性が拓ける
- 収入アップの可能性が高まる
- 副業ができる
1.労働基準法の適用がある
公務員を辞めると、労働基準法の適用対象になることがメリットの一つ。公務員は労働基準法の適用を受けないため、労働時間や残業、休日に関する規定が民間企業とは異なります。特に、時間外労働の割増賃金や休憩時間の管理などが必ずしも法律で守られているわけではありません。
民間企業に転職すれば、労働基準法の保護を受けられるため、労働環境がより整備された職場で働くことが可能になるでしょう。
2.キャリアの可能性が拓ける
公務員を辞めると、キャリアの可能性が拓けるのも大きなメリットです。公務員は業務内容が法律や制度に基づいており、配属や昇進のルートが固定されていることが一般的。そのため、自分の意思で新しいスキルを習得したり、違う分野に挑戦したりする機会が限られているといえるでしょう。
一方、民間企業では異業種への転職やキャリアチェンジが可能で、自分の興味や強みを活かした働き方が可能です。実力主義の企業では、成果を出せば早期に昇進できたり、より裁量の大きな仕事を任されたりする機会もあるでしょう。公務員として培ったスキルを活かしながら、新たな分野に挑戦することで、より自分に合ったキャリアを築ける可能性があります。
3.収入アップの可能性が高まる
公務員の給与は安定しているものの、昇給のペースが決まっており、大幅な収入アップは難しいのが現実です。特に、管理職にならない限り給与の上昇幅が小さく、長く勤めても収入が大きく伸びるとは限りません。
しかし、業績や成果主義を重視する民間企業では、自己の実力やパフォーマンスに応じて給与が決定されるため、優れた成果を上げれば早期に昇給や昇進のチャンスを得られることも。転職市場では企業のニーズに合致するスキルや経験をもつ人材には高い給与が支払われる場合もあり、転職を通じて収入の大幅な増加を実現できる可能性もあります。
また、民間企業では、求人情報をもとに収入水準を自分で選択できることがポイントです。希望の業界や職種で転職することで、経験やスキルを活かしてより高い年収を目指せるでしょう。
4.副業ができる
公務員は法律で副業が禁止されており、公務のほかに収入を得ることは基本的に認められていません。しかし、民間企業では副業を許可している会社もあるため、本業のほかに個人で収入を得ることが可能になります。
また、副業を通じて新たなスキルを習得し、将来的に独立や起業を目指すことも可能です。自分の可能性を広げるためにも、副業ができる環境は大きなメリットとなります。
「正社員は副業してOK?働く際の注意点と確定申告の基礎知識」のコラムでは、正社員が副業をする際の気をつけるポイントを解説しています。副業に興味がある方は参考にしてみてください。
公務員を辞める4つのデメリット
公務員を辞めると、社会的信用や雇用の安定性が低下する可能性があるなどのデメリットがあります。公務員を辞めたい場合は、以下で主なデメリットを押さえておきましょう。
公務員を辞めるデメリット
- 社会的信用が低下する可能性がある
- 周囲に反対される可能性がある
- 一度辞めると公務員に戻りにくい
- 福利厚生が悪くなる可能性がある
- 転職活動がうまくいくとは限らない
1.社会的信用が低下する可能性がある
公務員を辞めると、社会的信用が低下する可能性があるでしょう。公務員は国や地方自治体から身元を保証されているうえ、景気が悪化しても解雇されにくいという点で安定した職業といえます。そのため、公務員を辞めることに対して周囲から反対されることもあるでしょう。公務員の雇用の安定性や社会的信用の高さといった大きなメリットの喪失に対し、周囲は「もったいない」と感じるようです。
特に、辞めようとする人が世帯主で主たる生計者の場合には、夫や妻、家族に反対されがち。30代や40代で世帯の主として家族を支えている方は、周囲の期待も大きいため、決断が難しい場合もあるでしょう。
しかし、この社会的信用の低下は、転職先での実績や成果によって払拭できることもあります。公務員を辞めることが必ずしもマイナスになるわけではなく、その後のキャリアによっては新たな社会的信用を築くことも可能です。
2.一度辞めると公務員に戻りにくい
公務員を一度退職すると、再び公務員の仕事に就くのは難しいといえます。公務員として再採用されるためには、年齢制限や募集のタイミング、競争などが関わるため、再就職のハードルが高くなりがちなようです。特に、年齢制限がある場合や、再採用の枠が限られている場合には、戻りにくくなることも考えられます。
また、再度公務員を目指す場合、前回の経験やポジションがどのように評価されるかも重要な要素です。前回の経験やポジションがどの程度再雇用のプロセスでの評価に結びつくかは、その職種や部門の求めるスキルや経験によって大きく変わります。そのため、再度公務員に戻ろうとする際には、自分の過去の経験や役職が再雇用にどのように影響するかを考慮して、慎重に判断する必要があるでしょう。
3.福利厚生が悪くなる可能性がある
