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フリーターの末路は厳しい?将来予測されることや正社員を目指す方法を解説
更新日
この記事のまとめ
- フリーターの末路には、収入や社会的信用の欠如といった厳しい現実がある
- 大卒フリーターの末路は、学歴を活かしきれずに将来の選択肢を狭める可能性がある
- フリーターの末路には雇用形態や働き方の変化、AI技術の進化などが影響しやすい
- フリーターの末路を好転させるには、情報収集力や主体的に考える力と行動力が必要
- フリーターの末路に不安を感じるなら、早めに正社員として就職するのがおすすめ
「フリーターの末路はどうなる?」「30代・40代でもフリーターのままだった場合の末路は?」と、不安を抱えている方もいるでしょう。一生フリーターでもなんとかなると思っていても、実際には収入や社会的信用などの面で厳しいのが現実です。このコラムでは、フリーターを続けた場合に予測される末路を紹介。中卒・高卒・大卒のフリーターごとの末路もまとめました。正社員就職を目指す方法も伝えるので参考にしてください。
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厳しい末路が危惧されるフリーターの実態
フリーターとして長く働いている人のなかには「就職したほうが良いのか?」「このまま一生フリーターで大丈夫なのか?」など、将来に不安を抱えている人も少なくありません。厳しい末路が懸念されるフリーターについて、まずはどのくらいの人が該当するのか実態を見ていきましょう。フリーター人口の推移や年齢分布とあわせて解説します。
日本では総人口の約1%がフリーター
日本におけるフリーターの割合は、総人口の約1%です。総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)(p12)」によると、フリーターの人口は134万人。総務省統計局の「人口推計」には、日本の人口が約1億2,400万人とあるので、およそ100人に1人がフリーターだといえます。
さらに、厚生労働省の「労働力調査(基本集計)(p2)」を見ると、15~64歳の労働人口は6,925万人です。つまり、働ける人の約50人に1人がフリーターという状況であることが分かります。
フリーターの定義
そもそもフリーターとは、厚生労働省の「平成15年版労働経済の分析」のなかで、以下のように定義されています。
- ・年齢15~34歳
- ・学校を卒業している者、女性については未婚者に限定
- ・就業していて勤め先での呼称が「アルバイト」または「パート」の雇用者
- ・家事も通学もしていないものの「アルバイト・パート」の仕事を希望する者
厚生労働省の定義では15〜34歳としていますが、実際にはパートやアルバイトとして働く35歳以上の人々も多いのが実情です。35歳以上の人も対象と考えると、日本のフリーターの割合はさらに大きくなることが推測されます。
フリーター人口は過去10年間で大幅に減少
総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)(12p)」によると、フリーター人口は2014年から減少傾向にありましたが、2021年以降はわずかな増減を繰り返しています。 近年はフリーターの数が一定の水準で推移している状況です。
引用:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要(p12)」
一方で、2013年に182万人いたフリーター人口は、2023年には134万人まで減少。10年間で50万人近く減少していることが分かります。
フリーター人口が最も多いのは25~34歳
同じく総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)(p13)」で示されたフリーター人口を年齢別で見ると、最も多いのは25〜34歳であることが分かります。過去4年間の人口推移を以下にまとめました。
年齢階級 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|
15~24歳 | 59万人 | 59万人 | 56万人 | 54万人 |
25~34歳 | 78万人 | 79万人 | 76万人 | 80万人 |
35~44歳 | 51万人 | 54万人 | 52万人 | 54万人 |
引用:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要(p13)」
