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会社都合退職の履歴書の書き方とは?状況別の記載方法や注意点も紹介
更新日
この記事のまとめ
- 会社都合退職と自己都合退職では、履歴書の退職理由の書き方に違いがある
- 会社都合退職の場合、履歴書への書き方は「会社都合により退職」で良い
- 自己都合退職の場合、履歴書への書き方は「一身上の都合により退職」で問題ない
- 職歴が多い人や空白期間がある人は、退職理由の詳細を書くと誤解を招きにくい
- 会社都合退職の履歴書の書き方で悩むときは、転職エージェントも活用してみよう
「会社都合退職した際の履歴書の書き方が分からない」とお悩みの方も多いでしょう。基本的には「会社都合により退職」と記載すれば問題ありません。しかし、状況によっては履歴書への書き方を工夫するのがおすすめです。
このコラムでは、会社都合退職に該当する条件や、履歴書への退職理由の書き方を詳しく解説しています。退職理由を書く際の注意点も紹介しているので、ぜひご一読ください。
会社都合退職における履歴書の書き方とは
履歴書を書くときは、会社都合退職と分かるように明記するのが一般的です。倒産や業績不振などが原因で社員が離職せざるを得ない状況になったとき、会社は一方的に労働契約を解除できます。解雇も会社都合退職に含まれ、30日前に解雇予告をしたうえで実施するのが基本的な流れです。
ここでは、会社都合退職になるケース・自己都合になるケース、それぞれについて解説します。
会社都合退職になるケース
会社都合退職には「倒産」「解雇」「退職勧奨」などが含まれます。退職勧奨とは、会社が従業員を促して退職の合意を得て雇用契約を終了させることです。退職勧奨は基本的に会社都合退職として扱われます。
会社都合退職に当てはまるのは、次のようなケースです。
- ・倒産や業績不振による労働契約の解除
・事業縮小による退職
・会社から退職を促されての離職
・入社前に提示された条件と現状が大幅に違っていたことが原因での退職
・給与の未払いや不当な減額が原因の離職
・社内でのいじめやハラスメントが原因の退職
嫌がらせの被害や長時間勤務が原因で退職する場合は、自分で決断したとしても「離職を余儀なくされた」と判断でき、会社都合退職として扱われる場合があります。経営不振や能力不足によって解雇された場合は基本的に会社都合退職となりますが、懲戒解雇は対象外です。
参考として「履歴書の退職理由はどう書くのが良い?書かないのはマナー違反?」もぜひご覧ください。
自己都合退職になるケース
自分の都合や希望で退職するのが自己都合退職です。たとえば、結婚や転居、介護、病気療養、転職などを理由に仕事を辞める場合は自己都合退職になります。
また、懲戒処分を受けて解雇となった場合も自己都合退職の扱いです。
参照元
厚生労働省
労働契約の終了に関するルール
退職理由別の履歴書の書き方
退職理由にはさまざまなものがあるものの、大きく次の3つに分けられます。
- ・会社都合退職
- ・自己都合退職
- ・契約満了退職
履歴書には「退職理由を記載しなくてはならない」といったルールはありません。しかし、退職理由を記載しておくと採用担当者の不安解消に役立ちます。
それぞれ解説しますので、退職理由の書き方をチェックしておきましょう。
1.会社都合退職の場合
会社都合退職は、履歴書に「会社都合により退職」と記載します。会社都合退職ならすべて同じ書き方で問題ありません。「倒産により」「経営不振により」など、詳しい理由は書かなくても問題ないとされています。
2.自己都合退職の場合
自己都合での退職なら「一身上の都合により退職」と記載しましょう。個人的な事情を意味する言葉が「一身上の都合」で、自分から退職を希望した場合は理由を問わず使用可能です。
「一身上の都合」と書くケースについては「履歴書に『一身上の都合により退職』と書くのはどのようなとき?」のコラムもあわせてご覧ください。
3.契約満了退職の場合
契約社員や派遣社員など一定期間の雇用形態で働いていたケースでは、「契約期間満了につき退職」と記載すれば問題ありません。ただし、契約期間中に自ら退職を申し出た場合は「自己都合退職」に該当します。
会社都合退職の理由の記載例
