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優良中小企業とは?就職・転職するメリットとホワイト企業の探し方を解説
更新日
この記事のまとめ
- 優良中小企業とは、働きやすさや成長率の高さが評価されている一定以下の規模の会社
- 優良中小企業に就職するメリットは、大企業に比べて幅広い仕事ができること
- 中小企業は社員数や部署数が少ないため、人間関係の問題を解決しにくいのがデメリット
- 優良中小企業は大々的に求人を公開していないこともあるため、探し方にはコツが必要
- 隠れ優良企業を見つけるには、大手グループや小さな市場を扱う企業にも目を向けよう
優良中小企業への就職に興味を持っている方は多いでしょう。優良中小企業に明確な定義はないものの、働きやすく将来性がある企業を指す場合が多いようです。
このコラムでは、優良中小企業の特徴や、働くメリット・デメリットをご紹介します。また、ホワイト企業の見分け方や求人の探し方も解説。これから就職活動を始める就活生や転職を検討している方は、ぜひご覧ください。
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優良中小企業とは
優良中小企業に明確な定義はありませんが、一般的には中小企業のなかでも「働きやすさ」「成長率・技術力」「財務状況の健全さ」などが評価されている企業のことを指すようです。
中小企業の定義
中小企業の定義は、中小企業庁の「中小企業基本法」によって下記のとおり決められています。
業種 | 定義 |
---|---|
製造業、その他業種 | 資本金額または出資総額3億円以下の会社 もしくは従業員数300人以下の会社・個人 |
卸売業 | 資本金額または出資総額1億円以下の会社 もしくは従業員数100人以下の会社・個人 |
サービス業 | 資本金額または出資総額5,000万円以下の会社 もしくは従業員数100人以下の会社・個人 |
小売業 | 資本金額または出資総額5,000万円以下の会社 もしくは従業員数50人以下の会社・個人 |
ただし、上記の内容は、中小企業政策において基本的な政策対象範囲を定めるための「原則」です。法律・制度によって、中小企業の範囲は異なる場合があります。
参照元
中小企業庁
中小企業庁関係法令
日本の企業の大半は中小企業
中小企業庁の「2024年版「小規模企業白書」全文」によると、日本の99.7%は中小企業です。
したがって、大企業を狙う場合は0.3%しかない枠に応募者が殺到するため、倍率が高くなるのも必然といえます。働きやすい職場を探す際は、優良中小企業の特徴を理解したうえで幅広く探すのがおすすめです。
参照元
中小企業庁
小規模企業白書
優良企業(ホワイト企業)の定義
優良企業には明確な定義がなく、どの立場から考えるかによってその概念は異なる傾向があります。優良企業であるかどうかの一般的な評価基準は、下記のとおりです。
視点 | 評価内容 |
---|---|
社員 | ・残業が少ない ・休みが多い ・各種休暇が取りやすい ・福利厚生が充実している ・給与が高い ・安定性がある |
顧客 | ・価格が見合っている商品、サービス展開をしている ・アフターケアが万全である ・社員の対応が良い |
第三者(株主など) | ・利益率、成長率が高い ・技術力が高い |
社員が働きやすく、顧客に対して質の良い商品・サービスを提供し、将来性がある企業は、優良企業と判断できるでしょう。優良企業については「優良企業とはどんな会社のこと?」のコラムでも解説しているため、こちらもあわせてご参考ください。
「中小企業=給与が低い」は誤り
「中小企業=給与が低い」というイメージをもっている方もいますが、それは誤りです。大企業と比べると給与や待遇面で中小企業がやや劣る場合がありますが、大手企業と遜色のない待遇で社員を雇用している中小企業も存在します。転職の際は「大手以外は給与が安くなってしまう」と考えず、広い視点で多様な企業に目を向けてみましょう。
ハタラクティブアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
社員目線から考える優良中小企業の特徴