2020年からの推移を見ると、15〜24歳のフリーター人口は減少傾向にある一方、25〜34歳と35〜44歳のフリーター人口は増加しています。25〜34歳の年齢層にいたっては、15〜24歳を約20万人上回る状態が続いている状況です。25〜34歳の層は将来的に35歳以上の「中年フリーター」へ推移する可能性があり、将来的にフリーターの高齢化が進むことが容易に考えられます。
参照元
総務省統計局
労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果人口推計
労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果
厚生労働省
平成15年版労働経済の分析
フリーターを続けることで予測される末路
フリーターを長く続けた場合、男性・女性にかかわらず厳しい末路が予測されます。具体的にどのような末路が考えられるのかしっかり認識しておきましょう。
収入が頭打ちとなり経済的な自立が難しい
年齢を重ねるにつれて、正社員とフリーターの間には賃金の伸びに明確な差が生まれやすくなります。フリーターとして働きはじめたばかりのころは、正社員と大きな収入差を感じない場合もあるでしょう。しかし、30歳を過ぎると両者の収入の開きは大きくなる傾向があります。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(12p)」を見ると、フリーターを含む非正規雇用の平均賃金は、20代だとおよそ19~21万円。30代以降も大きな変化がなく、ほぼ横ばいのままです。一方、正社員は20代から30代、40代とキャリアを重ねるとともに賃金が着実に上昇しているのが分かります。40代、50代だとフリーターと正社員の間で年収に大きな差が生じることは、データを見ても明らかです。
雇用形態・年齢別の平均賃金 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 |
---|---|---|
20~29歳 | 228,700~263,600円 | 194,800~216,400円 |
30~39歳 | 294,100~327,000円 | 221,400~220,500円 |
40~49歳 | 354,600~374,500円 | 220,600~217,700円 |
50~59歳 | 394,300~404,800円 | 222,200~221,700円 |
参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
20〜30代でフリーターをしている場合、生活費を切り詰めたり、親からの金銭的支援に頼ったりしているケースが多く見られます。しかし、40代になり中年期に差し掛かっても経済的な自立が叶わない場合、さらに苦しい状況に追い込まれることもあるでしょう。正社員となり収入を安定させて経済的な余裕が生まれれば、自分の将来に対する安心感へとつながることが期待できます。
収入が不安定で将来設計を立てにくい
フリーターの働き方は柔軟性がある一方で収入の安定性に乏しいため、将来を見据えた貯蓄や計画を立てにくいのが実情です。正社員なら毎月固定給を受け取れるので、収入の変動は大きくありません。安定した収入を基盤に生活設計を立てやすい環境にあります。
一方、アルバイトを主とするフリーターの場合、時給のシフト制で働くことが一般的です。シフト制だと、勤務先の経営状況や従業員の状況に左右されます。希望する労働時間を確保できなかったり、予想以上に勤務日数が減らされたりする可能性もあるでしょう。結果的に収入が不安定になり、月々の生活費を確保することさえ難しくなる場合があります。
雇用が不安定で社会的信用を得にくい
フリーターは雇用契約の期間が短期的であることが多く、不安定な立場が長く続くと社会的な信用を得ることも困難になりやすいといえます。たとえば、ローンを組んだり賃貸契約を結んだりする際、フリーターであることを理由に審査に通らないケースもあるでしょう。
収入や雇用が不安定だと判断されることで、経済的自由が制限される場面は珍しくありません。必要な資金を準備できず、将来における選択肢の幅が狭くなる可能性があります。収入を安定させて社会的な信用を高めるためには、正社員としてのキャリアを目指すことが大切です。安定した職を得ることで、将来に対する安心感を得られるだけでなく、選択肢の幅も広げられるでしょう。
フリーター生活が長いと正社員就職が難しくなりやすい
フリーターの期間が長くなるほど、正社員として就職するのは難しくなる傾向があります。企業が正社員を採用する際には、若さや柔軟性、ポテンシャルを重視するのが一般的です。特に若手は、教育コストがかかる一方で、長期的に活躍できる期待値が高いとされます。
一方で、フリーター期間が長い場合、企業側に働く意欲の低さや早期離職を懸念されがちです。職務経験やスキルが限定的であると見られることもあるでしょう。フリーターとしての空白期間が長い場合、企業側の懸念を払拭しなければならず、求職活動が長期化する可能性が高まります。正社員のポジションを得るには、自分の強みやスキルを効果的にアピールする工夫が必要です。
