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自己都合退職の場合の退職金はいくら? 退職理由別の相場や計算方法を解説
更新日
この記事のまとめ
- 基本的に自己都合で退職する場合、退職金は支払われない
- 会社が退職金制度を採用していない場合は、退職金は支払われない
- 入社3年目以内に自己都合で退職する場合は、退職金が支払われないことが多い
- 退職金は、自己都合や会社都合などの「退職理由」と「勤続年数」で金額が変わる
「自己都合で退職して、退職金はもらえるの?」と、退職を考える際に疑問に思う方も多いでしょう。このコラムでは、退職金の制度や相場、計算方法について解説します。退職金については、会社ごとに定められている退職金規程を確認することが大切です。退職金の制度はどのようなものがあるのか、このコラムを参考に確認してみましょう。
自己都合退職では退職金は満額支給されないのが一般的
自己都合退職の場合、退職金は満額支給されないことが一般的です。退職金は勤続年数や業績に応じて支給されるため、自己都合退職になるとそのぶん退職金が減額されます。
退職金制度の詳細は各会社ごとに決められているため、自身の会社の退職金規程や企業年金規程を確認しましょう。
自己都合退職による減額率は会社ごとに異なる
一般的に退職金は、勤続年数が長いほど減額率が低くなり支給金額は大きくなります。会社は「できる限り長く働いてもらいたい」と考えているため、勤続年数が短いほど退職金の額を低くして、退職を遅らせる狙いがあるようです。
この「自己都合退職時の減額率」は、会社ごとに異なるため、所属する企業の退職金規程や企業年金規約をチェックしてみましょう。基本的には、勤続年数が短いと減額率は高く、勤続年数が長くなるほど減額率が低くなります。
いつから退職金がもらえるようになるのか気になる方は「退職金は何年目から出る?制度の種類と基礎知識を知ろう!計算方法も解説」をご覧ください。
会社によっては退職金制度がないところがある
会社によっては退職金制度を設けていないところがあります。そもそも、「会社が退職金を払わなければいけない」という法律はありません。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査(第16表)」によると、回答した企業のうち退職給付制度がある企業は74.9%、制度がない企業は25.1%という割合です。
これにより、多くの企業が退職金制度を採用しているものの、一部の企業では採用していないことが分かります。退職金制度を設けていない企業では、退職理由に関係なく退職金を払う必要がないため、自身の働いている企業が退職金制度を採用しているか確認しておきましょう。
参照元
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査
入社3年未満の自己都合退職ではもらえない場合もある
企業の退職金規定にもよりますが、退職金制度を採用していても、入社3年目以内で退職する場合は支給されないことがあります。これは、企業に貢献した期間が短か過ぎるためです。同様の規定を定めている企業は多くあるようなので、退職を決めてから「そんな決まりは知らなかった…」とならないようにしておきましょう。
ポイント:自社の退職金制度の有無を調べる方法
自社の退職金制度の有無は、就業規則や賃金規定で確認できます。退職金制度がある場合には、退職金規定として支払われる金額や支払い日などの詳細が記載されているはずです。記載がなく、調べられない場合は、総務部や人事部などに問い合わせてみましょう。
なお、会社に退職金の支払い義務はありません。そのため、会社の経営状況や社会情勢によって規定の内容が変わる可能性があります。既定の変更があった場合はその都度チェックしておきましょう。
退職金の相場はどれくらい?