優良企業には「休日が多い」「残業が少ない」など、労働者にとってうれしい勤務環境が整っているという特徴があるようです。ここでは、社員目線から考える優良企業の特徴をまとめたので、求人を探す際の参考にしてみてください。
社員目線から考える優良中小企業の特徴
1.離職率が低い
優良中小企業の特徴として、離職率の低さが挙げられます。離職率とは、「働いていた人のうち一定期間を経て退職した人」の割合のこと。対象期間に定めはありませんが、期初から期末の1年間で計算するのが一般的なようです。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」によると、新卒入社後3年以内の離職率は、高卒就職者で37%、大卒就業者で32.3%となっています。新卒者の離職率が低い中小企業は、「退職者が少ない=働きやすい」と捉えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します
平均勤続年数の長さにも注目
平均勤続年数が長いということは、退職・転職をせずに働き続けている従業員が多いことを指します。つまり、長く働ける環境であると判断できるため、従業員にとって働きやすく満足できる職場といえるでしょう。
「平均勤続年数とは?全体の目安は?企業の特徴や転職で役立つポイントを解説」のコラムでは平均勤続年数を参考にする方法を解説しているため、こちらもあわせてご覧ください。
2.平均休日数が多い
一般的な年間平均休日数は120日といわれているため、120日よりも休日数が多い会社は優良企業の可能性が高いでしょう。なお、「年間休日の最低日数は?労働基準法で定められているルールと平均休日数」でも説明しているように、年間休日数は労働基準法で定められていませんが、法定労働時間などから計算すると105日が最低ラインとなります。
有給取得率の高さも重要
有給休暇は条件を満たす労働者すべてに与えられ、行使する権利があります。労働者は有給休暇を自由に取得できますが、職場によっては「休むと仕事が回らなくなる」「人手が足りないので休みづらい」「社風として使いにくい」といったこともあるようです。
希望するときに気兼ねなく有給休暇が取得できるのは、優良企業の特徴といえるでしょう。
3.福利厚生が充実している
福利厚生が充実している企業は、「社員が働きやすい環境を整えている」「社員の生活満足度を高める努力をしている」とポジティブな特徴があります。
また、企業が独自に定める「法定外福利厚生」が多いと、従業員を大切にする企業と判断できるでしょう。法定外福利厚生には、住宅手当や通勤手当、昼食補助などがあります。
福利厚生については「福利厚生には何がある?企業が用意する目的と対象となる条件について解説」のコラムでも詳しくまとめているため、ぜひご一読ください。
4.平均残業時間が少ない
平均残業時間が少ないのも、優良中小企業に多い特徴です。働いていれば、「残業はできるだけしたくない」考えるもの。残業時間が少ない企業は「一人当たりの業務量バランスが取れている」「従業員のワークライフバランスを大切にしている」「業務効率化に積極的」といった印象から、優良企業といえるでしょう。
平均残業時間はどのくらい?
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報」によると、1ヶ月あたりの所定外労働時間は以下のようになっています。
産業 | 所定外労働時間(月間・パートタイム除く) |
---|---|
運輸業、郵便業 | 21.4時間 |
情報通信業 | 14.8時間 |
製造業 | 12.7時間 |
電気・ガス業 | 15.0時間 |
卸売業、小売業 | 6.9時間 |
医療、福祉 | 4.8時間 |
参照:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(8p)」
上記の結果から、残業時間は15〜16時間程度が平均的といえるでしょう。優良中小企業を探すときは、平均残業時間も一つの目安としてみてください。
ただし、上記は所定外労働時間であり、総労働時間ではありません。そのため、所定内労働時間が長い場合、残業時間が短くても総労働時間が長い場合があります。
参照元
厚生労働省
毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)
