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転職したら住民税が二重払いになる?納付書が届く理由や手続きについて解説
更新日
この記事のまとめ
- 転職しても住民税が二重払いになる心配はない
- 転職時の住民税の手続きは、退職するタイミングや時期によって異なる
- 転職して住民税の納付書が届いた場合は、手続きの遅れや給与以外の所得を確認する
- 転職を機に引っ越した場合、住民税の納付先は前自治体となる
「転職したら住民税が二重払いになる?」と疑問に思う方もいるでしょう。結論から述べると、基本的には住民税が二重払いになる心配はありません。もし二重払いしてもきちんと返金されるため安心しましょう。
このコラムでは、転職時の住民税に関する手続きを紹介します。住民税の基礎知識や、転職後に納付書が届いた場合の対応も解説。転職時の住民税に関する注意点もまとめているので、納付について疑問がある方はご一読ください。
転職したら住民税が二重払いになる?
基本的には、転職が原因で住民税が二重払いになる心配はありません。
以下で詳しい理由を解説するとともに、住民税に関する基礎知識や誤って二重払いしてしまう可能性についてまとめました。
基本的には住民税が二重払いになる心配はない
転職で職場が変わったり無職になったりしても、基本的に住民税が二重徴収されることはありません。退職する際に、5月まで納める予定だった住民税を一括徴収、または分割払いが可能な普通徴収で納付する形になるのが大きな理由です。
また、転職を機に独立する場合も、給料から天引きする特別徴収から普通徴収に切り替わるだけなので二重払いする可能性は低いでしょう。
住民税に関する基礎知識
住民税とは、地方自治体が行政サービスを行うために必要な地方税の一つです。都道府県民税と市区町村税を総称して「住民税」と呼び、納められた税金は警察や消防、医療、道路整備といった、住民が安全かつ快適に暮らすためのサービスを提供する目的に使われています。
前年度の収入に応じて決定される「所得割額」と、所得に関係なく均等に決定されている「均等割額」の2つの合計で算出される金額が納税額です。課税対象者は「一定の収入がある成人」で、個人・法人ともに1月1日時点で住民票がある自治体に納付するよう定められています。
普通徴収と特別徴収、一括徴収の違い
住民税には、納付書を使い自分で納付する「普通徴収」と、月々の給料から天引きされる「特別徴収」、退職・休職などの理由で残りの住民税がまとめて天引きされる「一括徴収」の、3つの納税方法があるのが特徴です。
普通徴収は年税額を4回に分けて納める一方、特別徴収は毎月、一括徴収は一括での納税という違いがあります。
住民税を誤って二重払いしてしまう可能性
基本的に、住民税を二重払いしてしまったり二重徴収されたりする心配はありません。
ただし、退職者が5月までの住民税を天引きされたことに気づかず自主的に納付すると、二重払いになる場合があるでしょう。
二重払いに気づかないことがある?
