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将来なくなる仕事って?必要とされる職種と考えるべきキャリアプランを解説
更新日
この記事のまとめ
- ITの進化により、将来は約半数の仕事がなくなる可能性があるといわれている
- 将来なくなる可能性が高い仕事には、販売員やデータ入力などがある
- 将来なくなる可能性が低い仕事は、クリエイティブ職や医療関係など
- 変化が激しい時代においては、スキルの掛け合わせが重視される見込み
- 将来性と自分の希望とのマッチ度を考慮して仕事を見つけよう
AIの影響で将来なくなる仕事があるという説に、不安を抱いている方もいるでしょう。このコラムでは、将来なくなる可能性が高い仕事と、今後も存続するであろう仕事の特徴や種類などを解説します。また、AIで仕事がなくなるとされる理由や企業の導入状況もご紹介。仕事がなくなる時代のキャリアプランの立て方についてもまとめたので、将来を見据えた選択をするための参考にしてみてください。
近い将来なくなる仕事は約半数?
ITが進化し、AIやIoTなどの新しい技術がさまざまな場面で取り入れられていく昨今、将来的に約半数の仕事がなくなるのではないかという説もあるようです。この項では、そのような説が広まりつつある背景について解説します。
また、「将来性のある業界は?需要の高い仕事の特徴と企業選びのポイント」でもAIと仕事の問題について触れているので、こちらも参考にしてみてください。
AIの導入でなくなる仕事が増えると予想される
総務省の「人工知能(AI)の進化が雇用等に与える影響(247p)」によると、アメリカの研究を日本に当てはめて分析した結果、将来AIに代替される可能性が高い仕事は49%もあるとの見通しが示されました。
近年はITの技術がハイペースで進化を遂げており、身近に感じる機会も増えてきています。AIにできることが増えれば、今後なくなる仕事の割合はさらに増える可能性もあるでしょう。
AIと人間の共存はメリットとの見方もある
日本は人口減少が進んでいるため、AIが仕事の一部を担えれば人手不足が解消できるといった期待もあります。同調査(243p)に掲載されている人口推移を見ると、15~64歳は減少する一方で、2060年には人口の4割が高齢者です。つまり、人口に対して労働力が足りなくなるのは明白であり、AIが「人間のパートナー」として共存できることはメリットになるとの見方もあります。
未来に100%はないと認識しておこう
AIによって約半数の仕事がなくなるという説は、海外の研究や日本のシンクタンク、省庁などの研究・調査によって根拠が示されているものの、未来の予測に確実性はありません。すなわち、「なくなる可能性が高い」といわれる仕事が、本当になくなるかどうかは分からないと理解しておく必要があります。
仕事選びで大事なのは、何に価値を感じ、自分がどう成長したいかということです。「将来なくなるかもしれない」という仮説に左右されるのではなく、自分なりの考えを判断基準にするのが大切といえます。
参照元
総務省
情報通信白書平成28年版
日本におけるAIの導入状況
企業のAI導入率は日本よりも海外のほうが進んでいるといわれています。この項では、データをもとに日本におけるAIの導入状況を紹介するので、キャリアプランを考えるための参考にしてみてください。
導入・導入予定は2割強に留まっている
2020年の総務省の調査「企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況」によると、デジタルデータの収集・解析のため、IoTやAIを導入している企業は14.1%です。さらに、導入の予定がある企業は9.8%で、合計すると23.9%となっています。
引用:総務省「図表5-2-1-23 企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況」