5.給与が高い
同業他社に比べて給与が高いのも、優良企業の判断指数になり得ます。「『中小企業=給与が低い』は誤り」でも触れたように、中小企業の給与は一概に低いというわけではありません。
給与で注目すべきなのは、「総支給額」ではなく「基本給」です。ボーナスや時間外手当は基本給を基準に計算されるため、基本給が高ければボーナスや時間外手当も総じて高くなります。
総支給額が高くても基本給が低く、住宅手当や資格手当で手取り額を高くしている場合は注意が必要です。詳しくは「基本給が高いメリットは?手取りとの違いや各種手当についても解説」をご覧ください。
6.将来性のある事業展開をしている
市場のニーズを捉えて新しい事業展開や技術開発に取り組んでいる企業は、成長の可能性が高く、社員にとっても将来のキャリアパスが明確です。将来性のある事業を展開している企業では、社員一人ひとりのスキルや経験も活かされやすく、やりがいを感じながら働ける環境が整っています。
7.財務基盤が安定している
財務基盤がしっかりしている企業は、景気の変動にも強く、社員の雇用が守られやすい傾向です。給与や福利厚生の面でも安心感があり、安心して働ける環境が提供されています。財務面での安定は、長期的な成長を支える重要な要素であり、社員にとっても安心してキャリアを築く基盤となるでしょう。
優良中小企業の探し方
中小企業は、大企業のように大々的に求人を公開していない場合があります。そのため、優良中小企業の求人を見つけるにはコツが必要となるでしょう。優良中小企業を一覧で紹介しているサイトもあるため、企業名をチェックしつつ、求人サイトや公式サイトで詳しい情報を確認するのも一つの手段です。
ここでは優良中小企業を探すための具体的な方法を紹介しますので、ホワイト企業を見つける際の参考にしてください。
1.地方の求人情報雑誌を活用する
地域に根ざした優良中小企業を探す場合は、地方の求人情報雑誌を活用するのがおすすめです。地域密着型の企業は、インターネット上の求人サイトには情報公開せず、地方の求人情報雑誌にだけ求人を掲載している場合があります。
一見アナログに見える方法ですが、掘り出し物の求人情報を見つけられる可能性があるため、ぜひチェックしてみましょう。
優良企業の多い業界を知りたい方は、「離職率が低い業界ランキング!長続きする理由や長く働ける企業の特徴も解説」のコラムも参考にしてみてください。
知人から紹介してもらうのもおすすめ
知人や友人に優良企業を紹介してもらうのもおすすめです。企業によっては、求人を公開するよりも、社員の紹介による採用を重視している場合があります。背景には、信頼できる人からの紹介により、採用コストを下げつつも優秀な人材を確保したいという狙いがあるようです。2.ハローワークを利用する
ハローワークを活用すると、職員のサポートを受けながら就職活動を進められ、自分に合った中小企業の情報を得られる可能性が高まります。ハローワークは、地元の求人を探したい場合にもおすすめです。
また、就活生向けの「新卒応援ハローワーク」や35歳未満を対象とした「わかものハローワーク」もあるため、利用してみると良いでしょう。
ハローワークで受けられるサービスについては、「ハローワークとはどんなところ?サービス内容と利用の流れを解説!」のコラムをご覧ください。
参照元
厚生労働省
若者への就職支援
3.求人サイトを活用する
優良中小企業の求人を幅広く探すなら、求人サイトを活用するのも有効です。求人サイトによって特性があるため、中小企業に特化したものを利用するのがおすすめです。
また、大手の求人サイトは登録社数が多く中小企業の数も多いため、登録しておいて損はないでしょう。
ダイレクト・リクルーティングも活用できる
ダイレクト・リクルーティングとは、就職希望者が自分の情報をサイトに登録し、企業側がそれを閲覧してコンタクトをとるという形の就職サイトです。
優良中小企業のなかには、大々的に求人情報を公開していない企業も多くあります。そのような企業へアプローチするには、ダイレクト・リクルーティングが有効に働く場合があるでしょう。
4.転職イベントに参加する
地元の商工会議所や、転職サービス会社が開催しているイベントに参加するのもおすすめです。業種を問わずさまざまな企業が集まっており、企業の採用担当者と直接話すこともできます。
