試用期間中に退職したら履歴書の職歴欄に書く?書かない?

試用期間中の1ヶ月で退職した経歴があります。履歴書に記載しなくても良いですか?

正社員として入社したのですが、実は試用期間内の1ヶ月で退職してしまいました。在籍期間が短い職歴は履歴書に書かなくても良いですか?記載することで企業に悪い印象を与えるのではないでしょうか。

試用期間中に退職した場合も雇用契約を結んでいる以上、たとえ短期間でも履歴書に記載するのが基本です。「試用期間だから履歴書に書かなくて良い職歴だ」と判断するのは避けましょう。事実が判明したときに、内定取り消しや解雇などの処分を受ける恐れもあります。履歴書に虚偽の内容を書くことは経歴詐称に該当するので正しく記入しましょう。

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試用期間中に退職したら履歴書の職歴欄に書く?書かない?

「試用期間中に退職した場合、履歴書の職歴欄に書くべき?」と悩む方も多いでしょう。試用期間とはいえ、企業と雇用契約を結んでいるため、履歴書には職務経歴として記入する必要があります。
このコラムでは、試用期間中に退職した過去を履歴書に書く理由や、退職理由をポジティブに伝えるコツを就活アドバイザーに聞いてみました。パート・正社員にかかわらず試用期間に退職し、履歴書の書き方に不安を感じている方は参考にしてください。

試用期間中の退職を履歴書にきちんと記載すべき理由

履歴書は公的な文書のため、職歴に限らず事実と異なる内容で企業に提出することを禁止されています。なかには、「試用期間は研修や雑務が多く、経歴に書けるような仕事をしていないから」「短期離職は印象が悪そうだから」といった理由から履歴書に書きたくない…と考える方もいるでしょう。しかし、無職だったわけではないので、試用期間として勤務していた事実を申告する必要があるのです。

試用期間中に退職した事実は履歴書に書かなくてもバレる

履歴書に、試用期間中に退職した事実を書かないまま転職先が決まったとしても、入社後の手続きの際、会社にバレる可能性があります。正社員として転職する場合、社会保険や雇用保険に加入するのが一般的です。企業は入社した従業員の「雇用保険の加入記録」を調査できるので、前職の試用期間中、雇用保険に加入していたのであればすぐに分かります。履歴書には職務経歴を嘘偽りなく記入しましょう。

履歴書には正しい職歴を書かないと経歴詐称になる

経歴詐称には「虚偽の情報を書く」以外に、「伝えるべき情報を伝えない」ことも含まれます。そのため、「試用期間中の退職は履歴書に書かなくて良い職歴だ」と判断して記入を省略すると、経歴詐称とみなされ解雇される恐れも。会社によっては自主退職を促される場合もあります。このように経歴詐称は、信用を失い仕事までなくす可能性がある行為のため、履歴書には職歴を正しく書く必要があるのです。経歴詐称についてさらに詳しく知りたい方は、「経歴詐称は罪に問われる?バレる理由や嘘をつくリスクを解説!」のコラムも参考にしてください。

試用期間中の退職を履歴書に書くときのコツ

試用期間中の退職を履歴書に書くときは、「『試用期間』であることを誤魔化さない」「退職に至った理由を会社のせいにしない」「退職理由をポジティブな言葉に言い換える」といったコツがあります。

「試用期間」であることを誤魔化さない

履歴書や面接で試用期間中の退職を説明するときは、事実を隠したり誤魔化したりしてはいけません。選考に臨むにあたっては、誰しもが「企業へ好印象を与えたい」と考えるものです。だからといって履歴書で偽りの職歴を伝えても、その後の質問で上手く答えられず嘘だとバレてしまえば元も子もありません。退職した経緯を詳細に話す必要はないので、試用期間中であった事実はきちんと伝えましょう。試用期間中の退職によるメリット・デメリットは、「試用期間中に退職したいときはどうする?適切な辞め方3ステップ」でまとめているのでご覧ください。

退職に至った理由を会社のせいにしない

「希望の部署に配属されなかった」「労働条件が悪かった」など、退職に至った理由を会社のせいにするのは避けましょう。会社とのミスマッチが原因で退職を決める人は多くいます。しかし、その背景には応募前の情報収集不足、あるいは自分の能力不足なども含まれるでしょう。就職・転職の際は自己分析で自分の強み・弱みを理解したうえで、企業の情報を集めて自分に合うか否かを判断し応募するのが基本です。そのため、「自分の能力を過信しており会社の要望にこたえられなかった」「就職への焦りから企業研究を怠ってしまった」など、反省点を伝えることで好印象を与えられるでしょう。

退職理由をポジティブな言葉に言い換える

試用期間中の退職理由はポジティブな言葉に言い換えると、面接官へ好印象を与えられます。たとえば、年功序列で給与額が定められていることが判明し、そこに不満を感じ退職した場合は「自分の努力や成果が給与へ反映される御社に魅力を感じた」と言い換えることが可能です。また、人間関係が原因で退職した場合は、前職と比較し「チームワーク/個人の裁量を重視する環境のほうが実力を発揮できると感じた」と言い換えることもできます。「転職理由を言い換えてポジティブな印象に!伝え方や例文を紹介」のコラムでも例文を紹介しているので、あわせてチェクしてみてください。