導入していない企業は65.4%で半数以上を占めており、理由としては「導入すべきシステムやサービスが分からない」が1位でした。今後AIの情報が広まり、企業がシステム・サービスを選びやすくなれば導入は進んでいくものと考えられるでしょう。
参照元
総務省
情報通信白書令和2年版
業務効率化の効果が高い
同調査「デジタルデータの収集・解析の目的」によれば、日本におけるAIの導入率はまだ低いですが、導入した企業では約8割が業務改善・効率化に効果を感じていると答えています。
業務の一部をAIに任せれば時間短縮につながり、人間はより大事な仕事に注力することが可能です。上記調査では、3割を超える企業が「顧客サービス向上」に効果を感じており、業務効率化がもたらすメリットは大きいといえるでしょう。
参照元
総務省
情報通信白書令和2年版
雇用喪失の不安を感じる人は少ない
厚生労働省の「AIの導入への不安の有無別にみた労働者が重要だと考えるスキル」によると、仕事の一部が代替え可能でも雇用不安を感じない人は36.9%、代替え不可能で不安がない人は24.7%です。
「仕事の一部、またはほとんどが代替え可能で雇用不安を感じる」という人は30.6%なので、不安を感じる人のほうが少ないと分かります。
しかし、不安のある人もない人も、コミュニケーション能力や洞察力、企画発想力といった能力が重要になるとの認識は一致しているのが特徴的です。将来的にAIの導入は避けられないことや、人間との共存がポイントになることを承知している人が多いと考えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-
人間の仕事がなくなるのはなぜ?AIの得意分野とは
AIには人間より得意な分野があり、それが約半数の仕事がなくなるといわれる所以です。この項では、AIの強みについて解説します。
ビッグデータの分析
AIはビッグデータを読み取り、分析・予測するのが得意です。ビッグデータとは、全体把握が難しいほどの膨大な量のデータをいいます。たとえば、ECサイトの購入履歴やレビューなどが身近な例です。人間が一つ一つ確認するのは時間も労力もかかりますが、AIであれば短時間での分析が可能でしょう。
オンラインサービスが拡充している近年ではデータをもとにした経営判断が重要で、今後一層その傾向は強まるものと見られます。そのため、ビッグデータの分析が得意なAIは、企業の経営に欠かせない存在となるでしょう。
画像や音声認識の精度が高い
顔認証や音声認識などもAIの得意分野です。顔や音声のデータが増えるほどAIの精度は上がり、正確に人を識別できるようになります。たとえば、企業の入退室管理やスマートスピーカーなどで精度の高さを実感している人もいるでしょう。
今後は、顔認証によるキャッシュレス決済、銀行や介護施設でのセキュリティ対策などにもAIの活用が進むと考えられています。
24時間365日働ける
人間に比べてAIが優れている点は、身体的な疲労がないことです。24時間365日稼働でき、集中力が切れる恐れもありません。また、モチベーションの低下や体調不良もなく、一定の質を保つことができます。そのため、深夜の清掃や見回り、検品作業といったルーティンワークを任せるのに最適です。
自己学習ができる
AIは「人工知能」という名の通り、人間のように知識を身につけて成長することが可能です。データが蓄積されるほど自己判断力が身につき、新たな予測・提案もできるようになります。ただし、不正確なデータが蓄積されると判断を誤ってしまうのが弱点です。現時点では、人間が介入して正しい方向へ導く必要があるでしょう。
なくなる可能性が高い仕事一覧
ここでは、AIに代替されてなくなる可能性が高い仕事の特徴や種類をご紹介します。自分の仕事や将来について悩んでいる方は、参考にしてください。
事務職
事務職の仕事はデータ入力や書類作成、経費精算といったAIが得意とする分野が多いため、一部業務はなくなる可能性が高いでしょう。すでに、クラウド上の会計ソフトや自動音声による電話応対などが活用されています。
