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人事異動の内示を断るのは難しい?断る理由やリスクを紹介
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この記事のまとめ
- 内示とは、辞令の前段階として人事の変更内容を該当者へ内々に伝えること
- 内示の段階であれば、正当な理由がある場合に限り断ることが可能
- 内示を断ることができる正当な理由は「契約書による勤務地固定」「介護や育児」など
- 正当な理由なく内示を断ると、会社や上司との関係性を悪化させるリスクがある
- 内示を断る前に人事異動のメリットについて考えてみることも大切
「人事異動の内示を受けたら断ることはできない?」と、疑問や不安を抱く方もいるのではないでしょうか。内示は会社からの指示のため基本的には従う必要がありますが、やむを得ない事情がある場合は拒否や交渉も可能です。
このコラムでは、内示の概要や断ることができる状況などを解説します。また、後半では正当な理由なしで内示を断るリスクや人事異動のメリットについても触れています。
人事異動の内示を断ることは可能?
人事異動の内示は、通達された時点で決定事項となっているため拒否できないと考えましょう。これは、内示が出ている時点で他部署との人事に関する話し合いがすでに進んでいるためです。
内示はあくまでも会社からの指示のため、雇われている従業員はその意向に沿う必要があります。ここではまず、内示の概要について理解しましょう。
内示とは
内示とは、人事に関する変更を該当する本人に対して内々に伝えることです。内示は人事に関する決定事項を早めに周知する目的で行われます。そのため、多くの企業では4月や10月に実施される人事異動の前に「内示」が出る場合がほとんど。内示は早ければ異動の2ヶ月前、遅くても2週間前までには発表されるようです。
内示はどうやって出される?
内示を出す方法は会社によって異なりますが、書面や口頭、メールなどが主な連絡方法です。書面の場合、「△年△月△日をもって下記の通り発令見込みにつき通知します」といった一文が書かれているのが一般的で、下部には変更する人事内容の詳細が示されます。口頭であれば、他社員がいない場で直属の上司から言い渡されることが多いでしょう。
内示の種類は3つに大別される
内示の種類は異動内示、昇進・昇格内示、昇給内示の3つに大別されます。どれも内示としての意味は変わりありません。しかし昇給内示に関しては、個別ではなく社員全員にまとめて通達される場合もあるようです。
辞令との違い
「内示」と「辞令」の違いは、「命令であるかどうか」です。「辞令」は転勤や部署変更、降格・昇格など人事に変化があったときに発令される業務命令で、基本的に断ることはできません。辞令を断ると懲戒解雇の対象になる恐れもあるため注意が必要です。また、辞令は社内掲示板に掲示されることが多く、社内の人間であれば誰でも知ることができます。
「辞令」が拒否できないのに対して、「内示」の場合は交渉が可能です。多くの企業では、内示の書面に異議申し立て期間を記載していることがほとんど。そのため、社員本人がやむを得ない事情を理由に内示を拒否したい場合は、その期間内に上司や人事に断りを入れられます。
ただし、「異動先に不満がある」「引っ越しが面倒」といった理由で断るのは認められないことが多いでしょう。そのため正当な理由が伴わないかぎり、納得がいかない場合でも内示取り消しは難しいのが実情です。
内々示とは
内々示とは、正式な内示の前に出す非公式な内示を指します。そのため、内々示は本来の内示日よりもさらに前に通達されるのが特徴です。「どうせ内示で通達が来るんだし、先に伝える意味はある?」と疑問に感じる人もいるかもしれませんが、引き継ぎや引っ越しの準備のため「早めに教えてあげよう」という会社側の配慮から行われるのが一般的でしょう。
打診とは
打診とは、ビジネスシーンにおいて「意向を確認する」「考えを伺う」といった意味で使われるのが一般的です。打診はあくまで「相手の意向を確認する目的」で行われるため、辞令や内示ほどの行使力はありません。
断るか悩んでいる方が知るべき企業が内示を行う理由
企業が「辞令」ではなく「内示」を通達する理由としては、「社員の退職を避けたい」「拒否事例を作りたくない」などが考えられます。それぞれについて下記で具体的に見ていきましょう。
社員が退職するリスクを防止したい
企業が内示を出す理由の一つに、社員が辞めるリスクを減らすことが挙げられるでしょう。社員の中には、病気や介護などで異動が困難な事情を抱えている人もいます。業務命令である辞令を出してしまうと、社員によっては勤続できないと考えて退職してしまう恐れも。しかし、企業が内示の形式を取ることで、正当な理由がある社員は人事異動を断ることができるようになります。
転勤拒否の事例ができるのを避けたい
企業が内示を出すのには、転勤拒否の事例ができるのを避けたい理由も考えられます。たとえば、人事異動の辞令を拒否した社員が会社にとって有益な存在だった場合、辞令の撤回を検討する必要が出てくる可能性も。しかし辞令を拒否できる前例を作ってしまうと、「業務命令を断れるなんて、うちの会社は大丈夫かな?」と社員に不信感を与えてしまう場合も。
また、「どうしても無理な場合は辞令でも拒否していいんだ」と捉える社員が出てくるリスクもあり得ます。内示であれば社員がやむを得ない事情で断ることができ、それらのやりとりも公にならずに済むため、企業は転勤拒否の辞令がでるのを回避できるでしょう。
内示を待つのではなく自分から望んで異動を申し出たいという人は、「異動願いを出すときのポイント!マナーと注意点」をチェックしてみてください。
人事異動の内示を断ることができる主な4つの状況