基本的に、会社都合退職や自己都合退職で理由を詳細に記入する必要はありません。ただし、以下のケースに該当する方は詳細を記載するようにしましょう。
- ・転職回数が多い人
- ・長い空白期間がある人
- ・職歴に一貫性がない人
詳細を記載すると、就活で不利になるリスクを防げるでしょう。ケース別に紹介しますので、自身の状況と照らし合わせてみてください。
1.転職回数が多い人
転職回数が多い人は、「採用してもまたすぐに離職するのではないか」と企業から警戒されるおそれがあります。そのため、会社都合・自己都合どちらの場合も、採用担当者に納得してもらえる退職理由を記載しておくことが大切です。
- (例)
- ・2012年6月 親の介護に伴い退職
- ・2016年5月 会社都合により退職
- ・2018年1月 キャリアアップのため退職
- ・2019年2月 海外への移住に伴い退職
理由が明確だと、採用担当者の不安を払拭できるでしょう。
2.長い空白期間がある人
すぐに転職先が決まらず、前職からの空白期間が長くなってしまっている人もいるでしょう。職歴に長い空白期間があると、採用担当者は離職後に何をしていたのかを気にします。会社勤めから離れていた期間が長い場合、本当に社会復帰できるのか心配されてしまうかもしれません。
半年以上ブランクがある場合は、空白期間に何をしていたのか説明できる履歴書を作成しましょう。
- (例)病気療養で空白期間があるケース
- ・2015年4月 △△株式会社 入社
- ・2017年9月 病気療養のため退職(10月31日現在、完治)
- (例)フリーランスとして働いていたケース
- ・2015年4月 △△株式会社 入社
- ・2016年8月 一身上の都合により退職。以後フリーランスとして活動
離職後の空白期間について、分かりやすく書き添えてください。
3.職歴に一貫性がない人
業種や職種など職歴に一貫性がないように見える人は、「スキルや経験なども中途半端なのではないか」と採用担当者に懸念される可能性があります。自分のなかで一貫性がある転職なら、面接や職務経歴書で説明できるよう、退職理由の詳細を履歴書に端的に記載しておくと良いでしょう。
- (例)
- ・2014年4月 △△株式会社 入社
- △△店 販売員として勤務
- ・2019年9月 プログラマー転身のため退職
履歴書の書き方で迷ったら「履歴書の書き方!【見本付き】職歴・学歴・志望動機などの作成方法を解説」も参考にしてみてください。
履歴書に会社都合退職について書く際の3つの注意点
履歴書に書く退職理由は、基本的に定型文で大丈夫です。ただし、以下の3点に注意しましょう。
履歴書に会社都合退職について書く際の注意点
- 嘘の退職理由は書かない
- 刑事罰による懲戒解雇の記載漏れは避ける
- ネガティブな退職理由は書き方を工夫する
1.嘘の退職理由は書かない
「少しでも印象を良くしたい」と思うかもしれませんが、履歴書に事実とは異なる退職理由を記載するのはやめましょう。嘘を書いても、本来の退職理由は離職票や源泉徴収票からすぐに分かります。転職先に嘘が発覚した場合、経歴詐称で懲戒解雇の対象になる可能性もあるため注意が必要です。
「懲戒処分とは?種類や解雇されることで生じる影響について解説」では懲戒処分について紹介しています。
2.刑事罰による懲戒解雇の記載漏れは避ける
刑事罰を受けて懲戒解雇になった人は、履歴書に賞罰欄があった場合に「△△罪で罰金刑」といった記載が必要です。退職理由の詳細を書く必要がないからといって賞罰欄まで「なし」としてしまうと、経歴詐称にあたる可能性があります。懲戒解雇の経験があるのなら、履歴書の書き方に注意しましょう。
3.ネガティブな退職理由は書き方を工夫する
嘘はNGといっても、ネガティブな退職理由をそのまま履歴書に書くのは避けましょう。
たとえば、人間関係でのトラブルや上司からのパワハラなどが離職理由であっても、正直に記載すると採用担当者に良くない印象を与えてしまう可能性があります。そのため、会社都合退職なら「会社都合により」といった記載のみにとどめるのがおすすめです。
また、ネガティブな理由の自己都合退職なら「スキルアップのため」といったポジティブな書き方に変換し、採用担当者の理解を得られるよう工夫しましょう。なお、病気療養が退職理由の場合は、現在は完治していることを補足すれば問題ありません。
