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契約社員とは?メリットとデメリットや将来のキャリアを解説
更新日
この記事のまとめ
- 契約社員とは、企業と雇用期間を定めた労働契約を結んで働く常勤労働者のこと
- 契約社員と正社員は、雇用期間を定められている点が異なる
- 契約社員には、通算5年勤務したら無期限契約に転換できる「5年ルール」がある
- 正社員登用制度を利用して、契約社員から正社員を目指すこともできる
- 契約社員として勤務する際は契約期限更新の有無や条件、契約内容などを確認する
契約社員はどのような働き方をするのか、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。自分に合った働き方を選べる昨今、契約社員を選択肢に入れる方も多いようです。このコラムでは、契約社員として働く際のメリットとデメリット、将来のキャリア選択に関して解説しています。また、契約社員に向いているタイプも紹介。将来を見据えて、自分に合った働き方を見つけましょう。
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契約社員とは
契約社員とは、企業と雇用期間を定めた労働契約(有期労働契約)を結んで働く常勤労働者を指す言葉です。「嘱託」「非常勤」「準社員」「臨時社員」など、契約社員の呼称は、企業によって異なります。1回の契約で結べる労働契約期間は最長で3年ですが、3ヶ月や半年契約、1年契約など、その期間は企業によってさまざま。契約期間の満了後も継続して働くためには、企業と労働者双方の合意に基づく契約の更新が必要です。契約社員は法的に定義された用語ではないため、企業によって働き方や処遇に大きな違いがあります。契約社員として企業と労働契約を結ぶときは、労働条件などの契約内容を細かくチェックすることが大切です。
契約社員の割合とは
厚生労働省の「非正規雇用の現状と課題」によると、非正規雇用労働者は2010年以降増加が続き、2023年では労働人口の37.1%の方が非正規雇用でした。そのうち13.3%の人が契約社員という働き方を選択しています。しかし、正社員や派遣社員、アルバイト・パートとの違いを把握しないまま就労形態を選択してしまうと後悔することも。まずは、契約社員の概要と各雇用形態との違いを確認しておきましょう。
参照元
厚生労働省
非正規雇用(有期・パート・派遣労働)
「無期契約社員」とは
無期契約社員とは、労働契約期間の定めがない契約社員のことです。2013年4月1日から、「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換する」ことが企業に義務づけられました。「厚生労働省」では、「無期転換ルール」として導入促進を進めています。
有期労働契約から無期労働契約への転換は、正社員になることを意味するものではありません。しかし、無期契約社員という新しい雇用形態の労働者に対して従来の契約社員よりも処遇が改善されました。さらには、大企業などを中心に、無期契約社員を業務内容や勤務地などを制限した限定正社員化する動きが広がっています。
その一方で、人員調整がしやすい契約期間が限定された契約社員を一定数確保するため、有期契約が5年を超えないよう契約を終了する「雇い止め」の動きもあるようです。今後、契約社員として雇用契約を結ぶ場合は、「5年以上継続勤務している契約社員がいるか」「いる場合は処遇がどうなっているか」を確認することが大切になるでしょう。無期転換ルールについては、「契約社員の雇用期間は?無期雇用のルールや正社員との違いを解説」でも解説しているので、参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
無期転換ルールについて
- 自分でも丁寧に話を聞いてもらえるかな
- 無理な勧誘されないかな
- 最後までお金はかからないのかな
契約社員とほかの雇用形態との違い
契約社員のほかに正社員や派遣社員など、多くの雇用形態があります。以下で、契約社員とそれぞれの雇用形態の違いを解説します。
正社員との違い
正社員とは、企業と雇用期間を定めない雇用契約を結んだ正規労働者を指す言葉です。正社員には、「雇用期間が限定されていない」「福利厚生が充実している」「教育体制が整っている」「社会的信用があり、将来設計が立てやすい」などのメリットがあります。契約社員も社会保険や休日・有給休暇、解雇手続きなどは、正社員と同じ扱いになることが多いようです。一方で、契約社員は「賞与や退職金がない」「あっても正社員に比べて少額の場合が多い」「家賃補助や育児制度などの福利厚生が用意されていない」など、正社員と差があることもあります。ただ、正社員にも「異動や転勤が発生する」「やりたい仕事を任されるとは限らない」「降格や減給の可能性がある」などのデメリットも。特定の業務内容に限定したスキルアップや将来的にフリーランスを目指す場合などは、意図的に契約社員という働き方を選択することも多いようです。
派遣社員との違い
