- 「ハタラクティブ」トップ
- 記事トップ
- 「お役立ち情報」についての記事一覧
- 「ビジネス用語」についての記事一覧
- 生涯賃金とは?学歴別や企業規模別に具体的なデータをご紹介
生涯賃金とは?学歴別や企業規模別に具体的なデータをご紹介
この記事のまとめ
- 生涯賃金(生涯年収)とは、生涯で得る賃金の総額のこと
- 生涯賃金は、高卒よりも大卒のほうが高いのが一般的
- 同じ企業に正社員として長く勤務していると、生涯賃金が高くなる傾向がある
- 大卒で中小企業よりも、高卒で大企業に就職したほうが生涯賃金が高くなることもある
あなたにおすすめ!
生涯賃金とは、生涯で得る賃金の総額を指し、生涯年収といわれることもあります。毎月の給与は意識しても、生涯賃金(生涯年収)を意識している人はそれほど多くないでしょう。このコラムでは、「生涯賃金とは何か」や、学歴別・雇用形態別などの具体的なデータをご紹介しています。生涯賃金についての知識を深め、現在の収入状況や将来について考える際の参考にしてみてください。
自分に向いている仕事を
簡単に診断してみましょう
性格でわかる
私の適職診断
就職・転職でお困りではありませんか?
生涯賃金(生涯年収)とは
「生涯賃金」とは生涯年収とも呼ばれ、生涯で得る賃金の総額のことを指し、ボーナスや残業代が含まれるほか退職金を含む場合もあります。一般的に、生涯賃金は新卒から定年までの間の収入を指しますが、人それぞれ生き方が違うように、働き方もさまざま。学校を卒業して就職をする人もいれば、フリーターとなってアルバイトで生計を立てる人もいます。
また、就職しても家庭の事情や留学などで一時的に職を離れ、再度就職する場合もあるでしょう。現代では、定年退職後に再就職し賃金を得る人も少なくありません。
生涯賃金の平均はどれくらい?
前述したように、現在は多種多様な働き方があるため、得られる生涯賃金も一人ひとり異なります。では、生涯賃金の平均はどれくらいなのでしょうか。以下では、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集」のデータを元に、「フルタイムの非正規社員」「正社員(転職なし)」「正社員(転職あり)」の3つのパターンでそれぞれの生涯賃金の平均を見ていきます。
学校卒業後にフルタイムで働き続けた場合の60歳までの生涯賃金
まずは、フルタイムの非正規社員で60歳まで勤務した場合です。
フルタイムの非正規社員を続けた場合の生涯賃金
性別 | 高校卒 | 大学卒 |
---|---|---|
男性 | 1億3,000万円 | 1億5,000万円 |
女性 | 1億1,000万円 | 1億2,000万円 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集(p318)」
次に、正社員で60歳まで転職せずに勤務した場合を見てみましょう。
新卒から60歳の退職まで正社員を続けた場合(転職なし)の生涯賃金
性別 | 高校卒 | 大学卒 |
---|---|---|
男性 | 2億5,000万円 | 2億8,000万円 |
女性 | 1億9,000万円 | 2億3,000万円 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集(p303)」
正社員で60歳まで勤務し、途中で転職をした場合の生涯賃金は以下のとおりです。
新卒から60歳の退職まで正社員を続けた場合(転職あり)の生涯賃金 ※同じ企業規模で転職するものとする
性別 | 高校卒 | 大学卒 |
---|---|---|
男性 | 2億1,000万円 | 2億5,000万円 |
女性 | 1億5,000万円 | 2億円 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集(p302)」
このように、平均を比較して見ると非正規社員と正社員では、生涯年収に1億円以上の差があることが分かります。上記の数値には退職金は含まれないため、実際はさらに差が出てしまうことも考えられるでしょう。
また、同じ正社員でも最終学歴によって生涯賃金に差が出るのが分かります。高卒の場合、大卒よりも4年早く仕事を始めているので、そのぶん収入を得ている期間は長いでしょう。しかし、大卒の場合、基本的な賃金の水準が高卒より高い傾向にあるため、大卒の生涯賃金が高卒の生涯賃金を上回るケースが多いようです。
高卒で収入アップを目指すなら資格取得もおすすめ
もし、高卒入社で「もっと収入を増やしたい」と感じているのであれば、業務に役立つ資格の取得も視野に入れてみましょう。収入アップの方法については、「高卒の初任給はどれくらい?収入アップの方法や高収入を狙える職種を紹介」でもまとめているので、参考にしてみてください。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
ユースフル労働統計2024 ―労働統計加工指標集―
勤続年数は生涯賃金に影響する?