公務員を辞めたことによって、福利厚生が悪くなってしまう可能性もあります。たとえば、民間では企業によって導入の有無が異なる居住手当や退職手当は、自治体によって額は異なるものの公務員は基本的に受けられます。
さらに、民間企業では「勤務半年経ってから、勤続年数に応じた日数」を支給される有給休暇ですが、公務員の場合は「4月1日に勤務を開始した時点で15日分を付与」(基準日が1月1日の場合)。そのため、初年度から有給を多く使えます。
このように、公務員であればある程度の福利厚生が望める一方で、民間企業の福利厚生の内容は企業によって異なります。手厚い福利厚生を受けられる企業もあれば、それほど手厚くないところもあるので、転職先によっては悪くなってしまうこともあるでしょう。
4.転職活動がうまくいくとは限らない
公務員を辞めたあとに転職活動を行う際、うまくいかない可能性があることもデメリットとして挙げられます。公務員の職務経験はその特殊性から、民間企業の求人に直結するとは限りません。公務員としてのスキルや業務内容が民間企業ではあまり評価されない場合もあり、転職先の企業が求める能力や経験と一致しないことがあるからです。
また、転職市場は競争が激しく、特に人気のある職種では多くの求職者が集まり、経験不足や職歴のブランクなどが影響することも。このような状況下では、転職活動が長引いたり、理想的なポジションに就けなかったりすることも考えられるため、転職に対して十分な準備と覚悟が必要です。
公務員を辞めるかどうかの3つの判断基準
公務員を辞めるかどうか迷った場合には、次の3つの基準をもとに判断することをおすすめします。以下で、詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
公務員を辞めるかどうかの判断基準
- 辞めたいと思う理由が業務内容か
- 辞めたあとに後悔しなさそうか
- 現在の不満を今後解消できそうか
1.辞めたいと思う理由が業務内容かどうか
公務員を辞める理由が業務内容に関わるものでなければ、退職を今一度検討することをおすすめします。原因が職場の人間関係や給料などであれば、状況が変わって退職せずに済む可能性があるからです。
一方、「民間企業でしかできないような仕事がしたい」といったどうしても現職では不可能な理由であれば、退職を決断するのも選択肢の一つといえるでしょう。
2.辞めたあとに後悔しなさそうか
公務員を辞めると決める前にメリットも考え、後悔しないよう慎重に検討するのをおすすめします。なぜなら、公務員を辞めたあと再度公務員を目指すのは難しいうえ、民間企業に転職すると雇用の安定性が下がる可能性があるからです。
安定した雇用や社会的信用の高さなど公務員であるメリットは大きいので、それらの長所がなくなっても良いのかを冷静に考えましょう。
3.現在の不満を今後解消できそうか
現在の業務に対する不満がそのうち解消できる見込みがあれば、すぐに退職を決めないほうが無難といえます。先述したように、公務員という立場のメリットは大きいからです。現在、精神的に非常につらい思いをしていたり、勤務に耐えられなかったりする場合は、退職の前に休職を検討するのも一つの手といえます。
転職前に考えるべきことについては、「仕事を辞める決断ができないのはなぜ?対処法と決意した後の流れもご紹介」のコラムでも解説していますので、あわせてご覧ください。
辞めたい気持ちがあるけれど迷っている場合の対処法
公務員は安定した職業で、多くの利点がありますが、仕事内容や人間関係に悩み、退職を考える方もいるでしょう。「もったいない」という思いと「辞めたい」という気持ちの間で葛藤している方に向けて、以下の対処法をご紹介します。
自分の気持ちを整理する
「辞めるのはもったいない」という気持ちと「辞めたい」という気持ちの間で悩んでいる方は、自分の気持ちを整理することが大切です。「辞めたいと感じる理由は一時的か根本的な問題か」「今の仕事を続けることで、本当にやりたいことは実現できるのか」などを冷静に分析しましょう。これらのことをじっくりと考えて整理することで、より客観的に状況を判断できるようになります。
また、周囲の意見も参考にしながら、自分にとって最善の決断を下しましょう。特に、家族や身近な友人には、率直な意見を聞くことをおすすめします。
「誰に相談したら良いか分からない」「どのように相談するべきか悩む」という方は、「仕事の悩みを抱えたら誰に相談すれば良い?解決方法も紹介!」で具体的な対処法を詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
行動や考え方を変えてみる
現状を受け入れて、自分の行動や考え方を変えることで、仕事に対する意識が変わる可能性があります。「上司に相談してみる」「異動を希望してみる」「資格取得を目指す」など、できることをやってみるのも一つの手です。行動や考え方を変えても、必ずしも良い結果になるとは限りませんが、その経験は仕事に対する自信につながるでしょう。