税金を誤って多く納めた場合、自治体は過誤納ぶんを還付したり充当したりします。その際、自治体から「過誤納金還付(充当)通知書」という書面が届くため、二重払いしていたことに気づかない可能性は低いといえるでしょう。
住民税を二重払いしたら返金される
住民税を誤って多く納めてしまったら、自治体から届く「過誤納金還付(充当)通知書」に同封される書類に口座情報を記入して返送すると、払い過ぎた税金が返金されます。口座振替制度を利用していたり還付口座を登録していたりする場合は、登録されている口座へ自動的に還付されるため特に手続きは必要ありません。過去に住民税の未納があると二重払いしたぶんから充当され、差し引いた金額が還付されます。充当しても未納が解消されない場合は返金されず、支払いを促す督促状が届くことも考えられるでしょう。
転職時の住民税に関する手続き
転職した場合の住民税の手続きは、退職後すぐに再就職した場合と、次の就職まで期間が空く場合で異なります。
以下でそれぞれの手続きについて説明するので、転職や退職を控えている方は確認してみてください。
退職後すぐに再就職した場合
退職後すぐにほかの会社に勤める場合は、引き続き特別徴収での納付となります。まずは、転職前の会社に「給与所得者異動届出書」の発行を依頼し必要事項を記入してもらいましょう。出来上がった書類を転職先の会社が引き継ぎ自治体に提出することで、住民税の特別徴収を継続できます。
原則として退職した月の翌月10日までに手続きを済ませる必要があるため、早めに双方の会社へ依頼しましょう。
退職後の転職先が未定の場合
退職後の転職先が未定で再就職まで期間が空く場合は、特別徴収を継続できず普通徴収または一括徴収での納付となります。退職する時期によって納付方法が変わるため、以下を確認してみましょう。
1月1日~5月31日の退職者
1月から5月のあいだの退職者は、毎月天引きされる予定だった5月までの住民税が、最後に支払われる給料からまとめて一括徴収されます。1月に退職すると最大で5ヶ月分の住民税がまとめて徴収されるため、手取りが大きく減少するでしょう。
給料に対して一括徴収される金額のほうが多い場合は、後日届く納付書で自ら納める普通徴収に切り替わります。
6月1日~12月31日の退職者
6月から12月のあいだの退職者は、翌年5月までの住民税を一括で納めるか、自身で納める普通徴収に切り替えるかの選択が可能です。一括徴収を選択すると退職月の給料からまとめて天引きされ、不足分は普通徴収として納める形になります。
一括徴収だと最大で1年分の金額を納めなければならないため、分割払いが可能な普通徴収で少しでも負担を減らすのがおすすめです。
退職後の住民税の手続きについては、「退職後の住民税はどうなる?納付方法や注意ポイントについて解説!」のコラムでもまとめています。ぜひご確認ください。
転職後の住民税の天引きはいつから?
転職後、いつから住民税の天引きが開始するかは退職月によって異なります。1月1日~5月31日に退職した場合は6月から、6月1日~12月31日に退職した場合は翌年6月分の給料から天引きされるのが原則です。ただし、転職先で特別徴収を継続する場合は、退職月にかかわらず所定の手続きが終わったタイミングで給料から天引きされます。継続の手続きは自動で行われるわけではないため、先述した「給与所得者異動届出書」の発行を、転職前の会社に依頼するのを忘れないようにしましょう。
転職して住民税の納付書が届いた場合の対応
特別徴収の手続きが遅れたり、手続きそのものを忘れたりしていた場合、再就職しても納付書が届くことがあります。誤って二重払いしてしまわないよう、自ら納付する前に企業に確認しましょう。
ここでは、「転職したのに住民税の納付書が届いた」という場合の対応を解説します。
特別徴収の手続きが遅れていないか確認する
転職先がすぐに見つかり特別徴収を継続する手続きを依頼している場合は、二重払いにならないよう、納付書を使用する前に手続きが遅れていないか担当者に確認しましょう。
上手く切り替わっておらず納付期限を過ぎているぶんについては、給料からの天引きができないため、届いた納付書を使って自ら納める必要があります。
給与以外の所得が発生していないか見直す
会社以外で一定の所得があり確定申告をしている場合も納付書が届くため、自身の収入源を見直してみましょう。たとえば、事業所得や不動産所得といった収入も課税対象です。
なお、確定申告をする際に、給与以外の所得を特別徴収または普通徴収のどちらにするか選択できます。「会社にほかの所得を知られたくない」といった理由がある場合は、自身の状況に合わせて納付方法を選びましょう。
転職する際の住民税に関する注意点
住民税には、「引っ越しをしても納付先は前の自治体となる」「勤めていた会社に転職先を知られる可能性がある」など、注意が必要な事項があります。
以下で、転職する際の住民税に関する注意点をまとめているので、ぜひご一読ください。
転職を機に引っ越した場合、納付先は前自治体となる
転職を機に引っ越しをしても、住民税には「1月1日時点で住民票がある自治体に前年分を納める」という規定があります。普通徴収に切り替えた場合、納付書は1月1日時点に住所があった自治体から送られてくるため、留意しておきましょう。
旧住所の自治体だからといって納付書を放置すると、住民税の滞納につながります。
転職先を知られたくない場合は納付方法を変更する
退職する企業に転職先を知られたくない場合は、納付方法を特別徴収から普通徴収に切り替えるのも手です。特別徴収を継続すると、「転職時の住民税に関する手続き」の項で述べた手続きの関係上、企業間で書類のやり取りが発生し転職先を知られてしまう可能性があります。
特別徴収を継続せず一旦普通徴収に切り替えることで、企業間のやり取りを避けられるため、退職する企業に転職先を知られることはないでしょう。その後は、転職先で特別徴収に切り替える手続きをすれば問題ありません。
転職先を知られるリスクについては、「転職先は言わないほうが良い?生じるトラブルや知られたときの対処法を解説」のコラムをご一読ください。
転職先で前職の年収を知られたくない場合は?
