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フリーターの末路とは?生活に与える影響や回避に向けた就職のコツを紹介
更新日
この記事のまとめ
- フリーターの末路が厳しい原因には、雇用の不安定さや収入の少なさがある
- 一生フリーターのままでいると同年代と差がついたり社会的信用を得られなかったりする
- 「フリーターの末路をたどらないために必要なスキルには、経済力や情報収集力がある
- フリーターの末路を避けて就職するときは販売職や介護職、警備員などが歓迎されやすい
- フリーターの末路が不安なら、年齢の若い20代のうちに正社員を目指すのがおすすめ
「フリーターの末路はどうなるの?」と不安に思う方もいるでしょう。フリーターとしての生活を続けると、就職を考えたときに内定を得にくかったり、収入が増えず老後の生活の余裕がなくなったりする可能性も考えられます。
このコラムでは、フリーターの末路や、回避に向けた就職成功のコツをご紹介。また、フリーターが正社員として就職しやすい職種もまとめています。脱フリーターを図るときは、早めの行動を心掛けましょう。
一生フリーターのままでいると考えられる末路
フリーターは年齢を重ねても収入が増えず、年金の受給額も少ない傾向があります。そのため、将来的に生活が厳しくなる可能性も考えられるでしょう。ここでは、一生フリーターのままでいると考えられる末路ついて解説いたします。
1.中年フリーターになると正社員の内定を得にくい
将来のために就職活動を始めようと思っても、中年フリーターになると正社員の内定を得にくい可能性があります。正社員向けの求人は、年齢を重ねるほど経験やスキル、即戦力を求められる傾向にあるためです。
フリーターは正社員に比べると、業務の量やスキルが下回る傾向が高いため、いざ就職しようと思っても、年齢に経験やスキルが追いついていない場合も。将来的に就職を考えているなら、中年フリーターになる前に動き出したほうが良いでしょう。
2.収入が増えず老後の生活の余裕がなくなる
フリーターを続けると、収入が増えず老後の生活の余裕がなくなる恐れがあります。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、フリーターを含む「正社員・正職員以外」の男女別の賃金推移は、以下のとおりです。
引用元:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況(6) 雇用形態別にみた賃金 第6図」
正社員は男女ともに年齢が上がるにつれて給与が上昇している一方、正社員以外の賃金は年齢を重ねてもほぼ横ばい。また、20代では正社員と正社員以外との賃金差が小さいものの、30代以降は差が大きくなっていることも分かります。
年齢が若いうちはフリーターの収入で生活できていても、将来も維持できるとは限りません。体力の衰えや病気によって働けなくなると、生活が困窮する可能性があります。
参照元
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
フリーターは昇給やボーナスがほとんどない
フリーターは昇給幅が少なく、ボーナスもほとんどないため、収入の増加が見込めません。明確な昇給制度が設けられていることが少なく、昇給したとしても時給が数十円、日給が数百円上がる程度な傾向にあります。フリーターとして長く働いても、給与は大きく上がらないのが実情といえるでしょう。
また、フリーターはボーナスの対象外であるのが一般的。正社員が収入アップの機会に恵まれているのに対し、フリーターは働いた時間ぶんの収入しか得られないため、両者の年収の差は開いていきます。
フリーターと正社員の生涯賃金の差は大きい
フリーターと正社員の生涯年収の差は、約1億円。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 2023 21 生涯賃金など生涯に関する指標 (p.300)」によると、大学・大学院を卒業後フルタイムの正社員を60歳まで続けた場合の生涯賃金は、男性が2億4,740万円、女性が1億9,800万円です。
引用元:政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2023 21 生涯賃金など生涯に関する指標 (p.300) 図 21-1 生涯賃金(定年まで注、退職金を含めない、2022 年)」
一方、大学・大学院を卒業後フルタイムの非正社員を60歳まで続けた場合の生涯賃金は、男性が1億4,010万円で、女性が1億1,920万円となっています。