退職金の相場は会社の規模や、退職理由によって異なりますが、一般的に自己都合退職の方が会社都合退職よりも退職金の金額は低くなる傾向にあります。
中央労働委員会「令和5年賃金事情等総合調査 調査結果の概要」では、退職金の平均金額が、定年退職の場合は1,878万3,000円、会社都合の場合は1,399万9,000円、自己都合退職の場合は487万5,000円となっています。
退職理由 | 退職金額 |
---|---|
定年退職 | 18,783,000円 |
会社都合退職 | 13,999,000円 |
自己都合退職 | 4,875,000円 |
なお、以下の表は、同調査に掲載されている会社都合で退職した場合の勤続年数別のモデル退職金についてです。モデル退職金は、学校を卒業したあとすぐ入社し、標準的に昇格する設定となっています。
勤続年数 | 大学卒 | 高校卒 |
---|---|---|
3年 | 696,000円 | 417,000円 |
5年 | 1,213,000円 | 769,000円 |
10年 | 3,057,000円 | 2,038,000円 |
15年 | 5,851,000円 | 3,965,000円 |
20年 | 10,216,000円 | 6,531,000円 |
25年 | 14,875,000円 | 10,626,000円 |
30年 | 20,545,000円 | 14,705,000円 |
35年 | 25,395,000円 | 18,532,000円 |
上記の表を見ると、勤続年数が長いほど退職金が高いことが分かります。これは会社都合退職に限らず、自己都合退職でも同じことです。2つの表からは、「勤続年数の長さ」「退職理由」によって、退職金が大きく変化することが読み取れます。
参照元
中央労働委員会
令和5年賃金事情等総合調査
ポイント:自己都合退職の場合、退職金はいつもらえるのか
退職金の支払い時期は、企業によって異なります。一般的には、退職から1〜2ヶ月ほどで支払われるようです。しかし、なかには2ヶ月以上掛かるケースもあります。
自分の勤める会社の退職金がいつもらえるか、正確な時期を知りたい方は、就業規則の退職金規程で確認しましょう。また、会社の総務部や人事部に聞いてみるのも方法のうちです。
自己都合退職の退職金の3つのもらい方
退職金の種類には「退職一時金制度」「企業年金制度」「前払退職金制度」があります。自己都合退職を考えている方は、所属している会社がどのような退職金制度を採用しているか確認してみましょう。
退職金の種類
- 退職一時金制度
- 企業年金制度
- 前払退職金制度
退職一時金制度
退職金のうち認知度が高いのが退職一時金制度といっても過言ではないでしょう。企業が一定金額を積み立てて運用している制度です。退職時にまとまった金額を支給されることが特徴で、金額には勤続年数や基本給などが反映されます。
企業年金制度
一括と分割のどちらかの受取方法を選択できます。分割を選択すると、長期に渡って支給されるため、老後の収入として受け取れるのが特徴です。企業の中には、退職一時金制度と企業年金制度を併用しているところもあります。
前払退職金制度
文字どおり退職する前に月々の給与に上乗せして前払いで支払われることが特徴です。
毎月の給与にプラスされるため、退職後に支払われることはありません。あくまでも退職金としての支払いである、という認識を忘れずに将来に備えて使用用途を明確にしておくことが大切だといえます。
退職金の種類については「退職金の平均額は?導入企業の割合や勤続年数・学歴別の違いをデータで紹介」でもまとめているので、あわせて参考にしてください。
ポイント:「退職金」と「退職共済金」の違い
退職金制度には、「退職金」と「退職共済金」の2種類があります。「退職金」は、会社から直接支払われるのに対し、「退職金共済」は、会社が加入する共済を通じて支払われるという点が2つの違いです。退職金はこの2つのいずれか、もしくは両方を組み合わせて支給されます。
退職金共済には、特定退職金共済団体の運営する「特定退職金共済」や中小企業退職金共済事業本部(中退共)の運用する「中小企業退職金共済」など、さまざまな種類があるのも特徴です。退職金共済の場合、会社の経営状況が悪化したときでも、積み立て分は支給されるのがメリットだといえるでしょう。
自分の勤める企業の制度が、「退職金」か「退職共済金」なのか、事前にチェックしておくことをおすすめします。
退職金の計算方法
退職金の計算方法を4つ紹介します。これから紹介する計算に出てくる「退職事由係数」は、自己都合退職時に退職金額を削減するための係数です。
たとえば、会社都合を100%として、パーセンテージが高いほど会社への貢献度が高く、パーセンテージが低いと会社への貢献度が低いとされ、減額が大きくなります。
