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年収300万円の生活レベルは?手取り額や税金の内訳を紹介
更新日
この記事のまとめ
- 年収300万円の人の手取りは、月額でおよそ20万円
- 年収300万円に到達するのは、統計上では正社員で20代後半から
- 年収300万円で貯金を増やす方法は、固定費の見直しや生活レベルを下げることも必要
- 年収300万円から収入アップを目指すなら転職も一つの手
年収300万円では貯金が可能なのか、手取りがいくらくらいなのか気になる方もいるでしょう。年収300万円の場合は、固定費を見直したり、節約をしたりすることで貯金が可能です。このコラムでは、年収300万円の月々の手取り額や支払うべき所得税や住民税のほか、貯金額を増やす方法について解説します。年収300万で暮らすための具体的なマネープランを挙げて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
年収300万円の生活の実態
国税庁が実施した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は460万円でした。以上のことから、年収300万円は平均より少ない収入といえるでしょう。
貯金額
貯金額は、年収額よりも生活環境によって大きく異なります。実家暮らしの場合は、家賃や光熱費、食費といった毎月の支出を抑えられるため、貯金額を増やせるでしょう。一人暮らしをしている場合は、実家暮らしに比べて毎月の生活費などがかさみやすく、貯金する難易度が高いといえます。
「300万円貯金があれば安心?年代別の平均貯蓄額とお金を貯める方法を解説」のコラムでは、年代別の平均貯蓄額を解説しているので、参考にしてみてください。
適正家賃
一般的に、家賃は手取りの1/3程度に抑えると良いといわれています。
年収300万円の人の場合、税金を引いた概算の手取り額は約20万円のため、家賃は手取りの1/3の6〜7万円程度を目安にするのがおすすめ。貯金やほかの費用を増やしたいときは、1/3以下におさえることも検討しましょう。勤務先の福利厚生に家賃補助や社宅制度がある場合は、毎月の支出を削減するために活用するのもおすすめです。
結婚・子育て
年収300万円で貯金をしながら子育てをすることは、パートナーの収入がない場合は難易度が高いといえるでしょう。そのため、二世帯で暮らしたり、実家に援助してもらったりすることを検討してみてください。学校の種類(国立・私立・公立)や自治体の支援制度によっても、掛かる教育費は変わるため、子育てにどのくらい費用が掛かるのかいくつかプランを立てて把握しておくことが大切です。
車の購入
年収300万円で自家用車を購入することは可能でしょう。車の購入予算として、一般的には年収の半分が妥当とされています。そのため、年収300万円での車の購入予算は、150万円程度と考えておくのが良いでしょう。
しかし、車を購入すると毎月の駐車場代やガソリン代などの維持費が発生します。頻繁に車を利用しない場合は、レンタカーやカーシェアリングの利用も検討してみるのも手です。
住宅の購入
年収300万円の場合、住宅ローンを活用することでマイホームの購入が可能になるでしょう。住宅ローンの目安は、世帯年収の5〜7倍程度といわれています。そのため、世帯年収が300万円の場合で家の購入を検討するとき、1,500〜2,100万円程度の住宅ローンを組めると考えておくと良いでしょう。
ローンは無理のない範囲で組もう
前述したように、年収300万円の人が住宅ローンを組むことは可能です。ただし、高額なローンを組めば毎月の支払額も増えるため、無理のない範囲で組むようにしましょう。
なお、住宅を購入すると毎月のローン支払いだけでなく、毎年の固定資産税や住宅の維持管理費、大がかりな修繕に必要な費用などが発生します。
参照元
国税庁
民間給与実態統計調査結果
年収300万円の手取り額
年収300万円での手取り額は約240万円で、月の手取り額はおよそ20万円です。
手取りは、所得税や住民税が引かれて支払われる額です。国税庁の「令和5年版暮らしの税情報 給与所得と所得税及び復興特別所得税のしくみ(p.8)」によると、所得控除は、年収×30%+ 8万円のため、年収300万円の人は98万円。また、同じく国税庁の「所得税のしくみ」によると、基礎控除額は、合計所得金額が2,400万円以下の場合は48万円と定められています。