引用元:政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 2023 21 生涯賃金など生涯に関する指標 (p.315) 図 21-4 生涯賃金(非正社員定年まで注、退職金を含めない、2022 年)」
体力があり長い時間働ける20代のうちは、フリーターで同年代の正社員と同等の収入を得られる場合もあるでしょう。しかし、フリーターと正社員の賃金差は30代以降開いていき、生涯をとおして見ると大きな賃金格差が生じるといえます。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標―
貯金がなくなると生活保護を受ける可能性も
フリーターは、貯金がなくなると生活保護を受ける可能性も考えられます。怪我や病気で仕事に入れなくなったフリーターは貯金を切り崩して生活費を払い、貯金が底をつくと生活を続けるのが厳しくなってしまうでしょう。生活保護は必要最低限の金額を受け取るため、これまで以上に制限のある暮らしになる可能性があるので注意が必要です。
なお、正社員の場合はフリーターよりも貯蓄を確保しやすく、福利厚生によっては体調を崩したときのサポートを受けられることがあり、生活保護を受けずに済むでしょう。
3.年齢を重ねるにつれ雇用が不安定になる
フリーターのまま年齢を重ねると、年齢が若いときよりも雇用が不安定になることも。なぜなら、体力があり今後の成長も見込める若い人材のほうが企業にとって魅力的で、活躍しやすい傾向があるからです。
万が一アルバイトを変更したいと考えたとき、経験を考慮してもらえない異業種ではなかなか採用につながらない可能性も考えられます。また、若い年齢の人材が中心の職場では、人間関係に馴染めないのではという懸念をもたれることもあるでしょう。
4.年金の受給額が少なければ定年後も働く必要がある
国民年金のみに加入しているフリーターの場合、厚生年金に加入している正社員と比較すると受給額が少なく、定年後も働き続けなければならなくなる可能性も。年金の種類は20歳以上60歳未満の日本国民すべてが加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2つです。
企業によっては、フリーターが厚生年金に加入できる場合もありますが、「労働時間及び労働日数が、正社員の4分の3以上」といった条件を満たす必要があります。日雇いや短期のアルバイトで条件を満たせず、厚生年金に加入できないフリーターもいるでしょう。
日本年金機構の「令和6年4月分からの年金額等について」によると、国民年金の受給額は6万8,000円。
一方、厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給額は平均で14万3,973円です。厚生年金の受給額は給料や加入期間によって異なるものの、国民年金との差は約7万5,000円となっています。
国民年金だけで生活が苦しい場合は、定年後も働いて収入を得る必要があり、余裕のある生活を送ることが難しい場合も考えられるでしょう。
フリーターの末路について詳しく知りたい方は、「フリーターの末路は厳しい?正社員就職のポイントも解説」も参考にしてください。正社員と比較したフリーターの末路を、年齢別で解説しています。
参照元
日本年金機構
4月
厚生年金保険・国民年金事業の概況
5.解雇される可能性がある
フリーターの末路の一つとして、解雇される可能性が挙げられます。正社員と非正規社員の主な違いは、労働契約に期間が定められているかどうかです。アルバイトの場合、労働契約が固定されているため、契約期間が終了すると退職を求められる場合も。企業は、非正規社員を雇うことで、必要なときに人員を調整できます。法律上は合理的な理由が必要ですが、解雇されるかどうかの不安は常に存在するといえます。
6.親からの経済的な援助を受ける可能性がある
フリーターは収入が限られている場合もあり、親からの経済的な援助を受けることもあるでしょう。実際にお金をもらっていなくても、実家で暮らしている場合は、間接的な援助を受けているといえます。
また、親の退職により収入が減少した場合や、親が亡くなった場合、将来的に生活が困窮する可能性も。そのため、できるだけ早く就職活動を始めることが重要です。
親の支援はいつまでも受けられるものではない
親が年金暮らしになるとフリーターの子どもを支援するのが負担になるでしょう。また、親から継続的な支援を受けていると、良好な親子関係が保てなくなる可能性も。実家暮らしや金銭的な援助によって成り立っている生活を、将来も維持できる保証はない可能性が高いといえます。7.親の介護費で苦労する場合がある
