優良企業とは「顧客」「株主」「社員」の3つの視点から見て優良とされている企業
優良企業やホワイト企業に就職したいと願う人は多くいますが、「そもそも優良企業とは?」「基準って何?」と疑問に感じている人もいるでしょう。一般的に優良企業とは、顧客・株主・社員の目線から「優良」とされる企業のこと。就職・転職活動においては、社員目線で優良な企業かどうかが重要です。
このコラムでは、優良企業やホワイト企業の基準、見分け方などを解説します。優良企業の探し方として、エージェントの活用法も含めて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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優良企業とは?
優良企業という言葉に明確な定義はありませんが、一般的に「ほかの企業より優れている会社」を指します。具体的には「顧客から支持を集めている」「事業が安定している」「社員からの評価が高い」の3点がそろっていれば、優良企業といえるでしょう。
【さまざまな目線から見る「優良企業」とは】
| 顧客目線 | ・製品やサービスが魅力的
・安価で利用しやすい |
|---|
| 株主目線 | ・売上が良い
・投資の価値がある
・事業に継続性、安定性がある |
|---|
| 社員目線 | ・離職率が低い
・働きやすい環境が整っている
・経営状況がクリアになっている
・社員への還元がある |
|---|
就職・転職活動の際に注目すべきは、3つ目の「社員にとって優良な企業か」ということ。社員にとって働きやすい会社は、「ホワイト企業」とも呼ばれています。逆に、社員にとって働きにくい企業は「ブラック企業」と呼ばれることも。
ホワイト企業の特徴を把握し、自分にとって働きやすい会社を見つけることが大切です。
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優良企業の6つの見分け方
社員目線で優良企業かどうかを見分けるには、数字や制度で確認できる客観的な基準を持つことが大切です。
ここでは、離職率や財務内容、休日・残業・有給休暇といった6つの基準を紹介します。すべての基準を満たす会社は多くないため、自分が重視する項目に優先順位をつけて比べてみましょう。まずは気になる会社の求人票や公式サイトで、確認できる項目から見ていくのがおすすめです。
優良企業の見分け方
- 離職率が低い/平均勤続年数が長い
- 財務内容が良い(自己資本比率や経常利益率が高い)
- 法定外福利厚生が充実している
- 有給休暇の取得率が高い
- 年間休日が多い(120日以上が目安)
- 残業時間が少なく残業代がきちんと支払われる
1.離職率が低い/平均勤続年数が長い
離職率とは、一定期間に会社を辞めた人の割合を示す指標で、低いほど社員が定着している傾向があります。厚生労働省の「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況(p.6)」では、離職率は全体で13.7%となっています。これは、全産業・全年齢の労働者の年間の離職率で、応募先が公表する新卒者の離職率とは対象や算出方法が異なる点に注意が必要です。平均勤続年数が長い会社も、社員が長く働き続けられる環境が整っている可能性が考えられます。ただし、離職率は業界によって水準が異なるため、同じ業界の企業と比べるのが現実的でしょう。
離職率や平均勤続年数は求人票に記載されていないことも多いですが、若者雇用促進法により、新卒者等(学校卒業見込者など)を募集する企業は、応募者から求められた場合に職場情報を提供しなければなりません(同法第13条第2項)。提供の対象は、「募集・採用の状況」「職業能力の開発・向上の状況」「雇用管理の状況」の3つの類型で、各類型から1つ以上の情報を提供する必要があります。たとえば、過去3年間の新卒採用者数・離職者数、平均勤続年数、前年度の有給休暇の平均取得日数などです。
なお、この提供義務は新卒者等(学校卒業見込者等)の募集が対象で、中途採用のみの募集は対象外です。ただし、厚生労働省は卒業後3年以内の既卒者について「新卒枠」での応募受付を事業主に要請しているため、既卒で新卒枠に応募する場合は対象となることがあります。
また、ハローワークや就職・転職エージェントに求人を出している企業には、同法第14条第2項により、これらの機関や紹介を受けようとする人に対して青少年雇用情報を提供する義務があります。エージェントを利用している場合は、担当のキャリアアドバイザー経由で企業に確認してもらうのも一つの手です。
参照元:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概要」