フリーター期間が長引くことのデメリットは「フリーターの期間が長いと正社員への就職は難しい?」のコラムでも詳しく解説しています。ぜひあわせてチェックしてください。
老後の資金を十分に用意するのが難しい
フリーターとして働き続ける場合、老後の生活資金を十分に確保するのが難しいことも大きな問題といえます。老後に必要な資金は、現役時代の貯蓄や退職金、年金が大きな柱です。正社員であれば、厚生年金と国民年金の両方を受給でき、退職金がもらえることも多いでしょう。収入が安定していて年齢とともに年収も増加する傾向があるため、計画的な貯蓄が可能です。
一方、フリーターだと貯金に回すお金を捻出するのが難しく、退職金が支給されるケースも多くありません。国民年金のみに加入していた場合、受給額だけで生活費をまかなうのは困難です。老後の安心を手に入れるためには、正社員として安定した収入を確保し、老後資金の準備を進めるのが望ましいでしょう。早めに将来の生活設計を見直し、貯蓄や資産運用を計画的に進めることが大切です。
国民年金と厚生年金の支給額の違い
日本年金機構によると、2024年4月分からの国民年金(老齢基礎年金)は、満額で月68,000円。一方、厚生年金の場合、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な金額は、月230,483円です。国民年金だけに加入していたフリーターと正社員では、大きな差が生じることが分かるでしょう。なお、両者とも40年間払い続けた場合の金額のため、減免されていた期間があれば満額より支給額が低くなります。
参照元
日本年金機構
令和6年4月分からの年金額等について
解雇の不安と隣り合わせで働かなければならない
フリーターのままだと、定年退職となる年齢を迎えたあとも、生活費を稼ぐために働き続けなければならない恐れがあります。正社員が無期契約で雇用されるのに対し、アルバイトなどの非正規雇用は多くの場合、有期契約です。非正規雇用のままだと、企業の業績悪化や経済不況などが原因で契約が更新されなかったり、突然解雇になったりするリスクが常に存在します。
労働基準法や労働契約法といった法律において、合理的な理由のない不当解雇は違法です。しかし、非正規雇用者が解雇に対して異議を申し立てるのは難しいケースが多く、労働契約に対する不安を抱えたまま働き続けるケースも珍しくありません。契約期間中であっても、勤務シフトの削減によって実質的な収入減となり、経済的な安定が損なわれる可能性もあります。
フリーターを続けた場合に考えられる末路は「フリーターの末路とは?生活に与える影響や回避に向けた就職のコツを紹介」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
学歴別に見るフリーターの末路
フリーターの最終学歴によって、将来の選択肢や収入面のリスクが異なる場合があります。それぞれの学歴ごとに、フリーターを続けた場合の影響や課題を詳しく見ていきましょう。
中卒者がフリーターを続けた場合の末路
中卒者の場合、学歴が求人条件を満たせないことが多く、フリーターを長く続ける傾向があります。キャリア形成が難しい状況に陥りやすく、正社員就職のチャンスも限定的です。年齢を重ねるにつれて労働条件の厳しい仕事しか選択肢がなくなり、生活が不安定になるリスクもあるでしょう。
中卒者は高卒や大卒の人と比べて初任給の格差が生じやすく、長期的な収入面での差が大きくなりやすいことも問題点の一つです。学び直しや資格取得を目指し、自身のスキルを高める努力をすることで、就職の選択肢を広げられる可能性があります。
高卒者がフリーターを続けた場合の末路
高卒者がフリーターを続けると、キャリアの停滞が起こりやすくなります。年齢とともに経験やスキルの差が広がり、同世代の正社員に比べて収入面での格差が拡大しやすいでしょう。30代を目前にして正社員就職を目指した場合、即戦力となるスキルや経験がなければ、就職はさらに厳しくなります。
フリーターの期間が長くなればなるほど、就職市場における競争力が低下しやすいため、資格取得やスキルアップを通じてキャリアを再構築することが重要です。早い段階で正社員を目指すことが、長期的な安定につながるでしょう。
大卒者がフリーターを続けた場合の末路
大卒者がフリーターを続けた場合、学歴を活かしきれず、将来的なキャリアや収入面において大きな損失となる可能性があります。企業の採用担当者からは「なぜフリーターを選んだのか」といった疑問を持たれやすく、説得力のある説明が求められることが多いでしょう。
