- フリーター就職支援「ハタラクティブ」TOP
- お役立ち記事TOP
- 正社員で賞与なしの会社はある?メリット・デメリットや注意点も解説
正社員で賞与なしの会社はある?メリット・デメリットや注意点も解説
更新日
この記事のまとめ
- 正社員で賞与なしの企業は意外と多い
- 労働契約や就業規則に載っているルールに反する場合は賞与の支払いを請求できる
- 賞与なしのメリットは、年収が安定することや福利厚生が手厚い可能性があることなど
- 仕事探しの際は賞与の有無だけでなく、福利厚生や企業の業績なども考慮すると良い
- 賞与なしの企業へ転職するか悩んだら「転職エージェント」に相談しよう
「正社員で賞与なしの会社はきついのでは?」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。賞与なしの会社には、福利厚生が整っているなどの働くメリットが存在します。このコラムでは、賞与や退職金の支給について法律上の扱いなども解説。また、賞与なしの企業に多い特徴やメリットなどもご紹介します。自分に合った企業選びの参考にしてみてください。
賞与なしの会社はある?
労働の対価として毎月支払われている給与とは違い、賞与は法律で支給が定められていないため、支給されない場合もあるでしょう。また、企業ごとに扱いが異なり、就業規則のなかで定められています。
賞与なしの会社は約1割
賞与なしの会社は約1割あるようです。
夏の賞与のデータですが、厚生労働省の「厚生労働統計一覧 6 夏の賞与の支給状況」によると、令和5年の夏季における企業の賞与支給状況は、「支給した又は支給する(額決定)」が86.0%、「支給するが額は未定」が4.9%となっています。また、「支給しない」が6.9%、「未定である」が2.2%となっているようです。
まとめると、令和5年度の夏の賞与に関して、支給する企業は90.6%、支給しないまたは未定の企業は9.1%です。
参照元
厚生労働省
厚生労働統計一覧
「賞与なし」になるケースとは
就業規則に「賞与は支給しない」と記載されているほか、「会社の業績に応じて支給します」「原則として支給します」などの表記がある場合は、業績不振により賞与なしになってしまう可能性もあります。これらの表記は裏を返せば「支給されない場合もある」ということなので、賞与がなくても就業規則を破ったことにはなりません。
賞与の仕組みについては「ボーナスが出ないことはある?支払われる仕組みや平均支給額をご紹介!」のコラムでも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
正社員で「賞与なし」は違法?
正社員で賞与の支払いがない場合が違法になることもあります。一方で、アルバイトやパートは賞与がないのが一般的です。雇用形態に関わらず、就業規則などをしっかり確認しておくことが大切だといえるでしょう。
「賞与なし」が違法になるケース
「賞与なし」が違法になるのは、就業規則などに賞与を付与する記載があるにもかかわらず、支給しない場合が当てはまります。また、支給がなくなる旨の通達がなく、突然賞与がなくなった場合も同様です。
企業が賞与制度を採用する場合は、支給する対象や条件、期間を就業規則や雇用契約書などに記載する必要があります。記載がある状況で賞与を支給しないのは規則または契約違反になる可能性があるので、しっかりと募集要項や入社時の書類には目を通しておきましょう。
アルバイトやパートは賞与なしが一般的
アルバイトやパートなどの非正規社員に対し、賞与を支給する会社は少ない傾向にあります。理由として、非正規社員は正社員に比べて、労働条件や任せられる業務内容の範囲が制限されることが考えられるでしょう。
なかにはアルバイトやパートにも賞与を支払う会社もありますが、正社員の支給額に比べると少なく、一定以上のスキルや勤務時間を満たす人に限定する場合が多いようです。アルバイトやパートの賞与について詳しく知りたい方は、「賞与とは?何ヶ月分もらえるもの?労働基準法で決まっている?」もぜひご参照ください。
「退職金なし」は違法?
