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定期昇給とは?平均上昇率とアップに有効な方法をご紹介
更新日
この記事のまとめ
- 勤続年数に沿って昇給する「定期昇給」と、交渉により昇給する「ベースアップ」がある
- ベースアップとは、勤続年数に関わらず基本給自体の水準を底上げする制度
- 定期昇給は、企業規模や学歴により昇給率に差が出る
- 昇給を狙うなら、業務で成果を出して出世したり資格を取得したりすることが効果的
定期昇給とは、どんな制度なのでしょうか。「定期昇給」や「ベースアップ」について何となく理解はできていても、違いがはっきり分からない方も多いでしょう。このコラムでは、「定期昇給」や「ベースアップ」についての基礎知識や違いについて解説。また、昇給率の平均や学歴、企業規模による違いなども紹介しています。「自分の昇給が妥当か知りたい」という方はぜひ参考にしてください。
定期昇給とは?ベースアップと何が違う?
昇給とは、社員一人ひとりの成長や勤続に応じて賃金を上げることを指します。一口に昇給と言ってもいくつか種類がありますが、主に「定期昇給」と「ベースアップ」に分類することができます。それぞれの違いは以下のとおりです。
定期昇給
労働者の勤続年数や年齢に応じて増える昇給のことで、年功序列制度とも呼ばれます。勤続していれば社員の能力に関わらず増えていき、50歳頃まで上がり続けるのが一般的。日本にある昔ながらの昇給制度ですが、近年は労働者個々の能力を重視して昇給額を調整する企業もあるようです。
ベースアップ
「ベア」と呼ばれることもある昇給制度で、臨時昇給のことです。ベース(基本)をアップ(上げる)という言葉通り、基本給の金額水準そのものを底上げすることを指します。景気動向に左右されやすく、労働者が会社と賃上げ交渉を行うタイミングで実施されることが多いようです。交渉のたびに実施されるとは限らないため、「臨時昇給」と呼ばれています。
勤続年数に応じて社員一人ひとりの基本給を上げる定期昇給に対し、勤続年数に関係なくすべての社員の基本給が上がるのがベースアップ。ベースアップを実施すると定期昇給の対象にならない新入社員などの基本給も上げる必要があるので、会社にとっては負担が増えることもあるようです。昇給とベースアップの違いについては、「昇給とは?いつ実施される?ボーナスに影響は出る?疑問をまとめて解決!」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
昇給額は平均でどれくらい?
年齢とともに給与水準が上がる定期昇給ですが、給与は平均でどのくらい上がるのでしょうか。企業規模や学歴別に見てみましょう。
中小企業
経団連(日本経済団体連合会)の「2023年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、2023年の中小企業367社の定期昇給も含めた平均昇給額は8,012円で、平均昇給率は3%です。25万の基本給を受け取っている場合、7,500円が昇給額です。しかし、一度社員の給与を増やすと容易に減らせないため、景気が良くなっても賃金引上げに積極的にならない中小企業も多く、平均を下回るケースもあると考えられます。
参照元
Keidanren Policy&Action一般社団法人日本経済団体連合会
2023年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)
大企業
経団連(日本経済団体連合会)の「2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、2023年の大企業136社の定期昇給も含めた平均昇給額は13,362円で、平均昇給率は3.99%です。基本給25万円の場合は約1万円の昇給額となり、中小企業よりも引き上げ額が多い傾向にあります。
参照元
Keidanren Policy&Action一般社団法人日本経済団体連合会
2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)
高卒と大卒の賃金の違い
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況「学歴別」」によると、高卒と大卒の賃金には、以下のような差があることがわかっています。
年齢階級 | 高卒の賃金 | 大卒の賃金 |
---|---|---|
20~24歳 | 20万5200円 | 23万3600円 |
35~39歳 | 26万7600円 | 35万3900円 |
55~59歳 | 31万4300円 | 49万1100円 |
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況「学歴別」」
上記のデータを見ると、会社に入社したての若手社員の場合の賃金は、高卒と大卒を比べても約3万円の差しかありません。しかし、年齢が上がるにつれて差は開き、50代後半では10万円以上の差がでることが分かります。学歴別の賃金の差については、「大学中退者の年収は低い?大卒との賃金差や正社員で就職するコツを紹介!」でもまとめているので、あわせてご覧ください。
企業規模や学歴によって昇給率に差が出るのが一般的なようです。しかし、社員の離職を防ぐ目的で昇給額を高く設定しているケースもあるため、「昇給率が高い=優良企業」とは言い切れないので注意しましょう。
参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
定期昇給だけじゃない!給与アップの方法とは?
企業の規模や学歴で決まる定期昇給の制度を知って、「自分には大幅な昇給は期待できない」と感じた方もいるでしょう。しかし、取り組み次第では規模や学歴に関係なく昇給するチャンスも。効果的な方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
実績を出す
仕事で実績を出すと昇格できることがあります。多くの企業では、昇格(出世)することが昇給のチャンスに。成果を出して昇格すると自動的に基本給が上がり、結果として昇給に繋がることもあるようです。また、昇格することで、昇給だけでなく、成果報酬やボーナスのアップも見込める可能性があります。
長く勤める
日本では終身雇用制度を採用する企業が多いため、長く勤めれば勤めるほど定期昇給が期待できます。企業によって差はあるものの、月や年単位での昇給額は少なく思えても、長い目で見ると大きな金額が見込めるでしょう。
資格を取得する
業務に関連する資格を取得することも、昇給アップのための方法の1つです。有資格者が多いと会社としてのスキルの証明になるため、資格取得者に対して優遇する企業が多いといわれています。資格手当などの支給のほか、「資格を取得した=業務に対する意欲が高い」と判断されて昇給や昇格に影響することもあるでしょう。社会人におすすめの資格については、「社会人におすすめの資格を紹介!取得するメリットや勉強法も解説します」で紹介しているので、チェックしてみてください。
転職する
転職をして基本給アップを狙うのもおすすめです。これまでの経験やスキルを活かせれば、基本給アップに加えて昇給率の上昇を狙える可能性もあります。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。