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資本金とは?企業にとってどんなお金?求人情報にある理由も簡単に解説
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この記事のまとめ
- 資本金とは、起業する人が会社を運営するために用意するお金のこと
- 資本金額=会社の価値ではないが、金額が多いほど社会的に信用されやすい
- 資本金とは返却の必要がないお金であり、借金とは異なる
- 資本金は会社の経営状況や増資などにより変動する
- 資本金を就活時の企業選びに役立てるには、多角的に捉える必要がある
資本金と聞いても、就活でどのように活用すれば良いか分からない方もいるでしょう。資本金は会社の経営により変動するため、就活の参考にするには調達先や経営方法などを多角的に捉えることが大切です。このコラムでは、資本金の必要性や意味、企業に与える影響について解説します。資本金について理解を深め、就活での企業選びに役立てましょう。
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資本金とは
資本金とは、起業する人が会社を運営するために用意するお金のことで、会社設立後から利益が出るまでの運転資金を指します。簡単にいうと、ビジネスを行うための元手金のことです。会社を設立してしばらくは利益を上げるのが難しいため、当面の運営資金として事前に資本金を準備します。
資本金は、経営者が自分で用意するものと、投資家や株主などの出資者から提供されたものに分けられますが、会社設立と同時に第三者から出資を得ることは稀。経営者が用意した自己資金が資本金になることが一般的です。
資本金の必要性と役割
資本金の必要性と役割には、経営が軌道に乗るまでの運転資金と、社会的信用を得るための2つが挙げられます。先述のとおり、会社を設立して数か月は利益が出ないことを想定し、当面の運営資金として資本金を使用。起業後、資本金は登記手続きのために金融機関に預け入れが必要ですが、登記完了後からは現物出資を除いて通常の銀行預金と同じような扱いが可能です。つまり、資本金は「運転資金として自由に使っていいお金」といえます。
また、資本金は社会的に信用を得るためにも必要です。資本金が多いと、事業の規模が大きく経営が安定している印象を与えるため、取引相手から評価されやすくなります。資本金額をもとに今後利益が出る企業を見極める出資者が多いため、出資されやすくなるでしょう。資本金は会社の経営規模や財力を評価する基準となるため、起業の際に必要とされるのです。
個人事業主に資本金はある?
個人事業主は資本金を準備する必要がありません。個人事業主として事業を始める際には、資本金と似た「元入金」が資金となります。「元入金」は事業の安定性や規模を表す基準となるでしょう。資本金の平均額
資本金の平均額を把握しておくことで、企業の規模を把握するのに役立つでしょう。総務省・経済産業省の「経済センサス-活動調査 令和3年経済センサス-活動調査 速報集計 企業等に関する集計」(2022年9月)では、2021年の全産業の資本金を階級別にまとめています。
企業数(企業) | |
---|---|
総数 | 177万7,291社 |
300万円未満 | 20万501社 |
300~500万円未満 | 57万8,882社 |
500~1000万円未満 | 25万3,148社 |
1000~3000万円未満 | 55万5,646社 |
3000~5000万円未満 | 7万2,933社 |
5000万~1億円未満 | 5万2,126社 |
1~3億円以上 | 1万7,674社 |
3~10億円未満 | 7,337社 |
10~50億円未満 | 3,600社 |
50億円未満 | 2,319社 |
参照:e-Stat 政府統計の総合窓口「経済センサス-活動調査 令和3年経済センサス-活動調査 速報集計 企業等に関する集計」
上記の表から、資本金の階級で企業数が最も多いのが「300~500万円未満」で、二番目に多いのが「1000~3000万円未満」ということが分かりました。資本金は、企業だけではなく業種や労働者数によって変わるため、就職先を選ぶ際には企業の特徴もあわせて確認しておくと良いでしょう。
資本金と株の関係性
会社や営業活動の資金となるものが「資本金」で、出資者によって払い込まれたお金のことを指します。その資金を調達するために発行しているものを「株」といい、株式会社であれば、株主や投資家から調達した資金も資本金に該当します。資本金=会社の価値ではない
資本金は、会社の経営状況や増資などにより変動していくため、資本金が多いほど会社の価値が高いとはいえません。就職や転職の際に資本金を確認することは大切ですが、それだけで会社の価値を判断するのは避けましょう。