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査概況」によると、2023年の調査では退職給付制度がある企業の割合は74.9%です。よって、約25%の企業では退職金が支給されていません。そして、退職金なしの会社の割合は、企業規模が小さいほど高くなる傾向があります。退職金の支給も賞与と同じく義務化されているわけではないため、違法ではありません。ただし、契約書や就業規則の記載事項に反する場合は企業側に問題があるので、未払い分を請求できる可能性があります。参照元
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査概要
正社員で賞与なしはきつい?賞与の支給割合
賞与の有無は会社が決定できるものであり、法律では定められていないので、支給されなくても問題はありません。
厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査の概況」によると、賞与制度がある企業割合は87.9%でした。
賞与制度がある | 賞与制度がない | |
---|---|---|
全企業 | 87.9% | 11.8% |
1,000人以上 | 96.2% | 3.7% |
300~999人 | 95.7% | 4.0% |
100~299人 | 94.0% | 5.8% |
30~99人 | 85.0% | 14.6% |
参照:「令和4年就労条件総合調査の概況(18p)」
従業員が多い企業ほど賞与制度を取り入れていることが分かります。従業員が多く企業規模が大きい会社は、生み出される利益も多大なため、社員への還元率も高くなる傾向にあるようです。
参照元
厚生労働省
令和4年就労条件総合調査 結果の概況
そもそも「賞与」とは?
「賞与」とは、定期的に支払われる給与とは別に支給される特別手当のことです。「ボーナス」と呼ばれることもあります。労働契約や就業規則で賞与について明記されている場合は「賃金」扱いになります。そのため、賞与が支給される場合は、税金(所得税と社会保険料)の対象に。「賞与とは?何ヶ月分もらえるもの?労働基準法で決まっている?」のコラムもご確認ください。
支給額や時期は?
賞与の支給額は、企業の業績や個人の実績に応じて算出されるのが一般的。定額で支給する企業もありますが、多くは基本給をベースに「基本給△ヶ月分」と決めているようです。
また、賞与の支給時期も企業によって異なるものの、夏季が7月、年末が12月の年2回に支給する企業が多いようです。賞与のルールは就業規則に明記されているので、不明点があれば確認してみてください。
「気になるボーナス事情を解説!いつ支給される?どれくらい貰えるの?」でも、賞与に関する情報をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
賞与なしの4つのメリット
賞与なしは一見ネガティブなイメージがありますが、悪いことばかりではありません。ここでは、賞与がない場合のメリットを紹介します。転職活動の際はメリットも考慮して、賞与なしとありどちらの会社が自分に合っているか判断してください。
賞与なしのメリット
- 年収が安定する
- 福利厚生が手厚いこともある
- 毎月の給与が高い可能性がある
- 退職の時期に迷いがなくなる
1.年収が安定する
賞与は会社の状況によってカットされる恐れがありますが、そもそも賞与制度がなければ、業績に年収が左右されにくいといえるでしょう。求人票に載っている想定年収は賞与額を含んで計算されています。そのため、業績不振により賞与なしになった場合、転職活動時に想定していた収入が得られない可能性も。賞与が元からなければ想定より収入が下がることはないので、年収が安定すると考えられるでしょう。
2.福利厚生が手厚いこともある
企業によっては、賞与の代わりに福利厚生が手厚いこともあります。たとえば、住宅手当や育児・介護手当、資格取得の補助手当などが当てはまるでしょう。手厚い福利厚生があると、賞与をもらう場合と同じメリットを受けられる可能性があります。
3.毎月の給与が高い可能性がある
