会社を辞める理由の伝え方は?円満に退職を成功させるコツを解説

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この記事のまとめ

  • 会社を辞める理由は、相手に納得してもらえるような内容にすることが大切
  • 会社を辞める理由でよくあるのは、「一身上の都合」「体調不良」「家庭の事情」など
  • 会社を辞める理由として、職場や人間関係への不満は言わないほうが良い
  • 会社を辞める理由は上司に口頭で伝えると誠意が伝わりやすい
  • 会社を辞める際は引き継ぎや手続きをきちんと行うことで円満退職につながる

会社を辞める理由を上司に伝えることに、不安や悩みを感じている方もいるのではないでしょうか。スムーズに退職するには、相手が納得できる退職理由を掲示することが大切です。また、上司や同僚の立場にも配慮する必要があるでしょう。このコラムでは、会社を辞めると決めたときの上司への報告の仕方や、退職を伝えてからやるべきことを解説します。円満に会社を辞められるように、ぜひ参考にしてください。

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会社を辞める代表的な6つの理由と伝え方

会社を辞める理由としてよく挙げられるのが、「体調不良」や「家庭の事情」などです。「人間関係があわない」「環境が悪い」などのネガティブな理由は、伝えない方が無難でしょう。ここでは、会社を辞める理由として代表的なものと、その伝え方を解説します。

1.一身上の都合

会社を辞める際に多く使用されるのが「一身上の都合」です。家庭の事情や、個人的な事情で退職するという意味を持ちます。

民法第627条1項により、労働者は「退職の自由」を認められています。そのため、会社を辞めるにあたって、退職理由の詳細を通知する義務はありません。退職理由を伝えにくい場合は、一身上の都合と伝えても良いでしょう。

参照元
e-Gov法令検索
民法 第六百二十七条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

2.体調不良

病気や怪我などの体調不良も、退職理由で使われやすい内容です。体調不良は会社としても無理に説得するのは難しく、スムーズに退職手続きが進む可能性が高いといえます。

ただし、体調不良を原因とする場合、診断書の提出を求められることがあるため気をつけましょう。健康な場合は診断書が用意できないため、体調に問題がない場合は使用できない理由です。

また、会社によっては、退職ではなく休職を提案されることもあるでしょう。本当に体調が優れない場合は、いったん休職して療養するのも一つの手です。休職については「休職の申請方法を解説!傷病手当はもらえる?仕事に疲れたときの対処法」のコラムで詳しく触れています。

3.結婚・出産

結婚・出産は、会社を辞める理由として角が立ちづらいといえるでしょう。ただし、体調不良の場合と同様、嘘の理由として述べると後々発覚したときに面倒なことになりかねません。本当に結婚・出産を控えているときのみ使うようにしましょう。

結婚で県外に引っ越す場合、引っ越し先にある営業所や支店などに異動できることもあります。妊娠・出産によって、時短勤務や仕事内容の変更が認められる会社もあるでしょう。働き続けたいものの仕方なく辞めることを検討しているという方は、上司に相談してみるのがおすすめです。

4.家族の転勤

家族の転勤が発生し、引っ越しが必要となる場合もあります。引っ越し先から通うのが難しく、退職せざるを得ないこともあるでしょう。結婚と同様、引っ越し先の営業所や支店で働ける場合もあります。引っ越し後も働きたい場合には、相談してみると良いでしょう。

5.家族の介護

家族の介護が発生し、退職を余儀なくされる場合もあります。介護や通院を行いながら、今までどおり働くのは難しいといえるでしょう。

介護を退職理由にする場合、リモートワークやフレックスタイム制などで対応できると伝えてくる会社もあります。働きたい意思がある場合は、企業の制度を利用して退職をとどまることも1つの選択肢です。

6.キャリアビジョンの実現

退職理由が「他の仕事をやってみたい」「次の職場でやってみたいことがある」など、前向きな理由だと上司や同僚も応援しやすいでしょう。やってみたい仕事の内容が現職では実現が難しい旨を伝えれば、より退職理由としての説得力が増します。

上司に詳しい退職理由を聞かれた場合の対応

詳しい退職理由を言いたくない場合、言わなくても構いません。「家庭の事情で退職する」「転職先が決まった」と言っても大丈夫です。もし上司に詳細を尋ねられても「プライベートなことなのでお答えできません」と伝えましょう。
ただし、状況を詳しく説明することで、納得してもらいやすくなり、スムーズに退職しやすくなります。退職希望日まで日にちがない方やすぐに会社を辞めたい方は、理由をしっかり説明するのがおすすめです。

