就職氷河期とはいつのこと?世代の特徴や受けられる支援を解説!

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この記事のまとめ

  • 就職氷河期とは、バブル崩壊で就職難となった1993~2005年ごろまでを指す言葉
  • 就職氷河期世代は非正規社員が多いため、年収も低い傾向にある
  • 就職氷河期世代は「仕事に対してストイック」「資格やスキル重視」といった特徴がある
  • リカレント教育やハローワークへの専門窓口の設置など、支援プログラムも拡充している
  • キャリアに自信がない就職氷河期世代は、不安になり過ぎないのが就職成功のコツ

就職氷河期という言葉は聞いたことがあるものの、いつのことなのか、その世代の年齢が何歳なのか、具体的には知らない人が多いのではないでしょうか。このコラムでは、就職氷河期の意味や世代の特徴、支援プログラムなどを解説。また、就職氷河期の就職事情や、その世代が抱える問題についてもまとめました。就職氷河期世代を採用すると企業側にもメリットがあるので、正社員の経験がない人も不安になり過ぎないようにしましょう。

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就職氷河期とは

就職氷河期とは、バブル崩壊に伴う景気の悪化により、就職が厳しくなった時期のことです。
不況の影響で企業が新卒採用の人数を減らし、その結果、新卒で就職できない学生が増加しました。この世代が「氷河期世代」と呼ばれています。

就職氷河期の時期はいつ?

バブル経済が崩壊した1993年から2005年ごろまでを指します。1994年には、その年の世相を表す「新語・流行語大賞」の審査員特選造語賞に選ばれるなど、時代を象徴する言葉といえるでしょう。
また、リーマンショックを契機として2008年前後に訪れた就職難は、「新就職氷河期」と呼ばれることがあります。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で新卒の内定取り消しが増えたことから、2021年からは「第二の就職氷河期」が懸念されているようです。

就職氷河期世代とは?

就職氷河期世代は、高卒の場合は1975〜1985年生まれ、大卒は1970〜1980年生まれの人たちといわれています。つまり、30代後半〜50代前半の人です。
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就職氷河期世代の特徴

就職難の時代に社会人となった就職氷河期世代は、入社後1日でも早く戦力となることを求められました。しかし、企業側に十分な教育コストをかける余裕はなく、自力で成長せざるを得なかったという背景があります。このことから、就職氷河期世代には、以下のような特徴があるようです。

仕事への考え方が厳しい

企業の採用人数が少ないため、「少数精鋭」で仕事を任された就職氷河期世代。仕事に対して厳しい人が多いといわれています。上司や先輩から丁寧に仕事を教えてもらう機会が少なかったので、自分で勉強し、先輩の背中を見て仕事を覚えたという人も多いです。また企業側も「成果主義」の傾向を強めたので、「結果を出さなければ意味がない」とストイックになる人も多いと考えられます。転職市場では「就職氷河期世代は優秀」ともいわれているようです。

資格を取得する人が多い

就職に苦労した経験から、「手に職をつけよう」「資格を取得してスキルを高めよう」という考えの人が多い傾向にあります。非正規社員から正社員を目指すために資格を取得したり、会社が倒産しても転職できるようにスキルを身につけたりした人が多いようです。そのため、就業機会に恵まれなかったものの、高い専門スキルを持つ人もいます。

節約志向が強い

前述のとおり、就職氷河期世代は年収が低い傾向にあることから、節約志向の人が多いといわれています。当時は、大手証券会社の倒産や、メガバンクの経営統合といったニュースもありました。また、両親がバブル崩壊のあおりを受けたという人もいます。そのため、いつ何が起きるか分からないと実感し、節約・貯蓄を重視する人が多いようです。

就職氷河期世代を採用するメリット

就職氷河期世代を採用すると、企業側にもメリットがあります。就職氷河期世代には企業に貢献できる特徴があり、採用すれば助成金が支給される場合も。以下のメリットを確認して、自信を持って選考に臨みましょう。

忍耐力や対応力がある

就職氷河期世代は忍耐力があるといわれています。アルバイトや派遣社員などで希望と異なる待遇・職種でも耐えてきた経験があるからです。
また、企業の経営状態や社会動向によって、異動や転職を何度か経験している人も多く、変化に対応する能力が高い傾向にあります。
そのため、40代〜50代でも新しい職場や業務に馴染みやすく、早期離職もしにくいようです。

