始末書とは?書き方や顛末書との違いを解説!

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この記事のまとめ

  • 始末書は「けん責」という処分の一つで、不祥事に対する反省と再発防止を表す文書
  • 始末書の提出後も改善されないようなら、より重い処分を科せられる可能性がある
  • 始末書を作成する際のポイントは、提出期限を守り正確な事実と心からの謝罪を記すこと
  • 始末書処分になり、今の仕事に適性がないのではと思ったら転職を検討するのも手

始末書という言葉は聞いたことがあっても、どのような文書か知らない人もいるでしょう。
始末書は企業が下すもののなかでは比較的軽い「けん責」という処分で、反省文と違い社内に保管される正式な文書です。このコラムでは、始末書の書き方や作成する際の3つのポイントを紹介します。また、始末書と間違えやすい書類についても解説していくので、ぜひご覧ください。

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始末書とは?

始末書とは「けん責」という処分の一つで、自分が起こしたミスに対して反省の気持ちを表すとともに再発防止を誓約する文書です。
始末書の提出は正式な処分ですが、対象者が提出を拒んだ場合に強要されない場合もあります。
なぜなら、始末書は事実関係を認めたうえで反省し謝罪するという、本人の心情や意思を表明するものだからです。日本では憲法第19条によって個人の内心の自由が保障されているため、本人が意思表明を拒んだ場合に強制すると「内心の自由の侵害にあたる」と解釈されています。よって、始末書を提出するようにいわれた場合に従わないことも可能です。
以下で始末書の詳しい内容について解説します。

参照元
e-Gov法令検索
日本国憲法

始末書の提出は拒めても実質的な処分は免れない傾向にある

憲法で守られるのはあくまで個人に対する内心の自由の保障です。実質的な処分を免れたわけではないことに注意しましょう。トラブルを起こしたにもかかわらず始末書を提出しなかったという事実は残るうえ、提出を拒否したことで「反省の色がない」と捉えられる可能性が高いです。

始末書は不祥事の報告と反省・再発防止の誓約を表す文書

始末書とは自分の起こした問題や不祥事の一部始終を報告するとともに、反省の気持ちと再発防止の誓約を表すために作成するものです。始末書は企業内で保管され、訴訟などに発展した際には事実確認のために使用される法的効力のある書類なので、自分の把握している事実を一部始終正確に記すことが求められます。

始末書を書くとどうなる?

始末書を書くこと自体が処分なので、それ以上なにかを科される可能性は低いといえるでしょう。
しかし、始末書を書くと今後の昇給や昇格、賞与などに影響する恐れもあります。また、転職をする際に懲戒処分歴を聞かれるなど、何らかの影響を与えてしまう可能性もあるので注意しましょう。

提出後に改善されなければより重い処分になることも

一度始末書を提出したにもかかわらず同じことを繰り返すなど改善が見られないと、その後より重い処分が科せられる可能性があるので注意しましょう。「業務改善命令に従わない」として就業規則に基づき、減給などのより重い処分を科せられる場合があります。
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始末書と間違えやすい顛末書や反省文との違い

顛末書や反省文といった文書と始末書の違いは、以下のとおりです。混同しやすいので、それぞれとの違いを覚えておきましょう。

顛末書とは

始末書と顛末書の違いは、謝罪や反省といった意味が含まれているかどうかです。顛末書は起こったことの一部始終を正確に説明するための文書で、謝罪や反省の意味は含みません。
また、始末書はけん責という処分である一方、顛末書は処分ではなく事実を説明するための書類であることも大きな違いといえるでしょう。始末書の書き方と顛末書との違いについては、「誠意が伝わる始末書の書き方とは?顛末書との違いとあわせて解説」のコラムでも詳しく説明しています。

反省文との違い

始末書と反省文の違いは、提出目的と文書の性質にあります。
どちらも謝罪や反省の意味を含みますが、始末書が企業からの処罰であるのに対し反省文はトラブル再発防止のための振り返りと反省を促す個人的な文書。よって、始末書は企業、反省文は直属の上司個人と提出先が異なるのも特徴です。