ただし、事務職の仕事がすべてなくなるとは考えにくい側面も。たとえば、相手の意図を汲み取った資料作成や、臨機応変なトラブル対応などは人間でなければ難しいと考えられます。
銀行員
実店舗を持たないオンラインの金融機関が増えており、銀行員の仕事もなくなる可能性が高いといわれています。すでに電子取引は一般化しつつあり、納税や振り込みもオンラインで完結できるようになりました。将来はキャッシュレス決済がさらに拡充し、仮想通貨の利用も増えていくものと見られます。そのため、銀行員の数も今ほど必要ではなくなり、店舗はさらに減少すると考えられるでしょう。
ただし、フィンテック企業の需要は伸びると予想されます。フィンテックとは、ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた言葉で、金融サービスにIT技術を活用することです。金融の専門知識も必要なため、銀行員の経験も活かせる仕事といえるでしょう。
ライター
ライターの仕事も将来的になくなる可能性が高いでしょう。すでに生成AIによる文書作成が実現しており、資料作成などに活用する人も増えつつあります。AIは自己学習ができるため、言葉や表現、執筆のルールなども着実に習得できるといわれています。
ただし、インターネット上の情報をもとに記事を書く場合は、フェイクニュースや誤情報も取り込んでしまう点に注意が必要です。将来的にライターの役割は、内容のチェックや編集に特化するものと考えられます。
大工・建設作業員
大工・建設作業員の仕事のなかでも、反復作業や高所作業などはAIに取って代わられると考えられます。建設業界は人手不足が問題となっており、すでにロボットの活用を進めているのが実態です。むしろ、危険な作業を人間がやらずに済むため、メリットが大きいといえるでしょう。ただし、職人技といわれるような細かい作業は人間の仕事として残る可能性が高いといえます。
工場作業員
工場のライン作業員は、将来的に仕事がなくなる可能性があります。マニュアルに沿った流れ作業はAIの得意分野で、すでに製造や検品を任せている工場もあるようです。また、AIのほうが人間よりも早く正確で、休憩も必要ありません。人間が交代で夜勤をする必要がなくなるうえ、工場の稼働時間が伸びて生産量も増やせるでしょう。
今後はライン作業をAIに任せて、人間の仕事は製品改良や業務効率化に特化していくと考えられます。
会計士
会計士は法律やルールに則って行う仕事が多く、一部の業務はAIによってなくなるものと見られます。ただし、クライアントによってニーズが異なるうえ、監査に必要な書類なども多種多様なため、すべての仕事がAIに代替えできるわけではないでしょう。AIが担えるのは、帳簿の付け合わせやチェック、監査評価などになるものと見込まれています。
AIによって会計士の業務効率化が進む可能性は高いので、将来はクライアントへの提案や監査手続きの改善などに割く時間が増えるでしょう。
通関士
通関士は輸出入にかかわる税関の審査や関税の計算、その他手続きを行う仕事です。通関士は難関の国家資格で、細かいルールや法律を覚えなければなりません。しかし、AIであれば膨大な情報をインプットできるため、通関士の仕事も将来なくなる可能性がある仕事といわれています。
しかし、輸出入には多くの国や業者がかかわり、イレギュラーも発生しやすいため臨機応変な判断力が必要です。そのため、通関士の仕事もすべてなくなる可能性は低く、AIとの共存が妥当と考えられるでしょう。
薬剤師
薬剤師の仕事では、処方箋にもとづいた調剤作業や薬歴データの管理などがAIによってなくなるといわれています。これらの仕事は正確性が求められるため、AIの得意分野です。また、在庫管理や計算、受付などもAIで代替可能でしょう。
しかし、薬剤師の大事な仕事として、患者とのコミュニケーションがあります。不安を感じている患者に寄り添い、服薬の方法や生活習慣の改善などを提案するのも薬剤師の役割です。