契約社員と派遣社員は、有期労働契約を結んで働く常勤労働者という点では同じであるものの、雇用契約を結ぶ相手が異なります。契約社員が就業先の企業と直接雇用契約を結ぶのに対して、派遣社員が雇用契約を結ぶのは派遣元の会社。そのため、派遣社員には、「もしも雇用期間が終了しても派遣会社が次の会社を紹介してくれる」「時給や待遇の交渉も派遣会社が代行してくれる」などのメリットがあります。しかし、派遣社員は「交通費が支給されないことが多い」「契約社員より仕事内容が限定されることが多い」「契約社員より先に雇用調整の対象になる可能性が高い」「契約社員にくらべて正社員登用の可能性が低い」などのデメリットもあるようです。そのため、スキルアップや正社員への登用を目指す場合は、契約社員という働き方の方が派遣社員より向いているといえます。
契約社員と派遣社員の違い
各雇用形態の中でも契約社員と派遣社員は、違いが分かりにくいと感じる人が多いようです。働き方の選択肢として、契約社員か派遣社員か迷うというケースもよくあるので両者の違いを確認しておきましょう。「派遣社員と契約社員の違いって?メリットや契約切り替え時の注意点を解説!」でも、契約社員と派遣社員の違いについて詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。パート・アルバイトとの違い
パートとアルバイトは、同じ有期労働契約であり、両者に明確な違いはありませんが、労働日数や労働時間が契約社員より短く、シフトの融通がききやすい働き方を指すことが多いようです。学業や家庭と両立しながら働きたい学生や主婦・主夫の労働形態として選択されることが多く、給与は時給制であることが一般的。週の労働が30時間以下で社会保険には加入しないケースもあるようです。それに対して、契約社員は正社員と同じフルタイムの勤務で、正社員と変わらない業務を任されることが多く、給与や待遇面ではパートより優遇されている傾向にあります。そのため、契約社員は契約内容によっては、雇用期間や労働時間が確定しているパート・アルバイトと言い換えることもできるでしょう。
契約社員のメリットとは
「正社員になるよりもハードルが低い」「フルタイムで働ける」「社会保険にも加入できる」といった点から、契約社員という働き方を選択する人も多いようです。しかし、契約社員の労働条件は、正社員とは異なる点が多数あります。契約社員という働き方を選択するのは、契約社員のメリット、デメリットをおさえて、自分なりに納得できてからでも遅くありません。以下では、契約社員として勤務する際のメリットを紹介しています。
正社員としての採用が難しい企業でも、比較的採用されやすい
正社員としての採用が狭き門とされるような企業も、契約社員としてなら採用のハードルが下がる傾向にあります。そのため、「特定の業界や企業でどうしても働きたい」「未経験からスキルを身に付けたい」といった場合は、契約社員は実現可能な選択肢として有効だといえるでしょう。
契約が終了したら、気軽に辞められる
有期労働契約に基づいて働く契約社員は、契約を更新しなければ仕事を辞めることができます。正社員が会社を辞める場合、転職時には必ずその理由を面接で訊ねられますが、契約社員の場合は「契約満期」と履歴書に記載していれば、離職理由を聞かれることは少なくなるようです。
契約上で定められた範囲の仕事をするため、スキルアップが期待できる
業務内容が雇用契約で定められていない正社員とは異なり、職種や仕事内容、勤務地が限定されている契約社員は、自分の選んだ仕事の効率的なスキルアップが期待できます。業務上の責任も正社員より軽い場合が多く、仕事上のストレスなどのリスクは、正社員より低いといえます。
条件が合えばダブルワークができる
契約社員は、勤務時間などの条件が合えば仕事を掛け持ちすることが可能です。ダブルワークをすることで、契約が更新されない場合のリスクにもある程度備えられるほか、一定期間内にさまざまなスキルを身につけられる点がメリットといえるでしょう。ただし、企業によっては正社員だけでなく契約社員も副業禁止にしている場合があるので、確認が必要です。
5年働いたら無期限の契約への転換を申し出れる
前述したように、企業には「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換する」ことが義務づけられています。無期労働契約への転換は正社員になることを意味するものではありませんが、契約期間の限定が解除されるため契約更新が不要になります。
正社員登用の可能性がある
雇用リスクを回避するため、まずは契約社員としての働きぶりを見極めてから正社員に登用するという企業も多いようです。ただし、なかには正社員登用の制度はあるものの、実績がほとんどないという企業も。正社員登用を狙うなら、可能性がどの程度あるのかを事前に確認しておきましょう。正社員登用制度については、「正社員登用制度とは?読み方や必要な実績・試験について解説!」でも紹介しているので、参考にしてみてください。
契約社員のデメリット
契約社員として勤務する際には、以下のようなデメリットがあるといわれています。
将来設計がしにくい
契約社員は自由度が高い一方で、正社員と比べると待遇面に差があるため将来的な安定を図りづらいという一面もあります。長期に渡って経験を積んでスキルを磨きたい場合は、契約社員の働き方にデメリットを感じやすいでしょう。
