「県外就職を実現するのは難しいのでは？」と考えている方もいるでしょう。しかし、県外就職したい理由や目的を明確にすることで、県外就職を成功させることは可能です。

このコラムでは、都会や地方へ県外就職するメリット・デメリットや後悔しないためのポイントを解説。県外就職の基本的な流れや費用についても紹介します。県外就職を成功させるために、面接対策や志望動機の例も参考にしてみてください。

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県外就職は難しいって本当？

「県外就職は難しいのでは？」と不安に思っている方もいるでしょう。しかし、県外就職が不利になりやすいとは一概にはいえません。企業は採用者が「県内に住んでいるか」よりも、志望動機や入社意欲を重視しているからです。

ここでは、県外就職の難易度を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

アピール次第で就職を成功させることは可能

アピール次第で県外就職を成功させることは十分可能です。前述したように、企業側は「出身地を問わず志望度や意欲が高い人材を採用したい」と考えています。書類選考や面接で自分の志望度や意欲が伝わるアピールができれば、県外への就職も叶えられるでしょう。

「現在住んでいる場所から引っ越してでも入社したい」と述べることで、ほかの応募者よりも熱意を示せる可能性もあります。

県外就職率はどのくらい？

厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計) 1-4県外就職者数及び県外就職率」によると、令和6年の県外就職率は、高卒者が20.5％、中卒者が20.7％でした。

また、厚生労働省の「若年者雇用を取り巻く現状 Ｕターン・地元就職に関する大学生等の意識①」によると、2015年大学卒でUターンを希望している割合は66.3％。実際に県外就職したデータではありませんが、Uターンを希望している大卒者の割合は半数以上です。

参照元
一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
若年者雇用を取り巻く現状

地方では地元出身者が有利になりやすいこともある

地方では、能力が同じなら地元出身の人を採用する場合もあるようです。会社によって理由は異なりますが、「方言が通じる」「地元の事情をよく分かっている」などが仕事のしやすさにつながると考える企業もあるでしょう。

特に、営業の仕事では「知り合いの知り合い」といった地元出身を活かしたネットワークが強みになることも。地元以外のエリアへ県外就職する場合は、上記のような地元出身のメリットを超える、効果的な自己PRが必要だといえます。

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都会に県外就職するメリット・デメリット

都会へ県外就職するメリットには、賃金の高さや就職の選択肢の多さなどが挙げられます。一方で、競争率が高い点や物価の高さをデメリットに感じる場合もあるでしょう。

都会に県外就職するメリット

都会へ県外就職すると賃金の高さや娯楽の多さから、仕事もプライベートも充実しやすくなる場合があるでしょう。

都会に県外就職するメリットは、以下のとおりです。

賃金が高い

企業や職種によって差はありますが、都会に県外就職すると地方に比べて収入が高くなる可能性がある点はメリットといえるでしょう。厚生労働省の「令和６年賃金構造基本統計調査　結果の概況」によると、日本三大都市のある東京・大阪・愛知に加えて、都市部は賃金が高い傾向にあります。

参照：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査　結果の概況（p.16） (11) 都道府県別にみた賃金」

都市部には大企業が集まることや、最低賃金が高めに設定されていることが要因でしょう。地方から都市部へ県外就職したほうが高収入を目指しやすい可能性があります。

参照元
厚生労働省
令和６年賃金構造基本統計調査　結果の概況

就職の選択肢が増える

都会に県外就職することで、就職の選択肢が増えるのもメリットの一つ。厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」によると、2024年度の都道府県別の有効求人数上位3県は東京・大阪・愛知です。一方で、下位3県は、高知・鳥取・和歌山となっています。

引用：厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)：雇用関係指標（年度）　有効求人数、新規求人数、就職件数（正社員）」

大都市である東京や大阪に、いかに求人が集まっているかが分かるでしょう。有効求人数の少ないエリアは、もともとの人口が少ない場合もあれば、大都市圏に近い場合もあります。県外就職を考えているもののどこのエリアで働くか決まっていない場合は、求人数の多さにも注目してみましょう。

参照元
厚生労働省
厚生労働統計一覧

キャリアアップにつながる

都会へ県外就職することでキャリアアップを叶えやすいというメリットもあります。都会には大企業やベンチャー企業、スタートアップ企業などのさまざまな会社があるためです。また、都心部に本社を構える企業も多いため、地方の同じ業種・職種と比べて重要度の高い経験を積むチャンスが得られることもあります。