特に、新卒採用の機会を逃すと若さやポテンシャルの強みを活かせず、就職へのハードルが高くなります。大卒者の場合、フリーター期間が短ければキャリアの修正は比較的容易ですが、長引くほど学歴の価値が低下するリスクが高まるでしょう。早めに正社員就職を目指し、キャリア形成を図ることが重要です。
大卒フリーターから脱却する方法を知りたい方は「大卒フリーターはやばい?大丈夫な理由と現状から脱却する方法を解説」のコラムを参考にしてください。
フリーターの末路に影響を与える社会の動き
フリーターが厳しい末路をたどりやすい背景には、社会情勢が大きく影響しています。フリーターに影響を与えやすい社会の動きについて見ていきましょう。
テクノロジーの発展により将来の見通しが不安定
テクノロジーが急速に発展する現代社会は、これまでの常識や働き方が大きく変化しており、将来の予測を立てにくい状態にあります。新しい分野でのスキルや知識が求められる場面が増えている一方、AIや自動化技術が進んで従来の業務が不要となることも増えているのが現実です。フリーターをはじめとした非正規雇用の働き方にも、大きな影響を及ぼしているといえるでしょう。
レジ係や倉庫作業、カスタマーサポートなどの業務はすでに一部自動化が進んでおり、雇用機会の減少につながる可能性があります。正社員も変化を求められる立場にあるとはいえ、技術変化に適応するための教育やスキルアップのサポートなどを受ける機会があるでしょう。フリーターに比べると、長期的な安定を得やすいといえます。
雇用形態や働き方の多様化
現代社会では働き方や雇用形態が大きく変化しており、選択肢が広がっています。たとえば、派遣社員は特定の期間や条件で働く契約形態が多く、仕事内容や勤務時間を自分のライフスタイルに合わせて選べる柔軟性が魅力です。成果に応じた報酬を得られるフリーランスやリモートワークを主体とする働き方も、場所や時間の縛りがゆるいことから注目されています。
しかし、多様な選択肢を活かすためには、専門スキルや経験が必要です。フリーランスや派遣社員として高い報酬を得るには、特定の分野で他者と差別化できるスキルが求められます。働き方が多様化している現在「正社員だけが安定した働き方」という固定観念は薄れつつあるものの、スキルがなければ希望する条件で仕事を得るのは難しいのが現実です。フリーターのままでは多様な選択肢を活かしにくいため、未来を見据えてスキルを磨き、自分の市場価値を高めることが求められるでしょう。
リモートワークをはじめとする今注目の働き方は「これからの新しい仕事を考える!注目されている職種や働き方をご紹介」のコラムで解説しています。これからニーズが見込まれる仕事も紹介しているので、あわせてご覧ください。
終身雇用制度の変化
かつて日本では、新卒で入社した会社で定年まで勤め上げる「終身雇用」が一般的でした。しかし、近年は転職市場が拡大し、転職することが珍しくない時代へと変わりつつあります。同時に、年功序列に基づいた昇給や昇進の制度も見直され、実力や成果に応じて賃金や役職が決まる「実力主義」への移行が進んでいるのが現状です。
正社員であっても、一つの企業に安定して長く勤められる保証はなくなっています。企業が求めるスキルや能力に対応できなければ、配置転換やキャリアの停滞、場合によっては早期退職を求められるケースもあるでしょう。正社員を辞めたあと再就職できず、やむを得ずに非正規社員やフリーターを続けている人も増えています。
AI技術が急速な発展
AI技術の進化は、あらゆる産業に影響を与えつつあります。たとえば、ホテルのチェックイン手続きがAIロボットによって行われたり、カスタマーサービスがAIチャットボットに置き換えられたりと、従来は人間が担っていた業務が急速に自動化されているのが現状です。
AIは単なる作業の代替にとどまらず、コスト削減や効率向上を目指す企業にとって魅力的な選択肢といえます。フリーターだけでなく、正社員であっても雇用の安定性を求めるなら、AIが得意としない高度なスキルや創造性を必要とする職種へのキャリアシフトが必要です。
フリーターを続ける3つのメリット
フリーターの末路に対する不安がある一方で、続けるメリットも存在します。フリーターを続けることのメリットについてチェックしましょう。
1.仕事に対する責任範囲が限定的
フリーターは、正社員に比べると責任の範囲が限られています。仕事をする以上、パートやアルバイトにも一定の責任が求められるものの、正社員よりは業務上のプレッシャーは感じにくいでしょう。
パートやアルバイトにノルマが課されることは少なく、一般的に最終的な決定や責任は正社員が担います。パートやアルバイトの役割は、チームの一員として重要な業務を支えつつも、正社員の補助的な立場で働くことです。責任を果たしながらも、比較的気持ちに余裕を持って働けるのは魅力といえます。
2.勤務時間や日数を自分で決められる
