失業保険はいくらもらえる?計算式を用いてシミュレーションしてみよう

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この記事のまとめ

  • 失業保険とは雇用保険の中に含まれる「基本手当」を指す
  • 失業保険をいくらもらえるかは、前職の給与をもとに算出することが可能
  • 失業保険の受給金額や支給期間は年齢や退職理由などによって異なる
  • 早めに就職が決まれば「再就職手当」がもらえる可能性もある

失業期間中、失業保険をいくらもらえるのか知りたい人は多いでしょう。このコラムでは失業保険の対象となる人、金額の算出方法、支給期間などについて詳しく解説しています。また、月給別に受け取れる金額も紹介しているため参考にしてください。失業保険は失業期間中のライフラインとして大切なお金です。生活の心配をせずに転職活動に専念するためにも、退職前にチェックしてみてください。

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失業保険の金額はいくらになるのか

失業保険の給付金額の参考にするのは、退職前の給与額です。対象者の離職前6か月の給与を日給に換算したものを「賃金日額」と呼び、これをもとに1日あたりに支給する「基本手当日額」を算出します。

なお、通勤手当や住宅手当は給与に含まれますが、ボーナスや一時祝い金、退職金などは給与に含まれません。また、離職時の年齢によって賃金日額と基本手当日額には上限額が設定されています。

厚生労働省が公表している「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」によると、令和5年8月1日から賃金日額と基本手当日額の変更が行われています。変更前と変更後の賃金日額および基本手当日額は以下のとおりです。

・賃金日額の上限額(円)

離職時の年齢変更前変更後
29歳以下13,670円13,890円
30~44歳15,190円15,430円
45~59歳16,710円16,980円
60~64歳15,950円16,210円

・基本手当日額の上限額(円)

離職時の年齢変更前変更後
29歳以下6,835円6,945円
30~44歳7,595円7,715円
45~59歳8,355円8,490円
60~64歳7,177円7,294円

受給金額は人によって違う

失業保険の給付額は「年齢」「退職前6か月間の給与額」などを考慮し決定されます。給付額は所定の計算式に当てはめることで目安の算出が可能です。次項より、受給金額の算出方法について詳しくチェックしていきましょう。

賃金日額の計算式

賃金日額は退職直前の6か月間の給料を180で割って算出します。たとえば、前職の月収が22万円のときは以下のとおりです。

(1)22,000円×6=1,320,000円(6か月間の給料)
(2)1,320,000円÷180=7,333…

上記のとおり、賃金日額は7,333円となります。(便宜上、小数点第1位以下を切り捨てています)

基本手当日額の計算式

基本手当日額を算出する際、離職時の年齢と賃金日額によって給付率が異なります。以下では29歳以下、30~44歳の場合に絞って計算方法をまとめました。

29歳以下の場合

賃金日額給付率
2,746円以上5,110円未満80%
5,110円以上12,580円以下80%~50% ※1
12,580円超13,890円以下50%
13,890円(上限額)超ー ※一律6,945円(上限額)とする

30~44歳の場合

賃金日額給付率
2,746円以上5,110円未満80%
5,110円以上12,580円以下80%~50% ※1
12,580円超15,430円以下50%
15,430円(上限額)超ー ※一律7,715円(上限額) とする

なお、どちらのケースでも※1に該当している場合、さらに綿密な計算式によって算出されます。詳しく知りたい人は厚生労働省のWebサイトをご参照ください。

参照元
厚生労働省
令和5年8月1日からの基本手当日額等の適用について

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そもそも失業保険とは?