賞与がない代わりに固定給を高めに設定している企業も多いようです。年収に換算すると賞与ありの企業に劣らない収入を得られることもあります。転職活動で収入面を重視している方は、賞与の有無に加えて毎月の給与を比較してみると良いでしょう。
4.退職の時期に迷いがなくなる
ボーナスがないことで、「ボーナスが支給されてから辞めたほうが良いのかも...」と退職の時期に迷うことがなくなります。ボーナスをもらってから辞める場合は、「支給後にすぐ辞めると気が引ける...」と、退職したい旨を伝えづらくなることも。気兼ねなく自分のタイミングで退職できるのがメリットだといえます。
賞与なしの場合のほかのメリットについては、「ボーナスとは?支給時期はいつ?もらえる条件や平均額もご紹介!」でも紹介しているので、ぜひご一読ください。
賞与がない会社で働く3つのデメリット
賞与がない会社では、貯金が貯まりにくかったり大きな買い物をしづらくなったりすることがあります。賞与がない会社で働くデメリットを3つ、ご紹介します。
賞与がない会社で働くデメリット
- 貯金が一気に貯まらない可能性がある
- 大きい買い物をしづらくなることがある
- モチベーションが下がる可能性がある
1.貯金が一気に貯まらない可能性がある
賞与がないと、毎月の給与から少しずつ貯金をしていくことになります。賞与があると一気に貯蓄することができ、給与は日々の生活費として使えるでしょう。「毎月の給与から貯金するのが難しい」「貯金を一気に貯めたい」という方にとっては、賞与なしの会社は避けたほうが良いと考えられます。
2.大きい買い物をしづらくなることがある
賞与がないと一気に貯金が貯まりづらいことは解説しましたが、それによって大きな買い物をしづらくなる可能性もあるでしょう。
車や家など、大きな金額のものを購入する場合はローンを組むことやボーナス払いを設定することがあります。賞与がない場合はローンの頭金を用意するなど、まとまったお金が必要になる場合も。賞与がない会社ではあてにできる収入は毎月の月給だけになるでしょう。
3.モチベーションが下がる可能性がある
給与のほかに臨時的な収入があると、働くモチベーションが上がります。一方、賞与がない会社で働いていると、「ほかの会社は賞与があるのに自社はないからやる気出ない...」とモチベーションが下がることも考えられます。働くうえでも目標ややりがいも見失ってしまうでしょう。
賞与なしの企業に多い5つの特徴
「賞与なし」としている企業は、設立して間もなかったり企業規模が小さかったりというケースが多いでしょう。ここでは、賞与がない傾向にある企業の特徴を紹介します。転職活動時に求人票をチェックする際の参考にしてみてください。
賞与なしの企業に多い特徴
- 設立して間もない企業である
- 零細企業・中小企業である
- ベンチャー企業である
- 労働組合がない
- 年俸制を採用している企業である
1.設立して間もない企業である
設立して間もない会社はまだ収益や体制が整っておらず、賞与を支払える状態にないことが多いようです。ゆくゆくは賞与の支給体制が整えられる可能性はありますが、事業が軌道に乗るまでは支給されないことも考えられるでしょう。
2.零細企業・中小企業である
大企業と違い、規模の小さい企業は内部留保がなく、ボーナスを支給する余裕がないことがあります。経営基盤が安定していない間は賞与なしの可能性が高いため、転職活動の際に確認する必要があるでしょう。
3.ベンチャー企業である
ベンチャー企業は資金援助を受けている段階の会社もあり、経済的に余裕がない場合が多いようです。利益次第でインセンティブがもらえることはありますが、ボーナスとしての還元は期待できない可能性があります。
ベンチャー企業について知りたい方は「ベンチャー企業とは?メリット・デメリットや向いている人の特徴を解説!」のコラムをご覧ください。
4.労働組合がない
賞与の支給は労働組合の交渉によって始まったという背景があります。企業に大きな影響を及ぼす労働組合が存在しない会社は、賞与がないことが多いようです。
5.年俸制を採用している企業である
年俸制とは、1年間の総支給額を12か月で割った金額が毎月支給されるという仕組みです。月給制の場合は「賞与が別途で支払われる」、年俸制は「分割された賞与が給与に加えられている」という考え方になります。