フリーターはシフト制の場合が多く、働く時間や日数を自分で決められるのもメリットです。総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)(2p)」によると、非正規の職員・従業員に就いた主な理由として「自分の都合のよい時間に働きたいから」と答えた人が34.7%と最も大きな割合を占めています。
非正規の職員・従業員についた主な理由 | 男女計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
自分の都合のよい時間に働きたいから | 34.7% | 32.3% | 35.8% |
家計の補助・学費等を得たいから | 18.3% | 12.7% | 21.0% |
家事・育児・介護等と両立しやすいから | 11.2% | 1.1% | 15.8% |
通勤時間が短いから | 5.1% | 5.1% | 5.1% |
専門的な技能等をいかせるから | 8.1% | 13.1% | 5.8% |
正規の職員・従業員の仕事がないから | 9.6% | 15.3% | 6.9% |
その他 | 13.0% | 20.5% | 9.6% |
引用:総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)(2p)」
フリーターだと休みの希望が通りやすいため、自分の都合にあわせて出勤時間や日数を変更するなど、柔軟な対応が可能です。「家事・育児・介護等と両立しやすいから」という理由が女性で15.8%と多くを占めているのも、勤務条件の柔軟性の高さが背景にあると推測されます。
参照元
総務省統計局
労働力調査(詳細集計) 2023年(令和5年)平均結果
3.プライベートの自由度が高い
フリーターはプライベートを優先しやすいこともメリットの一つです。シフトの融通が利きやすいうえ、正社員に比べて残業が少ない傾向があります。仕事以外の時間が長くなり、趣味や資格の勉強など自身のやりたいことに当てられるでしょう。
正社員の場合、休日は固定されていることが多く、残業や休日出勤が発生する場合もあります。アルバイトに比べて責任が重いため、プライベートよりも仕事を優先しなければならないこともあるのが実情です。
フリーターの働き方におけるメリットは「フリーターが楽しいと感じる理由は?続けるリスクや正社員を目指すコツ」でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
フリーターを続ける4つのデメリット
フリーターを続けるのは、当然メリットだけではありません。フリーターの末路として考えられること以外に、デメリットとなりうることを把握しておきましょう。
1.福利厚生が整っていない
非正規雇用のパートやアルバイトは、正社員ほど多くの福利厚生を受けられない傾向があります。福利厚生とは、企業が従業員に提供する賃金以外のサポートのこと。具体例としては、雇用保険や健康保険などの社会保険のほか、家賃補助などの手当や資格取得支援制度などが挙げられます。
社会保険に加入するためには、週の労働時間や勤続期間、ひと月あたりの賃金が規定の条件を満たしていなければなりません。各種手当や支援制度も正社員だけが対象のケースもあるでしょう。福利厚生が整っていなければ病気やケガのリスクを抱え、生活面の不安に繋がる恐れもあります。
福利厚生について知りたい方は「福利厚生とはどんな制度?目的や適用条件を分かりやすく解説します!」でも紹介しているので併せてご覧ください。
2.専門的なスキルが身につきにくい
フリーターとして同じ職場で長く働いたとしても、一定レベル以上のスキルを身につけることは難しいといえます。バイトリーダーというポジションを任せられた場合、業務量や仕事の幅が増えたとしても、任される業務の範囲は正社員に比べると限定的です。
フリーターとして長く勤めた場合、就職活動で評価されるようなスキルを取得することは難しいでしょう。長く働き続けても専門的なスキルが身につかなければ、就職が難しくなることも考えられます。
3.やりがいや達成感を得にくい
フリーターとして働き続けると長期的なキャリア形成が難しいため、やりがいや達成感を得にくいと感じる場合があります。仕事の内容が限定されることが多く、正社員に比べて裁量が小さい傾向があるため、仕事を通じて成長を感じられることは少なくなりがちです。
アルバイトをはじめとする非正規雇用では短期的な業務が多いため、長期的な視点で目標を持ちにくく、キャリア形成の機会も限定されやすいといえます。仕事に対するモチベーションが低下しやすく、新しいチャレンジをする意欲も失われる可能性があるでしょう。
フリーターのメリット・デメリットは「フリーターのメリットとは?デメリットや正社員を目指す方法もご紹介」のコラムでも解説しています。ぜひあわせて目を通してみてください。
フリーターは結婚が難しい?