即戦力になりやすい

前述のとおり、就職氷河期世代には手に職をつけようという人が多いため、専門スキルを要する仕事で即戦力になれる可能性があります。また、10年以上の社会経験があるので、ビジネスマナーや基本的なPCスキルなどは身についている人が多いです。さらに、仕事に対して厳しい姿勢を持ち合わせているため、採用後の活躍が期待できるでしょう。

バブル世代とゆとり世代の橋渡しができる

競争の時代に活躍してきたバブル世代と、個性を尊重する時代に育ったゆとり世代は、仕事のやり方や人付き合いの仕方が大きく異なります。バブル世代の時代にはインターネットもパソコンもなく、コミュニケーション能力や営業力で仕事を獲得していました。一方、ゆとり世代はITスキルが高く、分からないことがあれば先輩社員に聞くよりも自分で検索するといった合理的な性質があります。
この2つの世代の中間に位置するのが、就職氷河期世代です。アナログとデジタルの両方の時代を知っている就職氷河期世代が、異なる世代の溝を埋めるのに適しているでしょう。
バブル世代やその他の世代について「バブル世代とのジェネレーションギャップはコミュ力が鍵」のコラムで詳しく紹介しています。

助成金が受け取れる

就職氷河期世代を採用した企業には、特定求職者雇用開発助成金が支給される場合があります。この助成金は、35歳以上~55歳未満の就職氷河期世代を正規雇用した企業に支給されるものです。
支給条件として、ハローワークや民間の職業紹介事業者などを利用していること、過去5年以内に正規雇用で働いた期間が通算1年以下であること、などがあります。

その他の助成金

就職氷河期世代のみを対象にした制度ではないですが、上記以外にも助成金があります。たとえば、職業経験が少ない55歳未満の人を対象に、無期雇用での採用を目的として、3カ月の試用雇用を行うと支給される「トライアル雇用助成金」。そのほか、従業員のキャリアアップ・職場定着を目指して人材育成を行う企業に支給される「人材開発支援助成金」、非正規社員の正社員化または処遇改善を行う事業主に向けた「キャリアアップ助成金」などもあります。

就職氷河期世代が抱える問題

就職氷河期世代は、非正規雇用で働く割合が高く、年収も低い傾向にあります。また、晩婚化が進んだため、育児・介護と仕事を両立させなければならないという問題もあるようです。

非正規雇用が多い

内閣府の「第2章 人口減少時代における働き方を巡る課題(第2節)」によると、就職氷河期世代は新卒時の就職率が低く、30代になっても非正規雇用の割合が高いようです。下図のように、ほかの世代の新卒に比べて、氷河期世代は大卒が10.4%、高卒は7.2%も就職率が低いことが分かります。

新卒の就職率大卒高卒
就職氷河期世代69.7%70.9%
1985年~2019年(就職氷河期を除いた)80.1%78.1%

引用:内閣府「-人口減少時代の持続的な成長に向けて-

さらに、男性の正規雇用者の割合が、その他の世代に比べて10%ほど低いことも分かっています。新卒時にフリーターや派遣社員などの非正規社員になった人が多いため、30代になってもキャリアが積めず、非正規社員として働き続けている人が多いと考えられるでしょう。
日本人の平均収入の実態を紹介!手取りとの違いや年収を上げる方法も解説!」のコラムでは、正社員と非正規社員の平均収入を比較していますので、こちらも併せてご覧ください。

参照元
内閣府
-人口減少時代の持続的な成長に向けて-

就職氷河期と現在の就職事情の違い

前述のとおり、就職氷河期の就職率は大卒が69.7%、高卒が70.9%でした。
厚生労働省の「令和4年3月大学等卒業者の就職状況(1p)」によると、2022年3月に卒業する人の就職率は、大卒が95.8%。また、「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況(1p)」によると、高卒の就職率は99.2%です。このことから、現在のほうが就職しやすいことが分かります。

 

参照元
厚生労働省
令和4年3月大学等卒業者の就職状況
厚生労働省
高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況

年収が低め

国税庁の調査「平均給与」によると、好景気時代(バブル期)と就職氷河期では、給与の伸び率が大きく異なります。1989年から1990年にかけての給与の伸び率が5.7%なのに対し、1994年から1995年にかけては0.4%に落ち込みました。
この影響から、就職氷河期世代はバブル世代に比べて年収が平均的に低く、生涯年収も低いといわれています。また、非正規社員の期間が長い人ほど、将来もらえる年金の額も少なく、老後の生活も不安定になりやすいでしょう。

