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賞与とは?何ヶ月分もらえるもの?労働基準法で決まっている?
更新日
この記事のまとめ
- 賞与とは、固定給とは別に支給される一時金のこと
- 賞与は労働基準法による定めがないため、企業により規定が異なる
- 一般的に、賞与は基本給の何ヶ月分と就業規則などに記載されている場合が多い
- 賞与は、パート/アルバイトには支給されない場合が多い
- 賞与に関するトラブルが起きて納得できない場合は、労基や弁護士に相談しよう
「賞与とは何か?」「何ヶ月分もらえるの?」などの疑問を抱えて就活に臨んでいる方は少なくないでしょう。賞与とは、固定給の支払いが発生している従業員に対して、企業が毎月の給与とは別に支給する一時金のこと。いわゆる「ボーナス」です。このコラムでは、ボーナスの基本を詳しく解説しています。賞与の対象となる人や金額の決定方法などを確認し、疑問を解消していきましょう。
賞与とは
賞与とは、固定給を支払っている従業員に対して、企業が毎月の給与とは別に支給すると定義されている一時金のこと。「ボーナス」「期末手当」「夏期手当」「年末手当」などさまざまな名称で呼ばれています。
一般的には、賞与を年に1~2回支給する企業が多いですが、3回以上支給されるケースも少なくないようです。しかし、賞与は賃金と違って企業側に労働基準法による支払い義務はありません。ボーナスの法的位置づけについて知りたい方は、「ボーナスとは?出ないのは違法?種類や支給額の決め方などの仕組みを解説」のコラムもあわせて参考にしてください。
賞与の決め方は企業によって異なる
賞与は労働基準法による支払い義務がない分、企業によって対応が異なります。賞与がいつ・いくら支給されるのか、そもそも支給されるのか、企業ごとにさまざまな規定があることを理解しておきましょう。これらは就業規則や、企業と労働組合や従業員の間で交わされる労働協約・労働契約などに明示されているため、確認しておくのがおすすめです。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」によると、令和5年の年末賞与の平均は、32万4,035円でした。
会社選びを賞与の額も踏まえて決めようとしている方は、「ボーナスの平均額は?何ヶ月分支給されるの?」のコラムを参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等
賞与とボーナスの違いは?
賞与とボーナスには明確な違いはなく、ほぼ同じ意味の言葉として考えて良いでしょう。国税庁では、賞与とは「定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するもの」と明記されています。企業や業界によって名称は違いますが、本質的にはどれも賞与と言い換えられるでしょう。
参照元
国税庁
賞与に対する源泉徴収
賞与の種類
一般的な賞与とは、基本給連動型の特別給料を指していますが、そのほかに「業績賞与」と「決算賞与」「寸志」が存在しています。
賞与の種類
- 基本給連動型賞与
- 業績賞与
- 決算賞与
- 寸志
基本給連動型賞与
基本給連動型賞与とは、基本給をベースにボーナス額を計算する方法で、「給与の何ヶ月分」と示されるものです。多くの企業ではこの方式を採用しており、最も一般的な賞与の決め方といえるでしょう。会社の業績や成果によらず、おおよその支給額を把握できるため、収入やライフプランを予測しやすいメリットがあります。
注意点は、基準となるのはあくまで基本給ということ。毎月の給与は、基本給に手当や残業代などが加算されています。それらも含めて計算してしまうと、実際の支給額と差が生じてしまうため、注意が必要です。
また、勤続年数や役職、所属部署による基本給が重視されるため、若手のうちは支給額が低い傾向にあります。成果を上げても、昇給がなければ賞与に反映されにくいため、人によっては不公平に感じることもあるでしょう。
業績賞与
業績賞与とは、6月や12月など支給日があらかじめ決まっている通常の賞与とは異なり、会社や個人の業績に応じて支給される賞与のこと。会社の売上高や営業利益をもとに算出される成果主義型の賞与のため、支給額の決定プロセスが分かりやすいのがメリットです。