フリーターは、結婚が難しい傾向があるといわれます。正社員に比べて収入が不安定なことや、福利厚生が整っていないことなどが主な原因です。「家族を養う自信がない」と結婚に踏み切れない人が多くいると考えられます。ただし、パートナーや自身の価値観や、将来設計の立て方によっては、結婚は十分に可能です。「フリーターは結婚できる?できない?後悔しないためのポイントを紹介」のコラムでは、フリーターの結婚について解説していますので、参考にしてください。
フリーターの末路を好転させるために必要な5つの要素
現代の社会を生き抜くためには、さまざまな要素をバランスよく備えることが重要です。フリーターの末路を好転させ、目指すべき将来に向かうために必要な5つの要素について解説します。
1.不測の事態に備えられる経済力
現代社会では予測不可能な事態が多発しており、金銭的な準備がなければ、急な問題に対応することが難しくなります。病気や事故、自然災害など、どんな出来事が待ち受けているか分からないため、生活基盤となる経済力をしっかりと確保しておくことが大切です。お金が不足していると選択肢が限られてしまい、理想的な状況を維持しにくくなるでしょう。
たとえば、急な支出が必要な場合に借金をしなければならない状況だと、将来的に負担が大きくなり精神的にもストレスがかかりやすくなります。正社員として働くことで福利厚生や給与面での安定が得られ、将来に向けた経済的な余裕を生み出せるでしょう。
2.私生活を安定させる社会的信用
金融機関からの融資や賃貸契約など、私生活における多くの場面では社会的信用が必要になります。社会的信用は、主に安定した職業に就いていることや継続的に仕事をしていることで得られるもの。正社員として働いていると収入が安定し、職場での評価も積み重なるため、社会的な信用を高めやすくなります。
しかし、収入が安定しない場合、社会的信用を得るのが難しく、生活全般に影響を及ぼしかねません。たとえば、フリーターとして働いていると、クレジットカードやローンの審査において不利になることがあり、必要なサービスを受ける際に支障が出る恐れがあります。収入と雇用が安定した職に就き、社会的信用が得られるように努めましょう。
3.目まぐるしく変わる社会を捉える情報収集力
現代社会では情報が膨大に流れているため、情報収集力が求められます。自分にとって必要な質の高い情報を選び抜いて素早く活用する力は、今後のキャリアや生活を左右する重要なスキルです。情報収集力を備えていなければ、社会の動向や必要とされるスキルを把握できず、競争に取り残される可能性があるでしょう。
フリーターの場合、業務範囲が限られていることが多いため、積極的に社会の動きに関与する機会が少なく、情報収集に対する意識が低くなりがちです。結果として、労働市場で何が求められているのか、また自分に必要なスキルは何かを見極めるのが遅れ、キャリアアップのチャンスを逃す恐れがあります。
情報収集力を高めて活用するにはアウトプットが重要です。「情報整理力を上げる!アウトプットの方法とは?」のコラムもあわせて目を通しておきましょう。
4.人にしかできない行動を主体的に考える力
AI技術が急速に進化している現代において、主体的に考える力は非常に重要です。将来的に人間の仕事の一部がAIに取って代わられることが予測されているものの、主体的に考える力はAIには代替できない領域と考えられています。
AIは大量のデータを処理する能力がありますが、未知の課題に対して柔軟に思考を巡らせ、自分の意見やアイデアを組み立てる力は、人間にしかできません。過去に類似の事例がない新たな問題に直面したとき、状況を分析して解決策を見出す能力は、これからの社会で生き抜くために必須のスキルとなるでしょう。
5.課題解決に向けたスピード感ある行動力
情報や課題を理解したり、解決策を考えたりしたことを素早く実行に移す行動力も不可欠です。特に現代の社会では、状況が急速に変化するため、迅速に対応する能力が求められます。