以上を参考にして、年収300万円の場合1年間に支払う所得税の算出方法を見てみましょう。【300万ー98万(所得控除)ー48万(基礎控除)ー43万(社会保険料控除)】×5%(税率)=55,500円
年齢や扶養家族の有無、保険料の控除額などにより異なりますが、年収300万円の人が支払う所得税の目安は55,500円となります。
続いて、住民税の算出方法を見てみましょう。
【300万ー98万(所得控除)ー48万(基礎控除)ー43万(社会保険料控除)】×10%(税率)=111,000円+5,000円(均等割)=116,000円
市町村によって異なりますが、年収300万円の人が年間に支払う住民税の目安は、およそ12万円です。「手取り20万は額面や年収でいくら?一人暮らしはきつい?家賃や貯金も解説」のコラムでも年収300万円の手取りについて、詳しく解説しています。
参照元国税庁
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年収300万円の家計簿の内訳
ここでは、年収300万円の1ヶ月のマネープランの例を紹介します。一人暮らし世帯と二人暮らし世帯それぞれの実情も紹介するので、自身の支出と比べてみてください。
一人暮らしの場合
年収300万円で一人暮らしをするとどのようなマネープランが必要か、具体的な参考例で考えてみましょう。
e-Statの「家計調査 家計収支編 単身世帯 結果詳細表」によると、下記の結果が出ています。
項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 4万4,718円 |
住居 | 2万7,219円 |
光熱・水道 | 1万3,374円 |
家具・家事用品 | 5,979円 |
被服及び履物 | 5,042円 |
保険医療 | 8,916円 |
交通・通信 | 2万3,783円 |
教育 | 8円 |
教養娯楽 | 2万912円 |
交際費 | 1万1,692円 |
仕送り金 | 1,268円 |
その他 | 2万7,395円 |
合計 | 17万7,347円 |
引用:政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 単身世帯 結果詳細表」
上記の結果でいくと、毎月の手取りとして予想できる20万円を下回っているため貯蓄は十分に可能ですが、実際は上記の数字通りに生活するのは難しいことも。家賃がもっと高くなる可能性があるほか、交際費や外食費で出費が増える場合があるため、管理が必要といえるでしょう。
二人暮らしの場合
年収300万円で結婚して家庭をもつとどのようなマネープランが必要か、具体的な参考例で考えてみましょう。
e-Statの「家計調査 家計調査編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、下記の結果が出ています。
項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 7万1,000円 |
住居 | 1万3,592円 |
光熱・水道 | 2万2,168円 |
家具・家事用品 | 9,850円 |
被服及び履物 | 4,653円 |
保険医療 | 1万4,761円 |
交通・通信 | 2万7,530円 |
教育 | 1,650円 |
教養娯楽 | 2万289円 |
交際費 | 1万7,134円 |
その他 | 4万884円 |
合計 | 22万6,375円 |
引用:政府統計の総合窓口「家計調査 家計調査編 二人以上の世帯 詳細結果表」
上記の結果でいくと、毎月の手取りとして予想できる20万円を上回っています。同じ年収でも、独身世帯と子育て世帯ではライフスタイルが大幅に変わるため、必然的に出費に差が生まれることがわかるでしょう。夫婦それぞれが生命保険に加入したり、車や住宅を購入したりすることなどを考えると、より安定した収入と計画性が必要です。さらに、子どもが生まれれば教育費に多くの金額を費やすことになるでしょう。
年収300万円では経済的に厳しい生活になるため、将来的に結婚や出産・育児をしたい場合は、パートナーと相談して収入を上げる方法を検討するのもおすすめです。年収300万円より少し多い年収350万円だと生活はどう変わるのか、「年収350万の手取りはいくら?生活スタイルや貯蓄のポイントを解説」のコラムで紹介しているので、参考にしてみてください。
参照元
政府統計の総合窓口
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年収300万円から貯金を増やすおすすめの節約方法8選
