5月1日のメーデーとは?日本での歴史や祝日にならない理由について解説

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この記事のまとめ

  • メーデーとは、毎年5月1日に世界各国で開催している労働者の祭典のこと
  • メーデーとレーバーデーの違いは、労使交渉中心かイベント中心かである
  • 日本で有名なメーデーは、第17大会「食糧メーデー」と第23大会「血のメーデー」
  • メーデーが日本で祝日にならないのは、勤労感謝の日とGWが影響している可能性がある

メーデーの言葉の意味や、どのような日か知りたい方もいるでしょう。メーデーは世界史上、労働者の地位向上に重要な役割をはたしている祭典です。このコラムでは、メーデーの概要や歴史、日本での扱いも詳しく説明しています。そして、日本で有名なメーデーに関する年月日もまとめました。また、日本で祝日にならない理由や、類似する労働者に関する日との違いも解説するため、ぜひご参考にしてください。

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メーデーとは

メーデー(May day)とは、毎年5月1日に世界各地で開催している労働者の祭典です。もともとはヨーロッパで春の訪れを祝うお祭りでしたが、19世紀のアメリカで「労働状況改善を求め、労働者が声を挙げる日」となりました。

メーデーの社会的影響は大きく、ヨーロッパをはじめ世界各地に広がります。現在は労働者の日として、各地で集会やパレードを行うのが慣例です。

メーデーが祝日になっている地域は多い

メーデーはアメリカのほか、社会主義国やヨーロッパ、ラテンアメリカ、ASEAN諸国など、多数の国々で祝日となっています。当日は労働者団体による集会やデモなどのほか、人々が集まり歌やダンスを楽しむこともあるようです。

メーデーは、労働組合が中心となって開催されています。労働組合の役割を詳しく知りたい方は「労働組合がないことによるデメリットって?」のコラムで詳しく紹介しているため合わせてご覧ください。

メーデーはほかの意味を指す場合もある

メーデーは、労働者の祭典のほかに異なる意味を持つ場合があります。
船舶や航空機の遭難信号で「メーデー・メーデー・メーデー」と3回繰り返すときは、緊急事態を知らせる言葉です。遭難信号における「メーデー」は世界中で使われており、「助けに来てほしい」という意味のフランス語の「ヴエ・メデ(venez m’aider)」が語源です。英語圏で分かりやすいよう、労働者の祭典と同じMaydayと表記するようになったといわれています。
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メーデーが日本で祝日にならない理由

世界各国でメーデーが祝日となっているのに対して、日本で祝日ではない理由に2つの説があります。

5月1日は日本では大型連休中にあたるため

祝日にならない1つ目の説としては、メーデーにあたる5月1日はゴールデンウィーク中であることが関係しているといわれています。5月1日も祝日にすると連休がさらに長くなり、経済活動が停止してしまうと懸念されているためです。

勤労感謝の日があるため

2つ目は、11月23日に勤労感謝の日があるためです。内閣府の「国民の祝日について」によると、勤労感謝の日は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」と定められています。メーデーと趣旨が似ているため、メーデーは祝日にならないといわれているようです。

参照元
内閣府
「国民の祝日」について

メーデーの起源と歴史

労働者の祭典としてのメーデーの起源は、19世紀アメリカに遡ります。以下で、メーデーの歴史を詳しく見ていきましょう。

現在のメーデーの起源は19世紀アメリカ

労働者の祭典として最初のメーデーは、1886年5月1日に第1回大会がアメリカのシカゴで開催されました。労働者たちが8時間労働制を訴えたのが始まりです。12~14時間労働が当たり前だった時代、労働状況の改善を求めて35万人もの労働者が結集し、大規模なストライキを敢行しました。

しかし、労働時間の改善は見られなかったため、毎年5月1日に労働者たちが集結し、声を挙げるようになったといわれています。

アメリカの就職事情が気になる方は「ちょっと気になる海外の就職事情とは?日本との違いを解説」にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

世界各地に広がるメーデー

1889年、パリで社会主義・労働者連合の国際組織である第二インターナショナル(国際社会主義者大会)が発足されます。アメリカのメーデーが「8時間労働の実現を目指す活動」と承認されたのをきっかけに、メーデーは世界各地に広がりました。

当時の第一次世界大戦に影響を受け、メーデーは労働時間だけでなく戦争反対運動の側面も持つようになります。なお、第二次世界大戦で一度衰退を見せるものの、現在では80ヵ国もの国々で定められている労働者の祭典です。

メーデーと労働者の日(レーバーデー)の違いは?

メーデーと似た祝日の労働者の日(レーバーデー)があります。メーデーと労働者の日の違いは、前者が労使交渉を中心としているのに対し、後者は労働者の社会的・経済的貢献をたたえるのが目的です。労働者の日は、イベントを楽しむのがメインになっているようです。

また、労働者の日は毎年9月の第一月曜日に制定されている祝日で、1882年9月5日のニューヨークで労働環境改善を訴えるパレードが行われたのがはじまりです。なお、1894年にアメリカで正式に労働者の日が成立しました。

元々は、パレードで労働組合の団結精神を表現していましたが、最近では薄れているようです。現在は、主に各地でスポーツや芸術イベントが開催されたり、家族でピクニックやバーベキューなどを楽しんだりする祝日となりました。