また、県外就職をすると多種多様な人や物との出会いから、視野が広がることも。県外就職を通して、自分が知らなかった職業や働き方を知り、幅広くキャリアアップを考えられます。周りの人に影響を受けてスキルを磨いたり、資格取得を目指したりするなど、成長意欲を刺激される機会もあるでしょう。

娯楽が豊富

都会へ県外就職した場合、娯楽施設や文化施設が多いため、プライベートを充実させやすいでしょう。おしゃれな飲食店やアパレルショップなど、休日に出かける場所が豊富で気分転換をしやすいのがメリット。また、映画館や美術館、音楽ライブの公演なども多数あるので、文化的な刺激も受けられます。プライベートが充実するとストレスが溜まりにくく、仕事への意欲も高まるでしょう。

都会に県外就職するデメリット

都会に県外就職するデメリットは、家賃や物価の高さや就活に費用が掛かることなどが挙げられます。また、人口が多く求人数が多い一方で、競争率も高いのがデメリットに感じる人もいるでしょう。

都会に県外就職するデメリットは、以下のとおりです。

競争率が高く就活が難航しやすい

前述したように、都市部の有効求人数は多いですが、その分競争率も高くなるのはデメリットといえます。のんびり就活を進めると、狙っていた求人募集が終了していることもあり得るので、スピード感をもって就職活動する必要が出てくるでしょう。

物価や家賃が高くお金がかかる

都会に県外就職するデメリットは、地方に比べて物価や家賃が高いことです。

総務省統計局の「都道府県別でみる住宅状況～住宅及び世帯に関する基本集計（確報値）より～」によると、1ヶ月当たりの家賃・間代の全国平均が5万5,695円であるのに対し、東京都の平均は8万1,001円でした。都道府県別の平均値が最も低かった鹿児島県の3万7,863円と比較すると、その差は4万円以上に昇ります。都会に就職するのであれば、そのエリアの家賃相場は事前に調べておいたほうが無難です。

参照元
総務省統計局
都道府県別でみる住宅状況～住宅及び世帯に関する基本集計（確報値）より～

人の多さや通勤にストレスを感じる

都会の人の多さに慣れていない方は、通勤ラッシュや満員電車にストレスを感じることも。都会の企業へ通勤する際は電車やバスを利用することが多く、通勤ラッシュを避けるのは難しいといえます。特に、地方から都会へ県外就職する方は、人の多さに慣れていないため、通勤が負担に感じることもあるでしょう。

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地方に県外就職するメリット・デメリット

地方への県外就職は、都会に比べて生活費が安い、通勤のストレスが少ないといったメリットがあります。一方、都会と比べて収入が低いなどのデメリットもあるでしょう。

地方に県外就職するメリット

地方へ県外就職するメリットとしては、生活費の安さや通勤ストレスの少なさなどが挙げられるでしょう。将来的に子育てを考えている方には、子どもが自然と触れ合える環境はもちろん、待機児童の少なさもメリットになります。

地方に県外就職するメリットは、以下のとおりです。

生活費が安い

地方へ県外就職する場合、都会に比べて生活費を抑えられます。特に、家賃は大きく引き下げることができるでしょう。前述したように、1ヶ月当たりの家賃・間代は都会と地方で4万円以上の差に昇ることも。地方へ県外就職を希望する場合も、希望先のエリアの家賃相場や生活環境などを事前に確認しておくと安心でしょう。

地域に貢献できる

地域の活性化に貢献できるのもメリットの一つです。企業数が少ない地方では、1つの会社が地域に与える影響が大きいため、地域への貢献度が高い傾向にあります。地域の衰退は企業の経営を左右するので、地域の発展に積極的な企業も多いでしょう。なかには、イベントの開催や地産地消の推進などを通して、地域に貢献している企業もあります。

働き手が減っている地域では、後継者不足のために衰退していく事業もあります。自分が後継者となって事業を継承し、地域に貢献することで、仕事にやりがいを感じられる場合もあるでしょう。

通勤のストレスが少ない

都会に比べて人口が少ない地方では、通勤ラッシュのストレスは少ないと考えられます。国土交通省の「三大都市圏主要区間の平均混雑率（令和６年度実績）」では、東京圏・大阪圏・名古屋圏の三大都市圏主要区間の平均混雑率は、いずれも100%を超えていることが明らかになりました。地方の場合、大都市圏よりは混雑しにくいといえるでしょう。