将来のライフイベントや転職などに備えて貯金を考えている人も多いでしょう。ここでは、年収300万円の人が貯金を増やすための、おすすめの節約方法について解説します。
1.家計簿で出費の管理を行う
貯金を増やすにあたり、毎月の収支を把握することが重要。何にどれだけお金を費やしているのか、家計簿で出費を管理しましょう。無駄な出費がないか、何に使い過ぎているのかを把握すると、節約の見通しが立てやすくなります。出費内容に意識を向けることで、必要のない日用品の購入や外食などに気づき、無駄遣いを減らせるでしょう。
家計簿は、紙タイプやアプリなどが活用できます。自分に合った方法を見つけ、長く続けることが大切です。「生活が苦しいときの相談窓口はある?収支の内訳を改めて確認してみよう」のコラムでは、家計簿で収支管理をするポイントを解説しているので、あわせてご一読ください。
2.キャッシュレス決済を利用する
キャッシュレス決済を利用することで、ポイントが還元されます。貯まったポイントはほかの買い物で利用できるため、結果的に月の消費額が安くなり節約につながるでしょう。
ただし、キャッシュレス決済は「いつ、いくら使ったか」の認識が甘くなりやすいデメリットも。「オートではなく使うたびにチャージする」「毎月のチャージ額を決める」といった対策も行うのがおすすめです。
3.クーポンアプリを利用する
クーポンアプリを利用することで、買い物や外食のときに割引や特典サービスを受けられます。クーポンを利用することで出費を抑えられ、節約につながるでしょう。ダウンロードするだけで利用できる手軽さも魅力的です。
4.通信費を安くする
Wi-fiの利用料が無料の家に住んだり、携帯の利用料が安い会社で契約したりすると、通信費を安くできます。定期的に自分の契約内容を見直しましょう。通信費を削減すれば支出を節約でき、ほかの項目にお金を回せます。
5.ガス代・電気代のセット割を利用する
電力の自由化によって電力会社を選べるようになったため、基本料が安い企業への変更も検討しましょう。ガスと電気を同じ会社で契約することで、割引を受けられる可能性があります。また、通信と電気やガスとのセット割などを行っている企業もあるようです。
6.保険を見直す
保険に加入している人は、定期的に自身が加入しているプランを見直しましょう。保険はライフステージによって重視したいポイントが異なるといわれています。そのため、定期的に今の自分にはどのような保障が必要なのか見直すと、不要な保険を解約でき、保険料の削減につながるでしょう。
7.自炊する
外食を控え自炊することで、1食に掛かる金額を抑えられます。弁当を作ったり自炊をしたりすることは、最初は時間や手間が掛かるでしょう。しかし、外食するよりも食費を節約できます。多めに作って冷凍・冷蔵保存すれば「作り置き」として活用できるのもポイント。外食をするより栄養バランスが取りやすい点もメリットです。
8.実家暮らしを検討する
家賃を節約する意味で、実家暮らしを検討することも有効です。家賃の代わりとして実家にお金を入れる家庭もあるものの、家賃や光熱費、食費を大幅に節約できる方法といえます。
節約した分の金額は、貯蓄に回せるでしょう。
年収300万円の人が知りたい項目別平均年収
ここでは、年収300万円の人が知っておきたい年齢別の平均年収と男性・女性別の平均年収を紹介します。年収300万円の暮らしがどのようなものなのかを知るために、年齢層ごとの平均年収を比較してみましょう。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、下記の結果が出ています。
男女計 | 正社員 | 正社員以外 |
---|---|---|
20~24歳 | 274万4,400円 | 233万7,600円 |
25~29歳 | 316万3,200円 | 259万6,800円 |
30~34歳 | 352万9,200円 | 265万6,800円 |
35~39歳 | 392万4,000円 | 264万6,000円 |
男性 | 正社員 | 正社員以外 |
---|---|---|
20~24歳 | 278万6,400円 | 242万4,000円 |
25~29歳 | 325万6,800円 | 274万9,200円 |
30~34歳 | 368万4,000円 | 285万7,200円 |
35~39歳 | 413万7,600円 | 289万3,200円 |
女性 | 正社員 | 正社員以外 |
---|---|---|
20~24歳 | 269万7,600円 | 227万7,600円 |
