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学歴ロンダリングは就職に影響する?メリット・デメリットなどを紹介
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この記事のまとめ
- 学歴ロンダリングとは所属する大学よりもランクや知名度が高い大学院に進学すること
- 学歴ロンダリングのメリットの一つは、学歴重視の企業に就職できる可能性が高まること
- 学歴ロンダリングのデメリットの一つは、編入により人間関係の構築に苦労しがちなこと
- 大学院卒業後の年齢が大学卒の新卒よりも上になり、就職に不利になることもある
- 学歴ロンダリングは自分次第で就活の武器にすることができる
「学歴ロンダリングは就職に影響するの?」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?学歴ロンダリングとは、所属大学よりも上のランクの大学院に進学することをいいます。就職活動を有利にすることもある方法です。
このコラムでは、学歴ロンダリングのメリットやデメリット、企業からの印象などを解説します。学歴ロンダリングについて詳しく知ったうえで進学を検討しましょう。
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学歴ロンダリングとは
学歴ロンダリングとは、所属している大学よりもランクや知名度が高い大学院に進学することを指し、学歴ロンダともいわれています。
資金洗浄を意味する「マネーロンダリング」から生まれた言葉であるためか、ネガティブなイメージを持たれやすいようです。
しかし、明確な理由に基づいてランクが高い大学院に進学することは学歴ロンダリングとは言いません。
また、正規の方法で大学院へ入学していることから「学歴詐称」に問われることもないので、心配しすぎる必要はないでしょう。
なぜ就活のために学歴ロンダリングをするの?
就活のために学歴ロンダリングする理由は「学歴を上げれば就活で有利になるから」です。
大学名を学歴の基準とする企業は、それに満たない応募者を門前払いすることがあります。大学名で応募者をふるいにかけることから「学歴フィルター」と呼ばれることも。 この学歴フィルターでふるい落とされないために、学歴ロンダリングをする人がいるのです。
また、有名大学に移ることで、OBなどのコネを増やす効果も期待できるでしょう。
ほかにも「自分の学歴にコンプレックスのある方は自信が持てる大学院に進めば、自信を持って自己PRできる」などの考えから就活のために学歴ロンダリングをする人がいるといわれています。
他者から見た学歴ロンダリングの印象って?
一部の人は「大学からでは本来受かる可能性が低いのに、大学院から入ることで有名校の肩書きを手に入れた」「就職を有利にするためだけに大学院に進んだ」と否定的なイメージを持つこともあるようです。
しかし、自分の所属している大学ではない大学院へ入学する学生は少なくありません。実際、学歴ロンダリングが目的の人もいれば、「その大学院でしたい研究がある」など別の理由で入学する人もいます。
外部からの入学を快く思わない人もいますが、それを理由に学歴ロンダリングをして学歴を手に入れるチャンスを逃す必要はないでしょう。
学歴ロンダリングする人はどれぐらいいるの?
学歴ロンダリングの実態を知るため、東大大学院の2019年の入学状況をチェックしてみましょう。
東京大学の「大学院学生の入学状況(修士課程・専門職学位課程・令和元年5月1日現在)」によると、東大大学院に進学した方の総数は3,260名で、その内の1,641名、つまり半数以上は他大学からの入学者でした。
もちろん、1,641名すべてが「学歴ロンダリングを目的に入学した」というわけではないでしょうが、他大学から東大大学院への進学は、決して珍しいことではないといえそうです。
博士課程を修了した方は「博士課程修了をメリットへ。就活の波に上手く乗る方法」のコラムもあわせてご覧ください。
参照元
東京大学
大学院学生の入学状況(修士課程・専門職学位課程・令和元年5月1日現在)」
学歴ロンダリングの4つのメリット
ここでは、学歴ロンダリングすることで得られるメリットをご紹介します。
1.学歴重視の企業に就職できる可能性が高まる
学歴ロンダリングをすることによって、学歴重視の企業に就職できる可能性が高まると考えられます。
就活の場では学歴がすべてではないともいわれますが、なかには大学名を重視する企業も存在します。学歴フィルターによる振い落しを避けられたり、高学歴を理由にオファーがきたりすることもあるようです。