参照元:e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」
2.財務内容が良い(自己資本比率や経常利益率が高い)
財務内容は、自己資本比率や売上高経常利益率といった指標で確認可能です。自己資本比率は総資本に占める自己資本の割合で、高いほど財務が安定しているといえます。売上高経常利益率は、売上高に対する経常利益の割合を示す指標で、通常の事業活動で得られる収益力の目安です。財務省の「法人企業統計調査結果(令和6年度)」では、全産業(金融業、保険業を除く)の自己資本比率は41.8%、売上高経常利益率は6.8%でした。応募先の数値をこの平均と見比べると、財務の状況をつかみやすくなります。なお、借金がまったくない会社だけが優良とは限りません。事業のために適切に借り入れながら、利益を出している会社もあります。
財務内容がよい会社は、「経営状況がよい会社」とも言い換えられます。賃金や残業代の支払いは法律上の義務であり、経営状況にかかわらず果たされなければなりませんが、経営が安定している会社ほど、賞与や昇給、福利厚生といった「義務ではない部分」にも余力を回せる傾向があります。
財務状況は、上場企業であれば有価証券報告書や決算短信、未上場企業であっても公式サイトの会社概要や官報の決算公告などで確認できる場合があります。売上の規模そのものよりも、黒字が続いているか、自己資本比率が極端に低くないかといった継続性の観点で見るとよいでしょう。
参照元:財務省「法人企業統計調査結果(令和6年度)」
参照元:財務総合政策研究所「法人企業統計調査 キーワード(自己資本比率)」
参照元:財務総合政策研究所「法人企業統計調査 キーワード(売上高経常利益率)」
3.法定外福利厚生が充実している
福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生があります。ホワイト企業を見分けるために注目したいのは、会社が独自に設けている法定外福利厚生です。
法定外福利厚生は、法律で義務付けられていない分、会社が人材の定着や働きやすさのために何を重視しているかが表れやすい部分です。リフレッシュ休暇や独自の手当、お祝い金、企業独自の育児休業延長などが挙げられるので、求人案内や会社の公式のWebサイトなどでチェックしてみましょう。
4.有給休暇の取得率が高い
労働基準法の改正により、2019年から、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、年5日の取得が会社に義務付けられました。しかし、5日以上の休暇を取得しづらい雰囲気のある会社も存在し、そのような会社もホワイト企業とはいえないでしょう。
会社の有給取得率を調べる場合は、求人情報で調べる、大学の就職支援課に相談する、OB・OG訪問で生の声を聴くといった方法があります。インターネットで調べる方法もありますが、真偽の判断が難しい場合もありますので、慎重に行いましょう。
5.年間休日が多い(120日以上が目安)
年間休日とは、会社が定めている1年間の休日の合計日数のこと。労働基準法の週40時間の上限があるため、1日8時間勤務の場合、年間休日はおよそ105日以上が必要です。完全週休2日制の土日(104日前後)に国民の祝日(16日前後)を加えると120日前後になることから、120日以上が一つの目安とされています。
厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査の概況」では、企業の年間休日総数の平均は112.4日で、120日以上の企業は全体の39.3%でした。120日以上は、約4割の企業に限られる水準といえます。求人票では日数だけでなく、土日祝休みか、夏季休暇や年末年始休暇が含まれているかといった内訳も確認しましょう。
参照元:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況」
6.残業時間が少なく残業代がきちんと支払われる
残業時間が少ないかどうかは、働きやすさに直結します。求人票や面接では、表面的な数字だけでなく実態を確認しましょう。
実際の「最大残業時間」を確認する
時間外労働は原則「月45時間・年360時間」が上限ですが、特別条項付きの36協定を結んでいる場合、年6回までは月45時間を超えることが認められます(最大で単月100時間未満)。そのため、求人票の「月平均」だけでなく、面接で「繁忙期にもっとも残業が多い月で何時間程度か」を必ず確認してください。なお、月平均20時間以下(ユースエール認定基準)が一つの目安になります。
サービス残業(未払い)のリスクがないか
残業時間が少なくても、残業代が正しく支払われていなければ意味がありません。働いた分の残業代を払わないのは、社風ではなく明確な法令違反です。面接で残業代の計算方法について質問した際、言葉を濁すような企業には注意が必要です。