フリーターは、自分の生活だけでなく、親の介護費で苦労する場合も考えられます。フリーターのままでいると、親の介護が必要になった際に不安定な収入のなか介護を続けなければなりません。
自身の生活費に加え、親の介護費を支払うとなると、フリーターの収入だけでは厳しいといえるでしょう。また、そのころには親も働いておらず、年金暮らしの可能性が高いため、若いころのように親に頼ることも難しいといえます。
8.家賃を払えなくなると居住地を失う可能性もある
雇用の不安定によってフリーターが急に職を失うと、家賃を払えず居住地を失う可能性も考えられるでしょう。管理会社や大家さんに相談すれば、支払い期限を延長してくれる可能性もあります。しかし、仕事がない状態では滞納した家賃を支払うのは困難といえるでしょう。
フリーターのままでいる3つのメリット
フリーターのままでいるメリットには、「仕事とプライベートの時間を調整しやすい」「好きな仕事や働き方ができる」「仕事の責任が軽くストレスも比較的少ない」などが挙げられるでしょう。以下でそれぞれの内容を説明します。
1.仕事とプライベートの時間を調整しやすい
フリーターのままでいるメリットの一つに、仕事とプライベートの時間を調整しやすいことが挙げられます。フリーターは、自分の予定に合わせて自由にシフトを組めるため、プライベートを優先しやすいといえるでしょう。また、正社員と比べ残業時間や重要な仕事が少ない傾向にあることから、退勤後や休日の予定も調整しやすいのがポイントです。
2.好きな仕事や働き方ができる
フリーターは好きなことを仕事にできたり、自由度のある働き方を選択できたりするメリットがあります。アルバイトは、正社員に比べ採用基準が低い傾向にあることから、自分の好きな仕事に就きやすいでしょう。
また、働く時間も選びやすいことから、副業やバイトを掛け持ちするなどの自分に合った働き方を選びやすくなります。
3.仕事の責任が軽くストレスも比較的少ない
フリーターは正社員と比較すると、仕事の責任が軽めでストレスも少なめな傾向にあります。重要な会議や急な呼び出しをされる機会が少ないことは、精神的な負担を減らすことにつながるでしょう。また、退職する際も引き継ぎや退職手続きなどが簡潔に終わりやすいことから、転職をスムーズに行えるメリットもあります。
フリーターのままでいる5つのデメリット
フリーターのままでいるデメリットは、「生活が不安定なので結婚が難しくなる」「正社員の友人と話が合わず疎遠になる」「社会的信用が得られなくなる」などが挙げられます。
以下で、デメリットの詳細をご紹介するので、フリーターを続けるか迷っている人は参考にしてください。
フリーターのままでいるデメリット
- 生活が不安定なので結婚が難しくなる
- 正社員の友人と話が合わず疎遠になる
- 社会的信用が得られなくなる
- 上司が年下になり働きづらさを感じる
- ビジネスマナーやスキルが同年代の正社員よりも下回る
1.生活が不安定なので結婚が難しくなる
フリーターは、収入や雇用の不安定さから、結婚を実現するのが難しい可能性もあるでしょう。住宅や車の購入、子どもの進学など、ライフイベントごとの出費を考えると、フリーターのままでは結婚に踏み切れないことがあります。
また、生活面の不安から、結婚相手の親に反対される場合も。すべてのフリーターが結婚できないわけではありませんが、フリーターの経歴が結婚の妨げになってしまう可能性も理解しておきましょう。
2.正社員の友人と話が合わず疎遠になる
フリーターを続けると、同年代の正社員と話題が合わなくなり、次第に疎遠になる場合もあるようです。結婚してマイホームを持ち、ライフステージが変化していく正社員の友人と、自分の状況を比較してしまい、フリーターという立場に肩身の狭さを感じる方もいるでしょう。また、同窓会をはじめとした同年代の集まりで、周囲が正社員なのに自分だけがフリーターだと悩んでしまうことも考えられます。
3.社会的信用が得られなくなる
フリーターは雇用や収入が不安定なため、社会的信用が得にくく世間からネガティブな印象を抱かれることもあります。「賃貸契約やクレジットカードの審査が通らない」「車や家など高額の買い物をする際にローンが組めない」といった日常生活での不便が多くなる可能性も。安定した収入が見込める正社員と比べると、フリーターは日常的な制約があり、描いていたライフプランを実現できない場合があります。
4.上司が年下になり働きづらさを感じる