また、先輩の就職先へOB訪問ができるなど、学歴重視の企業との接点が増えるメリットもあります。
2.より良い環境で研究を続けられる
所属している大学よりもさらに良い環境の大学院に進めば、より充実した研究が続けられるでしょう。学歴のためだけの編入ではなく、自分の研究が活かせる場所を選択することをおすすめします。
自分の研究を充実させ、自信を持てるようになれば、その後の就活にも良い影響を及ぼすはずです。
3.業務に活かせる研究であれば評価に繋がる
研究の内容が業務に活かせるものであれば、就活時に企業から高評価が得られる可能性があります。自己アピールなどで「自身の研究がどのように活かせるか」をうまく伝えられれば就活にも有利になるでしょう。
学歴ロンダリングを検討する場合、志望する業界・企業と自分の研究内容を比べて考えることも必要です。
4.大学院の方が大学進学よりも比較的難易度が低い
ランクの高い大学への進学より、大学院を目指すほうが比較的難易度が低いこともメリットの1つです。
自分の成績で同じ大学に進むのが到底無理であっても、大学院の入学試験は、大学入学の試験に比べて出題科目数が少ないだけでなく、 過去問と似通った問題が出る傾向にあることから試験対策もしやすいといわれています。そのため、学歴ロンダリングをすることで、本来の自分の成績以上の肩書を得ることが可能なのです。
学歴ロンダリングの3つのデメリット
学歴ロンダリングにはデメリットも存在します。下記を確認したうえで、自分にとって学歴ロンダリングが有効なのか検討してみましょう。
1.研究期間が短いため修士論文に苦労することがある
学歴ロンダリングの場合、新たな大学院の研究室、そして新たな教授のもとで1から研究をスタートさせなくてはいけません。
そのため、研究期間が短くなり、修士論文に苦労する恐れもあります。一方で、内部生は大学4年生のときのテーマを研究し続けることが多いので、編入者よりも多い研究時間を確保可能です。とはいえ、研究内容が就活に大きく影響することは少ないでしょう。面接では研究の細部まで話す時間はありません。研究内容の充実度よりも、分かりやすく伝える工夫をしましょう。
2.人間関係の構築に苦労することがある
学歴ロンダリングで他の大学院に編入することで、人間関係が0からのスタートになります。内部生同士ですでに出来上がっているグループに、壁を感じる人もいるでしょう。また、先述のように学歴ロンダリングに良いイメージのない人が同じ研究室にいた場合、少し気まずい思いをする恐れもあります。
大学院で過ごす時間は、研究にあてることがほとんどです。そのため、研究室のメンバー以外との交流が少なくなりがち。新たに友人を作れるかは自分の努力次第といえるでしょう。
3.卒業時の年齢が大学卒の新卒よりも上になる
学歴ロンダリングはつまり、大学院へ進学するこということ。それにより卒業時の年齢が大学卒の新卒よりも上になります。
大学を卒業する場合の年齢は22歳。修士課程を修了すると24歳、博士課程だと27歳です。休学留年をした場合や留学期間がある場合、博士課程を継続した場合は、同じ年数分、入社時の年齢に追加されます。
新卒の魅力は「若く吸収力があり、伸び代に期待できる」という点だと考える企業が多く、年齢の割に社会経験が乏しくて扱いづらいと判断される可能性もあります。
そのため、明確な目的なく学歴ロンダリングをするのはリスクになる恐れも。学歴ロンダリングを検討している方は、その点も踏まえてそれでも自分が大学院でしたいことがあるのか考えたうえで判断しましょう。
学歴ロンダリングのデメリットを最小限にするための方法
学歴ロンダリングのデメリットがどうしても気になる方に、おすすめの方法があります。それは、「大学編入」です。
大学を卒業して大学院に入学するタイミングで学校を変えるのではなく、大学在学中に変更します。この方法なら、大学院への進学なしで最終学歴の変更が可能です。
つまり、大学院卒業時の年齢がネックになることもありませんし、修士論文で苦労することもないでしょう。大学3年次からの編入であれば、卒業論文のテーマも余裕を持って決められるはずです。
ただし、すべての大学で編入学を受け入れているわけではありません。また、3年次からの編入を目指すためには、それより前から準備を進めていく必要があります。
大学入学後、かなり早い段階から「就活」に意識を向け、具体的な行動を開始しなくてはならないという点を、頭に入れておきましょう。
就職までの進路にはさまざまな選択肢があります。「就職留年のメリットとデメリットを徹底検証」では、就職留年について詳しく解説していますので興味がある方は参考にしてください。
学歴ロンダリングで成功する人と失敗する人の違い
