「伺わせていただく」は間違っている?

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この記事のまとめ

  • 尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類の敬語をおさらい
  • 「伺わせていただく」は一般的に使われているが正しい敬語ではない
  • その他、間違えやすい敬語と正しい敬語をご紹介
  • 自分の言葉遣いが正しいかわからなかったら就活アドバイザーに聞いてみよう

敬語とは、相手に対して敬意を表すために使う言語表現です。一般的に尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類に分類されており、きちんと使い分けることができれば、「真面目」、「礼儀正しい」、「社会人になる準備ができている」などの良い印象を与えることができます。ですので、普段から正しい敬語を使えるように、今のうちにおさらいしておきましょう。

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◆敬語をおさらいしよう

  • まずは敬語の基本である、尊敬語、謙譲語、丁寧語について解説します。基本をおさらいして面接でも活かせるようにしましょう。

・尊敬語

尊敬語は、目上の相手に敬意を表し、相手を立てるために使用する言語表現です。
面接時の面接官や会社の上司、取引先の方などが使う対象になります。使い方は、動詞に対して「れる」、「られる」などの言葉を付け加えることです。
また、動詞に「お」や「ご」を使用する場合は、「れる」、「られる」は使用しません。例えば、「話す」という動詞を尊敬語で表現すると「社長が話される」、または「社長がお話しになりました」といった風になります。
他にも「来る」という動詞を尊敬語にすると、「おいでになる」、「お越しになる」、「お見えになる」などの表現になり、「社長がおいでになります」といった風に述べることができます。

・謙譲語

謙譲語は、自分がへりくだることで間接的に目上の相手を立てる言語表現です。
尊敬語と区別がつけにくいため難しく思われがちですが、この2つが見分けられるようになれば正しい言葉遣いができるようになるでしょう。
謙譲語と尊敬語の見分けるポイントは、主体となる対象の違いです。
「私が、お迎えにあがります」のように自分が主体となるのが謙譲語、「相手が、いらっしゃいます」のように相手が主体となるのが尊敬語と覚えるとわかりやすいでしょう。
なので、「申し上げる」、「参る」、「させていただく」といった謙譲語を「お客様が申していました」や「相手が参られました」のように相手の行為に対して使うのは間違っています。

・丁寧語

丁寧語とは、言い回しを丁寧にすることで相手に敬意を表す言語表現です。先輩や知人など、上下関係に関係なく使われており、尊敬語を使うには少々大げさになってしまう間柄の方に利用されています。
使い方は、語尾に「です」や「ます」、名詞に「お」、「ご」をつけるのが特徴。特に「お」は訓読みの名詞に、「ご」は音読みの名詞に使用します。
例えば「お」はお電話、お時間、お車、お手伝いなど。「ご」はご在宅、ご登録、ご心配、ご返事などです。
また、「ございます」は謙譲語だと誤解されやすいですが、これも丁寧語の一つです。「お時間はございますか?」や「ご在宅でございますか?」は正しい表現なのです。

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◆「伺わせていただく」は正しい敬語?

「伺わせていただく」という言葉は、正しい敬語なのか?と疑問に思う方は少なくないでしょう。
実際「伺わせていただく」というフレーズはよく使われており、仕事をしていると「お伺い致します」、「お伺いさせていただきます」といった言葉をよく耳にします。
一般的には定着している敬語なので違和感を持つ方が少なくなってきていますが、どれも正しい敬語ではありません。
「伺う」という言葉は、それだけで敬意を表現できる謙譲語です。冒頭に「お」をつけたり、「致します」や「いただく」などの謙譲語をつけると二重敬語になってしまいます。
冒頭に「お」を付けないと丁寧さに欠けると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、シンプルに「伺います」と伝えるのがベストなのです。
二重敬語だから絶対に使ってはいけない、という訳ではありませんが、あまりにも気を使いすぎると却って「敬語が使えない」と思われてしまうので注意しましょう。
また、「お伺いさせていただきます」という言葉は、「サ入れ言葉」と言う、よくある間違いの一つ。
「させていただく」という言葉自体が過剰表現になりやすいので、「話させていただきます」、「行かさせていただきます」、「送らさせていただきます」など、おかしな敬語を使わないよう気をつけましょう。

◆その他の間違えやすい敬語

敬語は社会人としての基本です。ですが敬語というものは紛らわしかったり間違えやすかったりして、気付かずに間違った敬語を使ってしまっていることがあります。こちらでは間違えやすい敬語をいくつかピックアップしたので、今のうちに正しい敬語をおさらいしましょう。

・「ご苦労さまです」
「ご苦労さま」は、目上から目下に対してかけるねぎらいの言葉です。目上の方に対して用いるなら「お疲れさまです」が適切でしょう。

・「了解しました」
「了解」は同僚、もしくは目下に対して使う言葉です。尊敬語ではないので、目上の方やお客様に対して用いるのは失礼に当たります。
「しました」をつければ丁寧語になりますが、「承知しました」、「かしこまりました」を使ったほうが無難でしょう。

