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テレワークとは何の略?導入のメリット・デメリットやおすすめの職種を解説
更新日
この記事のまとめ
- テレワークとは「離れた場所」と「働く」という言葉の意味を合わせた造語
- テレワークとは、在宅勤務のほかサテライトオフィス勤務やモバイルワークなども含む
- テレワークの特徴は、働く際に時間や場所の制約を受けないこと
- テレワークは災害時の業務継続だけでなく、人材採用の可能性が広がるメリットもある
近年注目されている「テレワーク」とは何か詳しく知りたい方もいるでしょう。テレワークは以前から一部の仕事で行われていましたが、社会情勢の影響や働き方の見直しなどから徐々に社会に広まってきている働き方です。テレワークには自由度の高いというメリットがある一方で、生産性を保つのが難しいといった課題もあります。
このコラムではテレワークについて網羅的に解説しているので、概要を押さえるのにお役立てください。
テレワークとは
テレワークの本来の意味は、「ICT(情報技術)を使用する、時間や場所の制約を受けない柔軟な働き方」です。略語ではなく、離れた場所を意味する「tele」と仕事を表す「work」という言葉をあわせた造語です。和製英語ではなく、実際に「telework(テレワークする)」という動詞が存在します。
テレワークは時間や場所の制約を受けないものの、働く場所によって以下の3つに分けられるのが特徴です。
1.在宅勤務
在宅勤務は、自宅で業務を行うことです。在宅勤務には、通勤の必要がない、子育てや介護といった事情のある人も働きやすいといったメリットがある一方で、連携が取りにくい、生産性が下がりやすいといったデメリットも。
また、感染症の流行などで外出規制がかかった際には「テレワーク」が在宅勤務を示す言葉として使われることがあります。
2.サテライトオフィス勤務
サテライトオフィス勤務とは、本社などの社員がいるオフィスではなく、コワーキングスペースやレンタルオフィスなどで勤務することです。また、会社がオフィスを用意する場合もあります。
2020年ごろ、テレワークが世間に浸透する以前からIT企業などでよく取られていた勤務形態で、ITエンジニアなどが主に勤務していたようです。
支社とサテライトオフィスの違い
サテライトオフィスで働く人は「本社勤務」で、支社や営業所のように別の組織に属していないのが違いです。
支社や営業所は、本社とは別の組織を組んで業務を行うのが基本。サテライトオフィスは、あくまで本社で働く人が遠隔地で業務を行うための場所です。
3.モバイルワーク
モバイルワークは、移動中や外出先などオフィス以外の場所で働くことです。主に、移動の多い営業職などで行われます。
取引先ですぐに対応でき、オフィスに戻って仕事をする必要がないので、時間や体力の消耗を防ぎ効率を高める効果があります。
リモートワークとの違いは?