企業の雰囲気や社風を直に感じられるため、優良中小企業かどうかだけでなく、自分に合った企業か判断しやすくなるでしょう。
5.ビジネス誌や新聞を活用する
求人サイトなどのWeb情報だけではなく、ビジネス誌や新聞を活用するのもおすすめの探し方です。特に、ローカルな求人情報は、地方紙に掲載されていることも多いようです。
ただし、中小企業より規模が小さい「零細企業」の情報も含めて幅広く掲載されているため、ホワイト企業を見分けるためにも情報はきちんと精査しましょう。
6.オンラインの無料会社説明会から企業を探す
優良中小企業を見つける方法の一つとして、オンラインの無料会社説明会を活用することが挙げられます。コストをかけずに複数の企業情報を得られるだけでなく、リアルタイムで企業の雰囲気や方針を知れるため、企業文化を理解するのに役立つでしょう。
7.四季報で企業情報を確認する
企業の財務状況や事業内容を客観的に確認するために、四季報を活用するのもおすすめです。四季報は、売上や利益などの財務データから企業の健全性を把握するのに役立ち、将来性や安定性のある企業を選ぶ際の重要な情報といえます。
8.転職エージェントを利用する
転職エージェントに登録し、優良中小企業の求人を紹介してもらうのも方法の一つです。転職エージェントは、転職者の希望をヒアリングし、求人紹介を通して内定獲得をサポートしてくれます。
転職エージェントに「企業規模にはこだわらず優良企業を探したい」「ホワイト企業の認定を受けている会社が良い」といった希望を伝えることで、条件に合う求人の紹介を受けたり、採用に至るためのアドバイスをもらえたりするでしょう。
効率良く就活をするためには、より最適な企業や求人に出会えるよう、求人サイトと転職エージェントの併用もおすすめです。
優良中小企業に就職・転職する4つのメリット
中小企業は大企業と比べて知名度が低かったり、規模が小さかったりする特徴があるものの、優良中小企業ならではのメリットも数多くあります。ここでは、優良中小企業に就職するメリットを4つまとめました。優良中小企業への転職を希望している方は、ぜひ参考にしてください。
1.大企業より入社難易度が低い
優良中小企業は、大企業と比べると入社のハードルがやや低いようです。中小企業によっては、認知度の低さで採用に苦戦している場合があるため、大企業より選考の倍率が低く、採用されやすい可能性があります。
大手と遜色のない待遇でありながら学歴・経歴によらず挑戦しやすいのは、中小企業のメリットです。大企業の選考がうまく進まないときは、中小企業にも目を向けてみましょう。
2.幅広い仕事を任せてもらえる
中小企業では、大企業より幅広い仕事を任せてもらいやすいのもメリットの一つです。大企業では職位が上がるまでなかなか決裁権を持たせてもらえないことが多いですが、中小企業では早い段階から幅広い仕事を任せてもらえるチャンスもあるようです。
また、優良中小企業は社員の成長に期待して、人材育成に注力している場合が多くあります。会社のサポートを受けながらいろいろな仕事を経験し、スキルアップしていけるでしょう。
3.会社の成長を実感しやすい
会社の成長を実感しやすいことも、優良中小企業に就職するメリットです。中小企業は発展段階である場合が多く、会社の成長を身近に感じられます。自分が携わった業務の成果が会社の成長に結びつくことで、モチベーションを高く保って仕事に取り組めるでしょう。
自分自身もキャリアアップしやすい
中小企業では会社の成長とともに、自身もキャリアアップしやすい傾向にあります。理由は、中小企業では幅広い仕事を経験しやすいことと、同じようにキャリアアップを狙うライバルの数が大企業よりも少ないことです。
仕事への熱意と努力次第で、若いうちから出世コースを見据えるのも不可能ではないでしょう。
4.職場内の風通しが良い
優良中小企業は人間関係の風通しが良く、社員同士で意見交換がしやすかったりコミュニケーションが取りやすかったりするのもメリットです。大企業と比べて社員数が少なく、顔と名前が一致しやすい環境といえます。そのため、仕事に対するモチベーションやパフォーマンスなどの向上が期待できるでしょう。
中小企業は狭く深い人間関係を好む人におすすめ