固定残業代(みなし残業代)の記載が明確か
固定残業代を採用している求人の場合、「固定残業代を差し引いた基本給」「固定残業代の想定労働時間数と金額」「超過分の別途支払い」の3点がすべて明記されているか確認してください。実際の残業が想定時間を上回った場合は、差額が支払われるのが法律上のルールです。
参照元:厚生労働省「固定残業代制を採用する場合は、募集要項や求人票などに、次の①~③の内容すべてを明示してください。」
参照元:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
参照元:e-Gov法令検索「労働基準法」(第24条、第36条、第37条、第39条)
参照元:e-Gov法令検索「健康保険法」
参照元:e-Gov法令検索「厚生年金保険法」
参照元:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」
参照元:e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」
国の認定制度を確認する
国が認定している企業を確認する方法もあります。たとえば「ユースエール認定」は、若者の採用・育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です(青少年の雇用の促進等に関する法律第15条)。
認定の主な基準は、直近3事業年度の新卒者等の離職率が20%以下であること、前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下であること、月平均の法定時間外労働が60時間以上の正社員が1人もいないこと、有給休暇の年平均取得率が70%以上(または年平均取得日数が10日以上)であること、人材育成の方針と教育訓練計画を定めていることなどです。これらをすべて満たす必要があるため、認定を受けている時点で一定の水準は確認できます。
ただし、対象は常時雇用する労働者が300人以下の中小企業に限られます。大企業は制度の対象外で、認定がないことが働きにくさを意味するわけではありません。認定企業は、厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」で検索できます。
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大企業だけが優良企業ではない
優良企業と聞くと、知名度の高い大企業を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、企業の規模の大きさと、優良かどうかは別の問題です。中小企業のなかにも、経営が安定していて、社員が働きやすい環境を整えている会社は数多くあります。BtoB企業のように一般の消費者には知られていなくても、安定した取引を持つ会社も少なくありません。企業名の知名度や規模だけで判断せず、これまで紹介した基準で冷静に見極めることが、優良企業と出会う近道です。
中小企業で働くメリットとして、意思決定までの距離が近く、早い段階から幅広い仕事に関われることが挙げられます。業務の分担が細かく分かれていない分、担当範囲が広がりやすく、会社の成長を身近に実感できる場面も多いでしょう。経営層との距離が近いため、提案が通りやすい環境もあります。
一方で、採用枠が少なく、1つのポジションに対する競争率が高い場合もあります。「中小企業だから入りやすい」と考えず、企業研究と選考対策は大企業と同じように行いましょう。
優良企業の探し方
複数の方法を組み合わせて情報収集することで、理想的な職場が見つかりやすくなります。以下で、優良企業のおすすめの探し方を紹介するので、参考にしてみてください。
求人サイトで条件を絞って検索する
求人サイトで条件を絞って検索することで、優良企業を効率的に探せるでしょう。たとえば、福利厚生や残業時間、年収などの具体的な条件で絞り込むと、自分が求める企業が見つかりやすくなります。
ただし、掲載情報は企業側の発信なので、鵜呑みにせずほかの情報源と照らし合わせることが大切です。
口コミサイトをチェックする
実際に働いた経験のある社員の声を知るには、口コミサイトが役立つことも。口コミサイトでは給与水準や残業の実態、職場の雰囲気など、求人情報には載っていない生の声を確認できます。複数の評価を総合的に見ることで、より正確な企業像が見えてくるでしょう。
ただし口コミには個人差があるため、極端な意見に惑わされないよう注意が必要です。バランスよく情報を集めることを意識しましょう。
就活イベントや会社説明会に行く