25~29歳 | 303万1,200円 | 248万1,600円 |
30~34歳 | 324万2,400円 | 252万6,000円 |
35~39歳 | 343万6,800円 | 249万1,200円 |
引用:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況 (6)雇用形態別にみた賃金」
厚生労働省の調べによると、20代正社員の平均年収は300万円以下。300万円に到達するのは、統計上では正社員のみで20代後半からです。アルバイト・パートなどの正社員以外では、年齢が上がっても年収の数字は横ばい。雇用形態や企業にもよりますが、年収300万円に達することは厳しいというのが現実のようです。
「正社員の年収はどれくらい?フリーターの平均収入との違いについても解説」では、雇用形態別の年収の違いについて詳しく解説しています。
参照元
厚生労働省
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年収300万円以上に収入を増やす3つの方法
「昇進を目指す」「副業をする」「今より高収入の仕事に転職する」ことで、収入アップが可能です。ここでは、年収300万円以上に収入を増やす方法を詳しく解説しているので、自分に合った収入アップ方法を見つけるために、参考にしてみてください。
1.昇進を目指す
昇進や昇格すると、収入アップにつながります。
一般的に、役職に就くと管理職手当で給料が上がるようです。また、昇格によって等級が上がることで、給料が上昇していくこともあります。昇進や昇格を目指す人は、日々の業務で実績を上げアピールをしたり、資格を取得したりすることが大切です。
2.副業する
現状の仕事のほかに、副業をすることも収入を増やす方法の一つ。
ハタラクティブの「若者しごと白書2024 5‐2. 副業の内容(p.56)」によると、副業の内容は懸賞への応募やアンケートモニターが多く、次いで販売・サービス系のほか、最近では投資を行っている人も多いようです。
ただし、副業をする際には、体調を崩したり本業の仕事に支障が出たりすることは避け、無理のない程度にしましょう。なお、就業先の規定で副業が禁止されていることもあるので注意が必要です。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
3.より高収入な仕事に転職する
生活レベルを下げることや副業をすることで生活の負担が増える場合は、現状より高収入の仕事・職場に転職することも検討してみましょう。現在就いている仕事での昇給が見込めないとしたら、転職を考えるのも一つの手です。
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年収300万円の実態に関するQ&A
ここでは、年収300万円の実態について、よくある質問と回答をまとめています。
年収300万円の人の割合は?
国税庁の「民間給与実態統計調査 民間給与実態統計調査(p.23)」によると、年収300〜400万円に属する人は全体の約16.5%という割合です。この調査ではおよそ100〜2,500万円以上と幅があり、年収300万円代の人が一番多い割合を占めています。
参照元
国税庁
民間給与実態統計調査
年収300万円の手取りはいくら?
年収300万円の手取りは、約240万円になります。手取りとは、所得税や住民税、社会保険料などが引かれ、実際に受けとる金額のこと。年収300万円の手取り240万円を12ヶ月で割ると、月の手取りは約20万円ほどになります。
年収300万円の仕事は?
年収300万円を得る仕事は、正社員として安定した勤務が一般的でしょう。企業の一般事務や警備員、飲食業が年収300万円で、経験やスキルを磨いたり夜勤を担ったりすることで年収300万円を超えることもあります。
また、各種営業職に関しては、固定給のほかに業績を上げることで「成果給」を支給されることも多く、自分の頑張りが給与で反映される職種ともいえるでしょう。「営業の種類別にやりがいを解説!求められる能力や仕事の魅力を知ろう」では、営業職について詳しく紹介しているので、参考にご一読ください。
年収300万円より高収入を目指すには?
年収300万円より高収入を得たいと考えたときには、転職を視野に入れることもおすすめです。現状よりも収入が高い職種や企業に転職することで、年収300万円以上を目指せるでしょう。転職の際に目標とするものは人それぞれ異なるもの。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。