資本金と借金の違い
資本金は返却の必要がない純資産であり、返却の必要がある借金とは異なるものです。資金調達を行う方法は、資本金と借金に分けられます。
資本金は株式を発行することで出資者から資金を調達する方法であり、返却する必要はありません。対して、借金は金融機関などから資金を借り入れる方法であり、返却が必要です。資本金の金額が大きいほど、会社に財務上の余力があるといえるでしょう。
会社には「有限会社」と「株式会社がある」
会社は、最低資本金額の違いや役員・社員数の違いにより、有限会社と株式会社に分類されます。有限会社(現「特例有限会社」)は、資本金が300万円以上で取締役は1名以上、決算公告の義務はありません。しかし、現在は有限会社を新たに設立することは不可能です。
株式会社は資本金1,000万円以上で取締役は3名以上、監査役が1名以上を置く必要があり、取締役会の設置と決算公告の義務も必要でした。しかし、現在は資本金が1円以上、取締役が1名以上から設立が可能となっています。
詳しい違いについては、「有限会社と株式会社の違いとは?就職先を選ぶときの基準をご紹介」のコラムでご確認ください。
参照元
e-Stat 政府統計の総合窓口
令和3年経済センサス‐活動調査
資本金が求人や企業概要に記載される理由
会社概要に資本金を記載する企業が多い理由は、企業イメージや安定した経営のアピールになるためです。資本金の多さは、企業の規模や経営状況の評価基準になります。
起業時の資本金額は1円から可能となっていますが、資本金が多いほど「事業規模が大きく経営が安定している会社」と印象づけられるため、社会的信用を得やすいのが現状です。そのため、資本金を企業ホームページの会社概要に記載することが多いといえるでしょう。
許認可(事業を行う許可)の審査基準となる場合がある
特定の事業を行うために必要な許認可の手続きで、資本金額が審査基準となる場合があります。目安として、海外や国内旅行を企画・実施する旅行業は3,000万円、人材派遣業は2,000万円以上の資本金が必要です。
参照元
国土交通省観光庁
旅行業法概要
厚生労働省
労働者派遣事業の許可制について
受けられる融資額の基準となる
事業拡大のため新たに資金を必要とするとき、金融機関から融資を受ける方法がありますが、融資金額は資本金額によって変動します。金融機関から融資を受ける際の金額は、資本金と同額から2倍までで決められるのが一般的です。希望する金額を融資してもらうためには、ある程度の資本金を用意しておく必要があります。
また、金融機関から融資を受ける際は資本金が確認されるため、資本金額があまりにも少ない場合、信頼を得られず融資を断られる可能性もあるでしょう。資本金は、外部機関からの信用獲得や円滑な経営に重要な役割を果たすといえます。
社会福祉法人や公益財団法人には「資本金」という制度がない
社会福祉法人や公益財団法人、NPO法人などは、基本的には利益を目的としていないため、「資本金」という制度がありません。その代わりに資金調達するための、「基金」が設けられています。「基金」はいずれ返済しなければならないもので、借入金の一種です。就活時は資本金の額を参考にするべき?
資本金は起業当初の資金であるため、資本金だけを参考にして現在の経営状態を判断するのは難しいでしょう。起業当初は事業形態や内容などの理由から資本金を十分に調達できなかったものの、事業が成功して利益を獲得している企業も多くあります。
なお、上場企業の場合は、資本金として出資してくれた株主や企業名を公開しており、資本金からつながりの深い企業を調べることが可能です。資本金を就活時の参考にする際は、金額だけでなく、資金の調達先や資金を増やした経営方法など、多角的に捉えることが大切です。
資本金が多い企業の利点
先述のとおり、資本金とは出資者から受け取る資金であるため、資本金が多ければ社会的に信用されやすくなり、今後の経営にも好影響を及ぼします。必要とされる資本金の目安は事業内容によって異なるため、自分が希望する業界の資本金額は平均いくらか調べてみましょう。インターネットを使えば、業界別で必要な資本金額を簡単に調べられるので、参考にしてみてください。
資本金は増える可能性がある
企業は開業後に新しく株を発行することで、資本金を増やせます。資本金を増やすことは企業にとって財務体制の強化や、会社の信頼性の向上につながり、メリットが大きいでしょう。企業選びをする際には、資本金の増額から財務状態が安定している企業かどうかの判断も可能です。
資本金を増やさない企業もある