たとえば、月給20万円の場合を想定します。月給制の場合、賞与が年間で2か月分もらえる企業だと年収280万円です。また、賞与なしの企業だと240万円となります。一方で、年俸制だと1年間の給与は賞与が加味された金額、すなわち280万円です。したがって、12か月で割ると23万円ほどが毎月支給されるという計算になります。
賞与なしの企業に転職する際の4つのチェックポイント
ボーナスなしの場合も、以下の条件の内容によっては、魅力的な労働環境になる場合があります。したがって、「ボーナスの有無」だけを転職活動の軸にすることはおすすめしません。転職活動中、仕事を探す際は視野を広げるよう心掛けましょう。
賞与なしの企業に転職する際のチェックポイント
- 企業の業績が安定しているか
- 福利厚生が整っているか
- インセンティブ制度があるか
- やりがい・成長を感じられるか
1.企業の業績が安定しているか
売上高や営業利益率など、企業の業績をチェックしましょう。転職活動や転職活動において、仕事を探す際には企業の将来性も大切な判断基準です。また、転職先候補に賞与ありの企業があっても、「業績によって支給」である場合、業績が悪いと賞与がなくなる恐れがあります。転職活動時、事前に賞与の有無とあわせて確認しておくと安心でしょう。
2.福利厚生が整っているか
賞与がないとしても、福利厚生が整っていれば従業員の満足度も上がる可能性があります。「福利厚生が手厚いこともある」でも解説したように、住宅手当などだけではなく食事や娯楽、子育てなどに関する手当を支給する会社もあるようです。ときには、賞与以上のメリットを感じられる場合もあるでしょう。
福利厚生が整っている会社は業績が安定していると考えられるため、チェックしておくと良いでしょう。福利厚生についてさらに詳しく知りたい方は、「福利厚生とはどんな制度?目的や適用条件を分かりやすく解説します!」をチェックしてみてください。
3.インセンティブ制度があるか
インセンティブ制度を導入している企業もあります。インセンティブ制度とは、定められた目標に対する達成率や、従業員の貢献度に応じて報酬が与えられる制度です。個人の頑張りが反映されるため、活躍によっては固定の賞与をもらうよりも収入が増える可能性もあります。
4.やりがい・成長を感じられるか
賞与なしでも、モチベーションを高く保って仕事ができる会社かどうかを考えてみましょう。仕事で得られるものは、お金だけではありません。やりがいや成長を重視する場合、賞与がなくてもベンチャー企業など独自の考え方を持っている会社のほうが自分らしく働けることもあります。
転職活動で自分のキャリアプランを考える際は、「仕事を探すうえで何を重要視するのか」を明確にすることが大切です。
賞与なしの企業へ転職するか悩んでいる場合は
賞与なしの企業へ転職するか悩んでいる場合は、「賞与なしの企業に転職する際の4つのチェックポイント」で解説した内容をチェックするのがおすすめです。希望する企業の業績が安定していて成長していくかどうかなど確認するために、Webサイトや募集要項などをしっかりチェックしておきましょう。
また、賞与なしの企業へ転職する場合は、「転職エージェント」に相談するのもおすすめです。転職エージェントとは、求職者の転職活動を支援する民間のサービスのこと。求職者と人材を募集する企業との間に立ち、マッチングを行っています。担当のアドバイザーが求人紹介をはじめ、転職にかかわるさまざまな相談に乗ってくれるので、賞与がない会社について教えてくれるでしょう。
転職エージェントのハタラクティブは、既卒、第二新卒、フリーターなどの若年層に向けた転職支援サービスを行っています。
転職の経験がない場合も、経験豊富なキャリアアドバイザーが手厚くサポート。一人ひとりの適性に合った求人を紹介するため、「思っていた仕事とは違う」と感じるリスクを減らせるメリットがあります。1分程度で簡単に受けられる適職診断もあるため、自分に合う仕事を探しやすいのもポイントです。そのほか、応募書類の作成や面接対策などのサポートを無料で受けられるので、ぜひお気軽にご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2023年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。