【記載欄別】会社都合退職の履歴書の記入法
履歴書で退職理由を記載できる欄は、次の3つです。
- ・職歴欄
- ・退職理由欄
- ・備考欄
記載欄ごとに解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1.「職歴欄」に記入する場合
退職理由の詳細を一言だけ履歴書に記載したい場合は、職歴欄に書きましょう。退社年月の横に「キャリアアップのため退職」「育児に専念するため退職」のように記載すれば大丈夫です。
会社都合退職なら、「会社都合(会社倒産)により退職」と付け足して記入する方法でも良いでしょう。
2.「退職理由欄」に記入する場合
履歴書に退職理由欄がある場合は、直近の会社での退職理由を記載します。在職中で会社都合退職予定の場合は記載できないため、退職理由欄のない履歴書を選んで使うと便利です。
退職理由欄はある程度のスペースが設けられています。そのため、「前職では△△を担当しておりましたが、□□のため退職いたしました。現在就業できる状況になったため、前職の経験を活かして貴社で活躍したいと考えております。」と、志望理由を含めて記入するのもおすすめです。
3.「備考欄」に記入する場合
退職理由を職歴欄に書ききれない場合は、履歴書の備考欄を使用しても問題ありません。志望理由を含めた退職理由を記載すると良いでしょう。
履歴書の備考欄については「履歴書の備考欄には何を書くの?書き方や記載例をご紹介」のコラムでも紹介していますので、ぜひご覧ください。
会社都合退職の履歴書の書き方を把握しておこう
会社都合退職をした方は、自身の状況に合った退職理由の書き方を把握しておきましょう。履歴書への退職理由の書き方は、離職した経緯によって異なります。退職後の空白期間が長い・転職が多いなど、状況次第では詳細を記載したほうが良いケースもあるでしょう。「なぜ仕事を辞めたのか」「なぜ空白期間があるのか」は採用担当者が気にするポイントの一つです。
あらかじめ履歴書で触れておくと、「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」「前職で揉めて辞めたのでは」といった採用担当者の懸念を払拭できる可能性があります。自分の状況を踏まえたうえで、どのように記載するかを考えることが大切です。
「会社の辞め方や手順を解説!退職理由の伝え方で注意したいことも紹介」では会社の辞め方を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
若年層を対象とした就職・転職エージェントのハタラクティブでは、履歴書の添削や面接対策など、就職にかかわることを徹底サポートしています。「どのように履歴書を書いたら良いか分からない」「退職理由を書くべきかの判断ができず悩んでいる」といった方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。
会社都合退職の履歴書の書き方にまつわるQ&A
会社都合退職した際の履歴書の書き方でよくある質問を紹介します。疑問を解消して、採用につながる履歴書を作成しましょう。
会社都合退職にはどのようなものがありますか?
「倒産」「解雇」「退職勧奨」などがあります。該当するのは、倒産や業績不振により労働契約を解除された場合や、会社から退職するように促された場合、入社前に提示された条件と現状が大幅に違っていたことが原因で退職した場合、などです。
会社都合退職の理由は履歴書に詳細を書くべきですか?
基本的には「会社都合により退職」と記入すれば詳しい理由は不要です。
しかし、転職回数が多い方や転職までの期間が空いている方は、離職理由を記載すると有利に進められる可能性があります。退職理由や空白期間などの状況に合わせて対応してみてください。
会社都合の退職理由は履歴書のどの欄に記載したら良い?
履歴書で退職理由を記載できる欄は、職歴欄・退職理由欄・備考欄の3箇所です。退職理由欄がない履歴書では、職歴欄に記入します。書ききれないときは備考欄を利用しましょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。