適切な労働時間の設定は、労働者の生活を守るために重要です。「所定労働時間とは?8時間以上はアリ?賃金や残業代の計算方法も解説」では、メーデーで勝ち得た8時間労働の基準に関して詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

現代日本でのメーデーと歴史

アメリカでメーデーは1886年5月1日に第1回大会が開催されましたが、日本では1920年5月2日に第1回大会が開催されています。現代日本のメーデーと歴史上有名なメーデーは、以下のとおりです。

現代日本でのメーデー

連合(日本労働組合総連合会)では、毎年4月下旬頃、主に平和や人権を守る運動としてメーデー中央大会を開催しています。参加者は、毎年40,000〜50,000人にのぼるようです。

東京の代々木公園をメインに全国500以上の会場で開催されており、ステージショーや子どもの遊び場を設けるなど家族で楽しめるイベントへ変化しました。

かつては統一メーデーと呼ばれる、複数の労働組合による大規模な集会が催されていました。しかし、参加者減少により、1989年を最後に行われなくなります。労働組合の全国中央組織の再編成があったため、連合(日本労働組合総連合会)・全労協(全国労働組合連絡協議会)・全労連(全国労働組合総連合)がそれぞれでメーデーを開催するようになりました。

日本の歴史上有名なメーデーは?

日本のメーデーは1920年5月2日の上野公園で第1回大会が行われたのが始まりですが、歴史上有名なメーデーは、1946年第17回大会の「食糧メーデー」と1952年第23回大会の「血のメーデー」です。

食糧メーデーは、終戦後の食糧不足が反映された大会で「働けるだけ食わせろ」というスローガンのもと、全国で100万人もの人が集まったといわれています。
一方、血のメーデーは皇居前で労働者によるデモ隊と警官隊が衝突し、死者や負傷者が出たため「血のメーデー」と名づけられた大会です。当時の政府によるサンフランシスコ平和条約、日米安全保障条約締結への抗議の意味合いが強いとされています。

メーデーと春闘の違いは?

メーデー同様、労働者に関するイベントとして、日本には春闘(春季生活闘争)があります。メーデーがデモや集会を通じて国へアピールするイベントに対して、春闘は複数の労働組合が団結して企業と交渉し、実質的な成果を得る活動を行っているのが大きな違いです。

春闘とは、労働時間や賃金引き上げの交渉、育児や介護をしながら働きやすい仕組みづくりを目的に、日本労働組合総連合会(連合)が企業へ労働状況改善要望を出す労働運動のこと。
まず大企業から回答を得たあと、中小企業にも要望を出すのが流れです。連合が12月に方針をまとめたうえで、2月に企業へ要望を伝えます。それに対し3月に企業から回答があり、4月の新年度までには、労働状況が改善できる仕組みです。

新年度の労働状況改善へ向けた活動のため、春闘と呼ばれるようになりました。

春闘は、賃金のベースアップに重要な役割をはたしています。定期昇給とベースアップの違いに関して知りたい方は「定期昇給ってなに?平均上昇率とアップに有効な方法とは」のコラムを参考にしてください。

日本でのメーデーは近年下火になりつつある

現在の日本で、メーデーは下火になりつつあるといわれています。理由の一つは、SNSにより個人で情報発信しやすくなったためです。メーデーは、現在の日本では徐々に時代にそぐわないものになっているのでしょう。

しかし、かつてメーデーで訴えた「労働時間短縮」や「最低賃金法の制定」などが、現在の労働者の待遇改善へ大きく貢献したのは事実です。メーデーは、労働者の歴史のなかで重要な役割をはたしてきた活動といえるでしょう。

現在の日本では、働くうえで何か問題が起きたときには企業や上司に相談するのが一般的です。相談しても問題解決の糸口が見つからなければ、転職を考えるのも一つの手。
また、転職を考える段階で、自分が希望する勤務条件や待遇が叶うかどうかの確認も重要です。

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メーデーに関するFAQ

ここでは、メーデーに関する疑問と回答をまとめています。

メーデーとは何ですか?

メーデーとは、世界各地で毎年5月1日に開催している労働者の祭典です。
多くの国では祝日ですが日本では違うため、なじみが薄い人もいるでしょう。しかし、日本でも労働組合ごとに労働環境改善を訴えるイベントが行われています。労働組合に関して知りたい方は「労働組合がない場合の対処法をご紹介!加入のメリットやデメリットも解説」をご参照ください。

メーデーは日本も祝日にあたりますか?

日本でメーデーは、祝日ではありません。
5月1日はゴールデンウィーク中であり、似たような意味の勤労感謝の日があるため、祝日にならない主な理由とされているようです。祝日と仕事で長期休暇をとる際のお悩みに関して「長期休暇を取得しづらい理由は?休みを取りやすい業界や仕事と合わせて解説」のコラムで説明しています。気になる方は、こちらもご参照ください。

メーデーと春闘は何が違うのですか?

メーデーと春闘の違いは、前者がイベントであるのに対し、後者は労使交渉としての性質が大きい点です。
日本のメーデーは労働組合主催でイベントの意味合いが強いのに対し、春闘は労働組合が企業に要望を出し、実際の労働環境改善を図ります。春闘のほうが、より労働環境改善のための具体的な活動といえるでしょう。労働組合に関して「労働組合とは何?会社での存在意義や加入方法を分かりやすく解説」のコラムで紹介しています。

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