将来はAIに任せるところは任せて、患者一人ひとりをより丁寧に見ていくことが業務の中心になるでしょう。
レジスタッフ
スーパーやコンビニエンスストアのレジスタッフは、将来なくなる仕事と考えられています。実際にセルフレジの導入が増え、無人店舗も現実味を帯びてきました。将来は、棚卸や需要予測、仕入れ発注などもAIに一元化できると予想できるでしょう。
一方、高齢化が進む日本では、人の手によるサポートが必要な側面もあります。そのため、レジスタッフの仕事がなくなるとしても、顧客のサポート役として店舗スタッフの仕事は残る可能性が高いでしょう。
ホテルのフロント
ホテルのフロントもロボットやタブレットで代替え可能となっており、将来なくなる仕事の一つといわれています。近年はアプリなどで予約・決済が完了しているケースが多く、フロントで手続きを行う必要性が薄れているようです。すでに無人のホテルもあり、フロントという職種はなくなりつつあるでしょう。
今後は、IT化を重視するホテルと、人による手厚いサービスを売りにするホテルとで二極化していく可能性もあります。
キッチンスタッフ
大手のファミリーレストランや回転ずしのチェーン店などでは、すでに機械による調理が導入されています。この傾向は加速すると予測されており、キッチンスタッフの需要は減る可能性が高いでしょう。飲食店は人手が足りず、営業時間を短縮するなどの影響も出始めています。最小限の人手で営業を続けるために、今後も機械化は避けられない見込みです。
ただし、高級レストランや料亭などが機械化に進むとは考えにくく、職人としての料理人は将来も残る仕事といえるでしょう。
警備員
AIによる顔認証や音声認識の導入により、警備員の仕事もなくなる可能性があります。セキュリティ管理の精度が上がることでトラブルが起きにくくなり、警備の需要自体が減ると見込まれるためです。また、AIは異変に気づくのも得意なので、見回りにも適しています。
夜間の見回りをAIに任せられれば人間の負担が減り、人手不足の解消にも役立つでしょう。将来は、問題が起きたときに対応するのが警備員の仕事となり、需要自体は減少していくと考えられます。
清掃作業員
清掃作業はAIに任せやすい仕事の一つ。オフィスや商業施設といった広範囲な清掃や、ビルの窓ふきといった危険な作業をAIに任せられるのは人間にとって大きなメリットです。また、AIであれば長時間の清掃も可能となり、きれいな状態を保ちやすくなります。
将来的に清掃作業員の仕事はなくなる可能性が高く、残る役割としては全体管理やロボットのメンテナンスになるでしょう。
運転手
バスや電車、タクシーなどの運転手は、徐々に人間の手を離れつつあります。車の自動運転は開発途中ですが、電車では無人の運行がスタートしているところもあるのが実情です。また、車の自動運転は自動車メーカーやIT企業が力を入れており、実用化は近いとの見方もあります。
自動運転は一定のスピードを保ちやすく、遅延や事故が起きにくいのがメリットです。また、人口減少が進む地方において、運転手がいないことで高齢者の移動手段がなくなるのを防ぐのに役立ちます。
配送員
オンラインショッピングが増えた影響で配送員不足が問題となっている近年、ドローンやロボットによる配送が始まりつつあります。将来的には、配送員の仕事もなくなる可能性がゼロではないでしょう。ただし、ドローンやロボットによる配送の実用化は限定的で、現在のところ配送員の需要は高いです。また、今後も高価な商品や壊れやすい物については、人の手による配送が必要と考えられます。配送の業務内容について詳しくは、「配送の仕事」のコラムもご覧ください。
なくなる可能性が低い仕事の特徴
なくなる可能性が高い仕事を紹介してきましたが、機械では代替えが難しい仕事もあります。
数十年後に訪れるかもしれない未来に備え、なくなる可能性が低い仕事の特徴や種類を知っておきましょう。
命に関わる仕事
医療関係の仕事は機械化が難しい部分もあり、医師や看護師がなくなるとは考えにくいでしょう。
医師