会社を辞める理由を伝える際に気をつけたい6つのこと

会社を円満に辞めるためには、伝える方法や手順、タイミングなどに気を配ったほうが良いでしょう。ここでは、上司に退職の意思を伝える際の注意点について解説します。

1.退職の意思は口頭で伝える

退職意思を伝える場合は、メールではなく直接伝えるのが社会人としてのマナーです。
また、同僚に聞かれる場合があるので、仕事をしているデスクやオフィスの中で話すのは控えるべき。会議室のように、ほかの人に話が聞こえない場所で伝えるのがおすすめです。

2.最初に直属の上司に伝える

退職意思を最初に伝えるのは、直属の上司です。上司より先に先輩や同僚に会社を辞める話をすると、又聞きで上司に伝わり、上司の心証を損なうリスクがあります。

退職意思を伝える相手や順序を間違えてしまうと、人間関係の悪化につながり、円満退職できない可能性もあるので注意してください。同僚に退職の旨を報告するタイミングについては、上司から指示を受けましょう。

3.相談ではなく「報告」という形で伝える

会社を辞める場合は、報告として伝えるのがおすすめです。相談ベースで話をしてしまうと、引き止めにあう可能性があるからです。たとえば、「△月末までに退職させていただきたいと考えています」と伝えれば、退職の意思が明確に伝わります。辞める意思が固く、引き止めにもあいにくいでしょう。

一方で、「退職しようか悩んでいます」と曖昧に伝えてしまうと、辞めない選択肢もあると判断されます。辞めないように説得され、退職できなくなるケースも出てくるでしょう。相談だと勘違いされないように、辞める意思をハッキリと伝えるのがポイントです。

退職に迷いがあるなら相談から入るのもアリ!

会社を辞めるか迷っているなら、上司に相談ベースで伝えるのも一つの方法です。退職理由も添えると、上司からの理解を得やすいでしょう。
相談ベースで伝えれば、上司が自身の悩みや問題を解決に導いてくれる場合も。結果的に、退職しなくて良い可能性もあります。

4.退職の意思は早めに伝える

退職すると決めたら、会社に迷惑を掛けないためにも早めに伝えましょう。会社の就業規則によっても違いますが、辞意は退職の1〜3ヶ月前までに伝えるのが一般的です。

退職するとなれば、周りの人に仕事を引き継ぐ必要があり、引き継ぎに掛かる時間を考慮しなければいけません。また、スムーズに退職交渉が進まない可能性も考えられるでしょう。

次の転職先が決まっている場合は入社日も考慮したうえで、ある程度ゆとりを持って早めに会社を辞める意思を伝えておくことをおすすめします。詳しくは、「退職は何ヶ月前に伝えるのが常識?相談の時期や法律上のルールを紹介」もご覧ください。

5.繁忙期や周りに迷惑が掛かる時期の退職は避ける

繁忙期や自分の担当している案件の進行中に退職すると、会社への負担が大きいのでなるべく避けましょう。できるだけ迷惑を掛けないようにするのが、円満に退職するコツです。

また、異動直後やほかの人から大きな仕事を引き継いだあとなども、周りの人に迷惑が掛かるので望ましくありません。周囲の状況を踏まえ、会社を辞めるのに適切な時期を判断しましょう。

6.退職理由は本音で言うのを避ける

退職理由によっては、本音を伝えないようにしましょう。「給料が低い」「人間関係が良くない」などの理由は、相手を不快にしてしまいます。嘘をつきたくない気持ちも分かりますが、なんでも正直に言って良いわけではありません。給料が納得いかない場合は、「スキルアップのため」と言い換えても良いでしょう。

退職理由を正直に言うべきなのか迷う方には、「退職理由は正直に言うべき?上司や面接官への上手な伝え方を紹介」のコラムがおすすめです。

引き止められない退職理由の伝え方の例文

会社を辞めると伝えるときに困るのが、引き止めにあうこと。説得されて、「結局退職できなかった」と悩むケースもあります。退職理由を伝える際は明確に、今の会社では実現できない内容で伝えるのが大事です。次のように伝えてみると、納得してもらいやすいでしょう。
『慣れない仕事や新しい環境に慣れず、体調不良を起こすことが増えてしまいました。現状では自身のパフォーマンスを発揮できず、会社にも迷惑を掛けてしまいます。一度休む期間を作り、新たな環境で再チャレンジしたいと思います。』
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言わない方が良い会社を辞める理由4選

ネガティブな退職理由はトラブルのもとになるので、言わないようにしましょう。たとえば、「会社への不満」「仕事内容への不満」などは、悪印象を与えてしまいます。

ここでは、会社には伝えたくない、会社を辞める理由を4つ紹介するので参考にしてください。

会社を辞める理由が「会社への不満」

会社への不満を伝えてしまうと、退職日までの居心地が悪くなるのでやめておきましょう。上司の立場からして、会社の悪口を言われているので良い気がしません。さらに、退職理由が広まってしまうと、同僚から反感を買う恐れがあります。