また、地方は都会と比べると、駐車場を確保するコストがかからなかったり公共交通機関が整っていなかったりするため、マイカー通勤を許可する企業も多い傾向にあるようです。自動車を使えば通勤時間も抑えられ、時間のゆとりをもちやすいのも、地方への県外就職のメリットといえるでしょう。

参照元
国土交通省
三大都市圏の平均混雑率が増加～都市鉄道の混雑率調査結果を公表（令和６年度実績）～

自然が多くリフレッシュできる

地方へ県外就職をすると、都会に比べて海や山、川などの自然に触れ合える機会を得やすいでしょう。都市部であっても少しの移動時間で自然豊かな場所に行けるので、休日のリフレッシュがしやすいといえます。

また、将来的に自然に囲まれた環境で子育てがしたい方は、地方で就職するのがおすすめ。待機児童が少ないエリアでは、産育休後の復帰や就職活動もスムーズでしょう。

地方に県外就職するデメリット

都会から地方に県外就職するデメリットとして挙げられるのは、交通アクセスの悪さや賃金の低さでしょう。前述のメリットと比較して、自分にとって何が大事なのかを考えたうえで判断する必要があります。

交通の便が悪い

地方に県外就職するデメリットは、都会と比べて交通の便が悪いことです。電車やバスといった公共交通機関の本数が少ないと、本来の始業時間よりも早く出勤せざるを得なかったり、定時に退勤しても帰宅が遅れてしまったりといったことがあるでしょう。

また、交通機関が発達していないエリアでは、自動車が必要になることもあります。自動車の購入費に加えて、ガソリン代や駐車場代など、思わぬ出費が増える可能性があるので注意が必要です。

都会より平均賃金が低い

都会より平均賃金が低いのも、地方に県外就職するデメリットといえます。厚生労働省の「令和６年賃金構造基本統計調査の概況」によると、平均賃金が低い都道府県は以下のとおりです。

引用：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査の概況（p.16） (11) 都道府県別にみた賃金」

もちろん、実際にもらえる賃金は個人の能力や企業によって異なります。しかし、最低賃金の地域差も影響して、都会と地方との賃金差が生まれているといえるでしょう。

参照元
厚生労働省
令和６年賃金構造基本統計調査　結果の概況

都会に比べると娯楽が少ない

地方に県外就職すると、都会よりも娯楽が少ないことをデメリットに感じる方もいるでしょう。飲食店やレジャー施設は、一般的に都市部のほうが充実している傾向にあります。そのため、休日の息抜きや趣味を楽しみに行く際は、都会と比べて選択肢が狭まってしまうでしょう。

県外就職するうえで掛かる費用

県外就職は、就職活動の段階から県内や近場での就職に比べて費用が掛かる傾向にあります。あらかじめ「何にいくら必要か」を把握して準備すれば、心に余裕をもって就職活動を進められるでしょう。

ここでは、県外就職をするうえで、就職活動や内定後に掛かる費用について解説します。

就活中に必要となる費用

就活中に必要となるのは、面接や説明会などに行く際の交通費や滞在費などの費用です。新幹線や飛行機を利用して移動する必要がある場合は、一度の往復で交通費や滞在費が数万円にのぼることもあるでしょう。そのほかにも、スーツや靴、鞄、証明写真など、選考を受けるにあたって必要となる物品も多くあります。

そのため、できるだけ同じエリアの選考日程をまとめて1回で済むようにしたり、可能であればオンラインを活用したりして出費を抑えるのも一つの手です。

内定獲得後に必要となる費用

就職が決まったあとは、移動費（交通費）や物件を借りるための初期費用、引っ越し費用などが必要です。賃貸物件を契約する際には、敷金や礼金、仲介手数料、数ヶ月分の家賃、火災保険料などが求められます。

地域や物件によって異なるものの、敷金や礼金は家賃の1〜3ヶ月分、仲介手数料は1ヶ月分ほどです。たとえば、家賃が5万円で敷金と礼金が2ヶ月ずつ、仲介手数料が1ヶ月分、2ヶ月分の家賃を前払いする場合は合計で35万円掛かります。これに、火災保険や鍵交換代などもかかるため、50万円ほどを用意しておくと安心でしょう。また、初めての一人暮らしで家具や家電などを持っていない場合、生活に必要なものの購入でさらに出費が重なることもあります。