「どうしても今の仕事を続けるのが難しい」と感じる場合は、転職活動に取り組むのも一つの選択肢です。「辞めてよかった」「辞めなくてよかった」と、将来の自分にとって、後悔のない選択となるように、慎重に検討しましょう。
公務員の経験を活かせる仕事
公務員を辞めて民間企業へ転職する際には、今までの経験が活かせる仕事を選ぶのがおすすめです。以下、詳しくみていきましょう。
公的機関とやり取りのある企業
公的機関を相手にしている企業であれば、公務員として働いた経験を活かせるでしょう。たとえば、公共事業を扱う建設業界やインフラ企業、公共交通機関などが該当します。これらの企業は、政府や自治体と契約を結び、公共事業を実施しているため、公務員として培った行政手続きや規制への理解、政府との交渉や調整のスキルが強みとなり得ます。
また、規制や政策に関わるエネルギー業界や医療業界、教育関連の企業などでは、公務員としての経験が政府や地方自治体との契約に活かせたり、行政との調整や法令遵守に貢献できたりする場合もあるでしょう。これらの企業では、公務員として得た知識やネットワークを活用し、円滑な業務運営や契約締結をサポートすることが可能です。そのため、公的機関が主な取引先である企業は転職先の候補の一つとして検討してみることをおすすめします。
公務員の業務で身につけたスキルを活かせる仕事
公務員の業務で身につけたスキルを活かせる仕事を探すのもおすすめです。たとえば、予算管理や財務スキルは、企業の経営や財務部門で役立てられるでしょう。公務員として予算の策定や管理を行っていた経験は、企業での予算管理やコスト削減の提案に活かせる場合も。
また、法令遵守や規制対応に関するスキルも有用です。公務員は法律や規制を遵守し、行政手続きを進める役割を担っているため、法令遵守や規制対応に関する知識は、民間企業のコンプライアンス部門や規制対応を求められる業界で活かされるでしょう。
これらのスキルを活かすことで、公務員時代に得た経験が民間企業でも強みとなり、転職先で即戦力として活躍できるチャンスが広がります。
自分のどのようなスキルが転職に活かせるか知りたい方は、「転職に役立つスキル一覧!ポータブルスキルとそのアピール方法も紹介」をぜひご覧ください。
公務員を辞めて民間企業に転職できる?
結論からいうと、公務員を辞めて民間企業に転職することは可能です。しかし、「退職理由に説得力があるかどうか」「公務員という立場のメリットがなくなっても後悔しないかどうか」などを踏まえて、慎重に検討すべきでしょう。
企業は、転職者がどのような動機で転職を考えたのかを評価し、その人物が長期的に会社に貢献できるかどうかを見極める傾向があるからです。退職理由が不明確であったり、ネガティブな理由であったりすると、企業はその点を懸念し、採用をためらうこともあるでしょう。
また、公務員の安定性やメリットを失って後悔しないかを考える必要があるのは、民間企業では安定した雇用や福利厚生が公務員に比べて劣る可能性があるためです。公務員としての地位を手放すことで、将来の不安や待遇面の違いに直面する可能性があります。そのため、辞めたあとに後悔しないよう、民間企業で得られるメリットと公務員としての安定性を比較し、しっかりと検討することが大切です。
公務員を辞める人が転職活動を成功させるためのコツ
公務員を辞める人が転職活動を成功させるためのコツは、志望動機を明確にすることと積極的に学ぼうとする姿勢を見せることです。以下、それぞれ解説します。
公務員を辞める人が転職活動を成功させるためのコツ
- 志望動機に説得力をもたせる
- 積極的に学ぼうとする姿勢を見せる
- 希望条件を明らかにする
- 在職中に転職活動をする
- 転職活動が周囲に分からないようにする
1.志望動機に説得力をもたせる
公務員からの転職を成功させるには、応募先企業の志望動機に説得力をもたせるのがおすすめです。採用担当者は、メリットの大きい公務員を辞めて一般企業に転職する理由や自社を選んだ理由を知りたいと思っているからです。
志望動機に説得力をもたせるためには、退職理由や入社後の展望と一貫性のある内容にすることがポイント。「転職をしたいけど、志望動機に悩んでいる」という方は、キャリアアドバイザーが丁寧に志望動機の書き方について解説している「志望動機の作り方を解説!好印象な回答をするポイントとは」を参考にしてみてください。
2.積極的に学ぼうとする姿勢を見せる
応募先企業の選考では、「仕事を積極的に学びたい」という前向きな姿勢を見せると良いでしょう。採用担当者は、公務員出身の人材が一般企業の社風や業務のスピード感についていけるかどうかを気にしているからです。
利益を追求する一般企業では、業務によりスピード感があるのが特徴。そのため、積極的に仕事を学んで、一般企業のスピード感についていく姿勢をアピールすると効果的でしょう。
3.希望条件を明らかにする