また、給与や待遇の悪さや残業の多さ、不当な評価といった会社に対する不満は、対処可能な理由です。「給料を上げるから」「昇進されるから」などの条件で、引き止めにあう可能性も出てくるでしょう。円満退職を望むのであれば、会社の不満を言わず、ポジティブな退職理由に言い換えるほうがおすすめです。

会社を辞める理由が「仕事内容への不満」

仕事内容への不満も、避けた方が良い退職理由です。「わがままを言っている」「成果が出ないのを仕事のせいにしている」などと思われてしまいます。

もし、仕事内容に不満がある場合は、上司に相談することで解決できる可能性もあります。社内で他にやりたい仕事があれば、部署異動やチーム異動を上司に申し出てみましょう。異動できない場合や解決策がない場合は、他にやりたいことがあるという方向性で退職の意思を伝えてください。

会社を辞める理由が「人間関係に関する不満」

会社を辞める理由に「人間関係」を挙げるのも避けたほうが無難です。配置異動といった解決策を提案されたり、「どこの会社でも人間関係の問題はある」と諭されたりする可能性があるでしょう。解決策を講じられた場合、よりいっそう会社を辞めづらくなってしまいます。

また人間関係が理由で退職することが社内に広まると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。人間関係が原因で会社を辞める場合は、前向きな理由に言い換えて伝えるのがおすすめです。

会社を辞める理由が「精神的に限界」

精神的に限界だと伝えると、「甘えだ」と言われてしまうリスクがあります。余計にストレスを抱える場合があるので、避けた方が良いでしょう。

人によっては、「仕事がしんどいのは当たり前」「自分も辛さに耐えてきた」などと考え、誰でも耐えられると考えている場合もあります。退職理由を伝えた結果、説教されて退職を受け入れられない場合も考慮しなければなりません。

さらに、「何が辛いのか」「どうして辛いのか」などと深掘りされることで、さらに苦しくなってしまうでしょう。「新しい環境に挑戦したい」のように、別の理由で伝えることも必要になります。
精神的な辛さを感じたら、休むことも大切です。「仕事のストレスがやばい…会社に行きたくないときの理由や対処法」のコラムを参考に、リフレッシュする時間を作りましょう。転職後もストレスを抱えないように、対処しておくのもポイントです。

会社を辞める理由で嘘をついても良い?

会社を辞める理由で嘘をつくのも、ときには必要です。正直に伝えてしまうと自分の立場を苦しくするケースもあるからです。
ただし、自分の状況とかけ離れた話を伝えるのは避けたほうが良いでしょう。嘘がバレれば、周囲との人間関係が悪化したり退職がスムーズにいかなくなったりするリスクがあります。
仕事を辞める理由で嘘をつくか迷っている場合は、「仕事を辞める理由は嘘でも良い?本音を伝えないメリットとデメリットを解説」のコラムをも参考にしてください。「相手に不快感を与えないか」を基準に考えて、退職理由を伝えるのが円満退職のコツです。
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会社を辞める理由を伝えたあとは?円満退職のポイント

会社を辞める理由を無事に伝えられたら、円満退職を叶えるため事務手続きや引き継ぎをしっかりと行います。ここでは、会社を辞める意思を伝えたあとに、スムーズに退職するためのポイントをご紹介します。

1.退職願・退職届は必要に応じて提出する

会社の就業規則を確認し、必要な場合は退職願または退職届を提出しましょう。「退職願」は会社を辞める意思を伝えるもので、「退職届」は会社を辞めることが確定したあとに提出するものです。

手書きかパソコンか、いつ誰に出すのかは会社によって異なるので、現職の会社のルールに従ってください。退職届の書き方や出し方については、「退職届の渡し方は?タイミングはいつ?書き方や封筒の選び方を解説!」のコラムで詳しく解説しています。

2.会社を辞める前に仕事の引き継ぎはきちんと行う

円満に会社を辞めるには、しっかりとした仕事の引き継ぎが欠かせません。自分が退職したあとも周りの人が困らないよう、できるだけ丁寧に行いましょう。

また、引き継ぎは口頭で業務内容や手順を伝えるだけでなく、文書に残しておくのが望ましいです。「引き継ぎが終わらなかった」という事態を避けるために、退職日には余裕をもっておきましょう。

3.会社を辞める前に有給休暇は計画的に消化する

会社を辞める前に、有給休暇は計画的に取得しておきましょう。退職前に有給休暇を消化できるよう、退職交渉や引き継ぎに掛かる期間を考慮したうえで退職日を設定することが重要です。

事前に有給休暇の保有日数を確認しておくと、「有給休暇を全部使いきれなかった」という状況に陥ることもなく、スムーズにスケジュールを立てられるでしょう。

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