引っ越しは、遠方になるほど費用は高くなります。特にシーズンとなる3月前後は料金が高くなるため、時期をずらして就職活動を行うのも検討してみましょう。

なお、就職してすぐに給与が支給されるわけではありません。入社日にもよりますが、十分な額を得られるのは入社から1〜2ヶ月後。内定を得たら給与規定を確認し、当面の生活費も用意しておきましょう。

お金がないけど県外就職したい…どうすべき？

就職活動中や就職後に家が決まるまでの期間など、短期間であれば親戚の家にお世話になったり、友人とルームシェアをしたりするのがおすすめ。また、安価で済むマンスリーマンションやシェアハウスなども、期間に応じて上手く活用しましょう。

ここでは、「県外就職したいけどお金がない…」というときに役立つ情報を紹介しているので、ぜひご一読ください。

親戚の家に住まわせてもらう

就職を希望する企業に通える範囲内に頼れる親戚の方がいれば、「就職・転職活動中」「一人暮らしできる資金が溜まるまで」といった短期間だけ住まわせてもらえないか聞いてみましょう。親戚であれば、全くの他人と生活するよりも気楽に過ごせる可能性もあります。

ただし、親しい仲でも迷惑にならないように、住まわせてもらう期限はしっかりと決めたうえでお願いしてみましょう。

ルームシェアを検討する

県外就職を考えている友人とルームシェアをするという方法もあります。家賃や光熱費、食費などを同居人と折半できるのがルームシェアのメリットです。慣れない土地での生活も、友人と一緒なら安心して過ごせるでしょう。

マンスリーマンションを利用する

「県外就職するのに十分なお金がない」という場合は、マンスリーマンションを利用するのも手です。マンスリーマンションとは、短期間の入居を前提としたマンションのことで、1ヶ月単位で契約できます。家具・家電があらかじめ備え付けられていたり、通常の賃貸とは違って敷金礼金が掛からないのがマンスリーマンションのメリットです。

ただし、一般的な賃貸料金よりも割高に設定されていたり、水道光熱費は固定だったりするため、長期間入居すると費用がかさむ恐れがある点には注意が必要といえます。

シェアハウスに入る

県外就職する方は、シェアハウスに住むのも選択肢の一つです。シェアハウスとは、一つの賃貸物件を複数人で共同生活を送る方法のこと。入居者の募集・審査を行う運営会社や管理会社が存在しており、同居人を自由に選ぶのは難しいのがルームシェアとの違いです。

一人暮らしをするよりも家賃や水道光熱費を抑えられる可能性が高いため、「県外就職するための資金がない」という方にはおすすめといえるでしょう。

県外就職で後悔する3つのパターン

県外就職を後悔した理由として挙がるのは、環境の変化による不安です。思い描いていた生活と異なると、「地元に帰りたい」と感じる場合もあるでしょう。

ここでは、県外就職で後悔する理由を3つご紹介します。あらかじめ後悔するパターンを知っておき、県外就職が不安やストレスにならないか検討してみましょう。

1.家族や友人と離れて孤独を感じる

県外就職して地元を離れると、いきなり友だちがいない状態になって孤独を感じる方もいます。また、いつも通っていたお店や、子どものころからお世話になっている病院など、見慣れた建物が一切ない見知らぬ土地で1人になることで、不安が増す場合もあるでしょう。慣れない仕事で疲れると弱気になり、「地元に帰りたい」と県外就職を後悔するのが一つのパターンです。

ホームシックを回避するための対策は、家族や友人と定期的に連絡を取り、いつでも相談できるような環境を作ること。また、習い事やサークルで友だち作りをするのも県外就職に成功する方法の一つです。自分の居場所を作ると、新しい生活に早く慣れるので、寂しさの軽減につながるでしょう。

2.通勤がストレスになる

県外就職をして、慣れない土地での通勤をストレスに感じる方もいます。前述したように、地方から都会へ県外就職した場合は、通勤ラッシュにストレスを感じる方もいるようです。特に首都圏では、郊外から都心への通勤が1時間以上に及ぶことも。往復2時間を超える通勤が毎日というのは、大きなストレスになるでしょう。