学歴ロンダリングのメリットとデメリットにより成功する人と失敗する人という差が出てきます。
ここではその違いについてご紹介します。
目的意識を持っているか
目的意識を持って学歴ロンダリングをしたか否かによって、成功と失敗の結果が左右される傾向にあります。
学歴ロンダリングをして学歴を得ただけでは、就活に有利とはいえません。そのことを理解して、大学院生活を有意義にするかにかかっているのです。
たとえば、編入してでもしたい研究があり、それに没頭するような熱意は就活に至っても良い結果を残せるでしょう。しかし、高学歴なだけで就活が成功するわけではありません。時間を無駄にしないためにも、大学院生活では充実させる研究をするなど、目的意識を持つことをおすすめします。
学歴ロンダリングの先に何をするのかしっかり考えて行動するようにしましょう。
デメリットなどのリスクを覚悟しているか
先述のように学歴ロンダリングにはデメリットもあります。それらのリスクを覚悟せずに学歴ロンダリングをすると、研究が思いどおりに進まなかったり、時間が足りなかったりして後悔する場合も。
デメリットを自分は乗り越えられそうか、しっかり検討して覚悟のうえで行動に移すことをおすすめします。
研究室を事前に徹底調査しているか
学歴ロンダリングをする際は、研究室を訪問して調査をしておくことをおすすめします。
研究室の様子や教授に会うことで、その大学院で自分がやっていけるかどうか見極めておきましょう。研究室によってはなかなか就活の時間を取れないことがあります。研究に重きを置くのか、それとも就活を重視するのかによって適性が異なるので、自分に合った研究室を選びましょう。
また、訪問時に試験問題の傾向を教えてもらえる可能性も。Webサイトの情報だけで決めず、入念に情報収集をして自分にとってベストな研究室を探しましょう。
「今も続く学歴社会…高学歴は信用度が高めで就活に有利?」では、高学歴であることのメリットや就活との関連性について解説しています。併せてご覧ください。
学歴ロンダリングは就職に有利?企業はどう見る?
一般的には、学歴ロンダリングは就職に有利だといわれています。企業の採用担当者がチェックするのは基本的に最終学歴のみです。学歴ロンダリングまでの過程はチェックされないケースがほとんどでしょう。
また、大学よりもさらにレベルの高い大学院へと進学する学生に対して、「努力家で向上心がある」と評価する企業もあります。
理系の場合
理系の場合、専門知識のある技術者や研究者が必要とされる企業であれば、有利になることもあるようです。最終学歴を重視する傾向がある企業もあれば、研究内容が重視されることも。
しかし、企業ごとに求めるニーズは異なるため、たとえ理系であっても一概に「有利になる」とはいい切れないのが実情です。
文系の場合
文系の場合も、専門知識が必要になる法律や経済関係の企業などは学歴ロンダリングが就職に有利になることもあるようです。
しかし、文系の場合は専門性が重要視されないことが多く、やはり理系と同様有利になるとは限りません。
理系の場合も文系の場合も、学歴ロンダリングを活かせるかどうかは「志望先」と「自分自身の努力」によるといえるでしょう。だからこそ、学部卒の学生が持つ「若さ」という武器に対抗できるよう、入念に準備を整えておく必要があります。
自分の強みとなるような研究テーマを選び、相手を納得させられる進学理由を準備しておきましょう。学歴ロンダリングの目的が「研究」ではなく「就活対策」の場合、自分の志望先の企業ニーズを事前にリサーチしておきましょう。
そのうえで、学歴ロンダリングするかどうかを決定すれば、失敗リスクを減らせます。
就職に大切なのは学歴だけじゃない!
前項でお伝えしたように、学歴を良く見せて有名企業に就職しやすくするという目的のためだけに学歴ロンダリングを行うのは、リスクに繋がることもあります。
そのため、「学歴」に集中して考えるのは一旦止め、自分が本当にやりたいことは何か、大学院での経験は実際のキャリアに活かせるのかなど、広い視野で将来について考えることが大切です。
また、就職に大切なのは最終学歴だけではありません。
企業によって違いはありますが、採用担当者は次のようなことを重視して応募者を見ています。
・将来についてしっかり考えられているか
・入社意欲があるか
・過去の経験からどんなことを学んだか
就活において学歴ばかり重視してしまうと、将来のビジョンや「必ず入社したい」という意欲が伝わりにくくなってしまいます。学生生活で力を入れたことをハッキリさせることも大切ですが、採用担当者に入社意欲が伝わる自己PRを考えましょう。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。