フリーターを続けると、正社員の上司が年下になる場合があり、働きづらさを感じることも。年下の上司から指導や叱責を受けることに抵抗を感じる方もいるでしょう。また、上司側も年上の部下に指示を出しづらいと感じやすい人もいるため、仕事に支障が出ることもあるようです。職場での人間関係が原因で、仕事を続けにくくなる可能性も考えられるでしょう。
詳細は「フリーターが惨めさを感じる7つの要因とは?脱出する方法をご紹介します」を参考にしてみてください。
5.ビジネスマナーやスキルが同年代の正社員よりも下回る
フリーターは、同年代の正社員と比較すると、ビジネスマナーやスキルが下回りやすいのが実情です。フリーターは正社員よりも携われる業務範囲が狭く、専門性を問われない業務を任されやすいのが理由として考えられます。将来的に就職・転職を考えたとき、ビジネスマナーや業務に役立つスキルがないと、なかなか採用につながらないリスクもあり得るでしょう。
社会情勢がフリーターの末路に与える影響
景気の悪化や雇用状況の不安定さが増すと、フリーターの収入や雇用の見通しが不安定になります。また、社会的な孤立や精神的な負担が増大する可能性もあるでしょう。以下では、社会情勢がフリーターの末路に与える影響についてまとめました。
多様化する雇用形態と働き方
非正規社員には、アルバイトだけでなく、派遣社員やフリーランスといった働き方も含まれます。働き方や雇用形態が多様化し、正社員を選ばない方もいるでしょう。キャリアの選択肢は、正社員かフリーターの二者択一ではなく、自分の目標や希望に応じて多様化しています。
ただし、自分の理想の働き方を実現するには、ビジネスで通用するスキルを磨くことが重要です。
終身雇用から実力主義への変化
従来は、新卒で入社して定年まで一つの企業で働く終身雇用が一般的でしたが、近年では転職することは珍しくありません。また、年功序列から実力主義への移行が進み、賃金や役職は実力に基づいて決まる傾向があります。正社員であっても、安定的な雇用は保証されず、常にスキルアップして自己の価値を示すことが求められることも。そのため、雇用形態に関係なく、自らのスキル向上が不可欠であるといえるでしょう。
AI技術の発達
技術の進化によって、簡単な事務作業やデータ処理といった仕事がAIに置き換わりつつあります。これは、特にレジ打ちや入力作業を行うフリーターの方に影響を与える可能性が高いでしょう。一方で、人に感動を与える接客やサービス業は、AIに置き換わりにくいと考えられています。
将来の予測が困難
テクノロジーの発展により、現在は主流のビジネスであっても、将来的に通用しなくなることも考えられます。このような世の中の変化は、フリーターの仕事にも大きく影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
将来の予測ができないからこそ、自分自身と向き合い、どの時代にも通用するスキルや能力の取得を目指していくことをおすすめします。
フリーターの末路をたどらないために必要なスキル
フリーターの将来を考え、正社員への転職を検討する方もいるでしょう。ここでは、これからの社会で求められる能力を解説します。将来のために、新たなキャリアを模索する参考にしてみてください。
経済力
フリーターの末路を回避するためには、経済力が重要です。経済力があれば、将来の不確実性に備えられ、自分の選択肢が広がります。安定した収入源を持つことや賢い貯蓄の仕方を身につけることは、将来への安心感や自立につながるでしょう。
社会的信用
フリーターの末路を避けるためには、社会的信用が不可欠です。金融機関は、返済能力や信頼性を評価してローンの審査を行います。社会的信用があれば、返済能力が高いとみなされ、審査を通過しやすくなるでしょう。
情報収集力
情報収集力は、フリーターの末路を回避するためには欠かせない力です。自分の将来やキャリアに関する情報を的確に把握し、それに基づいて行動できるでしょう。
たとえば、就職や職業訓練の情報を活用して自分に適した仕事やスキルを見つけたり、助成金や奨学金などの支援制度について情報を得ることで、経済的な不安を軽減したりすることも可能です。
労働市場や経済の動向に関する情報を把握すれば、将来のリスクを予測し、対策を講じられるでしょう。
主体性
フリーターの末路を回避するには、主体性を身につけることが重要です。主体性があれば、自分の目標や価値観を明確にし、それに向かって行動することが可能になります。
具体的には、「キャリアや職業の選択について周囲の期待や社会の常識にとらわれずに、自分の意志や情熱に基づいて判断する」「困難や挫折に直面した際は、よく考えて解決策を見つける」といった動きができるでしょう。
行動力