リモートワークとテレワークは、ほとんど違いはありません。
リモートワークは遠隔を意味する「remote」と仕事を表す「work」を組み合わせた造語で、内容はテレワークと同様です。遠くにいるほかの社員と連携を取って働くという意味合いの言葉といえるでしょう。
「リモートワークとテレワークの違いとは?導入のメリット・デメリットを解説」のコラムでは、主にリモートワークに焦点をあてて解説しています。テレワークとの違いなど、リモートワークについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
テレワークによる労働者のメリット・デメリット
テレワークの導入は「労働者にとってワークライフバランスが取りやすい」「通勤時間が省ける」といったメリットがあります。一方、「職場の人と連絡が取りにくい」「仕事とプライベートの区別がつきにくくなる」といったデメリットも。
以下で、それぞれ見ていきましょう。
労働者にとっての4つのメリット
テレワーク導入による労働者のメリットは、主に以下の4つです。
1.ワークライフバランスが取りやすい
通勤時間がないぶん時間に余裕ができ、ワークライフバランスが取りやすいのが特徴です。これまで通勤時間にあてていた時間を自由に使えるので、プライベートを充実させられます。
2.ライフスタイルが変化しても勤続しやすい
ライフスタイルの変化により通勤が困難になっても、勤続できるのがメリットです。通勤が前提にある場合はオフィスに通えなくなると退職せざるを得ませんが、テレワークなら働き続けられます。
3.精神的や肉体的な疲労が軽減する
通勤がないため、移動による疲労を避けられるのがメリットです。家で業務を行えるのでリラックスでき、精神的な負担がかかりにくいのも特徴といえるでしょう。
4.感染症予防ができる
オフィスにいる人数を減らせたり、満員電車を避けられたりすることで、感染症の拡大を予防できます。また、災害により通勤が困難になった場合でも業務を継続できるでしょう。
労働者にとっての4つのデメリット
テレワーク導入による労働者のデメリットは、主に以下の4つです。
1.職場の人と連絡が取りづらい
職場の人と離れて仕事をしているため、連絡が取りづらく業務に困ることがあります。一緒にオフィスで仕事をしていればすぐに聞けることも、テレワークではすぐに話しかけられず、やりにくさを感じるかもしれません。
2.仕事の自己管理が難しくなる
テレワークでは周囲に勤務態度を監督する人がいないため、仕事の自己管理が難しくなる可能性があります。やる気が下がってこなせる仕事量が少なくなったり、オフィスで業務をするよりもはかどらないと感じたりする人もいるでしょう。
3.仕事とプライベートの区別がつきにくくなる
仕事量が多い人の場合、就業時間とプライベートの時間の区別がつきにくくなるといったデメリットがあるでしょう。就業時間が過ぎても仕事を続けてしまい、かえって疲れてしまう人もいるようです。
4.勤務中の光熱費がかかる
テレワークの場合は、仕事中に光熱費が発生します。会社から補助金が出る場合もありますが、出ない場合は自己負担になります。光熱費の補助金について気になる方は、業務開始前に確認しておきましょう。
テレワークのメリット・デメリットについては、「テレワークのメリット・デメリットとは?成果を上げる働き方を解説」のコラムでより詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
テレワークによる企業のメリット・デメリット
企業にとっては、「人材採用の可能性が広がる」「災害時でも業務を継続できる」といったメリットのほか、情報漏洩リスクの増大や生産量低下の恐れといったデメリットがあります。
以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
企業にとっての5つのメリット
企業がテレワークを導入するメリットは、主に以下の5つです。
1.人材採用の可能性が広がる
テレワークを導入すると、多種多様な人材を採用できるのがメリットです。
通常採用だと、基本的に「オフィスに決まった時間出社できること」が絶対条件といえるでしょう。しかし、テレワークによる勤務を認めれば、その条件を満たせない人も採用対象になりうるので、より多くの人材を採用できます。
2.災害時でも業務を継続できる
大地震や感染症の流行などでオフィス勤務が困難になった場合でも、業務を継続しやすいといえます。災害が起こるとオフィスへの通勤が困難になり業務が停止する可能性が高いですが、テレワークでは別の場所で勤務できるため事業継続しやすいのがメリットです。
3.人材の流出を防げる