昔と比べて、転職は特別なことではなくなりつつあります。では、勤続年数は生涯賃金にどのように影響するのでしょうか。
正社員の場合
前項のデータを見ても分かるように、転職をした場合としない場合では、生涯賃金に差が生まれます。これは勤続年数によるもので、日本では働く期間が賃金に反映されることが多いため、一般的には転職せずに同一企業に勤め続けるほうが生涯賃金が高くなるようです。しかし、上記の例は、同じ規模の企業への転職を前提とした値。従来の年功序列制度ではなく実力重視の企業への転職や、現在の職よりも業績が好調な企業への転職など、実際にはどのような企業に転職するかによって値は変わるでしょう。
ただし、のちほど触れますが、勤続年数が退職金の給付額に関わってくるのも事実のようです。
非正規社員の場合
勤続年数によって生涯賃金が上がるのは、主に正社員に限った話といえます。フリーターや派遣社員などの非正規社員の場合、正社員と同じような昇給の機会が少ないことや、長期雇用されにくい面もあり、勤続年数による生涯賃金の増加は難しいと考えられるでしょう。
企業規模は生涯賃金に影響する?
ここでは企業規模別の給与を、「新規学卒者の所定内給与額」「50代前半の男性の給与」「退職金」の3つから比較してみます。給与とは、基本給のほかに残業代や各種手当、ボーナスなどを含むもので、会社から受け取るすべての報酬をいいます。
新規学卒者の所定内給与額
厚生労働省の「労働統計要覧(令和5年度)」のデータをもとに、新規学卒者の所定内給与額を企業規模別に見てみましょう。
学歴・性別 | 社員数1000人以上 | 社員数100~999人 | 社員数10~99人 |
---|---|---|---|
高卒・男性 | 18万6,200円 | 18万2,900円 | 18万800円 |
高専、短大卒・男性 | 20万5,400円 | 20万4,300円 | 20万1,400円 |
大卒・男性 | 23万4,900円 | 22万8,800円 | 21万8,800円 |
高卒・女性 | 18万4,000円 | 17万5,400円 | 17万6,000円 |
高専、短大卒・女性 | 20万4,400円 | 19万7,100円 | 20万3,800円 |
大卒・女性 | 23万3,900円 | 22万3,000円 | 22万1,300円 |
参照:厚生労働省「労働統計要覧(令和5年度)E 賃金 産業、企業規模、性、学歴別新規学卒者の所定内給与額」
上記のデータのとおり、企業規模によって新規学卒者の所定内給与額は僅かながら差があることが分かります。
50代前半の男性の平均給与
一般的に、社会人として働く男性の給与は年齢・勤続年数が上がるごとに高くなり、役職などがつく40~50代に一番高くなる傾向にあるようです。厚生労働省の「労働統計要覧(令和5年度) 産業、年齢階級、性、企業規模別所定内給与額」のデータをもとに、50~54歳男性の企業規模別所定内給与の平均を比較してみましょう。
社員数1000人以上の企業 | 48万600円 |
社員数100~999人の企業 | 39万6,900円 |
社員数10~99人の企業 | 34万9,100円 |
参照:厚生労働省「労働統計要覧(令和5年度)E 賃金 産業、年齢階級、性、企業規模別所定内給与額」
新規学卒者の所定内給与額では大きな差は見られませんでしたが、一番給与の高くなる年代では、企業の規模によって最大で13万円以上の差が生まれるようです。
参照元
厚生労働省
労働統計要覧(令和5年度)
退職金
退職金とは、従業員が会社を退職する際に会社から支払われるものですが、必ずもらえるというわけではありません。退職金は長年働いてきた従業員への報奨金であり、定年退職後の老後資金にもなるものです。しかし、退職金の支給は法律で定められておらず、就業規則に記述がなければ会社は支払う義務がないものとされています。
また、退職金は勤続年数によって給付額が変わるのが一般的です。定年退職であっても勤続年数が少ない場合は、期待するほどの額がもらえない可能性もあります。
なお、退職金も企業規模別に差があるのが現実のようです。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集」によると、企業規模1,000人以上の企業の退職金を「100」とした場合、以下のような差があります。
企業規模別の平均定年退職金(勤続35年以上)
1000人以上 | 100~999人 | 30~99人 | |
---|---|---|---|
大学・大学院卒(管理・事務・技術) | 100.0 | 75.3 | 79.6 |
高校卒(管理・事務・技術) | 100.0 | 69.7 | 49.9 |
高校卒(現業) | 100.0 | 71.3 | 47.4 |
中学卒(現業) | 100.0 | 92.8 | 83.5 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集(253p)」
上記の通り、退職金も企業規模によって差が出ることが分かるでしょう。ここまで、「新規学卒者の所定内給与額」と「50代前半の男性の平均給与」の2つの代表的な給与と、「退職金」の3つのポイントから企業規模別の賃金の差を見てきました。これらの結果を見ると、入社したばかりの頃にはあまり開きのなかった給与額ですが、最終的には企業規模により生涯賃金に影響が出ると考えられます。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
ユースフル労働統計2024 ―労働統計加工指標集―
退職金の種類
退職金と聞いてイメージするのは、退職時に一度に全額が支払われる「退職一時金」が一般的でしょう。しかし、退職金には「退職年金」と呼ばれるものもあります。これは、企業が退職金を管理・運用し、退職者に年金として支払うものです。
企業によって、どちらか一方の制度しか導入していない場合もあれば、併用している場合もあります。退職年金については、「退職金のもらい方の種類とは?制度の違いや受け取れる金額の相場を知ろう」でまとめているので、あわせてご覧ください。
大卒よりも高卒の方が生涯賃金が高い?