試用期間中に退職した場合の履歴書の書き方例

基本的に、履歴書に退職理由を書くときは「一身上の都合により退職」だけで問題ありません。労働条件の相違や家庭の事情などで退職した場合は、その旨を面接の際に付け加えたり職務経歴書に記入したりすると良いでしょう。どのように説明すれば良いか迷っている方は、以下の例文を参考に回答文を作成してみてください。
なお、書面上では応募先企業のことを「貴社(きしゃ)」と書き、口頭で呼ぶときは「御社(おんしゃ)」と言いましょう。

事前に聞いていた労働条件との相違により退職した場合

「前職は商品開発業務に携われると聞いて入社を決断しましたが、実際には生産管理が主な仕事でした。商品のアイディア出しや試作品づくりは他社で行っており、開発業務に携われないことが試用期間中に分かったため退職を決意しました。もう少し生産管理の経験を積んでから転職することも考えましたが、若いうちから商品開発の経験を積むことを優先したく、貴社への入社を希望します。」

実際の仕事内容が入社前に聞いていたものと異なり退職した方もいるでしょう。また、正社員採用と聞いていたにもかかわらず契約社員として雇用されたり、試用期間中の残業代が支払われなかったりしたことが原因で退職する方も。会社側に非があることが明らかな場合は、上記のように事実を記載したうえで、入社意欲をアピールする言葉で締めくくると好印象です。

家庭の事情で退職せざるを得なかった場合

「前職では看護師をしていましたが、試用期間中に母が事故で足を骨折してしまい介護が必要になったため退職しました。ケガは軽く短期間で退院できたものの、1人暮らしのため買い物や家事といった日常生活のサポートが必要な状態になりました。自宅から2時間ほどの場所に住んでいるので、仕事と介護の両立が難しく、職場には申し訳ないと思いながらも退職させていただきました。順調に回復し、現在は生活に支障なく暮らせているので、私が仕事をしても問題ないと判断し応募させていただきました。今でも週に1度様子を見に行っていますが、母も私が正社員として働くことを応援してくれていますので貴社で長期的に活躍したい所存です。」

家庭の事情で、試用期間中に退職した方もいるでしょう。たとえば、家族の病気やケガによって介護が必要になった場合や、転勤にともなう引っ越しなどが挙げられます。やむを得ない事情による退職をマイナスに評価する会社は少ないため、履歴書や職務経歴書で申告しておきましょう。退職に至った事情を伝えたうえで、「今は問題なく働ける」「長期的に働ける」ことも付け加えるのがポイントです。

企業とのミスマッチを感じ退職した場合

「前職では外食チェーン店に勤務していました。料理や食べ物が好きなことと、将来的にフードロス問題の解決につながる仕事をしたいと考えていたためです。しかし、実際に働いてみると、利益重視の社風で食品ロスも惜しまない風土がありました。試用期間が開始する前に気づけなかったことは、自分の落ち度であると認めています。貴社のWebサイトにあった従業員インタビューを見て、フードロス問題に積極的に取り組んでいると知り興味を持ちました。入社後は流通のスピードや品質アップを意識するとともに、フードロス問題の解決に貢献していきたいと考えています。」

企業とのミスマッチにより試用期間中に退職した場合は、「自分の確認が甘く入社前に気づけなかった」と反省の意を述べると好印象です。さらに、同じ失敗を繰り返さないために行ったことを補足すると良いでしょう。どのような仕事も、自分に合っているかどうかは働いてみないと分からない部分が多いものです。しかし、ミスマッチによる退職ということを強調すると、「合わないと感じたらすぐに辞めてしまうのでは」と、採用担当者に不信感を与える可能性もあるので注意しましょう。「仕事を辞めたい・向いていないと感じたら?転職のサインや対処法を解説」のコラムでは、退職したいと感じたときの対処法を解説しています。転職後の早期退職が不安な方はご一読ください。

試用期間中の退職はキャリアに影響する?

結論からいうと、試用期間中に退職した経歴が今後のキャリアに影響する可能性は低いでしょう。入社後にキャリアアップするには、これまでの職務経歴よりも業務に対する取り組み方や、成果を残すことのほうが重要です。ただし、なかには試用期間という短期間で退職した経歴を、ネガティブに捉える採用担当者もいます。だからこそ、転職活動の際は履歴書の書き方や、面接での伝え方には工夫が必要なのです。キャリアアップのコツは「キャリアアップとは?社会人としての市場価値を高めよう」で紹介しているので、あわせて参考にしてください。

書き方に迷ったときは転職支援サービスを活用しよう

試用期間中に退職し履歴書の書き方に不安がある方は、国が運営するハローワークや、民間の就職・転職エージェントなどを活用するのも一つの方法です。ハローワークは全国各地にあり、窓口での求人紹介のほか、履歴書や職務経歴書の添削もしてもらえます。一方、就職・転職エージェントは、各エージェントごとに対象の年齢層や、得意とする業界が異なるのが特徴です。ハローワークと同様、求人紹介をはじめ履歴書・職務経歴書の書き方アドバイスも受けられます。また、求職者に専任の就活アドバイザーが付き、内定獲得まで一貫したサポートを受けられるのは、就職・転職エージェントならではといえるでしょう。

ハタラクティブはフリーターや第二新卒、既卒といった20代の若年層に特化した就職・転職エージェント。相談者一人ひとりにプロのアドバイザーが付き、求人紹介をはじめ、転職活動の際に欠かせない自己分析や企業研究のサポートも行っています。また、試用期間中に退職した方へ履歴書・職務経歴書の書き方をアドバイスしたり、模擬面接や企業との交渉代理などを実施したりしているので、はじめて転職活動をする方も安心です。サービスの利用はすべて無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

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