雇用期間が限定されている
有期労働契約に基づく契約社員の雇用期間は限定されています。そのため、契約満了時期に契約が必ず更新される保証はなく、契約が終了した場合は自分で新しい仕事を探さなくてはなりません。契約更新の可否は自分で決められることではあるものの、長期間働いて経験を積みたいと考えていた場合、デメリットになるといえるでしょう。
人員調整の対象になる可能性がある
契約期間中の契約社員の雇用は、法令により正社員と同等に保証されます。しかし、契約期間が満了すればその限りではないため、企業業績が悪化した場合などは人員調整の対象になることがあります。
同じ仕事をしていても、給与は正社員より低め
人件費削減のために契約社員を採用しているという企業も多く、契約社員の給与は、時給・日給・月給制いずれの場合も正社員より低く設定されていることが多いようです。
上記のほか、契約社員として働く際のメリットとデメリットについては、「契約社員のメリットを解説!正社員との違いとは?」でも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
契約社員の働き方に向いているタイプ
自分に合った働き方として、契約社員の道を選ぶ人も多いようです。以下では、契約社員という働き方に向いているタイプについて解説します。
一つの作業に集中して取り組める
契約社員は、企業に雇用される際、契約内容に業務内容も含まれます。契約以外の業務内容が発生することがあまりないので、一つの作業を繰り返すことが多いといえるでしょう。そのため、淡々と仕事をこなせるといった場合は適性があるといえます。
いろいろな経験やスキルを身につけたい
契約社員の雇用期間は最長で3年ということから、そこでの業務に関するスキルや知識を雇用期間内で身につけられるでしょう。「一つの業務を極めたい」「幅広い業務を身に付けたい」と考えている場合に向いているといえます。
プライベートを重視したい
契約社員は、雇用契約ごとに勤務時間や勤務地など、さまざまな条件で勤務可能です。そのため、資格取得のための学業や育児、介護などのプライベートと仕事が両立しやすく、プライベートを優先したい場合にも向いている働き方といえます。
契約社員の将来に向けた3つのキャリア
現状、契約社員である場合やこれから契約社員として勤務しようとしている場合は、将来的にどのようなキャリアがあるのでしょうか。以下で、代表的な3つの例を紹介します。
1.正社員を目指す
正社員登用制度があり、さらに登用実績のある企業であれば、現在の勤務先で正社員を目指す道があります。現在の業務に関する知識やスキルを活かすことで評価につながり、正社員として登用される可能性もあるでしょう。
2.無期限契約社員になる
前述した「無期転換ルール」を活用し、現在の勤務先で無期限契約社員として勤務することもできます。通算5年以上勤務し続けることで、契約期間を気にすることなく契約社員として勤務を継続できるでしょう。
3.正社員として別の企業へ転職する
契約の満了時に、別企業の求人に応募し、転職先で正社員として勤務するという道もあります。転職先が同様の職種や業界である場合、契約社員として働いていたなかで身に付けたスキルや社会人としての経験を活かせるでしょう。また、転職活動時の面接では、契約社員として勤務していた理由を聞かれることもあるので、なぜ契約社員の道を選んでいたかを伝えられるようにしておきましょう。
契約社員として働く際の注意点
契約社員の求人に応募する際には、以下のような注意が必要です。考慮したうえで、自分に合った働き方ができる企業に応募しましょう。
正社員登用制度や実績があるかをみる
前述したように、契約社員として就活する際には、応募先の企業に正社員登用制度とその実績があるかを確認しましょう。求人情報に制度があると記載されていても、正社員登用への条件や選考が難しく、実績のない企業があるのも実情です。就職・転職活動の際は、採用担当者に「将来的に正社員を目指したいので知りたい」といった旨を伝えましょう。
期限更新の有無と条件を確認する
契約期限後に契約更新の有無や、契約更新時の勤務条件に変更が生じるかを確認する必要があります。契約更新がない場合、契約満了と同時に無職になることもあるので、すぐに転職活動を始めなければなりません。また、契約更新が可能でも、勤務条件が大幅に変わる場合もあるので、契約書の内容をよく確認しておきましょう。
契約内容を把握する
契約社員にとっても企業にとっても、勤務するうえでの契約内容をきちんと把握することは重要です。残業時間やそれに伴う残業代、福利厚生のほか交通費、有給休暇などを事前にチェックし、理解した上で入社を決めるようにしましょう。
契約社員に求められる心構えを理解する
企業が契約社員という雇用形態を設けているのは、「人件費を抑えながら優秀な人材を確保したい」からといえます。そのため、契約にある業務内容は、責任を持って取り組むことが重要です。そのうえで、ほかの従業員が働きやすいようにサポートをすることも求められるでしょう。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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