医者の診察や手術は、機械の代替が難しいため、なくなる可能性が低い仕事といわれています。手術用のロボットもありますが、あくまで補助的な役割であり、人間の精巧な動作をすべて再現するのは現段階では困難とされているようです。
看護師
看護師は医師のサポート役でもあるため、先を見越した対応や気遣いが必要な仕事です。また、患者対応においても、人の目で見ないと分からない微妙な変化にAIが気づけるかは不透明といえます。また、患者への精神的なケアも重要な仕事であり、人間の思いやりや情緒が必要といえるでしょう。
福祉関連の仕事
福祉関連の仕事も人によるケアが大切とされる仕事です。医療と同様に精神的なケアが大切で、感情を読み取る能力が求められます。
介護職
介護職には要介護者と家族に寄り添う気持ちが必要なため、AIが進化してもなくなる可能性が低いです。また、「身体介助は人の手が良い」「介護ロボットでは冷たい感じがする」という要介護者もいるでしょう。そのほか、要介護者にとって職員との会話は重要ですが、人の会話はパターン化するのが難しいためAIでどこまで対応できるのかも疑問です。
カウンセラー
カウンセラーは会話を通して相手に共感したり、アドバイスをしたりする仕事です。人間の感情は複雑で、どれだけデータを蓄積してもパターン化されるものではありません。また、似た内容の相談だとしても、相手の状況や特性に応じてアドバイスが異なることもあります。
そのため、カウンセラーの仕事はAIで完全に代替えするのは難しいでしょう。
状況判断が大事な仕事
状況に応じて判断が異なる仕事は、ビッグデータを分析しても最適な答えを出すのが難しいものです。状況判断が大事な仕事は、将来もなくなる可能性は低いといえます。
営業職
営業職は相手との会話から何が求められているかを考え、最適な提案をする仕事です。ときには、同じ商品でも相手との関係性や在庫状況に応じて、対応を変えることもあるでしょう。そのような状況判断はAIには難しいため、営業職は人間の仕事として残ると考えられます。
「営業職とは何をする仕事?業務の内容やメリット・デメリットを解説!」のコラムでは、営業職の魅力や向いている人の特徴を紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
弁護士
弁護士の仕事のなかで、契約書のチェックや賠償金の算出といった業務はAIに代替えされる可能性が高いです。実際のところ、すでにAIを導入している法律事務所もあるといわれています。ただし、「情状酌量」という言葉があるように、実際には双方の感情や置かれている状況などが異なり、過去の判例と違う判断が下ることも。AIの活用が進むとしても、弁護士の仕事がなくなるとは考えにくいでしょう。
育成に関する仕事
人間は一人ひとり異なる特性を持っているため、育成に関わる仕事が機械によってなくなる可能性は低いといえます。
教員
小中学校の教員は勉強を教えるだけでなく、人との関わり方や考える力を伸ばすなど、子どもを育成する幅広い役割を担っています。ときには、個別の相談に応じたり、トラブルに対処したりすることもあり、人間の感情や成長における変化を感じ取る力が必要です。そのため、AIによって教員の仕事がなくなるとは考えにくいといわれています。
一方、教員不足は社会的な問題となっているため、テストの問題作成や採点といった一部作業はAIに任せるという可能性も。将来は人間とAIとが共存するとの見方もあるようです。
コンサルタント
コンサルタントは企業の人材育成や組織開発を担う仕事で、前向きな感情を促したり、モチベーションアップを図ったりするのが役目です。案件獲得はコンペ形式が多く、会話や交渉のスキルも求められます。そのため、コンサルタントの仕事すべてが機械化される可能性は低いでしょう。
ただし、データの収集・分析や資料作成ではAIの活用が進む見込みです。将来はAIと役割を分担し、人間は研修内容の充実などにより力を注げるようになると考えられます。
今ないものを生み出す仕事