参照元
国税庁
民間給与実態統計調査

働きながら介護や育児をしている人が多い

就職氷河期世代は非正規社員期間が長い人が多く、晩婚化が進みました。そのため、30代~50代の働き盛りといわれる時期に、育児をしている人が多いようです。また、就職氷河期世代の親は団塊の世代です。団塊の世代は2025年から75歳以上の後期高齢者になります。育児をしながら共働きをする世帯が多いことに加え、介護という新たな問題も抱えることになるでしょう。

就職氷河期世代の支援プログラムとは

2019年6月、政府は「就職氷河期世代支援プログラム」として、3年間の集中プログラムを策定しました。新卒時、希望の就職ができなかった就職氷河期世代が、現在も非正規社員や無職といった不本意な状態にあることを問題視し、支援を強化しようと打ち出したものです。就職氷河期世代の支援プログラムについて解説していきます。

専門の窓口で就職支援を強化

ハローワークに就職氷河期世代の専門窓口を設置し、専門の担当者が相談から職場定着までをサポートしています。対象者は、概ね35〜54歳で、正社員の就職を希望する人です。書類作成や面接指導、求人紹介を行い、就職後に不安や悩みがあれば相談もできます。

正規雇用に役立つリカレント教育

リカレント教育とは、「学び直し」ともいわれており、社会人がスキルを磨くために再び学校へ通うことを指します。就職氷河期世代に向けても、正社員を目指すためのリカレント教育が整備されているようです。非正規社員として働きながら資格取得ができる短期集中型の講座や、実務に役立つ職場実習などもあります。条件を満たせば、教育訓練給付金やキャリア形成促進助成金の活用も可能です。

採用企業側のメリット増加

選考を兼ねた社会人インターンシップが拡充されたため、入社後のミスマッチを防ぎやすくなったのは企業側にとっても良い点です。また、就職氷河期世代を採用した場合に各種助成金が支払われるといったメリットもあります。また、このプログラムを活用して良い事例を作ることで、企業のイメージアップにつながる効果も期待できるでしょう。

民間と連携した就職支援

就労が不安定な人に向けて、民間の事業者に委託して、教育訓練・職場実習を行うのも支援プログラムに盛り込まれています。ハローワークの支援と、民間事業者の支援を組み合わせて、就職氷河期世代が安定した職業に就けるように支援することを目指しているようです。
たとえば、農業、漁業、建設業、宿泊業などの研修や就業体験を民間事業者が実施しています。

個人の状況に合わせた支援の拡充

自分からハローワークや支援機関に行けない人のために、職員が出向くアウトリーチ型の支援も強化しています。たとえば、「ひきこもり地域支援センター」や「地域若者サポートステーション」の支援員が、自宅に行って信頼関係を作り、就職支援を進めるという取り組みです。アウトリーチ型支援のほか、地域社会とのつながりを作るために、企業やNPO、地域包括支援センターなどが連携して自立をサポートするといった支援の輪も広がっています。

国が制定した、その他のキャリアアップ制度は「キャリアアップする方法とは?具体的な描き方や助成金システムなども解説」のコラムで確認してみてください。

参照元
内閣官房
就職氷河期世代支援プログラム

国家公務員として働く

「就職氷河期世代支援プログラム」に基づいて、就職氷河期世代の方に向けた国家公務員の中途採用があります。人事院の「政府における就職氷河期世代の国家公務員中途採用の方針について(19p)」によると、就職氷河期世代の方の意欲や能力を活かし、組織の活性化を図る観点から積極的に採用に取り組んでいるようです。国家公務員と聞くと堅い職業というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、「育児短時間勤務」や「テレワーク」などを進めており、将来を見据えた働き方ができるといえます。

 

参照元
人事院
2022年度 国家公務員 中途採用者選考試験(就職氷河期世代)

就職氷河期世代が就職に成功するコツ

就職氷河期世代が就職に成功するためには、自分に自信を持つことや、就職支援サービスの利用といったコツがあります。就職氷河期世代を対象とした求人もあるので、「まずは成功体験を積みたい」という人は挑戦してみるのも良いでしょう。

