みなし残業とは?違法性や種類について詳しく解説

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この記事のまとめ

  • みなし残業は一般的には「みなし労働時間制」のことを指す
  • 「固定残業代」「定額残業代」などの通称で適用されている「みなし残業」も存在する
  • みなし労働時間制は実働時間の算定が難しい業務に適用される
  • みなし残業制度を導入している場合、雇用主は労働者に周知する義務がある

就活中や第二新卒としての転職活動をする際に、「みなし残業」という表記を見たことがある方もいるでしょう。みなし残業とは、通常の残業と何が違うのでしょうか。コラムではみなし残業について、制度内容や種類などを詳しく説明していきます。就職経験のある第二新卒の方はもちろん、これから就職活動を考えている方も正しく理解をしておくことが大切です。ぜひ企業選びの参考にしてください。

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みなし残業(みなし労働時間制)とは?

みなし残業は一般的には「みなし労働時間制」のことを指します。「みなし労働時間制」とは、実働時間の算定が難しい業務の場合にみなし労働をしたと認め、それに見合った給料を支払う賃金形態のこと。みなし労働時間制で残業した場合、労働条件に記載されている一定の時間までは給料に変動はなく、決められた時間を超えると残業手当が発生します。みなし労働時間制を導入しているのは、事業所の外で働く営業職のような労働時間を把握しにくい職種や、仕事の時間配分を個人の裁量に委ねられる研究者や記者といった専門職で多く見られます。

みなし労働時間制は違法?

みなし労働時間制は労働基準法第38条によって定められた制度であり、違法ではありません。一方で、「固定残業代」「定額残業代」などの通称で適用されている「みなし残業」も存在します。これは毎月一定時間の残業が発生するとみなしたうえで、固定の残業代を支払う給与形態です
この場合、例えばみなし残業が20時間と設定されている場合、1ヶ月の残業時間の合計が20時間までは残業手当はつきません。30時間働いた場合には10時間分、35時間働いた場合には15時間分の残業手当がつくことになります。
「みなし労働時間制」に似ていますが、「みなし残業」自体に法律による定めはありません。詳しくは「みなし残業は違法?本来の目的と残業代不払いの問題」のコラムで解説しています。こちらも合わせてご確認ください。

みなし残業(みなし労働時間制)の種類は3つ

みなし労働時間制は「事業場外労働」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の3種類があり、どの制度が適用されるかは職種や労働環境によって異なります。以下より詳しく追っていきましょう。

1.事業場外労働

事業場外労働とは、出張や外回りなど外出先での仕事が多い職種を対象とした制度のことです。職場にいない時間が多い職種など、正確な実働時間を把握するのが難しい場合に適用されます。労働基準法によると、以下のような場合が該当します。

・所定労働時間分の労働をしたとみなす場合
・業務を行うにあたって通常所定労働時間を超えて労働することが必要な場合に、その業務の遂行に通常必要とされる時間(=通常必要時間)労働したものみなす場合

その他、リモートワークなど離れた場所で仕事をする勤務形態でも、基準を満たすことで事業場外労働として認められることもあるようです。

2.専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制とは、仕事の進行に関する裁量を労働者に対して大きく委ねる場合に適用できる制度のことです。専門性が高い仕事となると、業務遂行をするために、手段や方法、時間配分、ペースなどを会社指示ではなく、労働者が決めていく必要がでてきます。その際に所定労働時間を認めるというものです。
たとえば、所定労働時間が8時間の場合に5時間しか働いていないとしても、みなし労働として認められます。仕事を完了できるペース配分であれば、問題ないということです。逆にいうと、8時間以上どれだけ働こうが、みなし残業となるため支払いがありません。
時間に縛りのなく、柔軟な働き方が可能な点がメリットです。また、企業にとっても時間ではなく、成果主義として労働者に求めることで人件費を抑えることができます。

専門業務型裁量労働制が適用される業務

専門業務型裁量労働制はどの仕事でも対象となるわけではありません。厚生労働省が定めた「専門業務型裁量労働制」に記載されている19種類の業務が対象です。研究職をはじめ、取材やデザイン考案などを生業とする職種、弁護士、建築士などが該当しています。

3.企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制とは、企業の各部署において一定範囲の仕事を行っている労働者は、業務の遂行方法や時間配分、ペースなどを労働者の裁量によって決めることが可能というものです。企業としては、時間よりも効率的かつ生産性の向上をすることで成果を求めることができます。専門業務型裁量労働制と同様に、労働者は時間に縛られず仕事に取り組むことが可能ですが、残業をした場合でもみなし残業として扱われることになります。

裁量労働制については「裁量労働制が適用される職種は?残業代はどうなる?」のコラムでも詳しく解説しています。裁量労働のメリット・デメリットなども合わせて確認しておきましょう。

みなし残業は労働者に対して周知する義務がある

「みなし労働時間制」や「固定残業代」などのみなし残業制度を導入している場合、厚労省の通知でも注意喚起されているように、雇用者は労働者に対してその旨をきちんと伝えておく必要があります
求人募集の勤務形態に記載するだけでなく、就業規則と労働契約書などの書面に明記しなければなりません。この際、「月給30万円(20時間分の固定残業代4万円含む)」といったように、みなし残業代に含まれる残業時間と金額も記載が必要です。
就職を考えている方や、第二新卒での転職を検討している方は、まずは希望する企業の求人情報を見る際に「みなし残業」と書かれていないか注目してみると良いでしょう。 みなし残業に関して労働基準法が定める時間量や仕組みに関しては、「みなし残業の上限は何時間?年俸制の場合は?違法残業の見分け方や対処法も」のコラムで詳しく解説しています。本コラムと合わせてご一読ください。

参照元
厚生労働省
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みなし残業のメリット・デメリット

みなし残業のメリット・デメリットをそれぞれチェックしていきましょう。

みなし残業のメリット

安定した収入が得られる

労働者側から見たみなし残業のメリットは、あらかじめ残業代が給与に含まれているため、実際の残業時間が少なくても一定額の残業手当が受け取れるという点が挙げられます。安定した給与が見込め、給与のアップダウンによる生活の変動は少ないでしょう。

不公平さが少ない

仕事を効率良く進めて定時に終わらせた人よりも、ダラダラ仕事をして残業をする人の方が賃金が多く支払われるという不公平感の解消も期待できます

みなし残業のデメリット

割増賃金や固定残業代が払われないケースも

一般的に、みなし残業には別途支払いが必要な深夜割増賃金・休日出勤に対する賃金が含まれません。「みなし残業制だから」と深夜・休日出勤分の給与が支払われないというトラブルが起こることもあるようです。また、一定時間以上の残業を行わなかった場合、固定残業代が支払われないといったことも見られます。

残業時間や残業代が曖昧、最低賃金を下回っていることも

「○時間分の固定残業代を含む」「一律残業代を含む」など1時間あたりの残業代が曖昧になっている場合や、国が定めている最低賃金を下回る給与となっている場合もあります。労働者側が残業時間・手当の計算や支払いの確認を行うなど、日頃から注意をしておく必要があるでしょう。会社の労働管理下とは別に、出勤した日と時間の記録を自分でつけておくことで、トラブルを防げることもあります。

このように、みなし残業にはメリットも多くありますが、金銭が絡むトラブルになってしまうケースもあります。トラブルに巻き込まれないためにも、みなし残業について正しく知識を身につけましょう。特に正社員としての長期雇用を望む、就活中や第二新卒として転職活動中の方は、通常の労働条件とみなし残業のどちらが自分に合っているかを考えた上で、求人情報をチェックしてはいかがでしょうか。

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