今ないものを生み出す仕事としては、大学の研究者や学者、企業の開発職などがあります。研究者や学者は新しいアイデアを創造し、未知の分野を探索する能力が必要です。過去のデータに基づいたパターン認識ではなく、独創的な思考や洞察が求められます。AIには新しいアイデアや概念を生み出すのは難しいため、研究者や学者の仕事は将来もなくなる可能性は低いでしょう。
動物相手の仕事
飼育員やペットショップのスタッフといった動物相手の仕事には、動物の感情や行動を理解し適切に対応する能力が必要です。動物も人間と同様に個体差があり、信頼関係を築くのは簡単ではありません。
たとえば飼育員は、観察・経験・直観に基づき動物の健康状態や感情を判断します。動物の性格も個々に異なり、パターン化されないためAIが判断するのは難しいでしょう。また、動物の行動は予測が難しいため、データが蓄積されにくい側面もあります。したがって、飼育員の仕事は将来もなくなる可能性は低いでしょう。
IT関連の仕事
AIの進化にともない、新しい技術を開発するエンジニアや、データを効果的に活用できる専門家が必要になるといわれています。プログラミングやテストはAIで代替えできると予想されるため、IT業界においても将来は人間との共存が進むでしょう。
ITエンジニア
ITエンジニアはAIアルゴリズムやモデルを設計し、実装する役割を担います。AIが継続的に自己学習を行うには、ITエンジニアによるデータ処理が必要です。また、AIが扱うビッグデータのセキュリティ対策やトラブル対応も必要になるため、ITエンジニアの需要は増えるとの見方もあります。「IT業界は入りやすいって本当?IT企業は受かりやすいといわれる理由とは」のコラムで、今後の需要予測を紹介していますのでご一読ください。
データサイエンティスト
データサイエンティストとは、ビッグデータを活用して企業の課題を解決する仕事です。SNSやスマートフォンなどで大量に蓄積されるデータを分析するだけでなく、課題を発見して解決に導くまでを担います。データの分析はAIに委ねられる可能性が高いものの、どこに課題を見出すかは人間の判断力が必要です。AIの導入が進めば、データアナリストの需要は高まると考えるのが妥当でしょう。
感性が求められる仕事
美容師やスタイリストといった仕事では、独創的なアイデアや美意識など人間特有の感性が求められます。感性は曖昧なもので人によって感じ方も違うため、AIには理解が難しいでしょう。
美容師
美容師が顧客からオーダーを受ける際、「ニュアンス」「雰囲気」といった感覚的な部分も含めて要望を理解します。また、「かっこいい」「かわいい」などの感覚は人によって異なり、その点を理解するのはAIでは難しいでしょう。
スタイリスト
スタイリストもセンスが求められる仕事です。何を良いと思うかは好みにもよるため、人によって感じ方が異なります。したがって、データ分析によって需要を読み取れる仕事ではなく、人間の感性や感覚、さらには顧客とのコミュニケーションの上に成り立つ仕事といえるでしょう。
クリエイティブな仕事
アートやデザイン、音楽などの分野では、独創的なアイデアによる創造が重要です。創造的な作業には試行錯誤やインスピレーションが必要で、アルゴリズムを元にしたアプローチでは難しいといえます。
職人
伝統工芸品や家具の職人などはマニュアルがなく、人から人へと伝えられてきた技術が活かされている場合があります。長年の経験に基づく知識やスキルは、データでは簡単に捉えられないものが多く、これをAIが再現するのは困難です。また、人間による職人技だからこそ価値があるともいえるため、こういった職人の仕事がなくなる可能性は低いでしょう。
デザイナー
デザイナーの仕事は、直感に基づいた判断が重要な場面が多くあります。AIはデータに基づいた分析や予測は得意ですが、直感的な判断は苦手です。また、微妙な色や形の違いは、何をもって良しとするかはデザイナー自身の判断によるところも多く、AIに任せるのは難しいといえます。
AIに代替えされる仕事はやめたほうが良い?
