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有給消化率とは?正しく理解して労働環境を見極めよう!
更新日
この記事のまとめ
- 近年、日本の有給消化率は上昇傾向にある
- 有給休暇の取りづらさは「周りに迷惑をかけられない」といった職場の雰囲気が影響する
- 有給消化率が低い企業の中には、年間休日数が多めに設定されているケースもある
有給消化率とは何を意味するのか、理解できていない人もいるでしょう。有給消化率とは、企業が1年間に付与した有給休暇のうち、労働者が実際にどれぐらい取得したのかを示す数字のこと。有給消化率は50%未満の状態が長く続いていたものの、近年は上昇傾向にあります。このコラムでは、日本の有給消化率はどのようになっているのかについて解説。取得しにくい理由についても考察します。
有給消化率とは
有給消化率とは、企業が1年間に付与した有給休暇のうち労働者が実際にどれぐらい取得したのかを示す数字のことです。
厚生労働省が実施した「令和5年就労条件総合調査の概況(6p)」によれば、2022年の平均有給消化率は62.1%です。これは、労働者1人につき平均して17.6日与えられている有給休暇のうちの10.9日ほどを取得している計算になります。また、労働者1人あたりの平均年次有給休暇の取得率の年次推移を以下に表でまとめました。
年次 | 労働者1人あたりの年次有給休暇の平均取得率 |
---|---|
令和4年 | 62.1% |
令和3年 | 58.3% |
令和2年 | 56.6% |
令和元年(平成31年) | 56.3% |
平成30年 | 52.4% |
平成29年 | 51.1% |
平成28年 | 49.4% |
平成27年 | 48.7% |
平成26年 | 47.6% |
平成25年 | 48.8% |
参照:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況(6p)第2図」
上記のデータを見ると、有給消化率はしばらくの間50%前後で推移していましたが、ここ数年で上昇傾向があることが分かります。
また、同調査によると、会社の規模ごとの有給消化率は以下のとおりです。
企業規模 | 労働者1人あたりの年次有給休暇の平均取得率 |
---|---|
1,000人以上 | 65.6% |
300~999人 | 61.8% |
100~299人 | 62.1% |
30~ 99人 | 57.1% |
引用:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況(6p)第5表」
上記のデータを見てみると、大企業は有給消化率がより高くなることが分かります。
なお、有給消化率を産業別に見ると、複合サービス事業が 74.8%、電気・ガス・熱供給・水道業が73.7%、製造業が65.8%、サービス業(ほかに分類されないもの)が65.4%と高水準です。
一方、宿泊業・飲食サービス業49.1%、教育・学習支援業54.4%、卸売業・小売業55.5%となかなか有給休暇を取れない業界もあることが分かります。
参照元
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査 結果の概況
有給休暇を取りづらい理由とは
前述したとおり、有給休暇取得率は企業規模や産業別で異なるのが現状です。中には、有給消化率100%を達成している企業もあります。では、なぜ企業により有給休暇取得率に差ができてしまうのでしょうか。
有給休暇取得率が高い会社では、有給休暇を取得することを社員に義務付けている可能性があります。そうすることにより、社員一人ひとりが積極的に有給休暇を取得できるでしょう。逆に、なかなか有給休暇を消化するのが難しい理由としては、以下のようなことが考えられます。
休みづらい雰囲気がある
たとえば、「周囲に迷惑をかける」「仕事が滞る」と、職場自体に休みづらい雰囲気が漂っている場合もあります。このような職場では、「ほかの人が有給休暇を消化していない中で、自分だけ休むわけにいかない」と、互いに牽制しあって悪循環に陥っていることが考えられるでしょう。
仕事が忙しい
また、「仕事がたまるのが嫌だから」という理由で有給休暇を取らない人もいるようです。このような場合、なかなか休みが取れない上に、少しでも休みを取れば仕事がたまってしまうという労働環境を表しているともいえます。
予備として残している
「いざというときのために有給休暇を残しておきたい」「病気になったときのために使わずにいたい」という人もいます。
仕事を休めない理由や対処法については、「仕事を休めないのはおかしい?休みがとれない原因や対処法を紹介」のコラムもあわせてご覧ください。
有給休暇の取得は法律で定められている
人手不足の企業・業界では有給休暇を取得できない暗黙のルールのようなものができていることも。そのような職場では、本来、理由を問わずに取ることができる有給休暇を、なかなか申請できずにいる人も少なくないでしょう。しかし、有給休暇は義務化されており、取得させない場合は違法の可能性があります。「有給休暇を取得させてもらえない」と悩んでいる場合は、「有給休暇が取れないのはおかしい?人手不足でも取得できる方法を解説」のコラムもあわせてご覧ください。有給消化率が高いからといって休みが多いとは限らない
就職や転職を考えるとき、「どれぐらい休みを取れるのか」というのは気になるポイントでしょう。
応募する企業を選ぶ際は、有給消化率を見て判断するのも一つの方法ですが、あわせて年間休日数もチェックするのがおすすめ。なぜなら、「有給消化率が低い」というのは、年間休日数が多めに設定されているため有給休暇を申請する必要がないケースも考えられるからです。
逆に、有給消化率が高くても、休み自体がそもそも少なく、有給休暇を使用しなくては十分休めないケースもあるので注意しましょう。「休みが多い仕事に就きたい」という場合は、「休みが多い仕事とは?業界別ランキングや正社員と公務員の有給休暇の違いも紹介」のコラムもあわせてチェックしてみてください。
有給消化率を手がかりとして起業の働きやすさを知ることもある程度は可能です。しかし、さらに詳しい情報を入手したいのであれば、エージェントを活用することをおすすめします。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。