企業によっては、「手続きの費用が掛かる」「税金が増える可能性がある」などのデメリットから、資本金を増やさない場合もあります。ほかにも、株主が増えることはメリットであるものの、利益が出た際の配当金も増えることから、慎重になる企業もあるようです。最低資本金制度は撤廃されている
起業する際には、有限会社で最低300万円、株式会社では最低1,000万円の資本金が必要でしたが、現在では会社法改正により最低資本制度が撤廃されました。資本金が1円から企業することが可能になりましたが、初期投資額と運転資金を基準に資本金額を決めるのが基本のため、少な過ぎる企業は社会的信用を得られにくいのも事実です。
しかし、先述したように、資本金額が少なくても高い技術や広い人脈によって、資産を増やしている企業は多く存在します。資本金額は、あくまでも参考情報の一つとして捉えると良いでしょう。
参照元
経済産業省
産業政策から見た新会社法のポイント
企業選びの基準で悩んだらプロに相談するのも手
どのような基準で企業を選べば良いか分からないときは、エージェントに相談するのがおすすめです。就職・転職エージェントの多くは、企業選びや面接などの相談にも応じているため、疑問や不安を解消しながら就職・転職活動を進められます。
ハタラクティブは、若年層の高卒や既卒、第二新卒、フリーター、ニートを対象とした就職・転職エージェントです。マンツーマンで行われる丁寧なカウンセリングをとおし、求職者一人ひとりに合った求人紹介や就職支援をするため、応募書類の添削や面接対策を一貫して行っています。また、1分程度で行える適職診断もあるため、適性の高い職種を調べることも可能です。どのような視点から企業を選べば良いか分からず悩んでいる方は、ぜひ一度ハタラクティブにご相談ください。
資本金や企業規模に関するFAQ
資本金や企業規模に関するお悩みをQ&A方式で解決します。
「資本金」とはどういう意味ですか?
資本金とは、ビジネスを行うための元手金のことで、会社設立後から利益が出るまでの運転資金のことです。会社を設立してしばらくは利益を上げるのが難しいため、軌道に乗るまでの運営資金として事前に資本金を準備する必要があります。詳しくは「資本金とは」を確認してみてください。
資本金が少ない中小企業に就職するのは避けるべき?
避ける必要はありません。仕事探しにおいて、資本金は参考情報の一つとして捉えましょう。
資本金が少なくても、中小企業は在席人数が少ないことから幅広い業務内容に携わりながら成長できます。ベンチャー企業やスタートアップ企業など、若いうちから活躍できる企業もあるでしょう。
中小企業の展望については「中小企業の年収はどのくらい?大企業との差や収入アップ方法もご紹介!」のコラムで解説しています。
中小企業と大企業にはどのような違いがありますか?
中小企業は少数精鋭で成り立っており、若手のうちから幅広い業務や大きな裁量権を持って働けます。一方、大企業は、中小企業では行えない大きなプロジェクトに取り組めるのが魅力です。
大企業と中小企業の違いについては「大企業と中小企業の違いは?両者に就職するメリット・デメリットもご紹介」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
中小企業で働くメリットとは?
中小企業では社員一人あたりの裁量権が大きい傾向にあり、若手のうちから多岐に渡る業務に携わるチャンスがあります。また、支店がなければ転勤がなかったり、そもそも従業員が少ないことから出世しやすかったりするメリットもあるでしょう。大企業と比べて社員数が少ない中小企業はコミュニケーションが取りやすく、効率的なチームワークが実現できる魅力があります。自分のアイデアが採用されやすいため、仕事に対するやりがいやモチベーションの向上につながるでしょう。
就職・転職の際に気をつけるべき中小企業については「中小企業で働くメリットとは?転職を成功させるコツも解説!」にまとめています。
ゆくゆくは資本金の高い大手企業に就職したいです
資本金が高い=会社の経営が安定しているとは限りませんが、資本金の高い企業は倒産リスクが低い傾向です
業種によって異なりますが、中小企業庁が定める基準では、大企業とは「資本金額3億円以上、かつ従業員数300人以上」の企業を指します。 ただし、法的な決まりはなく、特定の業界のなかでも規模や知名度で上位に位置する企業が大手と呼ばれます。
転職で大手企業を目指したい方は「転職で大手を目指せる?中小企業との違いなども紹介!」を参考にしてみてください。
また、転職に関するご相談は、20代の転職に強いハタラクティブにご相談ください。
参照元
中小企業庁
中小企業・小規模企業者の定義
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2023年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。