フリーターの末路をたどらないためには、行動力が重要です。行動力があれば、自ら積極的に機会を探し、目標に向かって行動できます。たとえば、「新しい仕事やスキルを学ぶための勉強会や研修に積極的に参加する」「自己啓発書を読んで自己成長に努める」というように、自らの成長やキャリアの発展のために行動できるでしょう。
フリーターの末路を回避して描くキャリアプラン
キャリアプランとは、職業人生を計画することを指します。フリーターの末路を回避するためには、目標や望む未来を明確にし、そのために必要なスキルや経験を把握することが重要です。キャリアプランを実現するには、具体的な行動計画を立てることも必要になります。
自分のなりたい姿を明確にする
キャリアプランの作成で重要なのは、ゴールを設定することです。キャリアプランにおけるゴールとは、将来の理想の姿や目標を指します。自分が望む未来像を具体的にイメージし、それを目指すための計画を立てましょう。アルバイトの仕事内容にとらわれず、自分が本当にやりたいことや達成したい目標を書き出すのがおすすめです。
必要なスキルや経験を明確にする
フリーターの末路を回避するためのキャリアプランとして、必要なスキルや経験を明確にすることが挙げられます。自分が望む仕事やキャリアパスを考え、そのために必要なスキルや経験を洗い出しましょう。特定の職種や業界で求められるスキルや資格、経験を把握し、それに向けて学びや経験を積む計画を立てます。
現状とのギャップを埋める方法を考える
フリーターの末路を回避するためには、現在のスキルや経験、知識を客観的に評価し、目標とする職業やキャリアに必要な要素のギャップを把握しましょう。そのうえで、ギャップを埋めるための手段や方法を考えます。職業訓練や資格取得、実務経験の積み重ねなど、自己成長やスキルアップのための具体的な行動計画を立てることが大切です。
フリーターの末路が不安なら正社員就職がおすすめ
フリーターを続けることに不安を感じるなら、収入と雇用が安定した正社員になるのがおすすめです。特に、20代のうちは正社員採用のハードルが比較的低く、採用の可能性が高くなります。
就職のハードルが低い20代のうちに正社員を目指そう
20代のフリーターは、ポテンシャルを評価されやすいことから、比較的就職のハードルが低い傾向にあります。そのため、20代のうちに正社員を目指すのがおすすめです。
以下で20代のうちに正社員を目指すべき理由を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
フリーター期間が長いと就職に不利になる
フリーターの期間が長くなるほど、正社員への就職は難しくなるというデータがあります。独立行政法人労働対策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213 『大都市の若者の就業行動と意識の変容』」によると、フリーター継続期間と正社員になれた割合は、以下のとおりです。
引用元:独立行政法人労働対策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213 『大都市の若者の就業行動と意識の変容』(p.128) 2.フリーター継続期間と正社員になれた割合 図表4‐33 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合」
フリーター期間が1年以内の人は約68%が正社員になっている一方、5年以上になるとその割合は約32%まで落ちています。また、フリーター期間が1年を超えた時点で、正社員になれる割合が減少していることから、就職するならできる限り早く行動を起こしたほうが良いでしょう。
若いうちはポテンシャル採用の可能性がある
フリーターから正社員を目指す場合、ポテンシャルが評価される20代のうちの就職活動がおすすめです。
企業の採用担当者は、若い人材に対してポテンシャルを期待している傾向にあります。フリーターが重視されるのは、仕事に対する熱意や将来性、人間性などです。仕事への意欲を持っている若い人材であれば、未経験であっても積極的に採用する企業もあります。
ブラック企業に就職する可能性が高くなる
年齢を重ねると就職先の選択肢が少なくなるため、ブラック企業に就職する末路を迎えてしまうこともあるでしょう。ブラック企業に就職した場合、過度な残業や人間関係が原因で、体調や精神面の不調をきたす末路も考えられます。収入と生活の両方を安定させるためにも、就職先を選ぶ余地がある20代のうちに、就職活動を行うことが重要です。
大卒フリーターは高卒フリーターより就職に有利?