始末書処分となる3つの主な場面

始末書処分になるときには、金銭的損害を発生させたときや社内規則への違反、企業のイメージを大きく損ねたときなどが挙げられます。以下、具体的な場面を見ていきましょう。

1.会社に金銭的な損害を発生させたとき

企業に金銭的な損害を発生させた場面とは、職場の大事な備品や商品を破損・紛失した場合などを指します。社用車やパソコンなどの高額な備品の破損、取引金といった金品の盗難、企業が販売する商品の破損等が主な例です。

2.就業規則などの社内規則に違反したとき

企業の就業規則に対する悪質な違反があった場合、始末書の対象になります。
例としては正当な理由のない遅刻や欠勤の繰り返し、規則違反の副業、転勤の拒否、セクハラ・パワハラといったハラスメント行為などが挙げられるでしょう。

3.会社のイメージを著しく損ねたとき

業務上見過ごせない大きなミスをしてしまったときにも、企業のイメージを著しく損ねたとして始末書の対象となる場合があります。具体的には「現場作業のミスで企業の信頼を損ねた」「納品ミスで企業に大きな損害が出た」といったトラブルが当てはまるでしょう。
また、法律違反はたとえ社外であっても始末書の対象です。違反の程度にもよりますが、あまりに悪質なものであれば懲戒解雇となる可能性もあります。

処分が不当であると感じたときの対処法は「降格とは?不当な処分をされたら不服申し立てはできる?」のコラムで詳しくご紹介していますので、お役立てください。

始末書の書き方

始末書の書き方には決まった形式があるので、それに則って作成しましょう。以下、始末書の構成をご紹介します。

宛先

始末書の宛先は、一般的に社長など企業の代表者です。
しかし、内容によっては支店長や工場長、所長などが宛先になる場合もあります。「△△株式会社 代表取締役△△様」のように、宛名は氏名に様をつけて書きましょう。

作成日

始末書を作成した日付、または提出する日付を書きます。一般的にどちらを書くかは決まっていないので、会社や上司に確認すると良いでしょう。
また、日付の和暦・西暦も決まりはありませんが、会社指定がないか確認しておくことをおすすめします。

氏名と部署名

自身の配属する部署名と氏名を右下に記載します。氏名の横に捺印しましょう。

起こった内容・原因・対処・今後の対応

起こったトラブルの内容とその原因、対処を記したあと、今後同じことを起こさないための対策について触れます。具体的な対策が難しい場合は「今後同じようなことを起こさないよう、細心の注意を払います」といった表現でまとめると良いでしょう。内容は長過ぎないよう、簡潔に分かりやすく書くことをおすすめします。

お詫びの言葉

最後に「二度とこのようなことのないよう誓約し、本書を提出いたします。この度は誠に申し訳ありませんでした。」と始末書を提出する旨と謝罪の言葉を述べます。
また、お詫びの言葉とともに、再発防止に向けた具体策を記載することをおすすめします。今後の具体策は内容がより明確に書かれているほうが、読み手に対し反省の気持ちも伝わりやすくなるでしょう。

金銭的な弁償方法

弁償の必要がある場合は、最後に弁償方法について触れます。「今回、私が企業に与えた損害につき、月々の給与から△△円を天引きでお支払いいたします」といった表現で述べるのが一般的です。
始末書の構成や例文をより見たい方は「始末書の書き方は?破損や事故など事例別の例文もご紹介」のコラムも併せてご覧ください。

始末書を作成する際の3つのポイント

始末書を作成する際には事実を正確に記したうえで謝罪と反省を表すことと、上司に様式を確認することがポイントとなるでしょう。以下で詳しく解説します。

1.起こった内容を正しくすべて記載する

始末書は事実を確認するための文書でもあるので、トラブルの経緯を正直に書きましょう。
言い訳やぼかした表現はせず、事実を端的に示すのが大事です。できるだけ正確な時刻を記し、損害の状況を数字で表すなど客観的に状況が分かるような書き方を心がけましょう。