しかし、業績が下がれば減額や不支給となる可能性もあります。特に、個々の業務やプロジェクトは成果を出していても、企業全体の業績が悪ければ賞与に影響が出てしまう点はデメリットといえるでしょう。企業の求人票などに「賞与は業績に応じて支給」などの記載がある場合は、業績賞与と捉えるのが一般的です。
決算賞与
決算賞与とは、決算月の前後に支払われる賞与のことで。その年度の業績が見込みよりも良かった場合に従業員に支給されます。決算とは、年度ごとの収支をとりまとめて業績を明示すること。決算の結果が良好だった場合に、会社が社員に利益分配を行うのが目的です。
業績賞与は個人の成果も加味されますが、決算賞与は会社の業績のみによって支給が決まります。支給することで従業員のモチベーションアップにつながるため、積極的に支給する企業も少なくありません。ほとんどの企業の決算月は3月もしくは12月なので、その時期に決算賞与が支給されることになります。
寸志
寸志とは、企業が社員に対して日ごろの業務姿勢をねぎらい、気持ちとして支給する金額を指します。寸志はアルバイトやパートにも支給されるケースが多く、在籍期間の関係でボーナスが支給されない新入社員に賞与の代わりとして寸志が支払われるケースも。支給額に決まったルールはありません。また寸志の支給がなくても労働基準法に違反しない点も理解しておきましょう。
公務員の賞与
公務員は「期末手当」と「勤勉手当」が賞与に該当します。民間企業のボーナス支給は企業によって異なりますが、公務員については法律によって期末手当・勤勉手当の支払いが定められているのが特徴です。
賞与の計算方法
賞与は、勤続年数やスキル、所属部署などを考慮して算定された基本給をベースに、「給与の何ヶ月分」として決められるのが一般的です。ただし、賞与を支給することは労働基準法で定められているわけではありません。経営者や上層部が、賞与の金額や支給回数、支給時期まで自由に決められます。そのため、同じ企業に勤めていても、賞与額に差が出るのはよくあります。
さらに、支給に関して条件を設ける企業も珍しくありません。代表的な条件が「在籍要件」です。査定対象となる期間に会社に在籍していなければ、どれだけ成果を上げても賞与なしの場合もあるでしょう。賞与額の決め方に関しては「ボーナスと基本給の関係性とは?賞与を計算する方法も解説」のコラムでも解説しています。
企業規模による賞与の決め方
数十名規模の中小企業では、各部署の責任者による評価・査定をもとに経営者が最終決定を行うケースが多く、数名~十数名規模の場合は経営者が直接金額を決めることが多いでしょう。経営者に賞与を一任することに疑問を感じても、就業規則に賞与の計算に関する規定がなければ、法的には問題ないようです。
社員数が100名を超えるような大企業では、客観的な計算式で賞与を決めているところが多く、たとえば「基本給×△ヶ月×評価係数」といった形で計算されます。月数はその会社の業績や就業規則などによりますが、評価係数には個人の成績が反映されるのが一般的なようです。
平均と比較して、自分がどのくらい賞与をもらっているか知りたい方は「ボーナスの平均額は?何ヶ月分支給されるの?」を参考にしてみてください。
賞与に税金や社会保険料はかかる?
賞与とは会社から支給される給与の一つのため、毎月の給与と同様に社会保険料や税金の対象となります。国税庁によると、差し引かれるのは「所得税」「厚生年金保険料」「健康保険料」「雇用保険料」などです。
差し引かれる金額は、賞与の額や扶養親族の有無などによって異なりますが、概ね支給額の8割ほどと考えて良いでしょう。控除額の内訳や詳しい計算方法は、「賞与の手取り額の計算方法を詳しく解説!控除される項目とは?」でご紹介しています。
参照元
国税庁
賞与に対する源泉徴収
新卒の賞与
新卒で入社した場合は「在籍要件」を満たしていないことが多く、夏は賞与がない可能性が高いといえます。企業によっては寸志として支給されますが、ボーナスより少額の数万円程度と考えて良さそうです。本格的にボーナスが発生するのは、冬からの場合が多いでしょう。新卒のボーナス事情について、詳しくは「新入社員のボーナスはいつからもらえる?支給のタイミングと平均額を紹介」をご覧ください。
アルバイトやパートに賞与は支給される?