フリーターとしての仕事は、与えられたタスクをこなすことが主な業務となりがちです。しかし、現代ではただ決まったタスクを繰り返すだけでは、自分の存在価値を高めることは難しいといえます。自分で考えた解決策を素早く実行に移すことが大切です。ミスや失敗を恐れず積極的に行動して結果を出せれば、自分の成長につながり周囲からの信頼も得られるでしょう。
フリーターの末路を回避し正社員就職を目指す方法
将来への不安を払拭するために、フリーターから正社員を目指すことは解決策の一つです。正社員への就職を目指す方法を知り、一歩を踏み出しましょう。
アルバイト先での正社員登用を目指す
アルバイト先に正社員登用制度がある場合は、うまく利用して正社員を目指しましょう。ただし、制度があっても正社員になれる保証はありません。「この人に辞められたら困る」と思わせるような成果や実績が必要です。正社員登用を目指すなら、社員と積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を作ることも大切でしょう。
アルバイトから正社員登用を目指す場合、一般的な採用試験とは異なり、昇格できなくてもそのまま働き続けて再挑戦できるのがメリットです。アルバイト先の正社員登用制度の導入状況や基準について、事前に確認しておくことをおすすめします。
バイトリーダーから正社員登用されることはある?
バイトリーダーとして売上に貢献したり、固定客を増やしたりして、フリーターでの実績が評価されれば正社員登用の可能性もあります。ただし、仕事ができても協調性や成長意欲に欠けていれば、難しい場合もあるでしょう。バイトリーダーならではのリーダーシップやチームワークを築いてきた経験を活かして、コミュニケーション能力や仕事に対する意欲を効果的にアピールすることが重要です。正社員登用制度の詳細は「正社員登用制度とは?読み方や必要な実績・試験について解説!」のコラムで確認してください。
事前準備をしてから就職活動をする
正社員を目指して就職活動をする場合は、自己分析や資格の取得、応募しやすい求人探しなど事前の準備を徹底することが重要です。
1.自己分析と企業研究を行う
まずは自分の経験やスキルを分析し、興味のあることや得意なことを理解しましょう。自分の強みを理解することで、面接でのアピールポイントも明確になります。「どのように強みを活かしたいか」「将来はどうなりたいか」といったビジョンも描けば、働きたい業界や職種を絞りやすくなるはずです。
就きたい仕事が決まったら、具体的な仕事内容や制度、採用情報などの情報を収集して企業研究を行います。就職後にギャップを感じることのないよう、研究の段階で自分の希望と丁寧に照らし合わせることが重要です。自己分析と企業研究を行うことで、自分に合った仕事を見つけやすくなり、志望動機も説得力のあるものになるでしょう。
2.就職に役立つ資格を取得する
就きたい仕事で役立つ資格があれば、就職前に資格を取得してアピール材料にするのも有効です。資格取得のための自発的な努力が評価されやすいうえ、仕事に対する意気込みや備えているスキルが伝わりやすくなります。
ただし、希望の仕事で資格が重視されない場合は、就職活動のスタートを切るのが遅くなり、かえって不利になる場合があるので注意が必要です。志望する業界や職種に役立つ資格を見極め、必要性を十分に検討したうえで取得を目指しましょう。資格取得を目指す方には「フリーターにおすすめの資格を職種別に解説!取得時の注意点や勉強法も紹介」のコラムもおすすめです。
3.未経験が応募しやすい求人を探す
バイトリーダーから正社員を目指す場合、実務未経験でも応募可能な求人を探すのがおすすめです。未経験者が挑戦できる職種は、就職後の研修や資格取得支援が充実している傾向があります。働きながら経験やスキルを積めるため、これまで目立った職歴がない人でも着実にスキルアップできる環境が整っているといえるでしょう。
就職エージェントも活用しよう