一方、都会から地方へ県外就職した場合は、混雑ではなく交通の不便さや自動車に掛かる費用がストレスになることも。交通インフラが整っていないエリアでは電車やバスの本数が少ないため、発車時刻に合わせて行動する必要があります。乗り遅れると大幅な時間ロスになり、ストレスを抱える原因になるでしょう。また、就業時間や通勤ルートによっては、自動車がないと通勤できない場合があります。購入費だけでなく、駐車場代や車検代などの維持費が負担になるようです。

3.職場や生活環境が合わない

慣れない土地に県外就職すると、「職場や生活環境が合わない」と後悔することもあります。たとえば、地方のゆったりとした生活や雰囲気に慣れている方は、都会のスピード感についていけないと悩む可能性も。逆に、都会から地方へ県外就職する場合は、生活環境に物足りなさを感じることもあるでしょう。

さらに、慣れない一人暮らしと並行して新しい職場に通う疲労から、生活習慣が乱れがちになってしまう恐れもあります。県外就職する場合は、新しい環境に慣れる適応力や柔軟性も求められるでしょう。

県外就職を目指す際の基本的な流れ

県外就職を成功させるために、まずは目的・やりたい仕事を明確にしましょう。目的や志望業界・職種が決まっていると、軸がぶれることなく就職活動を進めやすくなります。県外就職を目指す方は、基本的な流れについて把握したうえで計画を立ててみましょう。

1.県外就職の目的・やりたい仕事を明確にする

まずは、県外就職の目的と志望業界や職種などを明確にしましょう。県外就職する明確な目的や理由があれば、地元を離れても後悔しにくくなります。「△△を実現できる会社は、県外にしかなかった」「県外就職で◇◇の仕事がしたい」など、具体的な動機があると選考でもアピールできるでしょう。

なんとなく「都会への憧れ」だけで上京を決めたり、「ゆっくりしたい」というだけで地方移住を決めたりすると、後悔する可能性があります。就職先は「なぜ地元ではなく県外へ就職するのか」という理由を明確にしたうえで決めましょう。

2.県外就職したい地域の情報を詳しく調べる

就職先を決める前に、住む可能性のある地域のことを詳しく調べておきましょう。企業数や家賃相場、通勤手段などを調べておき、許容範囲であることを確認しておけば、後悔する可能性は低くなります。

特に地方は都会に比べて人とのコミュニケーションが密接で、ストレスになる場合も。地域によって特性があるので、自分に合った働き方や生活スタイルから場所を選ぶのも県外就職を成功させるコツです。

3.県外就職経験者や就職エージェントに相談する

県外就職を希望している方は、実際に県外就職をしたことがある経験者や、就職エージェントに相談するのもおすすめです。経験者や就職エージェントに相談すれば、リアルな体験談が聞けたりアドバイスをもらえたりするでしょう。

周囲の意見を取り入れることで、「本当に県外就職すべきか」「就職成功のために自分は何から始めるべきか」などがより明確になります。

4.県外で就職活動をする

県外で就職活動する際には、移動や宿泊など多くの費用がかかるため、なるべく選考日程をまとめられるようにスケジュールを管理しましょう。企業によっては一次面接〜最終面接まで、何度も会社に出向く必要がある場合も。貯金に余裕がない方は、現職やアルバイトなどで就職活動費が貯まってから始めたほうが無難です。

また、県外就職で土地勘がない場合は、面接会場までのアクセスはしっかりと下調べし、時間に余裕をもって行動しましょう。

県外就職における仕事の探し方

県外就職を目指す場合は、Uターン・Iターンに特化した転職サイトで情報収集したり、現地企業の説明会にオンラインで参加したりするなど、さまざまな方法で効率的に活動するのがおすすめです。特に、就職・転職エージェントは職場の詳しい雰囲気などを伝えてくれるため、県外就職でもミスマッチを回避しやすいのがメリットといえます。

以下では、県外就職における仕事の探し方を解説するので、自分に合う方法を見つけるための参考にしてみてください。

県外就職向けの転職サイトを利用する

Uターン・Iターン転職に特化した転職サイトでは、勤務地や移住支援制度など、県外就職に必要な情報を探すことができます。希望するエリアや業種、条件で検索できるため、自宅にいながら効率的に求人を比較検討できるでしょう。

