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手当の意味は?一方的なカットが法律違反になる場合や対処法も解説
更新日
この記事のまとめ
- 手当の意味は、基本給とは別に全従業員へ支給される諸費用のこと
- 労働者の合意がない手当カットは、法律に違反している場合がある
- 不当に手当や給料がカットされた場合は、証拠を提出して減給された金額を請求できる
- 法律で定められている手当は、「時間外手当」「休日出勤手当」「深夜労働手当」がある
- 法律で支払い義務が生じる手当はカットできない
給料から手当が急にカットされたことがある方もいるでしょう。労働者の合意なく手当がカットされるのは、法律に違反している可能性があります。このコラムでは、手当の意味や減給が法律に違反する場合をご紹介。ほかにも、法律で支払いが義務付けられている割増賃金や会社側が任意で支給している手当の種類を解説します。不当にカットされた場合の対処法も記載しているので、ぜひご一読ください。
手当の意味は?
手当とは、基本給とは別に賃金として会社から従業員へ払われる諸費用などのことです。条件によって受け取れる手当はさまざま。同じ会社に勤めていても、働き方や家族の有無などによって受け取れる手当は異なります。手当は、賃金として支払われるため、所得税や住民税の対象になることも。所得税や住民税については「所得税と住民税とは?具体的な制度や仕組みについて解説」のコラムで詳しく説明しているので、あわせてチェックしてみてください。
法律に違反する手当カットとは
労働者の合意がない一方的な手当のカットは、法律に違反しています。しかし、「労働契約法第10条」が定める条件を満たしている場合は、手当のカットや減給などの変更が認められることも。ここでは、法律に違反する手当のカットや減給、労働条件の不利益変更について解説します。
労働者の合意がない手当カット
労働契約法により、会社側が労働者の合意を得ず、労働条件を変更することはできません。「労働契約法第8条」には「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と定められています。そのため、会社が業績不振になったとしても、一方的な労働条件の変更は、法律に違反している場合も。しかし、労働者の合意がなくとも労働条件の変更が認められるケースもあります。
労働条件の不利益変更
労働条件の不利益変更とは、労働者にとって労働条件が不利益に変更されることを指します。つまり、労働内容は変わっていないにもかかわらず「知らない間に手当だけカットされていた」場合は、労働条件が不利益変更されたこと。会社側としては経営状態からやむを得ず、労働条件を変更しなくてはならない場合もあるでしょう。また、労働条件の変更は、会社側が一方的に行うことはできませんが、就業規則を変更することで労働条件を変更できます。しかし、不利益変更が認められるのは限られたケースのみといえるでしょう。
不利益変更が認められる場合
労働条件の不利益変更が認められるケースは3つです。なかには、労働者の合意が必要でない場合もあるでしょう。
就業規則を変更する場合
就業規則を変えるだけでは、労働条件を変更することは原則できません。ただし、就業規則の変更を労働者へ周知し、変更内容に合理性が認められた場合のみ、不利益変更が行えるでしょう。合理性を判断する基準は、「労働者の受ける不利益の程度」「労働条件の変更の必要性」「変更後の就業規則の内容の相当性」「労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情」です。会社側にどのような事情があっても、合理性が認められない限りは、変更が無効となる場合もあるでしょう。また、労働条件の変更が、会社側からの書面の交付や分かりやすい場所への掲示などによって労働者へ周知されていない場合は、法律違反となります。
労働者から同意を得る場合
労働者から同意を得ることで、労働条件を変更できます。労働者は一人ひとり労働条件が異なるため、個別に同意が必要に。労働者から同意を得られた場合は、不利益な変更であったとしても有効になりますが、就業規則で決められている労働条件を下回る条件での変更はできません。
労働協約を締結する場合
会社の労働組合との間で労働協約を締結することで、労働条件の不利益変更ができます。労働組合は加入している労働者を保護する役割があり、「労働組合の合意は労働者の合意と同等」と捉えられるでしょう。そのため、労働者から直接合意を得られていなくとも、労働条件を不利益に変更できるのです。しかし、法律に違反している変更や、一部の労働者を不利益に扱うことが目的であった場合は、労働条件の変更は無効になることも。
ほかにも、労働組合のメリット・デメリットを知りたい方は「労働組合がない場合の対処法をご紹介!加入のメリットやデメリットも解説」のコラムをぜひご一読ください。
労働協約とは?
