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新卒者の離職率を業界別に解説!
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この記事のまとめ
- 大卒新入社員の30%以上が卒業後3年以内に離職している
- 新卒の離職率が高い業界は、宿泊業・飲食サービス業や教育・学習支援業など
- 新卒の離職率が高い業界の共通点として、日常生活に深く関わる仕事が多い点が挙られる
- インフラ業界や製造業は離職率が低い
- 働きやすさで会社を探す際は、休日数や研修制度などに着目しよう
- 年齢が若いほど、未経験業界への転職は有利になる
新卒者の離職率はどのくらいでしょうか?大学を卒業した新卒者が3年以内に離職する割合は、約3割となっています。このコラムでは、新卒の離職率を業界別に解説。さらに、その業界でなぜ離職者が多いのか、原因についてまとめてみました。離職率が高い業界について知りたい方や、新卒で入社した企業から転職を考えているという方は、ぜひ参考にしてください。
新卒者が3年以内に離職する割合は?
厚生労働省の「新規学卒者の離職状況(令和2年3月卒業者の状況)を公表します」によると、新卒入社した大学卒業者の30%以上が、何らかの理由で卒業後3年以内に会社を離職しているのが現状です。なお、2020年3月の段階では3年以内の離職率が32.3%と、約3人に1人が離職している計算になりますが、この割合は業界によっても大きく異なります。新卒の離職率について、さらに詳しく知りたい方は「新卒の離職率はどのくらい?退職する理由とあわせて解説」を参考にしてみてください。
離職率の高い業界は?
大学新卒者の離職率が高いのは、どの業界なのでしょうか。2020年3月に大学を卒業した新卒者を対象にしたデータで、離職率の高い上位5産業をまとめてみました。
産業 | 離職率 |
---|---|
宿泊業・飲食サービス業 | 51.4% |
生活関連サービス業・娯楽業 | 48.0% |
教育・学習支援業 | 46.0% |
医療、福祉 | 38.8% |
小売業 | 38.5% |
参考:厚生労働省「新規学卒者の離職状況(令和2年3月卒業者の状況)を公表します」
上記のデータより、宿泊業・飲食サービス業では大学卒業後に入社した新入社員の2人に1人が、3年以内に離職していることがわかります。次項では、業界別に考察していきます。
参照元
厚生労働省
新規学卒者の離職状況(令和2年3月卒業者の状況)を公表します
新卒の離職率が高い原因を業界別に考察
次に、なぜ離職率が高くなっているのか、業界別に分析してみましょう。
宿泊業・飲食サービス業(ホテル、旅館、レストランなど)
離職率が50%超と、2人に1人以上が離職している業界。ニュースで長時間労働やサービス残業などの問題が取り上げられることもあり「ブラックな企業が多そう…」と、漠然としたイメージで避けている人もいるでしょう。なかでも、高校生や大学生がアルバイトとして触れやすい飲食業は、理解が足りないまま就職して早期に離職というケースも。また、人員不足で思うように休みが取れないことや夜勤で生活のバランスが崩れてしまうこと、年収の低さなども離職率の高さにつながっているようです。
一方で、若くして店長や副店長などの管理職に就けるチャンスがあるのも、この業界の特徴。責任のある立場を任されることはやりがいにもつながるため、忙しい中でも自分の裁量で働きたい方に向いている業界といえます。
生活関連サービス業・娯楽業(クリーニング、美容室、エステ、観光など)
美容師やエステティシャン、観光業やウェディング関連など華やかなイメージの仕事が並びますが、約48%と半数に近い新卒者が離職しています。土日祝日など、一般的な休日に忙しくなることが多い、立ち仕事が多く体力の必要な仕事であるなど、華やかなイメージに隠されたハードな部分が離職の原因になるようです。
お客さまと近い距離で仕事をすることは大変な一方で、やりがいも感じられます。スタッフ同士で協力しながら仕事を進めたり、お客さまの喜びを自分の喜びに感じられたりできる方に向いている業界です。
教育・学習支援業(学校、幼稚園、動物園、学習塾など)
学校や塾、習い事の教室など、主に子どもに向けた教育関係の仕事を含んだ業界です。少子高齢化が進む現在、競争も激しい業界となっています。課題の制作やテストの採点など、時間外にこなさなければならない業務が多いことや、生徒だけではなくその家族とのコミュニケーションも重視されていることなどを理由として離職する方が多いようです。
一方で、生徒の笑顔に触れられることや、テストや受験などで結果を出すお手伝いを出来るというやりがいがあります。一人ひとりの成長に積極的に携わり、支援したいという方に適した業界です。
医療・福祉(病院、介護施設、保健所、調剤薬局など)
人々の健康に関わる仕事がメインの医療・福祉業界。特に福祉業界は高齢化や核家族化が進み、需要を増しています。「人を助ける」という志を持って就職したものの、勤務時間の長さや力仕事の多さから離職を余儀なくされるケースが多いと考えられます。また、新しい制度や情報についていくための勉強は欠かせません。