現時点で「この仕事はAIに代替えされるから」と応募先の選択肢を絞るのは、時期尚早といえるでしょう。これまで解説した通り、AIと人間の得意分野は棲み分けが可能で、完全になくなる仕事は少ないとの見方もあります。不確実な予想を就活の軸にするのではなく、自分なりのキャリアを考えるのが大切です。
「やめたほうが良い」とはいい切れない
たとえば、「接客の仕事はロボットによってなくなるから就職しないほうが良い」といった判断は避けたほうが無難です。厚生労働省が2016年に発表した報告書「働き方の未来 2035(6~7p)」では、AIによって仕事がなくなるというより、人間の役割や働き方が変化する可能性が高いと予想されています。
また、報告書には『人間は人間がサービスしてくれることに大きな満足を得るため、「ヒューマンタッチ」の仕事はAIの進化につれて重要度が増す』との記述も。たとえば、接客業では低価格をセールスポイントにする業態ではロボットが接客し、価格以外の付加価値を重視するお店では人間が対応するといった棲み分けが例として挙げられています。
前述の通り、「AIによって約半数の仕事がなくなる」というのはあくまでも予想であり、確実なものではありません。いつどのような形でAIやロボットが仕事に介入するかも分からないため、やりたい仕事があるなら諦める必要はないでしょう。
参照元
厚生労働省
「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」懇談会について
新たな仕事が生まれる可能性もある
機械の代替によってなくなる仕事だけでなく、新たな仕事が生まれる可能性もあります。現時点で思い当たるのは、AIや機械のメンテナンス、ロボットや人工知能におけるアドバイスなどですが、今後は予想もつかない仕事が生まれる可能性もあるでしょう。
このように時代の変化に沿って求められる需要も変わってくるため、人間の仕事がすべてなくなるとは考えにくいといえます。
AIで仕事がなくなっても役立つ資格
この項では、AIの活用が広まっても仕事に役立つ資格を紹介します。将来に備えて資格取得を考えている人は、人間に求められる役割を考慮したうえで、勉強する分野を選びましょう。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会が主催している民間資格です。将来、多くの企業にAIが導入されても、人間関係のトラブルや仕事上のストレスが解消されるわけではないでしょう。そのため、働く人のメンタルヘルスをサポートする産業カウンセラーの需要はAI時代にも役立つと考えられます。
社会福祉士
社会福祉士は障がい者や要介護者の相談に乗り、受けられる支援や福祉サービスの提案をする専門家です。悩みや困りごとの相談に乗る際は、丁寧なコミュニケーションが必要なため、社会福祉士の仕事がAIに取って代わられるとは考えにくいでしょう。国家資格のため信頼性も高く、将来的にも就職に役立つ資格といえます。
保育士
保育士は、働く保護者に代わって乳幼児の子育てを行うのが仕事です。前述の通り、人の育成に関わる仕事は将来的にも人間が担う可能性が高いでしょう。特に、乳幼児にとって人との会話や触れ合いは重要です。保育士は名称独占資格で、資格がなければ「保育士」と名乗ることができません。そのため、資格を取得しておけば就職に有利に働き、AI時代も需要がなくなる恐れはないといえるでしょう。「保育士の年収はどれくらい?活躍の場や今後の展望に言及!」のコラムでは、保育士の仕事内容や給料について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
仕事がなくなる時代のキャリアプランとは
AIによって仕事がなくなるといわれる時代に、どのようなキャリアプランを立てれば良いのか悩む方もいるでしょう。この項では、AI時代のキャリアプランにおいて大事なポイントを解説します。
スキルの掛け合わせを考える
これからの時代は変化が激しいと予想されるため、複数のスキルを身につけるのがおすすめです。たとえば、「プログラミングスキル×デザインスキル」「語学力×プレゼンスキル」のように、スキルを掛け合わせることで自分ならではの強みを持てるでしょう。また、複数のスキルがあれば、どれか一つが活かせなくなっても補完できるため安心です。