日にちや時間を正確に書く

始末書を書くときは起こった内容を正しく記載するために、「いつ」「どこで」「なにが起こったのか」を正確に書きましょう。前述のように時系列で書くことにより、読む人にも分かりやすい文章で書くことができます。

始末書は簡潔に読みやすく書く

始末書はできるだけ簡潔に書きましょう。文章を長々と書いてしまうと読む人に内容が伝わりにくくなる恐れがあります。読み方によっては誤解される文面になったり、反省の意が伝わりにくかったりするでしょう。
始末書を書く際は、日にちや時間は詳しく書き、そのほかの説明はなるべく簡潔にまとめることをおすすめします。

2.心からの謝罪と反省の気持ちを表す

トラブル発生の原因が自分でなかったとしても、他の人のせいにせず自分の行動を反省する姿勢を見せましょう。

3.始末書処分が下されたら早めに提出する

上司から始末書を提出するよう指示されたら、できるだけ速やかに提出しましょう。
提出締切日が設定されているときには、上司が口頭で伝える場合と懲戒処分通知書による通達による場合があります。期限内に出せば良いですが、日数に関わらず早めの提出が望ましいでしょう。

始末書を手書きで書いても良いのか?

始末書を書くとき、手書きかパソコンで書くか迷うところではありますが、基本的には会社のルールに従いましょう。一般的には始末書は手書きのほうが丁寧な印象ではありますが、パソコンでの始末書を認める会社もあります。始末書を書く際は、会社や上司に確認してから書いたほうが間違いないでしょう。

始末書は便箋に書くのがおすすめ

始末書を書くときはできるだけ便箋に書くことをおすすめします。便箋で書くと、少しでも丁寧な印象を与えられるでしょう。もし便箋がない場合は、レポート用紙を使用しても問題ありませんが、方眼用紙は避けたほうが無難です。
また、パソコンで始末書を記載する際にはコピー用紙に印刷をするので、便箋でなくても提出は可能です。

始末書の例文

始末書処分を科される代表的な場面に対して以下、例文をご紹介します。

1.企業の物品を紛失したとき

「私は、△△年△△月△△日△△駅構内に取引先データの入ったノートパソコンを置き忘れて紛失し、営業課をはじめ多くの方々に大変ご迷惑をおかけいたしました。このことはひとえに私の不注意によるものであり、深く反省いたしております。今後はこのようなことのないよう肝に命じますので、何卒寛大な処置を賜れましたら幸甚に存じます。この度の私の不始末につき、本書を持ちまして深くお詫び申し上げます。」

紛失したときの状況をできるだけ具体的に書く

「なにを」「どこで紛失し」「誰にどのような迷惑をかけたか」をできるだけ具体的に書きましょう。忘れ物やなくしものなど原因を具体的に書くのが難しい場合には「ひとえに不注意によるもの」などの簡単な表現でも構いません。
しかし、大きなミスをした際は、反省の意を問われる可能性が高いので、事実を明確に記載することが重要です。紛失したときのことをできるだけ具体的に書き、反省している気持ちを伝えましょう。

2.業務で大きなミスをしたとき

「私は、△△年△△月△△日△△支店第△△倉庫にてフォークリフトで商品を運搬中、運転を誤り車体を商品の段ボールにぶつけて△△個の商品を破損し、企業に多大なる損害を生じさせてしまいました。本件は私の注意不足が招いたことで、深く反省するとともに心よりお詫び申し上げます。今後は安全確認のうえ、慎重に運転作業を行うよう徹底してまいりますので、寛大なご措置を賜りますよう何卒お願い申し上げます。この度の不始末に関しまして、二度とこのようなことのないよう徹底することを誓約いたします。」

業務で大きなミスをしてしまったら、「仕事で大きなミスを防ぐにはどうすればよい?原因や対策を紹介」のコラムで、大きなミスを防ぐ方法がまとめてあるので、同じミスをしないように対策を知っておこう。