現地での企業説明会や合同面接会に参加する

県外で働くイメージを具体的に掴むには、現地開催の企業説明会や合同面接会に参加するのもおすすめです。採用担当者と直接話せるため、求人票だけでは分からない職場の雰囲気や働き方を知ることができます。オンライン併用の説明会であれば、費用を気にせず参加できるでしょう。

就職・転職エージェントに相談する

就職・転職エージェントは、都市部の求人が多いサービスもあるので、地方からの県外就職に適している可能性があります。オンライン面談を実施しているエージェントであれば、地方にいながら相談が可能です。

また、就職・転職エージェントは社風などの詳しい情報を伝えてくれるので、職場見学やOB・OG訪問が難しい場合も安心できるでしょう。

県外就職で後悔しないための7つのポイント

ここでは、県外就職をしたあとに後悔しないためのポイントを7つご紹介します。就職してから「こんなはずではなかった」という事態に陥らないように、県外就職成功のコツを事前にしっかりと把握しておきましょう。

1.就活に掛かる平均期間を把握する

就活に掛かる平均期間はあらかじめ把握しておきましょう。就活にどのくらいの時間が掛かるのかを知ることで、「いつまでに就職を決める」という目標やスケジュールを決めやすくなるからです。特に、県外就職は移動や宿泊などの費用もかかるため、スピード感をもって就職活動する必要があるでしょう。

内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等 に関する調査結果について（概要）」によると、学生の場合、就活に掛かる期間で最も多いのは「9ヶ月程度以上」でした。学生は全体での就活スケジュールや入社時期がある程度決まっているため、半年以上掛けて就活する方が多いようです。

なお、ニートやフリーターの方は自分の都合に合わせて動きやすいので、学生よりも短い期間で県外就職を目指してみるのも一つの手です。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査

2.県外に出るタイミングを見極める

就活を始める前に、県外に出るタイミングを見極めましょう。具体的には、「内定を獲得してから県外に引っ越す」「就活の開始に合わせて引っ越す」などの選択肢が挙げられます。「現住所から志望企業までが遠いため、宿泊費や交通費が高額になってしまう」という方は、就活を機に引っ越すのも一つの手です。アルバイトやフリーターをしながら生活費を稼ぎ、就職活動で正社員を目指すという方法もあるでしょう。

3.職場の働きやすさをチェックする

生活環境だけでなく、志望する企業の働きやすさもチェックしておきましょう。慣れない土地での生活はストレスが溜まりやすいのにもかかわらず、職場も合わないと仕事へのモチベーションが低下してしまいます。

社風や離職率などを事前に調べて、職場の雰囲気をある程度掴んでおくのがおすすめです。より詳細な情報を得たいという方は、就職・転職エージェントに相談してみましょう。

4.通勤時間や家賃を考慮して住む場所を検討する

勤務先が決まったら、通勤時間や家賃を考慮して住む場所を検討します。家賃手当が出る場合は、上限額や適用条件などをしっかりと確認し、疑問点は必ず質問しましょう。また、家賃手当がない場合は、収入に対して無理のない家賃であるか検討する必要があります。

通勤ルートや時間も下調べして、できれば朝や夕方のラッシュ状況も把握しておくと後悔を防げるでしょう。

5.仕事以外で自己肯定感を高められるものを見つける

県外就職するにあたって、仕事以外で自己肯定感を高められるものを見つけておくことをおすすめします。前述したように、新しい土地では孤独感から「来なければよかった…」と後悔してしまう可能性も。自分が楽しんだり熱中できたりするものがあれば、新しい環境においても前向きな気持ちを維持しながら生活できるでしょう。

6.本業とは別の収入源を確保するのも手

余裕があれば、本業とは別に副収入を得られる手段を見つけておくのも効果的です。金銭面での問題は県外就職をして後悔する要因の一つとして挙げられます。本業の給料にプラスして副業で収入を得られれば、「予想より給料が少ない」「生活費がかさむ」といった悩みの解消につながるでしょう。

ただし、企業によっては従業員の副業を禁止しているところもあります。副業に興味がある方は、就職先の就業規則をチェックしておきましょう。

7.転職や地元に戻る可能性も視野に入れておく

県外就職をする際は、「上手くいかなかったときには転職や地元に戻る」と考え、悩み過ぎないことも重要です。明確な目的をもって県外就職しても、慣れない土地や職場で上手くやっていけるか不安に感じることもあるでしょう。地元に戻ったり、転職したりという選択肢をもっておけば、上手くいかなくても前向きに次のステップを検討できます。