自信を持って選考に臨もう

就職氷河期世代のなかには、「正社員の経験がない」「転職回数が多い」といった理由から、自信をなくしている人もいるようです。しかし、就業機会に恵まれなかっただけでスキルが高い人も多く、忍耐力や対応力に優れています。仕事への姿勢が厳しいために、自分を過小評価していることも。自分では「仕事に役立つスキルではない」と思っていても、応募先企業では評価されることもあります。不安になり過ぎないようにしましょう。

就職氷河期世代に向けた求人に応募しよう

ハローワークでは、「就職氷河期世代歓迎」「就職氷河期世代限定」と書かれた求人を紹介しています。このような求人では、企業側も正社員の経験が少ないことや、年齢が35歳以上であることを承知しているので、採用される可能性が高いでしょう。
募集条件に「就職氷河期世代」と明記できるのは、ハローワークで紹介する求人のみです。正社員の経験がない人は、まずは職歴を作るために挑戦してみるのも良いでしょう。

就職エージェントを利用しよう

正社員就職に自信がない人は、就職エージェントを利用しましょう。就職エージェントは、自己分析や書類作成、面接対策といった、就職に関するさまざまなサポートを行う民間機関です。専任の担当者がカウンセリングから内定後のフォローまで伴走してくれます。
さらに、求人紹介やスケジュール調整、応募先企業とのやり取りも代行してくれるので、就職活動に慣れていない人でも安心です。アルバイトや派遣社員などで働きながら正社員就職を目指したい人にとっては、効率的に就職活動ができる点がメリットでしょう。
就職エージェントを利用するメリットは「就職エージェントとは?活用するメリットやデメリットを知ろう」のコラムでも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

「キャリアに自信がない」「アピールできるスキルがない」と悩んでいる人は、ハタラクティブに相談してみませんか。ハタラクティブは、社会人経験が少ない方を対象にしている就職エージェントです。そのため、「未経験歓迎」「経歴不問」の求人を豊富に有しています。
また、専任のアドバイザーがあなたの強みやスキルを見出し、選考でどのようにアピールすれば良いかをアドバイス。応募先企業に合わせた面接対策も行うので、自信を持って就職活動を進められるでしょう。ぜひお気軽にご相談ください。

就職氷河期世代の悩みや疑問を解消するQ&A

ここでは、就職氷河期世代が就職するうえで抱えている悩みや疑問をQ&A方式で解消します。

就職氷河期とはいつのこと?

就職氷河期は、バブル経済が崩壊した1993年から2005年ごろまでの就職難の時期を指します。一般的に1970〜1980年生まれの年齢の方です。バブル崩壊により景気が悪化し、従業員を解雇から守る代わりに、新卒採用者数が削減されました。

氷河期世代でも就職できた人の特徴は?

幅広く求人を探し、就活に前向きな人が多いようです。就職氷河期世代は新卒時に就職失敗を経験した人が多く、不採用になると落ち込んでしまう傾向がありますが、「自分に合わなかっただけ」とポジティブに考えましょう。また、条件を絞り過ぎずに幅広く求人を探し、主体的に行動するのも大事です。「就活に成功する人と失敗する人の特徴!自分はどちらかチェックしよう」のコラムで、就職に成功する人の特徴を解説していますので、ご覧ください。

フリーターの職歴の書き方は?

応募先企業で役立ちそうな経歴を書きましょう。アルバイトは正式な職歴とは見なされませんが、正社員の経験がない場合は、フリーター経験で得たスキルをアピールする必要があります。職務経歴書には応募先企業で評価されそうなアルバイト経験を記載し、スキルや資格、リーダー経験なども入れると良いでしょう。「フリーターにも職務経歴書は必要?書き方の見本や作成のポイントをご紹介」のコラムで詳しく解説していますので、ご一読ください。

就活で評価される就職氷河期世代の特徴は?

仕事にストイック、スキル習得に意欲的、などが特徴です。「就職氷河期世代の特徴」で解説したとおり、就職氷河期世代はバブル崩壊を目の当たりにした経験があります。仕事での成果を重視し、企業の経営が傾いても自分の身を守るためのスキル習得に意欲的なのはそのためです。「自分の市場価値はどのくらい?転職時に求められるスキル」のコラムを読んで、今あるスキルを確認してみましょう。自分のスキルが見つけられないという方は、ハタラクティブにご相談ください。自己分析をサポートし、強みを見出します。

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