3.社内規則に違反したとき

「私は、△△年△△月△△日から1ヶ月の間に5回もの遅刻をしてしまいました。原因は生活リズムの乱れから来る寝坊によるものであり、私の自己管理が甘いことから職場の皆様に多大なるご迷惑をおかけしました。本件は私の社会人としての自覚が足りないことに起因するのに対し、弁解の余地はありません。度重なる遅刻により職場の士気を下げてしまったうえに、業務の遅れにも繋がりましたことを心よりお詫び申し上げます。今後は生活リズムを整えたうえで自己管理の徹底に努め、信頼の回復を目指して誠心誠意業務に励みますので、何卒寛大なご措置を賜りますようお願い申し上げます。」

4.企業のイメージを損なったとき

「私は△△年△△月△△日に、△△支店近隣の交差点において追突事故を起こしてしまいました。原因は私の前方不注視で、右折のために停止していた前の車両に追突してしまったのが事の経緯です。それにより、前の車両の運転者の方に対しては病院で頸椎捻挫の診断が下されております。この度は運転者の方にケガを負わせてしまったうえ、企業への信頼を損ねてしまったことを心よりお詫び申し上げます。今後は運転する際、安全確認を怠らないよう徹底する所存です。二度と繰り返さぬように本書を持ちまして誓約いたします。」

ほかの人にも迷惑を書けてしまったことを謝罪する

交通事故など企業外の人にも大きな迷惑をかけてしまった場合には、相手に対する謝罪に加え、企業の一員としての自覚に欠けていたことへの反省にも触れましょう。業務中の外出は企業名を背負って行動している状態なので、問題を起こすと企業のイメージに直接悪影響を及ぼすためです。

始末書処分を繰り返す場合は適性を改めて考えてみよう

始末書は企業の処分のなかでは比較的軽いほうですが、誰にでも起こるようなことではありません。一度や二度の失敗であったりそこまで重大な過失でなかったりする場合は、始末書処分の対象にはならないからです。

業務において何度もトラブルを起こし始末書処分を受けてしまうようなら、一度仕事の適性について考えてみても良いでしょう。トラブルを起こしてしまう原因は、業務に対する適性のなさにある可能性があります。改めて自分に合った仕事を探し、活き活きと活躍できる職場を探すのもおすすめです。

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始末書に関するQ&A

始末書は「けん責」という処分であるうえ事実を確認するための正式な書類なので、ルールをしっかり把握しておきましょう。ここでは、始末書に関してよくある疑問と回答をご紹介します。

始末書を書くとどうなる?

始末書を書いたら、それ以上なにか処分が科される可能性は少ないでしょう。始末書の提出自体が処分なので、他の処分を一緒に科すと一事不再理の原則に反するからです。「懲戒処分とは?種類や解雇されることで生じる影響について解説」のコラムでは、懲戒処分による影響について解説していますので、併せてご参照ください。

始末書を提出する場面は?

始末書を提出する場面には就業規則違反や企業に金銭的損害を与えたとき、企業の信用を損なうようなことをしたときなどが挙げられます。一度始末書処分になったことを再度引き起こしてしまい、悪質と判断されるとより重い処分が科される可能性があるので注意しましょう。懲戒処分について詳しく知りたい方には「譴責処分とは何のこと?懲戒処分の7つの種類や出世・転職への影響を解説!」のコラムを参考にしてください。

始末書と顛末書の違いは?

始末書と顛末書の違いは、文書の性質とその内容にあります。始末書は不始末に対する処分であるうえ事実の確認と反省の気持ちを表すものであるのに対し、顛末書は起こった事実を正確に報告するための書類です。始末書と顛末書の違いについては「始末書と顛末書の違いとは?書き方と提出するときの注意点も紹介」のコラムも参考にしてください。

始末書処分になり今の仕事の適性に疑問が生じてきたら?

始末書処分の内容にもよりますが、同じようなミスを何度も繰り返してしまうようなら適性に合っていない業務をしている可能性があるでしょう。今の仕事に適性が合っていないかもしれないと感じるなら、転職を視野に入れるのも一つの方法です。20代向け転職エージェントのハタラクティブでは、専任の就活アドバイザーがカウンセリングで仕事の適性についてアドバイスを行っていますので、一度ご相談ください。

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