コラムの冒頭に出てきた生涯賃金の平均では、高卒よりも大卒のほうが生涯賃金が高い傾向にあるようです。しかし、大卒よりも高卒のほうが生涯賃金が高くなる可能性も考えられます。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集」によると、新卒から定年まで正社員を続けた場合(転職なし)の企業規模別・性別ごとの生涯賃金は以下のとおりです。
学歴別企業規模・性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
高卒から大企業(社員数1000人以上)に就職した場合 | 2億7,330万円 | 2億960万円 |
大卒から中小企業(社員数10~99人)に就職した場合 | 2億2,450万円 | 1億8,660万円 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024 労働統計加工指標集 表 21-3 同一企業型職業生涯の生涯賃金(315p)」
この結果では、大卒から中小企業への就職よりも、高卒から大企業へ就職したケースのほうが生涯賃金の平均が高くなっています。高卒の人は大卒の人よりも4年早く社会人になるというのも理由の一つではありますが、大企業の賃金水準の高さが伺えるでしょう。なかには、大企業より高い賃金を従業員に払っている中小企業も存在しますが、大企業の賃金は中小企業を上回っているというのが一般的な見方といえます。
上述した4つの点から、実際に大企業と中小企業には生涯賃金に開きがあるということが分かりました。「働く企業の規模は生涯賃金に影響する」と捉えられるでしょう。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
ユースフル労働統計2024 ―労働統計加工指標集―
生涯賃金を上げたい場合は転職を考えてみるのも手
ここまで生涯賃金について見てきましたが、自分の生涯賃金が気になり始めた方もいるのではないでしょうか。もし、「今の職場の収入が低い」「昇給が見込めない」という方は、転職を考えてみるのも一つの手です。転職を検討することで、今の職について客観視できるようになります。「転職ではなく今の会社でもう少し頑張ってみよう」と思うきっかけになるかもしれません。または、自分の可能性を信じて新しい職場へ移ることで、今以上のやりがいを感じられる仕事に出会えたり、実力次第で給料アップを目指したりすることもできるでしょう。
どちらにせよ、現状に不満がある場合は一歩踏み出して、仕事や将来について考えてみるのがおすすめです。「転職すべきか分からない…」と悩んでいる方は、「転職するべきかどうか分からない…職場を変えるメリットとデメリットとは」のコラムをチェックしてみてください。
非正規社員は正社員への就職が生涯賃金アップのカギ
フリーターや派遣など非正規社員として働く方が生涯賃金を上げるなら、正社員への就職は有効な手段といえるでしょう。このコラムの「生涯賃金の平均はどれくらい?」でも触れましたが、非正規社員と正社員では、生涯賃金に1億円以上の差がつく場合があります。体力のある若いうちなら、高時給で働けば正社員よりも収入を得られる可能性もありますが、年齢が上がるにつれ時給では追いつけない差が出てきやすいでしょう。
また、正社員には賞与や退職金制度があることが多く、これらは正社員の生涯賃金が上がる理由の一つでもあります。さらに、退職金は勤続年数によって給付額が変わるため、生涯賃金をアップしたいのであれば就職は若いうちに行ったほうが望ましいといえるでしょう。「就職ではなくほかにやりたいことがある」など、フリーターを選ぶ理由が明確であれば別ですが、「なんとなくフリーターを続けている」という場合は就職を考えてみるのも選択肢の一つです。
「生涯賃金を上げたいけれど初めての転職・就職が不安」という方や、「自分のやりたい仕事をとおして生涯賃金を上げたい」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブが求職活動をお手伝いします。ハタラクティブは、20代を中心とした若い世代のフリーターや既卒・第二新卒の方を対象とした就職支援サービスです。プロの就活アドバイザーがしっかりカウンセリングを行い、「どのような仕事をしたいのか」「何を重視したいのか」を一緒に考えていきます。
また、マンツーマンで履歴書や職務経歴書など選考書類の書き方や、企業ごとの面接対策も完全サポート。さらに入社後のフォローも万全です。サービスのご利用はすべて無料なので、まだ就職するか迷っている方や、転職についてとりあえず聞いてみたいという方は、まずはお気軽にご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2023年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。