中小企業への就職や転職は、狭く深い人間関係を好む人におすすめです。特に、優良中小企業といわれるホワイトな職場では、社員同士の距離が程良い近さで仲の良い人間関係を築きやすいのがメリットです。職場の人間関係が良好であれば、仕事にも良い影響が出たり働くモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
優良中小企業に就職・転職する4つのデメリット
優良中小企業への就職には、デメリットもあります。就職してから後悔しないよう、大企業と比べたデメリットも認識しておきましょう。
1.仕事の幅が広く専門性が高まらない
中小企業は社員数が少ないため、一人の社員が複数の仕事を兼任する可能性があります。そのため、仕事の幅が広くなることが多いようです。捉えようによってはメリットともいえますが、広く浅く仕事をこなす職場では、専門性を高めにくいのがデメリットといえます。
2.大きな規模の仕事ができない
中小企業では大手と比べて事業規模や扱える金額が小さくなりがちであるため、サービスの提供範囲が地元に限られるなど、大規模な仕事がしにくい可能性が高いようです。「日本中の人が知っている商品に携わりたい」「世の中に大きな影響を与える仕事がしたい」と考える人にとっては、物足りないと感じる恐れがあります。
3.人間関係が悪くなっても部署異動がしにくい
企業によって差はあるものの、中小企業は人間関係が狭く部署の数も大手より少ないため、もし人間関係でトラブルがあっても部署異動で解決することが難しいのがデメリットです。
大企業の場合は、部署や転勤によって人間関係をリセットする手段があります。一方、中小企業ではそういった手段をとることは難しく、人間関係が固定されたまま仕事を続けなくてはならない場合が多いことも。職場の人間関係にストレスを感じながら働き続けるのは難しいでしょう。
4.大手に比べて教育環境が整っていない
中小企業は大手や大企業に比べると社員数が少ない傾向にあり、企業によっては教育体制が整っていないこともあるようです。大企業では「入社後の半年は研修期間」など一定の教育機関が設けられているのに対し、「研修は最初の1週間だけ」といった中小企業も多いでしょう。
大企業に比べて社会的信用度が低い恐れもある
企業の社会的信用度は、知名度や従業員数、資本金額、借金の有無、設立年数などによって決まります。中小企業は大企業に比べて知名度が低く、従業員数や資本金額が少ない場合が多いでしょう。そのため、住宅ローンの審査などが通りにくい可能性もあります。ただし、優良中小企業は経営状況が良く、一概に社会的信用度が低いとはいえません。審査する銀行や取引先によって、判断は分かれるといえます。
自分に合った企業を探すためには、中小企業・大企業という区分に囚われず、自分が求める条件を明確にすることも重要です。「企業選びの軸はどう見つける?人柄や社風から探すべき?例文も紹介」では後悔しない企業選びの方法をお伝えしています。
優良中小企業と相性が良い人の特徴
大企業より優良中小企業への就職・転職が合いそうなのは、「幅広く仕事を経験したい」「自分のペースで心地良く働きたい」といった考えを持つ人です。就職するなら中小企業より大企業のほうが良いと思われがちですが、合う合わないは人によって異なります。
ここでは、優良中小企業と相性が良い人の特徴を解説するので、自分の特性と照らし合わせて考えてみてください。
多種多様な仕事をやってみたい人
先述のとおり、中小企業では社員一人で複数の仕事を兼任する傾向があります。そのため、多種多様な仕事をやってみたい人にとっては、中小企業のほうがやりがいを感じやすいでしょう。
たとえば、大企業では営業職と事務職は分かれており、一度に両方を経験する可能性は低いでしょう。しかし中小企業であれば、営業職をしながら、発注書・請求書を作成する事務職も経験する場合があります。専門性を高めたい人は大企業、マルチに活躍したい人は中小企業に目を向けてみてください。
自分のやり方で進めたい人は中小企業向き
大企業は事業規模が大きいうえに関わる人数も多く、自分の思うように仕事ができない場合もあります。一方、中小企業は兼任することが多い分、自分のやり方で仕事を進めやすいといえるでしょう。仕事のスピードや手順など、何事も思いどおりにやりたいタイプの方は中小企業がおすすめです。
知名度やブランドを重視しない人
