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ポスドクはやばい?問題点や就職事情について詳しく解説!
更新日
この記事のまとめ
- 欧米のポスドクはトレーニング期間だが、日本は任期付き非常勤で定着してしまっている
- 「ポスドク一万人計画」の対象者が、高齢ポスドクになってしまうケースもある
- ポスドクの中で研究にかかわる就職をした人は、わずか約13%
- 自分の研究に向き合い、将来性や進路をしっかり見据えることが大切
ポスドクとは、博士号を取得した人が、正規の研究員として活躍できるようになるまで任期付きの研究員として働くことを言います。自分の研究分野を活かして働きたい方が多いと思いますが、実際の研究職への就職率はどのような状況なのでしょうか?本コラムでは、ポスドクの就職問題や現状について、文部科学省のデータも参照しながら詳しく解説していきます。ポスドクの末路が気になる…という方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポスドクとは
ポストドクター、通称ポスドクとは、博士研究員のことを言います。博士号を取得後、大学などで任期付きで働いている研究者やその立場を指した言葉です。欧米では、ポスドクはトレーニング期間として浸透しており、任期を終えた後は正規の研究員としてそれぞれの研究を進めていくのが一般的とされています。日本では、院生と助教授の中間に位置づけられた任期付きのポジションであり、そこから正規の研究者になれるのは一握りと言われています。ポスドクが抱える社会的な問題については、「【ポスドク問題】有能な研究員が抱える社会的不安とは?」にもまとめているので合わせてご覧ください。
ポスドク問題
日本では、欧米と違って安定したキャリアパスが確立されていないのが現状のようです。博士課程(ドクター)修了者の数に対して、就職先である大学や研究機関、民間企業の研究員のポストには限りがあります。そのため、就職が困難な博士課程修了者が当面の進路としてポスドクを選択する傾向にあり、ポスドクは任期制の非常勤という不安定な雇用形態となっているようです。1997年に文部科学省が日本の研究技術を強化することを目的として施行した「ポストドクター等一万人支援計画(ポスドク一万人計画)」により、ポストドクターが急増しました。しかし、その当時の対象者が正規の研究員になれないまま50代以上の高齢ポスドクになってしまうケースも多く、ポスドクの就職難は深刻な状態と言えます。
博士課程修了者の就職については、「博士号の就職は厳しい?主な勤め先や就活を成功させる方法を紹介」で詳しくまとめています。また、博士課程を中退して就職しようか悩んでいる場合は、「博士課程を中退しても就職できる?就活を成功させる方法を詳しく解説!」を合わせてチェックしてみてください。
参照元
文部化科学省
大学分科会
ポスドクの将来性は?現状をデータで見てみよう!
次に、ポスドクの現状を見てみましょう。文部科学省科学技術・学術政策研究所の「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2018年度実績)」によると、2018年現在、日本のポスドクの全体人数はおよそ15,590人となっています。また、ポスドクの分野や現在の進路は、下記のとおりです。
分野
ポストドクターの分野は、最も多いのが約36.8%の理学、次点が約21.3%の工学です。ほかには、約17%の保健、約8.2%の農学、約6.9%の人文、約4.8%の社会などがあります。
進路
2019年にポスドクを継続している層は約71.2%、大学で教授やそのほかの研究開発職などに就職したのは約13%となっており、依然厳しい状況といえます。
参照元
文部科学省
科学技術・学術政策研究所ライブラリ
ポスドクとして研究継続か就職か
ポスドクの現状について触れていきましたが、いかがでしょうか。
このような実情を知ってしまうと、学部生の方は自分の将来について悩んでしまうかもしれません。
就活せずに大学院に進んだとしても、将来的に就活かポスドクかの選択を迫られるときが必ず訪れます。前述の通り、日本のポスドクの就職事情は厳しいのが現状です。自分のやりたいことが決まっていない場合、安易にポスドクへの道を選択することは、避けたほうがいいでしょう。まずは今続けようとしている研究に向き合い、自分が本当にやりたいことなのか、将来性はあるのかどうかを吟味することが必要です。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。