フリーターの就職活動では、学歴より年齢が重視される傾向にあるため、必ずしも大卒が高卒より有利とは限りません。企業によっては、年齢が若い高卒フリーターのほうが採用されやすい場合もあるでしょう。正社員になってフリーターの末路を回避したいと思っている方は、「フリーターは未来ない?不安を払拭する方法と正社員になるための方法とは」のコラムも参考にしてみてください。
参照元
独立行政法人労働対策研究・研修機構
労働政策研究報告書No.213 「大都市の若者の就業行動と意識の変容―「第5回 若者のワークスタイル調査」から―」
フリーターが正社員として就職しやすい8つの職種
フリーターから正社員を目指すときは、未経験での応募が可能な職種を選びましょう。未経験可の職業は、就職後の研修体制や資格取得支援制度が整っている傾向があります。以下で8つの職種を解説するので、仕事を選ぶ際の参考にしてみてください。
フリーターが正社員として就職しやすい職種
- 販売職
- 介護職
- 工場作業員
- 営業職
- 警備員
- 清掃員
- ITエンジニア
- 製造業
1.販売職
販売職は学歴や職歴よりも、コミュニケーション能力や積極性が重視されるため、未経験から挑戦しやすい職種です。特に、接客業の経験があるフリーターの方は、アルバイト経験をアピールできる職種といえるでしょう。また、販売職は幅広い業界に求人があるため、自分に合った分野での仕事を探せるのが魅力です。
2.介護職
高齢化による人手不足から、未経験・無資格でも応募可能な求人が多いのが介護職の特徴。入社後の実務や研修によってスキルの向上を図れるため、フリーターが就職しやすい職種といえます。また、介護職として経験を積めば、介護福祉士やケアマネジャーの資格を取得できるのもメリット。働きながらスキルや資格を取得できるため続けやすく、転職もしやすい傾向があります。
3.工場作業員
工場作業員はマニュアルが決まっている作業が多いため、未経験から応募しやすい職種です。仕事内容は単純作業や一人で黙々と進められるものが多く、経歴に自信のない方やコミュニケーションが苦手な方にも向いているでしょう。繁忙期には採用枠を増やす場合もあるので、フリーターから正社員を目指す方におすすめです。正社員登用制度がある工場や、資格取得をサポートしてくれる会社もあるので、未経験からスキルの向上を図ることが可能といえるでしょう。
4.営業職
営業職は実力主義の傾向にあるため、学歴や経歴不問の求人が多く、未経験から挑戦しやすい職種です。コミュニケーション能力に自信のある方や接客業の経験がある方は、採用される可能性が高いでしょう。ノルマや顧客対応など大変そうなイメージをもたれがちですが、頑張り次第で稼げる職種ともいえます。ルート営業や店舗営業、既存顧客対応、新規開拓営業など、営業職にはさまざまな種類があるので、自分に合った働き方を探しましょう。
5.警備員
商業施設やイベント会場、会社などの警備や誘導を行う警備員も、フリーターにおすすめの仕事です。警備員の仕事は、交通・車両誘導やビル内の施錠、入館者チェックなどを行います。未経験募集求人が多かったり、イベントの開催に応じて求人数が増えたりすることから、フリーターも応募しやすい仕事といえるでしょう。
6.清掃員
清掃員の仕事もフリーターからの就職におすすめです。清掃員は主に、施設内のトイレや床の清掃、ゴミの収集などを行います。活躍できる場所は、ホテルや病院、学校など多岐にわたるのが特徴です。仕事中は、一人で清掃箇所を担当することが多いので、一人で黙々と仕事をしたい方や会話するのが苦手な方も挑戦しやすいでしょう。
清掃員の仕事については「清掃の仕事」のコラムでも詳しく紹介しているのでご覧ください。
7.ITエンジニア
人材不足のIT業界では、経歴や経験の有無に関わらず採用を行っている企業が幅広くあります。専門性の高い仕事内容でもあるため、入社後の研修や資格取得支援制度が整っていることが多い傾向にあるのが特徴です。資格を取得し経験を積むことでIT業界内での転職も有利になり、キャリアの向上が図りやすいため、キャリアを積みたいと考えるフリーターにおすすめといえるでしょう。
8.製造業