企業の雰囲気を直接感じるには、就活イベントや会社説明会へ参加するのがおすすめです。企業の人事担当者や現場社員と直接話すことで、より具体的な質問ができリアルな情報が得られます。質問の受け答えや会場の雰囲気から、企業文化も感じ取れるでしょう。
インターンシップへ参加する
インターンシップに参加し、実際の業務を体験してみるのもおすすめです。仕事を体験しながら社内の雰囲気を肌で感じることで、自分に合った職場かどうかを判断できる点がインターンシップのメリット。短期間でも実務の業務に触れることで、その企業の働き方や価値観が見えてくるでしょう。
就職・転職エージェントを活用する
プロの視点から優良企業を紹介してくれるのが、就職・転職エージェントの強みです。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーからは、求人票には書かれていない企業の内部情報が得られることも。企業と求職者の相性を考慮したマッチングが行われるため、自分一人では見つけられなかった優良企業に出会える可能性があります。
就職・転職エージェントは基本的に無料で利用できるので、積極的に活用してみましょう。
まとめ
優良企業とは、顧客・株主・社員の3つの視点から見て優れているとされる企業のことを指します。就職・転職では、社員目線で働きやすい会社かどうかが重要です。ユースエール認定など、国の認定を受けている企業は、優良企業を探す際の目安になります。見分けるときは、離職率や財務内容、年間休日が120日以上あるか、残業時間が少なく残業代がきちんと支払われるかといった点に注目しましょう。離職率や有給休暇の取得状況は、求人票だけで分からなくても、企業に直接確認できる場合があります。優良企業は大企業だけではないため、複数の方法を組み合わせて探してみましょう。
自分一人での企業探しに不安をお感じの方は、ぜひ就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、20代を中心とした若年層に特化したサービスです。履歴書作成のアドバイスから面接対策まで、就職・転職を総合的にサポートします。ご紹介する企業は、キャリアアドバイザーが実際に訪れた企業で、応募前に詳しい職場の雰囲気を知ることができるので安心して就職活動を進められるでしょう。お気軽にお問い合わせください。
優良企業とはに関するFAQ
一口に優良企業といっても、さまざまな企業があります。ここでは、優良企業に関して多く寄せられる質問をFAQ方式にまとめました。
あまり知られていない優良企業はどう探せばいい?
知名度が高くなくても、経営が安定していて働きやすい会社は数多くあります。まずは、この記事で紹介した基準を使って、条件に合う企業を自分で見つけることが大切です。求人サイトの条件検索や、公表されている情報の確認が役立つでしょう。
日本で1番ホワイトな企業は?
何をもって「ホワイト」とするかで答えが変わるため、1社に決めることはできません。休日の多さを重視する人、残業の少なさを重視する人、福利厚生を重視する人では、当てはまる企業が異なります。自分に合う会社を探すなら、国の認定制度や、公表されている離職率・有給取得率といったデータを自分で調べて比べる方法が確実です。たとえば、ユースエール認定を受けた企業は、離職率や残業時間などの基準を満たしています。認定企業の一覧は、厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」などで確認できます。なお、ユースエール認定の対象は、常時雇用する労働者が300人以下の中小企業です。
参照元:厚生労働省「若者雇用促進総合サイト」
日本の優良企業ランキングはどう見ればいい?
ランキングは、調べた機関ごとに評価の基準が異なります。売上や成長率といった経営面を重視するもの、働きやすさや社員の満足度を重視するものなど、順位のつけ方はさまざまです。順位だけで判断せず、何を基準にしたランキングかを確認し、自分が重視する条件に合うものを参考にしましょう。ランキングの上位でも、自分に合う職場とは限りません。
具体的な企業の一覧は、次の記事でも紹介しています。
入社しないほうがいい会社の特徴は?
労働条件が不明確であったり、法令を守る意識が低かったりする会社には注意が必要です。具体的には、以下のような特徴が挙げられます。
・求人票の記載があいまい:給与や勤務時間、固定残業代の時間数や金額などがはっきりと明示されていない。
・労働環境に問題がある:サービス残業が行われている(法令違反にあたります)、有給休暇を取得しづらい雰囲気があるなど、働き続けにくい環境になっている。
・面接でごまかされる:面接で労働条件について質問しても、面接官が具体的に答えてくれない。
このような会社は入社後にトラブルになるリスクがあるため、慎重に判断しましょう。