テレワークの導入によって、優秀な人材の流出に歯止めがかかる効果があるといわれています。通勤できなくなり退職を余儀なくされていた人も在宅で働き続けられるようになるので、企業の損失が少なくなるでしょう。
4.オフィスコストを削減できる
テレワークを実施するとオフィスにいる人数が減り、オフィスの規模を小さくできます。コンパクトなオフィスに移転したり、オフィスのフロアを減らしたりする企業もあり、オフィスコストを削減できるのはメリットといえるでしょう。
5.社員の生産性アップにつながる
社員が仕事に集中できるテレワーク環境を整備することで、生産性アップにつながる傾向があります。テレワークを導入することで、予定外の打ち合わせや顧客の訪問などによる作業の中断がなくなるため、業務に集中できるでしょう。
しかし、テレワーク環境を整備せずに進めてしまうと業務の進捗状況を把握できず、仕事が滞ってしまう可能性があります。そのため、連絡ツールの導入や進捗状況把握に努め、テレワーク環境を整備することが大切です。
企業にとっての4つのデメリット
企業がテレワークを導入するデメリットは、主に以下の4つです。
1.情報漏洩のリスクが上がる
テレワークを導入すると、情報漏洩のリスクが高まるといわれています。事業に関する機密情報を一元的に管理できなくなるためです。
テレワークでは情報管理が個々人に任されるものの、インターネットセキュリティへの認識はそれぞれ違うため、なかには管理の甘い人もいるでしょう。よって、テレワークではオフィス勤務より情報漏洩のリスクが大きくなるといえます。
2.生産量低下の恐れがある
テレワークでは業務の進捗を確認する管理職の目がないため、企業全体で生産量低下の恐れがあるようです。テレワークでは、仕事の進捗は個人の裁量に任されます。
また、業務の進み具合にばらつきが出るうえ離れた場所で勤務していることから、ほかの人の業務をフォローしにくく、全体的に生産量が低下する傾向があるようです。
3.導入のコストがかかる
テレワーク導入にはコストがかかります。社員に貸与するパソコンをそろえたり、円滑に業務が進むように連絡手段を整えたりと必要経費が大きいので、なかなか導入が進まない企業もあるようです。
4.社員の勤怠管理が困難になる
オフィス勤務と異なり勤務状況を把握しにくく、社員の勤怠管理が難しいようです。きちんと管理できていないと、職務怠慢や過重労働が発生する可能性があります。
テレワークを始めるにあたって、適切な勤怠管理を可能にするシステムの導入を行い、体制を整えることが大切です。
勤務場所を限定されない仕事にはどのようなものがあるのか知りたい方には、「リモートワークができる職種は?仕事の始め方や注意点などとあわせて紹介」のコラムが参考になるでしょう。
テレワークを始めるときの準備物
テレワークで使用する備品は、個人で準備しなくていけない場合もあります。テレワークを希望している方は、自宅に備品がそろっているか、テレワークができる環境かを、以下で確認しておきましょう。
インターネット回線
業務をスムーズに行うには、ある程度高速なインターネット回線が必要です。事前にどの程度の回線速度が必要なのか確認しておきましょう。
また、インターネット環境がない場合は、インターネット回線を契約する必要があります。回線の契約に伴い、工事代や機器の費用などの初期費用や月額費用が発生するため、補助を受けられるかについても企業側に確認しておきましょう。
机や椅子など業務に必要な備品
仕事に集中するために、ワーキングスペースを作ることをおすすめします。長時間作業をしても体に負担がかからないように、高さが調整できる机や椅子を用意すると良いでしょう。
また、印刷が伴う業務が発生する場合は、プリンターなどの周辺機器の用意も必要です。
テレワークの導入が進んでいる仕事
以前からテレワークが多い傾向にあった営業職やITエンジニアにくわえ、近年では事務職でもテレワーク導入が進んでいるようです。ここでは、テレワークの導入が進んでいる仕事について解説します。
1.営業職
営業職は外勤が多く取引先とのやり取りにパソコンを使用するので、従来テレワークが進んでいた職種です。また、一日に何件も取引先回りをする日はオフィスに戻れないため、外出先で仕事を進めることが多いのも特徴。よって、営業職は基本的にテレワークとなる日が多いでしょう。
営業職について詳しく知りたい方は、「営業って何をする職種?求められるスキルや向いているタイプを紹介」のコラムもあわせてご一読ください。
2.ITエンジニア
ITエンジニアも、在宅勤務やサテライトオフィス勤務の多い仕事です。インターネット上で業務に関する連絡を取り合い、プログラミングなどの単独作業は離れたところで行うという働き方ができます。
