定期昇給とはどんな制度?ベースアップとの違い

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この記事のまとめ

  • 定期昇給とは、年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給される制度のこと
  • 定期昇給のタイミングは4月で、5月の給与から反映する企業が多い
  • 定期昇給はベースアップと混同されることが多いが、異なる制度である

勤め先では、定期昇給やベースアップなどどのような昇給制度を導入しているかご存知でしょうか?定期昇給とベースアップは混同されがちですが、異なる性質を持つ制度です。働き続けるうえでモチベーション維持につながる昇給制度。このコラムでは、定期昇給の制度内容やベースアップとの違い、定期昇給のメリットとデメリットをまとめました。

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定期昇給とは

定期昇給とは、年齢や勤続年数に応じて定期的に昇給する制度のこと
あらかじめ企業によって定められた賃金表に基づいて昇給が適用されます。一般的な昇給のタイミングは4月。5月に支払われる給与から反映されています。
ただし、定期昇給は「必ず定期的に昇給する制度」ではありません。あくまでも「定期的に昇給する機会が与えられる制度」のため、実際に昇給するかどうかは個人成績や業績によって異なる可能性があります。
昇給額を把握するためには、きちんと現状の基本給を知っておくことが大切です。基本給については、「基本給とは?低いと損する基本給と給与内訳の仕組み」で解説しているので参考にしてください。

定期昇給とベースアップの違い

ベースアップは基本給自体の底上げのことを指し、「ベア」とも呼ばれています。
定期昇給が成績や勤続年数など「個人的な要素」で決まるのに対し、ベースアップは全従業員の給与を一律で上げること。例えば、25歳で基本給20万、定期昇給5,000円の場合は、26歳で20万5,000円。
一方、ベースアップ1%が導入されると、25歳での基本給が20万2,000円、26歳では20万7,050円という計算になります。
ベースアップは働く側にはメリットが大きいといえますが、企業側の負担は増すので経営を圧迫することも。そのため、ベースアップを巡って企業と労働者双方による交渉「春闘」が行われています。

定期昇給のメリット・デメリット

定期昇給は、前述したように勤続年数や年功序列によって昇給していく制度です。働き続けることで昇給していくメリットがある一方で、成果が昇給につながりづらいため若手人材が不満を持ちやすい側面もあります。

定期昇給のメリット

定期昇給がある企業で働くメリットとして考えられるのは、特別な功績を上げなくとも決まったタイミングで昇給が行われることでしょう。勤続年数に応じて給与が上がるため、将来の資金計画やライフプランを立てやすくなります。

定期昇給のデメリット

定期昇給がある企業のデメリットとしては、若手社員たちのモチベーションでしょう。年齢や勤続年数に応じた定期昇給は、成績を出している若手、中堅社員が不満を抱きやすい制度。特別な成績を出さなくても昇給するなら、と考えて仕事に打ち込めなくなる可能性もあります。「昇給って何?モチベーションUPに繋がる昇給制度」のコラムも合わせてご覧ください。

企業が昇給を行う目的

企業が年齢や勤続年数に応じて昇給を行うのは、長く働く社員ほど会社への貢献度などが高いと考えるため。また、従業員のモチベーションアップにも期待しています。

勤続年数やスキル・経験の変化との調整

入社1年目と20年目では、会社への貢献度や業務遂行能力などが異なります。勤続年数を重ねるほど、業務に対する理解や経験、知識が増えるため、それに応じた賃金を払う必要があるでしょう。

労働者のモチベーションアップ

昇給があることで、仕事に対して意欲的になれるなどモチベーションを高く保つ効果もあります。ただし、「定期昇給のメリット・デメリット」でも解説したように、成果を上げずとも定期的に昇給するため、モチベーションダウンにつながる可能性もあるでしょう。