企業の知名度やブランドより、「本当にやりたいことをできる環境が大事」という人は中小企業に向いている可能性があります。
優良中小企業に就職した場合、自分では満足していても、周りからは「何をやっている会社なの?」「経営は大丈夫なの?」と心配される場合もあるでしょう。大企業に就職・転職した場合は、企業名を伝えれば安心感を与えたり、羨望の眼差しで見られたりすることも少なくありません。それを踏まえたうえで、安定や安心よりも自分の価値観が大事という人は、中小企業のほうが向いているといえるでしょう。
アットホームな雰囲気を好む人
アットホームな雰囲気を好む人も、中小企業に向いている可能性があります。大企業がアットホームでないわけではありませんが、中小企業のほうが社員同士の距離が近い傾向にあるようです。組織編成が小さい分、上下関係が緩やかで話しやすい雰囲気があるでしょう。
また、少人数で仕事を成功させるため、チーム一丸となって協力し合う場面もあります。必然的にコミュニケーションが増え、会社がアットホームな雰囲気になりやすい傾向です。和気あいあいとした雰囲気が好きな人には中小企業が合うでしょう。
優良中小企業の13個の見分け方
中小企業は大企業と比べて知名度が低い場合が多いため、就活の際、情報を収集するのに苦労する可能性があります。ここでは、優良中小企業を見分ける13個のポイントをまとめました。優良中小企業を探して就職・転職したい方は、参考にしてみてください。
1.業界・業種の動向を確認する
流行や社会情勢などから、今後ニーズが上昇する見込みのある業界をチェックしてみましょう。注目したい業界の基準は、「ニーズが高く安定している」「世界的に見るとシェアトップクラス」「オートメーション化が難しいサービスを担っている」などが例として挙げられます。この基準を参考にしてみると、企業の認知度だけが将来性を示すものではないと分かるでしょう。
先入観に囚われず、より多くの業界について知ることが優良中小企業を見つける鍵です。優良中小企業を見つけるコツについては、次の項でも詳しく解説します。
2.ブランド力や企業の強みを調べる
興味のある企業をいくつかピックアップしたら、商品・サービスのブランド力や強みを新聞や業界誌などで調べるのがおすすめです。優良中小企業かどうかを見極めるには、「流行に関係なく、長く愛されるものを作っているか」「今後の成長や根強い人気が期待できる商品・サービス展開をしているか」という視点でチェックすると良いでしょう。
企業の事業形態を確認する
企業の事業形態についても確認しておきましょう。たとえば、下請けを中心に稼働している中小企業の場合、元請け企業からの依頼がストップしてしまえば経営が厳しくなることもあります。入社後のリスクを避けるためにも、事前に調べておくことをおすすめします。
3.福利厚生をチェックする
福利厚生についても、あらかじめ確認しておくことが大切です。給与の額は低くても福利厚生が充実していれば可処分所得が多くなる、ということもあります。
中小企業では、独自の福利厚生制度を提供している場合もある一方で、大企業と比べて制度が充実していない場合もあるため、事前の確認が必要です。優良中小企業を探す際は、家賃補助や短時間勤務といった福利厚生が充実しているかをチェックしてみてください。
4.経営者の理念と創業年数を調べる
経営者の経歴や、どのような想いで経営しているかも確認しましょう。たとえば、情熱をもって事業を展開している、顧客のためになるサービスを提供している、といった情報は企業を選ぶうえで判断材料になります。
また、創業年数が長いことは、時代の流れに左右されずに経営してきた証拠です。創業年数は、安定性を判断する際の一つの基準になるでしょう。
5.企業説明会に参加する
企業説明会は、就活において人事担当者や現場の声を聞けるチャンスです。直接話をすることで、具体的な業務内容や職場環境のほか、どのような人が活躍しているのかも知れるでしょう。
情報はWebサイトや書籍である程度集められますが、実際に肌で感じた印象も大切にすると、より自分に合った企業を見つけられます。優良中小企業かどうかを自分の目で確かめるためにも、企業説明会にはできるだけ足を運ぶのがおすすめです。
6.OB・OG訪問をする