・「しばらくぶりです」
「しばらくぶりです」も、同僚もしくは目下に対して使う言葉です。「お久しぶりです」なら相手の立場に関係なく使えますが、大分くだけた表現なので目上の方に使うのはやめておきましょう。
敬意を表すには「ご無沙汰しておりました」と言うのがオススメです。

・「いつもお世話さまです」
「お世話さまです」は、「ご苦労さま」と同じで、目上の方に対して使うのは失礼に当たります。
お世話になった相手に対して敬意を表す言葉にしては敬意は軽いので、「いつもお世話になっております」と言いましょう。

・「ご一緒します」
一見問題なさそうですが、「一緒」という言葉は対等な関係を表すものです。
目上の方に対して使用するのは失礼に当たるので、「お供いたします」、「お供させていただきます」が正しい返事の仕方です。

・「大変参考になりました」
「参考」という言葉は、「自分の考えを決める際の足しにする」という意味を持っています。
そのため、目上の方に使うのは失礼なので、「大変勉強になりました」と返すのが無難でしょう。

・「すいません」
「すいません」や「すみません」は、謝罪の気持ちを表す表現ですが、口語として定着したくだけた言い方です。
目上の方に使うと失礼に当たるだけでなく、ビジネスシーンでは使うことさえNGだという意見もあります。「申し訳ございません」や「恐れ入ります」が正しい敬語です。

・「私には役不足です」
「役不足」とは、自分に相応しくない仕事を与えられ、満足できない時に不満を表すために使う言葉です。
与えられた仕事に対して充分な能力が足りていない、ということを言いたいのであれば「力量不足」、または「私には力不足です」が正しい表現です。

・「わが社」
「わが社」とは社内で使われる言葉で、敬語ではありません。社外で使ってしまうと、偉そうな印象を与えてしまうので注意が必要です。
対外的には「弊社」及び「当社」を使い、それぞれの場面に応じて使い分けましょう。

・「なるほどですね」
「なるほどですね」とは「なるほど、そうですね」の省略形の言葉です。
相手に納得した気持ちを表すためについつい使ってしまいますが、「なるほど」という言葉自体は目下の人に使うものです。
ですので、目上の方に使ってしまうと少々見下しているように思われてしまいます。目上の方やお客さまには「おっしゃる通りですね」などと返すと良いでしょう。

・「おわかりいただけたでしょうか」
「おわかりいただけたでしょうか」とは、「わかりましたか?」という意味なので、目上の方に対して使うのは失礼な表現です。
同僚や目上の方を試したり、評価したりしているような印象を持たれてしまうので、できることなら「ご理解いただけたでしょうか?」や「ご質問はありませんか?」などを用いるのが適切です。

・「お座りください」
「お座りください」は、「座ってください」の尊敬表現なので、敬語として間違ってはいません。
しかし、犬の「おすわり」を連想させてしまう言葉なので、ビジネスシーンでの使用はNGです。同じ意味を持つ「お掛けください」と言うのが無難でしょう。

・「どちら様でしょうか」
「どちら様でしょうか」は、相手が誰かを確認するための言葉として使われており、丁寧な印象があります。しかし、実際は「誰ですか?」と直接的に聞いているのとまったく変わらない言い回しので、目上の方には大変失礼な表現なのです。
お客さまには使用しないように注意し、「お名前を聞かせいただけますでしょうか?」などと伺いましょう。

・「どうしますか」
「どうしますか」は、日常会話で使用する分には問題ありませんが、「どうする」という言葉には敬意が含まれていません。
ですので、目上の方には使わないほうが良いでしょう。「いかがなさいますか」や「いかが致しますか」が適切です。

・「させていただいております」
「させていただく」という言葉は、相手から依頼されたり、許可を受けたり、相手の要望を受けたりする場面で使われます。
「紹介させていただきます」や「ご案内させていただきます」など、様々なシーンで利用されていますが、頼んでもいない状況で「紹介させていただきます」と言われると少々強引な印象になってしまいます。この場合、「紹介いたします」だけで十分です。

◆面接を突破するためにも、正しい敬語を身につけよう!

敬語は社会人として働く上で絶対に必要とされるビジネスマナーの基本です。
採用面接や企業説明会だけでなく、様々なビジネスシーンで求められるので、正しい敬語を使えるように普段から言葉遣いに気をつけてみましょう。
また、自分の言葉遣いが正しいかわからない場合は、ハタラクティブの就活アドバイザーに聞いてみるのもオススメです!専任のアドバイザーが正しい敬語をしっかりレクチャーいたします。

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