県外就職する際の面接対策の方法

県外就職を成功させるためには、徹底した面接対策が欠かせません。具体的な方法としては、「自己分析を行う」「業界・企業研究をする」「よくある質問の回答を用意しておく」などです。以下でそれぞれの方法を解説しているので、県外就職を考えている方は参考にしてみてください。

1.まずは自己分析を行う

面接対策をする際は、まず自己分析から行いましょう。これまでの経験を振り返り、自分の得意・不得意や興味のあることなどを洗い出します。紙に書き出すと自分の思考を客観的に整理しやすくなるので、おすすめです。

自己分析で把握した自分の適性や強みは、志望動機や自己PRを考える際に役立ちます。県外就職の希望者が入社意欲をはっきりと示してほかの応募者との差別化を図るためにも、自己分析は重要だといえるでしょう。

2.志望する業界や企業の分析を徹底する

業界・企業研究もしっかり行いましょう。志望する企業の公式Webサイトや求人情報サイトに目を通し、できるだけ多くの情報を集める必要があります。現役社員のインタビューや社長のメッセージなどを閲覧すれば、社内の雰囲気も掴みやすくなるでしょう。

また、志望企業とあわせて競合他社の情報や業績を把握しておくこともおすすめ。業界誌や四季報などを読み、業界内でのトレンドや志望企業の立ち位置などについて意見を述べられるように用意しておきましょう。

3.県外就職を希望するポジティブな理由を考えておく

県外就職を成功させるためには、地元を離れてまで応募先企業に入りたい理由を面接で伝えられるようにしましょう。「なぜ県外就職するのか」という質問は、面接においてよく聞かれます。理由が曖昧だと「この会社でなくても良いのでは」と思われてしまうことも。企業理念への共感や入社後のキャリアプランなどを説明し、「この会社だから移住してでも入りたい」という熱意をアピールしましょう。

4.面接でよくある質問の回答は準備しておく

自己紹介や志望動機、自己PRなど面接でよくある質問の回答はあらかじめ考えておきましょう。よくある質問に対してスムーズに答えられないと、準備不足だと印象が下がる可能性もあるからです。

自己分析や企業研究をしたうえで、「企業への逆質問」も含め、よくある質問の回答を準備しておきましょう。

県外就職の志望動機の考え方と例文

先述のように、県外就職をする場合は面接で「なぜ県外就職したいのか？」という理由を聞かれることが多くあります。ここでは、県外就職の志望動機の考え方と例文を紹介するので、応募書類や面接対策の参考にしてみてください。

会社にどのようなメリットを与えられるか

志望動機を作成する際は、自身のこれまでの経験が、どのような形で会社のメリットになるかという点をアピールしましょう。県外就職の面接では「これまでの経験を活かして即戦力として働いてくれるか」「採用することで会社に新しい風を吹かせてくれるか」といった点が重視されるためです。

志望動機の回答例を下記でご紹介します。

例文

前職の経験のほか、学生時代の経験やアルバイトでの経験のなかから、志望する会社で活かせそうなことを見つけてアピールポイントにつなげましょう。

就職を希望する土地に思い入れがある

県外就職の面接では、「なぜその土地を選んだのか？」「なぜ数ある選択肢のなかからこの地域で生活したいと思ったのか」という質問もされる可能性が高いでしょう。「地方（都会）に住んでみたかったから」「一人暮らしをしたかったから」だけではなく、その土地でなければならないという必要性が伝わる回答をすることが大切です。

下記に回答例をご紹介するので、参考にしてみてください。

例文

この土地でなくてはならないと、面接官が納得してくれる明確な理由を説明できるようにしましょう。

県外就職が決まったあとの流れ

内定をもらった後も、問題なく新生活をスタートさせるためにやることは多いもの。ここでは県外就職が決まったあとの流れをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.退職手続きを済ませる

現在働いている企業から転職する形で県外就職する場合は、以下の退職準備を行いましょう。

• ・直属の上司に退職の相談をする
• ・引継ぎの準備をする
• ・会社への返却物や退職時に自分が受け取るものを確認する

内定をもらったら、まず直属の上司に退職の相談をします。このとき引き止めに遭わないよう、退職の意思が固いことを伝えるのがポイントです。退職予定日が決まった後は、後任者への引継ぎ資料を作成したり、退職時に会社へ返却するものや自分が受け取るものを確認したりして、円満退職できるようにしましょう。