公務員から民間企業に転職する場合は、希望条件を明確にしたうえで転職活動を行うのがコツです。一刻も早く退職したいからと、希望条件をよく検討せずに活動をすると、ミスマッチが起きてなかなか内定をもらえなかったり、早期離職につながったりする可能性があります。転職活動を始める前に、就活の軸となるような希望条件を明確にしてから具体的な活動に移りましょう。
「企業選びの軸はどう見つける?人柄や社風から探すべき?例文も紹介」のコラムもご覧ください。
4.在職中に転職活動をする
公務員から一般企業への転職活動は、在職中に行うのが望ましいといえます。一度退職すると公務員に再就職するのが難しいうえ、すぐに決まらないと経済的に困る可能性があるからです。なお、公務員は雇用保険の対象外でもあるため、一部を除いて失業保険は受給できません。
詳しくは、「公務員は失業保険をもらえる?退職後に受け取れるお金と手続きの方法を解説」のコラムをご覧ください。
5.転職活動が周囲に分からないようにする
転職活動は周囲に分からないように進めることをおすすめします。転職サイトに登録したり、転職しようとしているのが周囲に分かると、引き止められたり態度を変えられたりする可能性があるからです。
職場では転職活動の素振りは見せず、退勤後や休日といった時間を使いながらエージェントに相談して、転職活動を行いましょう。
公務員を辞める人のおすすめの転職活動の進め方
公務員を辞めて転職活動をする際には、次のような進め方があります。以下、それぞれみていきましょう。
就職・転職サイトを利用する
一人で就活をする場合には、就職・転職サイトで求人を探しながら転職活動を進める方法があります。就職・転職サイトはいつでも利用できるうえ、大量の求人を見られるのが魅力です。就職・転職サイトは自分で求人を選んで応募できるので、自分のペースで転職活動をしたい人に向いているでしょう。
一方、就職・転職サイトには「同じ企業の求人をたびたび見かける」「求人数が多くて自分の希望に合ったものを見つけるのが大変」「応募から選考日程まで一人で対応する必要がある」といったデメリットもあることを頭に入れておく必要があります。
就職・転職支援サービスを利用する
求職活動の際には、就職・転職支援サービスを利用するのもおすすめです。就職・転職支援サービスには、大きく分けて公営のハローワークと民間企業の運営する就職・転職エージェントがあります。どちらも基本的には無料で利用でき、求人紹介のほか、カウンセリングや選考対策といったサービスを受けられるのがメリットです。
ハローワークは管轄地域の求人を多くもっているので、「地元で就職したい」と働きたい地域が決まっている人に向いているでしょう。一方、転職エージェントは企業によって扱う業界や支援対象が異なるので、自分に合ったサービスを提供するエージェントを選ぶと希望に近い求人が見つかりやすいのでおすすめです。
ハローワークの利用方法については、「ハローワークの使い方は?利用の流れとポイントを徹底解説」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
公務員を辞めて一般企業への転職を考えている方は、就職・転職エージェントのハタラクティブがおすすめです。ハタラクティブは、スキルや経験に不安のある20代の方に向けて、人柄やポテンシャルを重視する企業の求人を多数取り扱っております。
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公務員を辞めることに関するQ&A
公務員を辞めるときには、自分がなぜ転職したいのかを明確にしてから転職活動を始めるのがおすすめです。ここでは、公務員を辞めたいと思っている人に向け、よくある質問と回答を紹介します。
公務員を辞めて民間企業に転職できる?
公務員から民間企業への転職は可能です。
しかし、公務員と民間企業とでは仕事の目的が異なるので、志望動機をよく練るのが大事。採用担当者は、安定した公務員を辞めて民間企業に転職する説得力のある理由を知りたいと考える傾向があるからです。自分のやりたいことは民間企業でしかできない旨を伝えましょう。
公務員を辞めたいときの判断基準は?
公務員を辞めたいと思ったら、「公務員のメリットがなくなっても後悔しないか」「辞めたい理由は仕事内容に関わるものか」といった内容を検討してみましょう。公務員にはメリットもあるので、安易に退職を選ぶのではなく、今の仕事のまま自分のしたいことや望む職場環境は叶わないかどうかを改めて考えてみてください。
公務員を辞めたいけれど、なかなか就職先が決まりません
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また、民間の転職エージェントでは支援対象が企業によって違うぶん、よりその分野に特化しているのも魅力といえます。若年層向け就職・転職エージェントのハタラクティブでは、公務員から民間企業へ転職を希望する方の転職活動をサポートしていますので、ぜひ一度ご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。