ITエンジニアはコンピュータネットワークに関する仕事のため、早くからテレワークを導入できたのも要因の一つでしょう。
3.事務職
近年、事務職では、災害や人材流出による生産性低下への対策としてテレワークが導入され始めているようです。事務職ではパソコンを使用する業務が多いため、接客業など対人業務を主とする仕事よりもテレワークを導入しやすいことが普及の背景にあります。
テレワークを実施している仕事の探し方
テレワークを希望する場合は、就職サイトで仕事を探すほか、ハローワークや転職エージェントを利用するのもおすすめです。以下、テレワークを実施している仕事の探し方を解説します。
1.就職・転職サイト
テレワークできる仕事を探す際には、就職・転職サイトで「テレワーク」「在宅勤務」といった単語を入力して検索するのが一般的な方法といえるでしょう。就職・転職サイトはいつでも利用できるうえ、自分でいくつも応募できるのがメリットです。
一方、「大量の求人から希望のものを探すのが困難」「応募や面接日程の調整など、企業とやり取りをしなければならない」というデメリットもあります。
2.ハローワーク
ハローワークで検索したり相談したりするのも一つの手です。ハローワークを利用するメリットには、地元の求人が多いことや、無料の就職セミナーに参加できることなどが挙げられます。
デメリットとしては、支援対象者が幅広いため自分の希望に合う求人を見つけにくいことや、職員のカウンセリングを受けられる時間が短いことなどが挙げられるでしょう。
ハローワークの利用方法を詳しく知りたい方は、「ハローワークとはどんなところ?サービス内容と利用の流れを解説!」のコラムもあわせてご一読ください。
3.転職エージェント
転職エージェントに登録して相談するのもおすすめです。転職エージェントとは、民間企業の運営する転職支援サービスのこと。運営する企業によって、支援対象や求人を扱う業界が異なるのが特徴です。
利用するメリットは、就活アドバイザーによって就職・転職活動を全面的にサポートしてもらえることや、非公開求人を紹介してもらえる可能性があることなどでしょう。
テレワークができる仕事を探したいと考えている方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、20代の経験やスキルに不安のある方に向け、人柄やポテンシャルを重視する企業の求人をご紹介しています。
カウンセリングで、キャリアアドバイザーが希望条件をうかがってから求人をご紹介するため、自分の理想に近い職場を紹介してもらえるのが特徴です。ご登録・ご利用はすべて無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
テレワークに関するQ&A
ここでは、テレワークについてよくある質問と回答をまとめました。
テレワークとはどのような働き方?
情報技術を使った時間や場所を問わない働き方です。働く場所によって、主に自宅やサテライトオフィス、外出先での勤務の3種類に分けられます。テレワークは、災害などで出勤ができなくなっても業務を継続できるだけでなく、多様な働き方を可能にする働き方として注目を集めています。
「テレワークとはなんの略?モバイルワーク・在宅勤務も簡単に説明します」のコラムでもテレワークについて解説していますので、こちらもお役立てください。
テレワークを導入している業種や職種は?
以前から営業職やITエンジニアといった仕事で行われていますが、近年は事務職などでも導入されているようです。テレワークのなかでも在宅勤務を希望する場合は、事務職やITエンジニアが候補に上がるでしょう。
在宅勤務ができるITエンジニアに興味のある方は、「リモートワークエンジニアは未経験でもなれる?必要なスキルを解説」のコラムもあわせてご一読ください。
テレワークのメリットは?
ワークライフバランスの取りやすさや疲労の軽減といった労働者側のメリットのほか、事業継続性や優秀な人材流出の防止といった企業側のメリットもあります。情報漏洩のリスクや自己管理の難しさといった課題はありますが、多様な働き方を認めていこうとする社会の流れに沿った働き方といえるでしょう。
「リモートワークとは?テレワークの違いと具体的な働き方」のコラムではリモートワークの課題や成功させるコツについて詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
テレワークができる仕事に転職したいです
テレワークできる仕事を探すには、転職エージェントの活用がおすすめ。「テレワーク可能」「フルリモート」などと求人に書いてあっても、実際どのくらいできるかは確認できないからです。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。