離職率は高いものの、有資格者が多いため、キャリアアップのための前向きな転職が多いことも特徴。常にスキルを磨き続けたい方、人を助ける仕事がしたい方に適しています。
小売業(デパート、コンビニ、アパレルなど)
お客さまと密に接することが多いこの業界。たとえば、アパレル系は憧れから就職したものの、立ち仕事のハードさやノルマ・買い取りなどが厳しく、離職してしまう方もいると考えられます。店舗によってはパートやアルバイトが多い中、数名の社員で業務の大半を担い、さらに過大な責任を負わなければならないことも。また、責任の重さの割に給料が少ないというケースもあるので、安心して働ける環境が整った会社を探すことが長期的に働くためのカギとなります。
ホスピタリティがある方、仲間やお客さまの声に耳を傾けられる協調性のある方に向いている業界です。
新卒の離職率が高い業界の共通点
業界別に分析してきましたが、それぞれの業界には共通するポイントがあります。それは、接客業やサービス業など、日常生活に深く関わる仕事が多いこと。アルバイトとして勤めているときや自分が客として通っているときのイメージで就職し、現実とのギャップで離職するというパターン、募集が多いことから深く考えずに就職して現場の大変さに気づくというパターンが多いといえるでしょう。就職・転職活動の際は、業界や企業に対してしっかり調べることが大切です。
離職率が低い業界
一般的に、電気やガス、水道といったインフラ業界は離職率が低い傾向にあります。インフラ業界は収入が高く、生活に不可欠で倒産のリスクが少ないという安定性が離職率の低さにつながっているのでしょう。また、自動車や電化製品などをつくる製造業も離職率が高い業界として知られます。このほか、鉱業業、採石業、砂利採取業の離職率も低い傾向にありますが、これはそもそも業界内の事業者の数自体が少なく、それに伴い従事している人の数が少ないという事情によるもの。離職率の低さは、単純に安定性や働きやすさを示しているわけではないので、離職率を調べる際はその理由にまで目を向けると良いでしょう。離職率が低い業界については「離職率が低い業界ランキング!その理由やメリット・デメリットもご紹介」にて、詳しく解説されています。
働きやすい会社を見つけるコツ
離職率が高い業界の中にも、働きやすい企業や自分に向いている職場は存在します。また、業界としては離職率が高くても、社内のさまざまな取り組みによって離職率ゼロを実現している企業もあるようです。そのため、転職活動では業界全体の動向を調べるとともに、個々の企業についてリサーチすることが大切。事業内容だけでなく、年間休日や残業時間、福利厚などについてもしっかり調べたうえで入社を決めましょう。
また、働きながらスキルアップすることを考えると、社員を育成するための研修制度が整っているか否かも見落とせないポイントです。モチベーションを高く持って働きたいという方は、自分が納得できる評価制度があるかという点に注目して企業を探すと良いでしょう。
たとえ離職率が低くても、社風が合わなかったり満足のいく働き方ができなかったりすると、その企業に勤め続けるのは難しくなります。離職率は就職・転職前に押さえておくべきポイントの一つではありますが、志望先を選ぶ際は、企業との相性や自分が希望する働き方でできるか、といった視点も持つようにしましょう。「自分にとって「働きやすい会社」を選ぼう!」にも適職探しのヒントが記されているので、併せてチェックしてみてください。
未経験の業界に転職できる?
第二新卒の場合は、短期間とはいえ、社会人として働き基礎的なビジネススキルを身につけていて、企業側にとっては教育コストを省けるというメリットがあります。また、年齢が新卒とそれほど変わらず高い柔軟性を備えているので、転職市場では価値の高い存在。新卒を採りきれなかった企業が、新卒扱いで第二新卒を募集するケースもあるようです。
また、未経験業界・業種への転職は、若ければ若いほど有利といわれています。新卒で入社した業種とは異なる未知の仕事に挑戦したいと考えている方は、早めの転職を検討してみてはいかがでしょうか。「職歴が浅いと評価されないのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、第二新卒はまだまだ若さやポテンシャルを武器に戦える年齢です。大きな実績がなかったとしても、仕事で大切にしている心がけやこれからの目標、学んでいきたいという姿勢をアピールすることで、評価を得られるでしょう。
「今の仕事は向いていない気がする」「転職したいけど、自分の向き不向きがわからない」そんな方は、ぜひ一度ハタラクティブにご相談ください。プロのキャリアアドバイザーがヒアリングをしながら、あなたに合った業界や職種を一緒に考えます。一人での転職活動に不安がある方、正社員として安心して働ける就職を目指す第二新卒の方は、まずはカウンセリングからご利用ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。