労働者の生活水準の維持・向上

一般的に、年齢を重ねるにつれて生活水準が上がると考えられます。それに対応するため、年齢や勤続年数に応じた昇給を行います。

定期昇給以外の昇給制度

定期昇給以外にも「普通昇給」「臨時昇給」などがあります。企業によって採用している昇給制度が異なるため、制度について把握しておきましょう。

普通昇給

普通昇給とは、労働者の能力やスキルが向上したときに行われる昇給のこと。特別昇給と区別するために使用される言葉です。

特別昇給

特別昇給とは、特別に会社に貢献したり、別格的な功績を残したりしたときに行われる昇給のこと。通常業務のなかでも特に良好な成績を収めたときに2段階以上の昇給になる、といった規定が設けられています。

臨時昇給

時期が定められておらず、会社の業績が好調のときに行われる昇給のこと。定期昇給とは対になる概念でしょう。なお、昇給ではなく一律で基本給が引き上げられればベースアップ、一部の従業員のみが功労を認められて昇給すれば特別昇給となります。

考課昇給

考課昇給とは、勤務態度や個人業績が対象になる昇給のこと。定期昇給のように「勤続1年ごとに◯◯円」と決まっておらず、査定内容によって昇給額が変わるのが特徴です。

昇給額はどのくらい?

厚生労働省が実施した昇給額の調査によると、一般職に対して定期昇給制度を設けている企業は81.6%でした。さらに、制度がある企業のうち実際に定期昇給が行われたのは74.6%。企業規模別、産業別のデータは以下のとおりです(いずれも一般職のみ)。

企業規模別
企業規模 定期昇給あり 定期昇給を実施した 定期昇給なし
5,000人以上 84.5% 81.2% 13.8%
1,000~4,999人 88.4% 84.1% 10.8%
300~999人 85.8% 76.4% 14.2%
100~299人 79.6% 73.1% 18.4%

引用:厚生労働省「令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況 3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況

産業別
企業規模 定期昇給あり 定期昇給を実施した 定期昇給なし
鉱業,採石業,砂利採取業 75.0% 75.0% 25.0%
建設業 82.2% 81.9% 13.6%
製造業 90.1% 86.3% 9.6%
電気・ガス・熱供給・水道業 90.1% 90.1% 9.9%
情報通信業 76.1% 75.1% 23.9%
運輸業,郵便業 75.1% 59.0% 24.9%
卸売業、小売業 83.5% 79.0% 14.7%
金融業、保険業 81.9% 75.2% 18.1%
不動産業、物品賃貸業 87.0% 83.1% 13.0%
学術研究、専門・技術サービス業 89.3% 85.3% 10.7%
宿泊業、飲食サービス業 65.5% 45.5% 27.3%
生活関連サービス業、娯楽業 75.4% 60.7% 19.3%
教育、学習支援業 71.1% 62.2% 28.9%
 医療、福祉 80.3% 76.0% 19.5%
 サービス業(他に分類されないもの) 71.2% 60.1% 27.0%

引用:厚生労働省「令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況 3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況

データから、定期昇給の有無は企業規模や産業によって異なることがわかりました。また、制度はあっても実施されていない産業もあり、社会的背景なども影響していることも予測できるでしょう。

参照元
厚生労働省
賃金引上げ等の実態に関する調査

現在の主流は成果型昇給

現在は、個人の成果に応じて昇給額を決める成果型の昇給制度が多くの企業で導入されています。
これまで日本の雇用では年功序列の考え方が根強かったため、多くの企業で定期昇給が採用されていました。しかし、成果が給与に反映されない、能力に見合っていない給料を得ている人が出る、という問題点が浮き彫りになり、定期昇給制度以外の昇給制度を導入する企業が増加傾向にあります
成果型昇給制度は、年齢や在籍年数ではなく自分の能力や会社への貢献度がきちんと評価されて給与に反映されるため、高いモチベーションで仕事をすることができるのが魅力です。
ただし、成果主義の昇給制度は日本で普及し始めて間もないため、人事考課の価が厳しくなってしまう、事務職など成果が数値でわかりづらい職種の評価基準が難しいといったデメリットも。実力主義については、「実力主義のメリット・デメリットは?働き方を考えよう」のコラムも参考にしてください。

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