これからキャリアプランを立てる際は、「獲得したいスキルが学べる環境か」「興味のある分野に挑戦しやすいか」などを仕事選びの基準にするのも良いでしょう。
AIについて積極的に学ぶ
AIの活用が広がるといわれてはいるものの、知識が豊富な人は今のところ少ないでしょう。したがって、今からAIについて学んでおけば、ライバルとの差別化につながる可能性もあります。どの職種に就くとしてもAIと無関係のままとは考えにくいため、勉強しておいて損はありません。
さらに、志望職種でAIがどのように活用できそうか考えておくと、キャリアの方向性を決めるのに役立ちます。
目の前の仕事で成果を出す
将来の見通しが不透明だからこそ、目の前の仕事で成果を出し、転職市場で価値のある人材を目指しましょう。「頑張っても将来なくなる仕事だから…」と手を抜いていると、AIと共存できる人材になるのも難しくなってしまいます。
また、AI時代が到来する前に、社会動向や私生活の変化によって転職せざるを得なくなる場合もあるでしょう。どのような変化が起きても臨機応変に対応するためには、一つ一つの仕事で実績を作り経験値を上げておくのが重要です。
将来性のある選択をするならプロに相談しよう
AI時代の到来に備えて「需要が伸びそうな仕事を選びたい」「多様なスキルを身につけたい」と考えるなら、就職・転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
就職・転職エージェントのアドバイザーは多種多様な業界について知識があり、人材需要にも詳しいといわれています。先のことは分からないからこそ、第三者の意見も参考にして判断材料を増やし、後悔のない選択をしましょう。
ハタラクティブでは、就職・転職活動に詳しいアドバイザーが、丁寧なヒアリングを実施。その結果を基に、あなたの希望に沿った求人をご紹介します。
応募書類の添削や面接対策などのサポートも行っているので、就職・転職活動が初めての方も安心です。
将来や仕事探しに不安がある方は、ぜひハタラクティブまでご相談ください。アドバイザーが親身になってあなたのお悩みに向き合います。
なくなる仕事に関するお悩みQ&A
なくなる仕事に関するお悩みに、Q&A方式でお答えします。将来に不安がある方は、ぜひご覧ください。
将来なくなる仕事の見極め方は?
将来なくなる仕事は、機械が代替しやすいとされる傾向があります。たとえば、データ入力や運転手、工場勤務などにおけるルーティンワークは、AIの普及にともなってなくなることが懸念されている仕事です。このコラムの「なくなる可能性が高い仕事一覧」も参考にし、将来性のある仕事を見極めましょう。
資格が必要な仕事もなくなる?
仕事によってはなくなる可能性もあります。
ただし、国家資格を必要とする仕事を機械が代替するとなると、法律的な面での議論を要する可能性があるでしょう。「安定した職業12選!仕事選びのコツやおすすめの資格をご紹介」では、安定した仕事選びの方法を解説していますので、参考にしてください。
なくなる可能性がゼロの仕事はあるの?
IT化が進む限り、いかなる仕事もなくなる可能性はゼロとは言い切れません。
ただし、どれだけ進化しても機械は万能ではないため、全てを代替するのは難しいでしょう。今後需要が高まっていくであろうIT業界について「IT業界は未経験者も挑戦できる?おすすめな職種と転職成功のコツをご紹介」で解説しているので、ご一読ください。
在職中の仕事が将来なくなるのではと不安です。
在職中の仕事がなくなるという不安を抱いているなら、資格の取得やスキルアップをし、専門性を高めておくのがおすすめ。ただ将来を悲観するよりも、いつか訪れるかもしれない日に向けて備えておくと安心です。「手に職をつける意味とは?専門職の仕事や必要な資格を徹底解説」も参考に、自分のレベルを上げていきましょう。
なくなる可能性が高い仕事に就職…対策は?
なくなる可能性が高い仕事に就職した場合、先述したように将来に備えてスキルアップを図る、転職を考えるといった対策を取るのが良いでしょう。「転職に役立つスキル一覧!仕事が変化しても通用するポータブルスキルとは?」のコラムで仕事に活かせるスキルを解説していますのでご覧ください。ハタラクティブでは、転職に向けて学ぶべきスキルのアドバイスも可能です。一人では不安という場合は、ぜひご相談ください。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。