失業保険とは雇用保険の中に含まれる「基本手当」のことを指します。雇用保険は職を失ったときのセーフティネットとして機能する社会保障の1種です。適用基準(※1)を満たす会社員は雇用保険への加入が義務づけられているため、一般的な企業に勤めている人はほとんど加入しています。

ただし、雇用保険加入者であれば必ず失業保険が支給されるわけではありません。以下に失業保険の対象者や申請の手続方法といった概要をまとめました。順を追ってチェックしていきましょう。
(※1)雇用期間が31日以上ある、所定労働時間が1週間に20時間以上ある

失業保険の受給対象となる人

失業保険の受給資格は、離職する前の2年間に雇用保険の加入期間が12か月以上(※2)あることが条件です。そのうえで、会社を辞めて仕事がない状態において就職する意思があり、積極的に就職活動を行う人が支給の対象者となります。そのため、以下に該当する人たちは失業保険を受給できません。

・すでに内定が決まっている人
・怪我、病気などで就職が困難な人
・妊娠、出産、育児などで就職できない人
・就職活動を行っていない人、就職の意思がない人
(※2)11日以上勤務している月を1か月とする

受給するためには、まず支給の対象者として認められる必要があると覚えておきましょう。

受給までの流れ

失業保険を受給するためには、ハローワークで申請手続きを行う必要があります。ここでは失業手当のもらい方を紹介。まずは申請にあたって、以下の書類を準備しましょう。

・雇用保険被保険者離職票
・雇用保険被保険者証
・マイナンバー確認証明書、本人確認証明書
・印鑑、証明写真
・普通預金通帳

申請後は受給説明会に参加し、雇用保険制度の概要と「失業認定日」を確認します。さらに、失業認定日までに定められた回数(※3)以上の求職活動が必要です。その後、失業認定の手続きを行い、失業が認定されると指定銀行に手当が振り込まれます。支給の所定日数に到達するか就職先が決まるまで、この流れを繰り返します。
(※3)原則2回以上。給付制限がある場合、3か月間に3回以上

失業保険受給までの詳しい手続き方法が知りたい方は「失業給付金の受給条件と手続き方法は?必要書類なども解説」もあわせてご覧ください。

参照元
厚生労働省
令和4年度 雇用保険事業年報 概要

失業保険がいくらもらえるか月給別にシミュレーション

ここでは、月給別に失業保険がいくらもらえるかを計算していきます。失業手当は次の転職先が決まるまでの生活費の足しになるありがたい制度です。しかし、受け取れる金額は人それぞれのため、自分が受け取れる金額を予想し、転職活動をいつまでに終わらせられれば生活への負担が少ないかを考えていきましょう。

月給20万では失業保険がいくらもらえるか計算

20代で月給20万円の場合、失業保険として一日あたり基本手当がいくらもらえるか計算します。

200,000円×6か月÷180日=約6,666円

給付率は80%~50%なので0.5~0.8×約6,666円=約3,333~5,333円。上記の計算式から、基本手当日額はおよそ3,333~5,333円です。

月給25万では失業保険がいくらもらえるか計算

20代で月給25万円の場合、失業保険として一日あたり基本手当がいくらもらえるか計算します。

250,000円×6か月÷180日=約8,333円

給付率は80%~50%なので、0.5~0.8×約8,333円=約4,167~6,666円。上記の計算式から、基本手当日額はおよそ4,167~6,666円です。

月給30万では失業保険がいくらもらえるか計算

20代で月給30万円の場合、失業保険として一日あたり基本手当がいくらもらえるか計算します。

300,000円×6か月÷180日=約10,000円

給付率は80%~50%なので、0.5~0.8×約10,000円=約5,000~8,000円。上記の計算式から、基本手当日額はおよそ5,000~8,000円です。

失業保険は一度もらうとリセットされる

一度失業保険を受給すると、条件の一つである「過去2年間に12か月以上の雇用保険の加入がある」の項目がリセットされます。つまり転職先の会社を辞めたときに失業保険をもらうためには、転職先で12か月以上雇用保険に加入して働く必要があるのです。

失業保険の受給開始日と支給期間

給付額と同じく、受給開始日や支給される日数も人によって異なります。査定の基準となるのは「退職理由」「雇用保険の加入期間」「年齢」など。詳しくは以下をご確認ください。