転職先に前職の年収を知られたくない場合も、住民税を普通徴収に切り替え自身で確定申告を行いましょう。転職すると、従業員の年末調整や確定申告に必要な「源泉徴収票」の提出を求められます。源泉徴収票には前職の収入や支払った保険料などの記載があり、年収を知られてしまう恐れも。企業を介さず各種申告を自分で済ませれば、転職先に年収が知られることはないでしょう。住民税の支払いが難しい場合は相談する
「転職して収入が減った」「再就職先が決まらず収入がない」など、経済的理由で住民税の支払いが難しい場合は、自治体の窓口に相談するのが賢明です。事情を説明し正当な理由があると判断されると、分割による納付や支払い猶予といった対応をしてもらえる場合があります。
相談もないまま未納が続くと滞納処分を受けるため、納付時期をよく確認し、支払いが困難だと分かった時点で早めに相談するようにしましょう。
支払いが難しい場合の対処法については、「フリーターは住民税の請求がこない?課税される収入ラインと納付方法を解説」のコラムでも紹介しています。あわせてご覧ください。
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転職時の住民税に関するFAQ
「住民税の納付を忘れるとどうなる?」「転職先で住民税が天引きされていないのはなぜ?」といった、転職時の住民税に関する質問に答えています。ぜひ参考にしてみてください。
転職時に住民税の納付を忘れるとどうなる?
指定された納付期限を過ぎると督促状が届きます。延滞した日数に応じて延滞金が発生するうえ、督促状を無視し続ければ、最終的に給料や預金口座などの財産を差し押さえられるので、忘れずに納付しましょう。
退職後のトラブルを避けるために、「退職後の手続きは何をする?期限や順番、必要書類を分かりやすく解説!」のコラムもご参照ください。
転職先で住民税が天引きされていないのはなぜ?
理由として、退職した職場で一括徴収済みか、自ら納める普通徴収に切り替えているかの2択が考えられるでしょう。「転職時の住民税に関する手続き」でも説明しているように、転職時の住民税は再就職までの期間や退職月によって手続きが異なります。自身の納税状況を確認したい場合は住民税の納付先自治体に問い合わせてみましょう。
徴収方法については「仕事を辞めたらやるべきこと5選!手続きの流れや事前に必要な準備を解説」のコラムでも解説しています。
給料から住民税が引かれているのに納付書が届いた
事業所得や不動産所得といった給与以外の所得があり、確定申告時に給与以外の所得の徴収方法として普通徴収を選択した場合に納付書が届きます。
また、休職や退職などで給料から天引きができない場合も同様です。天引きできなかった税額については自身で納める必要があるため、納付書が届きます。詳しくは、このコラムの「転職して住民税の納付書が届いた場合の対応」をご確認ください。
転職先が見つからなくても住民税は課税される?
住民税は前年の所得に対して課されるため、転職先が見つからなくても前年に一定の所得があれば住民税を支払う必要があります。そのため、負担を減らすためにも退職からなるべく期間を空けずに転職するほうが良いでしょう。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。