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大企業病とは?就活で気をつけるポイントと就職・転職先の選び方
更新日
この記事のまとめ
- 大企業病は非効率的で排他的な企業体制を指す言葉で、会社の規模に関係なく生じる
- 個人単位で大企業病になる場合もあり、そのような社員が役職につくと組織に拡大する
- 大企業病は、変化を恐れることや社内コミュニケーションが希薄などの症状がある
- 新たに挑戦できる環境は、転職活動でも手に入れられる
「大企業病」とは何なのか気になる方もいるでしょう。大企業病とは、組織であればどこでも起こりうる問題です。ネーミングにあるような大企業のみならず、中小やベンチャーなどにも起こりうる問題ですが、原因をきちんと把握することによって対処法を見つけることができます。大企業病の予防や克服方法を知り、就職や転職の企業選びの参考にしてください。
大企業病とは
「大企業病」とは、ネガティブな企業体制や閉鎖的な性質、縦割り型など、非効率的・排他的な企業体制を指す言葉です。「大企業病」というネーミングから大企業だけに起こる問題だと思われがちですが、中小企業やベンチャー企業でも起こることがあるようです。
また、組織単位だけでなく、社員が個人単位で大企業病となるケースもあります。これは社会的に知名度の高い企業の社員に起こる傾向があり、企業が確立してきた地位や実績を自分の実力だと思い込んでしまうというものです。このような人物が役職についた場合、組織単位の大企業病に発展する、あるいは大企業病がさらに悪化してしまうことがあります。大企業病にかかってしまった企業の改善を図るのは容易なことではなく、ときには大規模な改革が必要になる場合があるようです。
そもそも大企業とはどのような企業を指すのか、「大手企業とは?基準や定義はある?大企業や中小企業との違いも解説」のコラムで紹介しています。ぜひ参考にしてください。
大企業病の特徴
大企業病の具体的な症状は、「意思決定が遅れる」「社内の風通しが悪い」「変化を恐れる」「形式的な業務が多い」「視野が狭い」などが挙げられます。大企業病にかかると、仕事の効率や働く環境に影響が出やすいでしょう。具体的な内容は以下のとおりです。
意思決定までの時間が長くなる
大企業病の症状の一つとして、組織やチームなどのサイズが大きいと、全体への共有や意思決定に時間を要することがあります。意思決定に時間がかかることを具体的に紹介すると「意思決定に関わる人数が多い」「意思決定に必要な手続きが多い」ためです。大企業の場合、役職につく人数も多いため意思統一を取りづらい傾向にあります。加えて、一つの物事を決めるために多くの承認フローをこなす必要があるでしょう。
社内の風通しが悪い
大企業病は、社内のコミュニケーションがうまく取れないことも症状の一つでしょう。一つの部署の規模が大きく、部門ごとの独立性が高くなる傾向が見られます。そのため、部門ごとに連携が取れなくなり、企業によっては部門間で対立するなど、風通しが悪くなることもあるようです。
変化を恐れる
大企業病にかかっている企業は変化を嫌い、ルールにとらわれがちになります。また、それを誰も否定できないというのが常態化しているため、いつまでも古い体制を変えられず、ときには大きなリスクを抱えたり、新たな成功のチャンスを逃してしまうこともあるようです。
チャレンジを嫌う
事業や業績が好調、または安定している企業が大企業病にかかっている場合、その状態を維持することに固執する傾向にあるようです。新規の取り組みへのポジティブな評価がないことも多く、リスクや失敗ばかりに着目して新しいことに挑戦せずに「出る杭は打たれる」組織体制になり、新しいことにチャレンジをする優秀な社員が離れてしまいます。ほかの企業に比べて新商品や新企画も遅れることも特徴の一つです。
形式的な業務が多い
意思決定の長さにも影響のある、形式的な業務の多さも特徴といえるでしょう。決定事項を実行するために多くの役職者や役員の印鑑が必要だったり、惰性で行われている会議が多かったりすることが挙げられます。
視野が狭い
社員が自分の仕事にしか興味を持たず、それぞれに割り振られた業務しか行わないため、視野が狭くなることがあります。自分たちの仕事をこなすことにしか関心がないことが多いため、会社の事業や立ち位置、業績など、事業全体を俯瞰して見るという習慣がつかなくなるでしょう。