アルバイトやパートなどの非正規社員に対して、賞与を支給する企業は少ないのが実情です。アルバイト・パートの場合は労働条件や業務の範囲が制限されているため、正社員に比べ責任を負う範囲は少ないといえます。
そのため、正社員のみに賞与を支給する企業が多いでしょう。非正規社員が支給される場合も、「一定のスキルを持つ人」「一定以上の勤務時間の人」など対象が限定されていることが大半のようです。非正規社員に対する賞与の支給対象や支給条件は、正社員同様に就業規則や賃金規定で確認できます。
アルバイトやパートに賞与が支給される例
アルバイトやパートに賞与が支給されるケースは、同一労働同一賃金に則した場合や、就業規則と雇用契約書にアルバイトやパートに賞与を支給する旨が記載されている場合が挙げられるでしょう。
同一労働同一賃金とは、正規社員と非正規社員の不合理な待遇差の解消を図る制度です。正規社員と非正規社員が同企業において同一責任範囲・勤務時間で同じ仕事をしていれば、同一の賃金を支払わなければなりません。違いがあった場合には、違いに応じた支給をする必要があります。
とはいえ、アルバイトやパートの働き方を選んでいる以上、正規社員と同一責任範囲・勤務時間・業務で働いている人は少ないといえるでしょう。賞与の支給対象であるとはいえ、該当する対象者は少ないと考えられます。
また、就業規則や雇用契約書に支給の旨が記載されている場合でも、非正規社員は固定給ではないため正社員のように「基本給の△ヶ月分」とならないのが一般的。支給されるとしても数千~数万円ほどで、寸志程度と考えておきましょう。
アルバイトやパートに賞与が支給される場合、正社員の支給時期と同様か、繁忙期や決算期に支給となることが多いようです。
参照元
厚生労働省
同一労働同一賃金特集ページ
賞与でトラブルを抱えたときはどうすれば良い?
最後に、賞与に関するトラブルがあった場合の対処法を紹介します。
自分だけ極端に賞与額が低かった場合
自分と同程度の仕事をしている同僚と比べ、明らかに賞与額が低いという場合は、まず会社側に説明を求めましょう。「評価期間のほとんどを休職していた」「処罰対象となる行為があった」などの事情がないにもかかわらず支給額に差がある場合は、会社の人事権を逸脱しているといえます。もし納得できる説明が得られなければ、労働基準監督署や弁護士への相談も視野に入れましょう。
契約書に書いてあるのに賞与がもらえなかった場合
賞与が契約により支払われる賃金の一部とみなされる場合は、会社側はその内容に従って支払う義務があります。支払われないようであれば会社側に説明を求め、合理的な説明がされない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談してみてください。ただし、「賞与の種類」で紹介したように、業績によって支給が決まる企業もあります。
契約書や規定などに「業績により支給」と明記されている場合、毎回支払われなくても法律違反にはなりません。相談する前に、しっかりチェックしておく必要があるでしょう。
「賞与は必ず出ると聞いたのにもらえない」「当初の契約と話が違う」など、契約内容と実情に大きな乖離がある会社はブラック企業の可能性もあります。企業に相談しても解決しなければ、転職を検討するのも一つの方法といえるでしょう。
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賞与に関するQ&A
ここでは、賞与に関する疑問や不安を抱えている方に向けて、賞与の基本情報をQ&A方式で回答します。
年俸制だと賞与は支給されない?
年俸制でも賞与が支給される会社はあります。年俸制は年間の給与支給額が決まっている制度です。賞与額も事前に確定しており、ボーナスとして支給する会社もあれば年報を12分割して月給として支払う会社もあります。
賞与が減額されることはありますか?
賞与の支給ルールは、各会社の就業規則や労働契約によって定められているため、条件を満たさない場合、減額になる会社もあります。たとえば、在籍期間が足りておらず支給されないケースはよくあるものです。
賞与がもらえる時期は決まっていますか?
賞与の種類や会社によって異なります。基本給連動型賞与や業績賞与は、夏と冬の2回に分けて支給されるのが一般的です。決算賞与は、会社の決算月や翌月支給が多いといえます。労働契約書や就業規則などに記載されているため、契約時に確認しましょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。