受給開始日は退職理由で決まる

失業保険の受給開始日は、下記に挙げた退職理由のどれに当てはまるかによって異なります。

(A)倒産や経営不振などで退職せざるを得なかった場合→会社都合退職(特定受給資格者)
(B)病気や怪我および家庭の事情など正当な理由で退職に至った場合→特定理由による退職(特定理由離職者)
(C)転職など自分の都合で辞めた場合→自己都合退職(一般受給資格者)
(A)(B)に該当する場合は、失業が認定されてから約1週間後に初回の支給がされます。

気をつけたいのは(C)のケースです。自己都合の場合、申請手続き後に1週間の待期期間があり、さらに2か月は給付制限期間です。自己都合で退職した人は、最低でも3か月間は失業保険を受給できないと覚えておきましょう。

会社都合と自己都合の細かな違いをより詳しく知りたい方は「失業保険の受給条件は?自己都合と会社都合で異なる?」も参考にしてください。

給付日数は雇用保険の加入期間と年齢で決まる

給付日数は離職理由に加え、雇用保険の加入期間及び離職時の年齢によって決まります。以下の表を参考にしながら、自分の該当箇所をチェックしてみてください。

[自己都合(一般受給資格者)のケース]
年齢による区分はなく、全年齢において被保険者であった期間によって定められています。

労働期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
15歳以上60歳未満90日90日120日150日

[会社都合(特定受給資格者)/特定理由による退職(特定理由離職者)のケース]

労働期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日90日90日120日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

規定が多く手続きを面倒に感じる人もいますが、失業保険を受給すると経済的な安定感が得られるのは大きなメリットです。転職活動にじっくり取り組むためにも、使える制度は積極的に利用しましょう。

参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当の所定給付日数

早めに再就職すると失業保険がもらえないから損?

受給開始日や支給日数に制限があることから、「早めに就職が決まったら失業保険がもらえなくて損」と考える人もいるでしょう。しかし、失業保険は就職を後押しする制度です。失業保険をもらうために就職を先延ばすのは、本末転倒と心得ましょう。

また、失業保険の受給対象者が支給期間中に就職を決めた場合、所定給付日数の3分1以上の支給残日数があった際は、就職お祝い金にあたる「再就職手当」を受け取れる可能性があります。空白期間が長いと再就職に不利になることもあるため、早めの行動を心がけましょう。

再就職手当の受給条件や注意点などさらに詳しく知りたい方は「再就職手当支給申請書はどこでもらえる?受給条件やもらえない理由も解説」も参考にしてください。

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失業保険に関するFAQ

ここでは、仕事を辞めた人が受け取れる失業保険に関する疑問や不安についてQ&A方式で回答していきます。失業保険についてお悩みの方はぜひ参考にしてください。

失業保険受給中にアルバイトをしても大丈夫ですか?

失業保険を受給していてもアルバイトは可能です。
ただしいくつか条件があるため注意しましょう。待機期間中の7日間はアルバイトは禁止です。また、1日の勤務時間を4時間以上、1週間の勤務時間を20時間未満にする必要があります。アルバイトを行っている方は不正受給とみなされないよう失業認定日に必ず申告しましょう。

失業保険は働いていた時の給料と同額もらえますか?

多くの場合、失業保険で受給できる金額は前職の給料の5~8割ほどです。
そのため、収入は働いていた時よりも減ってしまうでしょう。失業保険をもらいきることに意識を置きすぎず、計画的に転職活動を行うことをおすすめします。

失業保険を受給しているときに扶養に入れますか?

失業保険受給中に扶養に入れてもらう選択肢もあります。
仕事を辞めると保険を切り替える必要があり、任意継続や国民健康保険への変更を行うことで保険の負担が増えてしまうおそれがあるでしょう。扶養に入るためには条件があり、年収が130万円未満であることが定められています。

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