労働協約とは、労働基準法が定めた範囲内で、労働条件や労使関係などを締結する、労働組合の契約です。たとえば、労働基準法では深夜労働手当として、基本給を時給換算した額の25%以上の支払いが義務付けられています。しかし、労働組合が深夜労働手当を30%以上と締結した場合、その労働組合に加入している方は、深夜労働手当が30%になります。参照元
e-gov法令検索
労働契約法
法律に違反する手当カットをされた場合の対処法
知らない間に手当がカットされていた場合は、法律に違反していないか確認しましょう。また、不利益変更に同意するよう求められた場合や、一方的に減給されていた場合の対処法について解説します。
同意するよう求められた場合
労働条件の変更に同意するよう求められても、すぐに承諾するのは注意が必要です。まずは、詳細な内容を把握するために、手当や給料がカットされる理由や、減給の行われる期間などを説明してもらいましょう。労働条件の変更について説明を受けている際は、ボイスレコーダーでの録音や書面の作成などにより、記録しておくのがおすすめです。同意を強要された場合でも、記録しておくと証拠として残せるので、法律に違反している手当カットを無効にできる可能性が高くなるでしょう。
変更された就業規則が不当な場合
変更後の就業規則が明らかに法律に反している場合は、合理的ではないと判断され、手当カットが無効になる可能性があります。会社側が労働条件を変更するためには、労働基準監督署での手続きが必要です。手続きの際に労働基準監督署から就業規則の変更に不当性があると認められたら、手当や給料のカットが違法と認められるでしょう。すでにカットされた手当がある場合は、あとから請求することも可能です。不当に減給された給料を請求するには、変更前と後の就業規則が分かる証拠が必要ですが、ない場合は弁護士や社労士に相談しましょう。
ほかにも、会社側が労働基準法に違反しているときの対処法が書かれている「労働基準法違反の判別基準と違反に気づいた時の対処法」のコラムもお役立てください。
法律上カットできない手当
法律で支払いが義務付けられている手当は、「時間外手当」「休日出勤手当」「深夜労働手当」です。法律上カットできない手当は、労働条件の不利益変更が行われた後も支払われます。会社の就業規則に詳細が記載されていなくても、手当をカットすることはできません。この項目では、法律で義務付けられている手当を解説するので、ぜひ参考にしてください。
時間外手当
労働基準法で定められている労働時間を、超えて就業する場合に支払われる手当です。「労働基準法」では「1日8時間(または1週40時間)」の労働時間が定められ、これを超えると「法定時間外労働」や「法外残業」になるでしょう。時間外手当は、基本給を時給換算した額の125%以上を支払われなければなりません。会社によっては、「みなし残業代」として支払われているケースもありますが、「みなし残業代」の額を超える場合は、別途支払いが必要に。残業代について知りたい方は、みなし残業代について記載されている「毎月決まった額が支給される?一律手当の定義と内容とは」のコラムを参考にしてください。
参照元
e-gov法令検索
労働基準法
東京労働局
労働基準法 割増賃金編
休日出勤手当
休日出勤手当は、会社が法定休日と定めている日に出勤したとき支払われる手当です。労働基準法では、会社は労働者に対して週に1日以上、もしくは4週間に4日以上の法定休日を与えなければいけません。出勤した場合には、基本給を時給換算した額の135%以上を支払うことが義務付けられています。
深夜労働手当
深夜労働に対して支払われる手当です。「労働基準法」では、午後10時から午前5時までの間に労働した場合、「基本賃金」もしくは「時間外手当や休日出勤手当」に上乗せして、基本給を時給換算した額の125%以上の支払いが法律で義務付けられています。深夜労働かつ時間外労働だった場合は見落としがちなので、手当がカットされていないかしっかり確認しましょう。
参照元
e-gov法令検索
労働基準法
法律で定められていない任意支給の手当
法律で定められておらず、会社が任意で支給している手当はいくつもあります。任意支給の場合は、労働条件の不利益変更があった際に、手当がカットされる可能性もあるでしょう。よく聞く任意支給の手当をいくつか紹介しますので、参考にしてください。
通勤手当
通勤手当は、通勤に必要な経費を負担もしくは補填するための手当。交通手段や会社までの距離、通勤にかかる時間などで必要経費を計算して支給されます。公共交通機関の定期代のほかにも、自家用車で通勤している場合はガソリン代も支給対象になる会社が多いでしょう。
役職手当
主任や課長、部長などの管理職に対して支払われる手当です。管理職者は部下を監督・指導する立場のため責任が大きくなり、仕事で求められる責任の大きさに伴って支給される手当といえるでしょう。また、会社によっては、責任を自覚させるために支払うこともあるようです。
資格手当
仕事に役立つ資格を保有している社員に支払われる手当で、会社ごとに対象の資格や支給金額はさまざまです。会社によって支払うタイミングも異なり、毎月の給料に上乗せして支給する場合と資格を取得した際に一時的に手当を支給する場合も。また、手当を支給することで、資格取得を促すのを目的としている会社もあるでしょう。
住宅手当
住宅に関する補助をするのが住宅手当です。一般的には、社員が本人名義で住んでいる住宅のローンや、賃貸の家賃を補助する目的で支給されます。支給額は会社によって異なり、上限額が決められていることがほとんど。また、会社までの距離や世帯主は誰になっているかで、支給の有無が変わることもあります。
家族手当
家族手当は、配偶者や子どもなどの扶養家族がいる社員に対して支払われる手当で、扶養家族が多いと支出も増えるため、生活費の一部を補填する目的で支払われます。また、共働きの配偶者のように、扶養に入っていない家族がいる場合でも、支給対象としている会社もあるでしょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。