基本的に人事異動の内示は断ることができないといえますが、「勤務地が契約書に記載されている」「育児や介護で転居が難しい」「職権乱用と判断できる」といった正当な理由がある場合には、断ることが可能です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.勤務地が契約書に記載されている場合
雇用契約書に記載されている勤務地以外や違う職種への異動に関しては、契約違反となるため内示を断ることが可能です。たとえば「勤務地は大阪」と書かれているのに大阪以外への人事内示が出た場合、基本的には断ってOK。勤務地や職種が限定されている採用であれば雇用契約書にその旨が記載されているため、内示を断るか悩んでいる方は一度確認してみてください。
2.育児や介護で転居が難しい場合
「子供が病気を患っている」「介護が必要な家族と同居している」などの事情を抱えており、自分以外に家族の面倒を見る人がいない場合は、社員にとって不利益が大きくなる理由から人事異動の内示を断ることができます。
しかし、近年は企業内託児所や介護費用サポートといった制度が整ってきている企業も多く、転居の必要性や会社からの配慮などを総合的に検討して個別に結論付けるケースが多いようです。
3.職権乱用と判断できる場合
「気に入らない社員を困らせるために遠隔地へ転勤させる」「慣れない業務に就かせる」など、嫌がらせ目的と判断される人事異動の内示も拒否できます。ただ、会社側は「経験のため」「スキルアップのため」といった合理的な理由を挙げることが多く、このような場合は社員が不当性を立証して人事異動を断ることが難しいケースも少なくありません。
4.正社員でない場合
正社員でない場合は、異動を断ることが可能です。正社員は雇用の継続が確保されている代わりに、異動に応じる必要があります。しかしパートやアルバイトの場合は正社員に比べて雇用が安定していないため、人事異動を命じられることは少ないでしょう。
なお、パートやアルバイトでも雇用契約書に人事異動が起こり得るといった記載があれば、正社員と同様に基本的に拒否はできません。
角を立てずに内示を断るには?
前述したように、特別な理由もなく内示を断ることは基本的にできません。それでも、どうしても内示を拒否したいのであれば、「△△という理由があり、人事異動はできません」と理由を設けたうえでお断りを入れるのも一つの方法です。
「はっきり断ると、上司や会社との関係が心配…」という人は、「△△という理由があるので、この度の人事異動を再検討して頂けないでしょうか?」と控えめに交渉してみるのも良いでしょう。人事異動の内示や打診を断るかお悩みの方は、「人事異動したくない!打診されたときの対処法やメリットをご紹介」も参考にしてみてください。
正当な理由なく内示を断ることにはリスクもある
正当な理由がなく内示を断ると、会社や上司との関係性を悪化させる恐れがあるので注意が必要です。断り方次第では上司からの評価を下げ、降格や望まないポジションへの異動を言い渡されるリスクもゼロとはいえないでしょう。
そのため、正当な理由なく内示を断るのはおすすめできません。正当な理由なしに内示を拒否しようと考えているのであれば、それらのリスクを踏まえたうえで行動に移しましょう。
内示を通達されて「単なる異動ではなく左遷では?」と疑問や不安を感じている方は、「左遷と異動の違いを解説!希望していないのに命じられた際の対処法も紹介」もぜひ参考にしてみてください。
内示を断るのではなく「承諾する」と決めたらやること
内示を断るのではなく受け入れると決めたら、挨拶回りや業務の引き継ぎなどの準備を進めましょう。周囲への感謝や配慮を示し、誠実な対応に努めることが大切です。
挨拶回りをする
内示を断るのではなく受諾すると決めたら、少し時期を空けてお世話になった部署や上司に挨拶回りをしましょう。どうしても会えない場合はメールでも問題ありませんが、可能なかぎり会って挨拶をするのが社会人としてのマナーといえます。
内示の通達後すぐに挨拶に行くと、「もしかしてこの部署が嫌だったのかな?」というイメージを持たれる可能性もあるため、少し間隔を空けるのがおすすめです。
業務の引き継ぎを行う
周囲への挨拶が済んだら、自分が担当していた業務の引き継ぎをします。自分が異動したあとに業務を引き継いだスタッフが困らないよう、業務内容を分かりやすくデータ化したり、必要な書類をまとめておいたりすると親切です。周囲の負担をできるだけ軽減するべく、業務の引き継ぎは丁寧に行いましょう。
人事異動についてより詳しく知りたい人は、「異動希望はどのように出す?利用できる会社の制度や理由の例文を紹介」を参考にしてみてください。
内示を断る前に人事異動のメリットも考えてみよう
内示を断るか否か悩んでいる方は、内示を断る前に人事異動のメリットについて今一度考えてみると良いでしょう。
そもそも人事異動は、会社が社員の成長を促し、組織として最大限のパフォーマンスを実現できる適材適所の人員配置のために行われます。必ずしも転居が伴うわけではなく、課長から部長への昇進を見据えたうえで行われたり、営業から経理へ異動して「数字に強みのある営業」として成長させる意図があったりする場合も。
環境が変わることに不安を持つ人もいますが、異動した人の中には「自分の能力が拡大した」「人脈が広がった」「適性を見極められた」など、さまざまなメリットを感じる人もいるようです。不当な理由や異動できない理由がなければ、人事異動の内示を断るのではなく、自分の成長や将来を期待されているとポジティブに捉えてみるのも一つの方法といえます。
人事異動のメリットについては「人事異動・転勤の目的とは?メリットや拒否する際の注意点も紹介」でも詳しく紹介しています。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。