一人で求人を探すのが難しい場合は、就職エージェントの利用がおすすめです。就職エージェントは、専門のアドバイザーが利用者に合った企業の求人を選定したうえで紹介してくれます。自己PRや志望動機の答え方もアドバイスしてくれるなど、内定獲得まで一貫したサポート体制が整っているのが魅力です。
正社員を目指す就活でお悩みの方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、フリーターや第二新卒などの若年層に特化した就活・転職支援サービスです。ハタラクティブでは専任の就活アドバイザーがカウンセリングを行い、自身の能力や希望に合った求人をご紹介します。
「バイトリーダーの経験をどうアピールしたら良いのか分からない」「自分に合った仕事が見つからない」といった就活の不安にも対応可能です。そのほか応募書類のチェックや面接対策など、就職に関するさまざまなサポートを提供しています。「就職活動の具体的な方法が分からない」とお悩みの方は、お気軽にハタラクティブにご相談ください。
フリーターの末路に関するQ&A
フリーターの末路について不安や疑問を抱えている方に向けてQ&A方式で回答を紹介します。
一生フリーターでもなんとかなるでしょうか?
一生フリーターとして生活を続けることはできますが、多くのリスクと課題が伴うでしょう。フリーターという働き方は、収入の不安定さや社会的信用の低さ、老後の経済的不安など、不安定な要素が多く将来的に問題が生じる可能性があります。
もちろん、一生フリーターでなんとかなるケースもあるかもしれません。しかし、現代の社会を安定して生き抜くためには、正社員就職やスキルアップを目指すのがおすすめです。一生フリーターでいることのメリット・デメリットを詳しく知りたい方は「一生フリーターでいるのはリスクが高い?正社員になるメリットを解説!」も参考にしてください。
中年フリーターの末路はどのように予想できる?
中年フリーターも厚生年金を支払っていれば、将来受給する年金額は高くなるでしょう。一方、短期や日雇いなどのアルバイトでは社会保険に加入できないケースが多いため、将来年金だけで暮らすのが難しい可能性があります。年金で不足する分の生活費を補うために、年を重ねてからも働き続ける必要があるでしょう。
フリーターが厚生年金に加入するための条件や、メリット・デメリットについてチェックしたい方は「フリーターが厚生年金に加入する条件とは?メリット・デメリットも解説」を参考にしてください。
フリーターから派遣社員になった場合の末路は?
フリーターから派遣社員になると、収入が安定しやすくスキルも磨けるでしょう。しかし、派遣社員は契約期間が限定的なので、雇用が継続されなければ収入が途絶えるリスクがあります。昇給の機会も限られるため、長期的には正社員との収入差が広がる可能性もあるでしょう。派遣として働くなら、スキルを高めて正社員登用や次のキャリアにつなげることが重要です。
「フリーターと派遣社員の違いとは?正社員をおすすめする理由も解説」のコラムでは、フリーターと派遣社員の働き方の違いや、正社員の目指し方などを解説しています。フリーターから派遣社員や正社員を目指す方は、チェックしておきましょう。
ニートからフリーターになった場合の末路は?
ニートからフリーターになることで、社会との接点を取り戻し、自立への第一歩を踏み出すきっかけになるでしょう。しかし、そのままフリーター生活を続けると、将来的に安定した生活を築くことが難しくなる可能性があります。フリーターは正社員と比べると収入が不安定なため、将来に向けて貯金や資産を形成するのが難しいためです。
長期間フリーターを続けると、就職市場での評価が低くなる可能性もあります。ニートからフリーターに移行することは大きな前進ですが、将来の安定を考えるなら、さらにステップアップを目指すことが大切です。フリーターから正社員を目指す際、何から始めたら良いかわからない方はぜひハタラクティブまでお気軽にご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。