大企業病が企業にもたらすリスク
大企業病を放置すると、企業内部だけではなく顧客対応にも悪影響が出るようです。以下を参考に大企業病が企業にもたらすリスクについて捉えましょう。
社員の成長意欲が無くなる
企業が大企業病にかかると、社員は「やりたいことがあっても却下される」「提案しても無駄」と感じてしまうことがあるでしょう。大企業病の特徴で、組織が安定した状態を維持することに固執する傾向があります。そのため、「新しいものを取り入れなくても安定しているから大丈夫」「今の経営方針から変える必要がない」という考え方から、社員が挑戦の機会を奪われ、成長意欲が損なわれる可能性があるでしょう。
臨機応変な対応ができない
大企業病の症状の一つとして、臨機応変に対応することが難しくなることが挙げられます。組織でルール化されたものにこだわりが強く、「イレギュラーなことに対応ができない」「手順どおりに実行しなくてはいけない」と考える社員が多いでしょう。社員が自分自身で考えて行動する機会も失われていきます。
顧客ではなく内部事情を優先する
大企業病にかかっている企業は、内部事情を優先し、ときには顧客からの要望を受け入れられないというリスクがあるでしょう。社内事情である、コスト削減や組織の方針ばかり気にして、顧客を後回しに考えてしまうと、顧客が離れてしまう事態につながることもあります。
部署間での連携が取れない
部署間での連携が取れないことも、大企業病がもたらすリスクといえます。大企業病にかかっている企業は、風通しが悪く、部署間の伝達などもうまくいかないことがあるでしょう。状況が悪化すると部署同士の対立や、コミュニケーションエラーが生まれる原因にもなります。
優秀な人材が離れていく
大企業病にかかっている企業では、優秀な人材が離れていくことも症状の一つと考えられます。大企業病にかかっている企業では、積極的に意見を出したり、新規事業の提案をする機会が少ない傾向にあります。そのため、モチベーションが高かったり、積極性があったりする優秀な人材は、その能力を活かせるほかの企業へ転職してしまうことがあるでしょう。
大企業病に陥る原因
大企業病になるのは、経営が安定していることが要因の一つだといわれています。また、大企業は社会に与える影響が大きいため、行動が慎重になった結果、大企業病になることも考えられるでしょう。
経営が安定している
経営が安定していれば、新たなことに取り組む必要はなく、現在取り組んでいる事業や商品だけで利益を得られます。この状況になってしまうと、現状を維持することに注力してしまうため、革新的な思考を受け入れて実現するハードルは高いものになるでしょう。
社会に与える影響が大きい
大企業になると社会に与える影響も大きくなるでしょう。知名度の高い企業が何か問題を起こしてしまうと、株価の下落やイメージダウン、過度な報道などが予測できます。こういったことを未然に防ぐためにも、大企業になるほど保守的になり、行動や判断も慎重になるでしょう。
挑戦の機会がない
チャレンジするための制度や機会がないことも、大企業病に陥る原因となります。挑戦する制度がないと、社員は新しい行動を起こす機会を失い、マニュアルどおりの仕事を続けていきます。社員一人ひとりが成長するための機会がないと、企業自体も停滞していくでしょう。
多数の従業員をまとめるためのルールが増える
企業規模が大きくなり社員が増えると、取りまとめるためにルールが多くなります。経歴や考え方が異なる人材が同じ方向で業務に取り組むためにはルールは不可欠。しかし、このルールの多さが意思決定のスピードダウンや形式的な業務に影響を及ぼすことも多いようです。
人事評価制度が整っていない
人事評価が実力に見合っていなかったり、評価の公平性がなかったりすることも大企業病に陥る原因といえます。正当な評価が受けられなければ、社員の成長意欲は低下していくでしょう。そのため、「実力があっても評価されない」と、優秀な人材がほかの企業へと流れてしまう可能性があります。
大企業病の予防や克服方法の事例
この項目では、大企業病の予防や克服方法について紹介します。もうすでに大企業病にかかっていても、以下の対策を行えば改善できるでしょう。
経営理念やビジョンの共有を行う