2.引っ越しの準備をする

退職予定日が決まったら、引っ越しの準備も進めましょう。引っ越しに必要な主な準備は以下のとおりです。

• ・新居探し
• ・引っ越し業者探し
• ・転居届の提出
• ・印鑑登録の廃止手続き
• ・インターネットプロバイダの解約手続き
• ・ライフラインの解約手続き
• ・郵便物の転送手続き
• ・現在一人暮らしをしている場合は退去の手続き
• ・荷造り

上記のように、引っ越しの準備はやることが多く、時間も掛かります。そのため、スマホのメモ機能やアプリでやることリストを作成して、1つずつチェックしながら準備を進めるのがおすすめです。

3.引っ越し後の手続きをする

引っ越しが完了後も、やるべきことや手続きがいくつかあります。これらも忘れずに行うようにしましょう。

• ・転入届の提出
• ・印鑑登録の手続き
• ・免許証や車検証の住所変更
• ・マイナンバーの住所変更
• ・ライフラインの契約

上記の手続きは、役所に行かなければできないものもあれば、インターネット上で完了できるものもあります。手続き可能な時間帯や必要な持ち物などを確認したうえで、引っ越し後できるだけ早めに行うようにしましょう。

【まとめ】県外就職はエージェントの利用もおすすめ

県外就職には、就職・転職エージェントの利用がおすすめです。県外の企業へ就職活動をするときには、分からないことが多くて悩むもの。実態を知る機会も少なく、優良企業を見つけるのが難しい面もあります。

就職・転職エージェントなら、専任のアドバイザーに相談しながら就職活動を進められるので安心です。エージェントからは、求人サイトよりも詳細な企業情報を得られるでしょう。また、電話面談を行っているエージェントもあるので、地方在住の方も利用が可能です。エージェントに何度も足を運ばなくても、効率的に就職活動が進められます。

「就職活動をサポートしてほしい」「県外就職に関する情報が欲しい」という方は、ぜひ就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。

ハタラクティブでは、独自に取材した企業の求人から、あなたのご希望に合った求人をご紹介。専任のキャリアアドバイザーが企業の雰囲気や、強み・弱みも確認したうえでご紹介するので、入社後のミスマッチを防げます。

また、細かい日程調整も就職活動アドバイザーが代行しますので、県外就職を検討している人におすすめです。1分程度でできる適職診断も無料で利用可能なので、お気軽にお問い合わせください。

県外就職に関するお悩みQ＆A

慣れない土地へ県外就職する方は、不安や悩みもあるでしょう。ここでは、県外就職に関するお悩みをQ＆A方式で解決していきます。

親が県外就職に反対です

慣れない土地での一人暮らしへの心配や、地元での就職を望む気持ちから、親が県外就職に反対する場合もあります。
自分が県外就職を希望する理由や、生活面・仕事面での具体的な計画を説明し、安心材料を示すことで理解を得やすくなるでしょう。

県外就職でも再就職手当は受け取れる？

再就職手当の受給条件を満たせば受け取れます。再就職手当は就職先が県外かどうかは関係なく、「継続して1年以上の雇用見込みがあること」や「就職先でも雇用保険に加入できること」などが条件です。

県外での就職に向いている人は？

「県外就職でやりたい仕事がある」「将来のキャリアプランを叶えるために県外就職したい」など、県外就職の理由や目的が明確な方は向いているでしょう。また、県外就職では慣れない土地で働く場合もあるため、適応力や柔軟性のある方のほうが早く馴染めるでしょう。

県外（都会）で就職するにはどんな準備が必要？

地方に比べ都会は家賃や物価が高い傾向にあるため、ある程度の資金を準備しておくことをおすすめします。また、都会のほうが企業の数も多いため、働きたい会社の候補を考えておきましょう。

フリーターも県外で就職できますか？

フリーターの方も県外で就職できる可能性はあります。県外就職できるか不安であれば、ハローワークや就職エージェントといった支援機関に相談するのがおすすめです。
ハタラクティブでは、若年層の就職活動をサポートしています。フリーターの方に向けた求人を数多く紹介していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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