その企業で実際に働いていたOB・OGの話を聞くのも有効な方法といえます。OB・OG訪問に関して企業のWebサイトに記載されていなくても、直接問い合わせれば対応してもらえることがあるようです。OB・OG訪問の際は、企業のWebサイトや求人を見て疑問に思ったことを質問しましょう。
7.口コミを見る
会社側が開示している情報だけではなく、口コミを確認することも大切です。就活口コミサイトや、社員の人を紹介してもらうなど、何らかの方法で生の声を聞いてみることをおすすめします。人間関係や風通しの良さ、実際の忙しさや昇給の様子など、働いている人にしか分からない情報を口コミでチェックしましょう。
8.人材確保への熱意や教育体制を確認する
人材確保や社員のスキルアップのためにコストをかけている企業は、人材に投資できる利益があるということです。社員を大切にしていて、将来の成長が見込める会社でもあり、優良中小企業の可能性が高いでしょう。人材確保に積極的な企業は求人を掲載している可能性があるため、求人サイトをこまめにチェックしてみてください。
9.3年後の離職率を確認する
3年後の離職率が低い企業は、社員が長く定着しやすく、職場環境が整っていることが多い傾向です。企業の離職率は、その企業が働きやすい環境を提供しているかどうかを示す重要な指標といえます。働きやすさや満足度を確認するために、離職率をチェックしましょう。
10.優れたビジネスモデルを持つ企業をリサーチする
優れたビジネスモデルを持つ企業は、市場での競争力が高く、長期的な成長が期待できます。ビジネスモデルが革新的であったり、安定した収益を生み出していたりする企業は、経営が堅実で社員にとっても安心できる環境を提供してくれるでしょう。
11.業界内でシェア率の高い企業をチェックする
業界内でシェア率の高い企業は、安定した顧客基盤を持ち、強い競争力を発揮しています。そのため、収益の安定性が高く成長が見込まれ、就職・転職先として魅力的です。シェア率の高い企業は業界内でも知名度が高く、信頼されている点もメリットといえます。
12.都市部以外の企業にも目を向けてみる
都市部以外にも、地方には優良中小企業が多く存在します。地方の企業は都市部に比べて競争が少なく、社員一人ひとりに対する評価が手厚い場合もあります。
地域密着型の事業展開をしている企業に就職することで、より働きがいを感じられるかもしれません。
13.高年収が期待できる業界に注目して求人検索する
自分のスキルやキャリアに応じて、収入面での安定を求めるのであれば、高年収が期待できる業界の求人を中心に検索するのも一つの手段です。
注意したほうがよい中小企業の特徴
中小企業には、魅力的な成長機会や働きやすい環境を提供してくれる優良企業が多く存在しますが、就職・転職を検討する際には注意が必要な企業もあります。特に、経営基盤が不安定な企業や透明性に欠ける企業は、長期的なキャリア形成に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
ここでは、特に注意すべき中小企業の特徴を3つご紹介します。
下請け事業に依存している
下請け事業に過度に依存している企業は、経済環境の変動に弱く経営が不安定になりやすい傾向があります。長期的な成長や安定を期待することが難しいため、注意が必要です。
売上や離職率などの情報公開がない
企業の透明性は、信頼性の重要な指標です。売上や離職率などの基本的なデータを公開しない企業は、経営に不安がある可能性が高い傾向です。こうした情報を開示しない企業は働くうえでのリスクが高く、避けたほうがよいといえます。
海外ビジネスをそのまま模倣している
海外のビジネスモデルをそのまま模倣している企業は、国内市場や顧客のニーズに合わない場合があります。独自の価値を生み出せずビジネスの安定性に欠けるため、注意が必要です。
隠れ優良企業を見つけるコツ
隠れ優良企業を見つけるには、有名どころだけでなく、大手のグループ企業や小さな市場を扱う企業などにも目を向けてみましょう。大手ではないからといって、経営が不安定だったり待遇が悪かったりするとは限りません。
ここでは、隠れ優良企業を見つけるコツについて、BtoB事業とBtoC事業に分けて解説します。「就職は穴場企業もおすすめ!ホワイトな業界や優良企業の見つけ方を紹介」でもホワイト企業の見つけ方について詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