フリーターから正社員を目指すなら、製造業もおすすめです。製造業では、未経験者歓迎や年齢不問の求人が展開されています。入社後には、研修や制服の貸与がある場合が一般的のため、社会人経験が浅いフリーターの方に適しているようです。
また、夜勤手当や残業手当が支給される職場があり、高収入も期待しやすいといえます。コツコツとした作業が得意な方や体力に自信のある方は、挑戦してみると良いでしょう。
フリーターの末路を回避する就職成功の8つのコツ
以下では、フリーターから正社員への就職を成功させる8つのコツを解説いたします。フリーターの末路を不安に感じている方は、回避するのに役立てましょう。
1.思い立ったらすぐに就活を始める
フリーターの長期化を不安に感じたら、すぐに行動を起こすのがおすすめです。「いつか正社員になろう」と思っていても、フリーターを続けているうちに、就職のハードルは上がっていきます。前述のとおり、フリーター期間が1年を過ぎると就職率は下がるため、不安になった時点ですぐに就職活動を行うことが重要です。
2.就職に役立つ資格を取得する
就職に役立つ資格には、TOEICやMOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)といった汎用性の高いものが挙げられます。また、希望する業界・職種に役立つ資格を選ぶのもおすすめです。不動産関係では宅地建物取引士、IT業界ではITパスポートなどの資格を取得することで、就活での効果的なアピールにつながるでしょう。
フリーターの末路回避のために必要な資格を知りたい方は、「フリーターにおすすめの資格を種類別に解説!取得時の注意点や勉強法も紹介」を参考にしてみてください。
3.自己分析や企業・業界研究を徹底する
正社員の就職を目指すときは、自己分析と企業研究に力を入れることが大事です。自己分析では、過去の経験を振り返り、自身の好きなことや強みを洗い出しましょう。自分に合った仕事内容や働き方を把握でき、就職後のミスマッチを防止できます。
適性に基づいて応募したい職種や業界が決まったら、気になる会社のWebサイトや求人情報、ニュースなどさまざまな媒体から情報を収集し、企業研究を行いましょう。企業研究を行うと「希望に合った働き方ができるか」や「自身の強みを活かせる仕事か」などが判断できます。
4.アルバイト先の正社員登用制度を利用する
正社員登用制度を利用するのも、フリーターから脱却するために有効な手段です。正社員登用制度とは、非正規雇用から正社員雇用へ、雇用形態が切り替わる制度を指します。アルバイト先に制度がなければ、正社員登用制度を導入しているアルバイトへ就業するのも方法の一つ。企業によって基準は違うため、正社員登用制度の有無だけでなく、正社員になるための基準を事前に確認しておくことも必要です。
5.派遣社員から始めてみる
フリーターから正社員を目指す場合、派遣社員として働くのも一つの方法です。フリーターとしての生活リズムから一気に正社員の生活へ移行すると、体力や精神的な負担が大きくなる場合があります。
派遣社員なら、契約の段階で業務内容や勤務時間を調整できるため、正社員と比べると自由に働けるでしょう。ただし、非正規雇用のため、雇用が不安定な点は理解しておく必要があります。
6.複数企業に応募する
フリーターからの就職を成功させるためには、複数の企業に応募することが重要です。一つの企業に縛られず、幅広い選択肢をもつことで、自分に合った職場や条件を見つけやすくなります。
また、複数の応募先から内定を得ることで、交渉の余地が生まれ、自分にとってより良い条件での就職が実現しやすくなることも。積極的にさまざまな企業にアプローチすると良いでしょう。
7.就職先に関連する知識やスキルを身につける
フリーターから正社員を目指す場合、知識やスキルは必須ではないものの、身につけていれば仕事への意欲や積極性が評価される可能性があります。フリーターがアルバイトやパートで担当する仕事は、正社員に比べて簡易なものが多いため、フリーターのままでは就職活動に活かせる強みを習得することは難しいでしょう。スキルを身につけるためには、「プライベートで資格の勉強をする」「将来の希望に沿った内容のアルバイトに積極的に応募する」といった自発的な行動が必要です。特に、資格を取得すると自主的に学んだ姿勢を示せるため、仕事への意欲や将来の伸びしろを感じさせ就活で高評価につながるでしょう。フリーターの場合、職歴がないため、資格によってスキルを証明できるメリットもあります。