ただし、退職金の計算方法は複雑なため、正確な金額を自身で出すのは難しいでしょう。以下の計算方法は、自己都合退職を考える中で、あくまでも大まかな退職金の金額を知りたいときに活用してください。
退職金の計算方法
- 定額制
- 基本給連動型
- 別テーブル制
- ポイント制
定額制
定額制では5年や10年といった勤続年数にあわせて支給額が決められていることが特徴です。退職金規程では「勤続年数5年:△△円、勤続年数10年:△△円」という形で記載されることが多く、勤続年数が長ければ長いほど、退職金の額は向上します。
基本給連動型
基本連動型の算出方法は以下のとおりです。
「退職時の基本給」×「支給率(勤続年数を反映)」×「退職事由係数」=退職金
退職時の基本給与金額と勤続年数、自己都合や会社都合などの退職の理由から求められます。退職理由によって退職金の金額が変動することが特徴です。
別テーブル制
計算式は以下のとおりです。
「基礎金額(役職・等級などを反映)」×「支給率(勤続年数を反映)」×「退職自由係数」=退職金
勤続年数に自己都合退職や会社都合退職などの退職理由をプラスして計算します。基本給連動型の計算方法と似ていますが、異なるのは基礎金額は基本給ではなく、役職や等級を反映させたものという部分です。
ポイント制
企業側が従業員に対して、勤続年数や会社への貢献度をポイントに置き換え、「退職ポイント」として与えられる仕組みになります。ポイント制による退職金の算出方法は以下のとおりです。
「退職ポイント」×「ポイント単価」×「退職事由係数」=退職金
上記のほとんどの計算方法では、継続年数が短くて減額率が高くなると、退職金は減る仕組みになっていることが分かります。勤続年数と退職金について詳しく知りたい方は「退職金は勤続年数によって金額が変わる?」をご覧ください。
退職金にに関するFAQ
「退職金についてよく分からない…」という方も多いのではないでしょうか。ここでは退職金にまつわるお悩みをQ&A方式でお答えします。
退職金は必ずもらえるの?
退職金は必ずもらえるものではありません。特に入社3年以内に自己都合退職をする場合は、退職金をもらえないことが多いため自身の会社の退職金規程を確認してみましょう。退職金の制度について詳しく知りたい方は「何年働いたら退職金はもらえる?退職金制度の種類と相場を徹底解説!」を参考にしてください。
自己都合退職で退職金が減額されるって違法?
退職金の支払いは、会社の義務ではないため、違法ではありません。そのため、退職金制度を採用していない会社もあります。退職金が支払われないパターンについて知りたい方は「退職金なしは違法?制度や老後の不安の解消法などについて解説!」をご覧ください。
非正規雇用でも退職金はもらえる?
退職金制度を採用している会社でも、退職は正社員のみという決まりが多く、非正規雇用はもらえないパターンが多いようです。会社の規程によっては非正規雇用でも退職金をもらえることがあります。非正規雇用の退職金について気になる方は「契約社員でも退職金は支払われる?正社員との違いと働く際の留意点も紹介」もあわせて参考にしてください。
自己都合退職した場合の退職金のシミュレーション方法は?
退職金の計算方法には、主に「定額制」「基本給連動型」「別テーブル制」「ポイント制」の4種類があります。職金の計算方法は複雑なため、正確な金額を自身で出すのは難しいといえるでしょう。大まかな退職金の金額をシミュレーションしたいという方は、当コラムの「退職金の計算方法」を参考にしてください。
また、退職金の計算方法については「退職金の計算方法とは?算出の仕方を計算式とあわせてご紹介」でも紹介しているので、こちらもご覧ください。
公務員や地方公務員には退職金制度はある?
公務員や地方公務員にも退職金制度は存在しており、勤続年数1年から受け取れます。なお、定年退職時の公務員の退職金は2,000万円が目安のようです。退職金の額は、国家公務員と地方公務員の間に大きな差はありません。
大企業や公務員との退職金の差を知りたい方は「中小企業の退職金の平均はいくら?大企業や公務員との差をデータで比較」もあわせてチェックしてみてください。
会社都合の退職はどういう場合?
会社都合の退職は会社が倒産することでリストラされたり、職場で嫌がらせを受けたりするなど、退職を余儀なくされるパターンのことです。また、会社都合の退職で転職に不安がある方は、就活エージェントのハタラクティブを活用がおすすめです。ハタラクティブでは、経歴や学歴に不安がある方に向けて、専任の転職アドバイザーがカウンセリングを行い、一人ひとりにあった求人をご紹介します。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。