BtoB事業の隠れ優良企業
BtoB事業とは、企業同士の取引きを行う事業のことです。個人客と直接取引きをすることは基本的になく、経営が安定しやすい傾向にあるでしょう。BtoB事業を行う優良中小企業には、以下のような特徴があります。
- ・利子のある負債が一切ない、いわゆる無借金経営である
・シェア率が高い独自の商品を持っている
・大企業のグループ会社
上記のほか、海外への事業展開を積極的に行っている企業も狙い目です。国内市場は人口減少の影響で縮小傾向にあるため、今後は海外取引が多い企業のほうが経営が安定しやすいとの見方もあります。
なお、大企業のグループ会社を目指す場合は、親会社の経営状況も確認しましょう。
BtoC事業の隠れ優良企業
BtoC事業とは、個人顧客を対象としている事業をいいます。BtoC事業は消費者にとって身近な商品が多く、知名度が高い傾向です。そのため、ヒット商品も出やすいのが特徴です。
BtoC事業を行っている優良中小企業の特徴を以下にまとめました。
- ・お菓子や加工食品など、身近な商品で定番を持っている
・特注品や高級製菓など、高単価なロングセラー商品を扱っている
・地域密着型の商品やサービスがあり、地元でのシェア率が高い
・健康器具や冠婚葬祭事業など、生活に必要な事業を行っている
地域密着型の企業では、その地域に住む人々にとってなくてはならない存在になっていることもあるようです。中小企業だからこそ、消費者の声を商品・サービスに反映しやすいといったメリットもあります。
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優良中小企業に関するQ&A
ここでは、優良中小企業に関するよくある質問と回答をまとめています。就職や転職を考えている人は、事前に確認して疑問を解決しましょう。
大企業と中小企業の違いは?
企業規模の大きさや担当業務に違いがあります。大企業の定義はないものの、一般的に規模の大きな企業です。企業規模が大きいほどスケールの大きな仕事を担当できたり、給与の規定が明確かつ利益を出しやすく高年収になりやすかったりします。
違いについては「大企業と中小企業の違いは?両者に就職するメリット・デメリットもご紹介」のコラムをご参照ください。
優良中小企業の探し方を教えて!
地方の求人情報雑誌を活用する、転職イベントに参加する、ハローワークを利用するといった方法が有効です。なお、一人で就活を進めるのが不安な方は、エージェントに相談するのをおすすめします。
詳しくは、このコラムの「優良中小企業の探し方」をご覧ください。
中小企業に就職するメリットは?
裁量権の大きさや幅広い業務に携われることが挙げられます。
中小企業は企業規模が小さく従業員も少ないため、一人あたりの裁量権が大きい傾向です。担当する業務も多岐にわたる傾向があります。そのため、若いうちから責任を持って業務に取り組めるでしょう。
また、「中小企業に就職するメリットは?後悔しない求人の探し方も紹介」でも触れているように、大企業に比べると採用ハードルが低めであることもメリットといえます。
どんな企業が「優良企業」なの?
明確な基準はありませんが、一般的に、働きやすい会社や事業が安定している会社を指します。このコラムの「社員目線から考える優良中小企業の特徴」でも説明しているように、従業員の働きやすさやワークライフバランスを大切にしている企業は、企業規模にかかわらず「優良企業」といえるでしょう。
近年では、優良企業のことを「ホワイト企業」と呼ぶこともあります。ホワイト企業へ就職・転職したい方は、「ホワイト企業に転職したい!未経験でも大丈夫?優良企業の見分け方とは」のコラムも参考にしてください。
本当に優良企業か見極める方法は?
就職・企業情報に長けた専門家に話を聞いてみましょう。Web上の企業情報だけでは、優良かどうかの判断は難しいものです。たとえば、従業員にとってうれしい制度があっても、実際に運用されていなければ優良企業とは言い切れません。
実際の環境や情報を確認するには、プロに相談するのがおすすめです。就職・転職エージェントのハタラクティブでは、実際に足を運び、実態を確認した企業の求人をご紹介いたします。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。