会社全体で定例会議や総会を定期的に行い、共通の認識や考え方、方針などを確認します。大企業病の原因として大きいのは、経営陣と社員の方針がズレてしまっていることです。そのため、共有する場や機会を多くすることによって、経営陣と社員のズレを減らしていけるでしょう。
挑戦や発言を評価する制度・社風にする
大企業病を克服するには、積極的な挑戦や発言に対する評価制度を整える必要があります。これまでのやり方も大切ですが、変化を恐れずに成長を目指すことも企業存続には重要です。「現場の意見を取り入れる」「より効率的に業務に取り組めるフローを見直す」「スムーズな意思決定ができる策を考える」など、挑戦や発言を受け入れ、評価できる社風に変える対策が必要でしょう。
管理職を再選抜する
管理職を再選抜して、凝り固まった会社内の常識を見直すのも一つの手です。新しいことを想像して、作り上げるためには見直すことから始まります。本当に会社の将来のために変わることを考えるタイミングで、管理職の再選抜は効果があるでしょう。また、これには世代交代という意味も含まれており、若手に責任を与えることで、組織にとって新しい刺激にもなります。
部署・部門のやり取りを増やす
部署や部門間でのコミュニケーションを積極的に行うようにしましょう。互いの仕事内容を知ったり、情報を見える化したりなどの対策を行うことによって、気づきがあったり仕事のやり方の変更があったりするでしょう。直接コミュニケーションを取る機会がない場合は、社内SNSやグループチャットを作ることも検討してみてください。コミュニケーションが活発になることで社内の風通しが良くなり、問題解決につながる可能性は高まります。
外部からの意見を貰う
社内の状況が内部から分かりづらい場合は、外部からの意見を貰うこともおすすめです。大企業病の症状は、組織の内部からだと気づきにくいこともあるでしょう。組織の経営コンサルタントのような第三者に意見を貰うことで、客観的に対策するポイントを知ることができます。
チャレンジできる環境で働きたいなら
先述したように、大企業病を改善するには、組織自体の大規模な改革が必要となるため、膨大な労力や時間を費やすことになります。積極的なチャレンジを希望するなら、大企業病の会社よりも意思決定や業務スピードの早い企業に就職するのがおすすめです。一般的にはベンチャー企業やIT企業が当てはまるでしょう。ただ、職場の雰囲気や価値観は、企業名や事業内容などの表面的な情報だけではつかみきれません。応募する前に情報収集を徹底し、企業についてよく知った上で選考に進みましょう。
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大企業病に関するFAQ
大企業病に関するよくある疑問をまとめました。大企業病について気になる方や、転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
大企業病は中小企業でも起こりますか?
大企業病は中小企業でも起こります。「大企業病」というネーミングから大企業だけに起こる問題だと思われがちですが、中小企業やベンチャー企業でも起こることがあるようです。組織単位だけでなく、社員が個人単位で大企業病となるケースもあります。大企業と中小企業の違いについては「大企業と中小企業の違いは?両者に就職するメリット・デメリットもご紹介」を参考にしてみてください。
大企業病の末期症状は何ですか?
大企業病の末期症状は、「部署間の連携が取れない」「顧客よりも社内事情を優先する」などが挙げられます。業務の効率化が図れなくなるというような組織内部の問題だけではなく、顧客との関係性にも影響が出るでしょう。ほかにも、大企業病の症状については「大企業病が企業にもたらすリスク」を参考にしてみてください。
大企業病にうんざりしたらどうしたら良いですか?
大企業病の会社ではなく、ほかの会社への転職がおすすめです。積極的なチャレンジができたり、意思決定や業務スピードの早い企業に就職するのが良いでしょう。転職を成功させる方法については「転職のコツとは?新卒との違いや効率良く内定獲得するためのポイント」を参考にしてみてください。
また、転職活動に不安がある場合は、転職エージェントを利用するのもおすすめです。ハタラクティブではあなたに合った求人を紹介し、履歴書の書き方や面接対策などもサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。