8.1人で不安なら就職支援サービスを利用する
フリーターから正社員への就職に不安を感じた場合は、就職支援サービスを利用するのがおすすめです。ハローワークや就職エージェントでは、担当者からのアドバイスを直接受けられるため、安心して就活を進められます。自分に向いている仕事が分からない人やどのような仕事があるのか知りたい人は、一度相談を行ってみるのも良いでしょう。
ハローワークを利用する
ハローワークは、国が設置する公共職業安定所のことです。ハローワークでは、職業相談や求人への応募、応募書類の添削などのサービスを無料で利用できます。全体の求人数の多さや管轄地域に特化した求人の取り扱いが多いことがハローワークの特徴です。ハローワークは全国に設置されているので、まずは自宅近くのハローワークを探してみましょう。
就職エージェントを利用する
就職エージェントは、民間企業が運営する就職支援サービスです。専任の就職アドバイザーが適性に合った求人を紹介してくれるうえ、応募から就職までをサポートしてくれます。企業とのやり取りや面接日程の調整などを、アドバイザーが行ってくれることも特徴の一つ。アルバイトと並行しての就活でも準備を怠ることなく、自信を持って選考に臨めます。
フリーターを続けるのが不安なものの、就職活動のやり方が分からないという方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、20代のフリーターやニートを中心とした若年層の就職を支援する就職エージェントです。専任のアドバイザーがカウンセリングを行い、豊富な求人のなかからあなたに合った仕事を提案いたします。また、ハタラクティブでは応募書類の添削や面接、企業との選考日程の調整など、応募から入社までの就職活動を徹底的にサポート。就職活動に不安を抱いている方も、安心してご利用いただけます。所要時間1分でできる適職診断も含め、サービスはすべて無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
フリーターの末路に関するQ&A
ここでは、フリーターの末路に関してよくある質問と回答を紹介しています。
30代フリーターの末路はどうなりますか?
生活の困窮やライフプランの実現が難しくなることが考えられます。このコラムの「一生フリーターのままでいると考えられる末路」で解説したとおり、正社員との生涯賃金の差は約1億円です。収入の不安定さから、生活に困窮したり、社会的信用が低いため結婚や住宅購入などのライフプランの実現が難しくなることもあるでしょう。
フリーターの就活で高卒と大卒の違いはある?
新卒採用に比べると学歴の差はないようです。高卒フリーターのほうが年齢が若いため、有利なこともあります。フリーターからの就職で大事なのは、年齢と仕事への意欲です。学歴を気にせず、積極的に求人に応募してみることをおすすめします。大卒フリーターの方は、「高学歴フリーターを続けても大丈夫?将来のリスクと就職成功のコツを解説」のコラムも参考にしてみてください。
夢があってフリーターをやめられません
将来性も考慮したい場合は、フリーターでいる期限を決めましょう。夢を諦めきれずに就職しても早期離職になる可能性があるため、「△歳まで」「3年間だけ」と終わりを決めて、それまでは夢に打ち込むのも方法の一つです。ただし、フリーターからの就職は早いほうが有利という点は念頭に置いておきましょう。「既卒就活の成功ポイント!プロによる面接対策のコツや実際の体験談をご紹介」のコラムでは、夢を追っていた方の志望動機の回答例をまとめているので、ぜひご一読ください。
フリーターが就職できるのは何歳までですか?
フリーターが就職しやすいのは、主に20代といわれています。30代になると経歴や即戦力を期待されるからです。職歴よりもポテンシャルで採用されやすい20代のうちに就職するのが良いでしょう。「フリーターは何歳まで名乗れる?就職を考えるべき年齢を知ろう」のコラムでは、フリーターの就職可能な年齢について解説しているので、ぜひご一読ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。