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自己分析とは?実施のメリットと就活や転職活動での必要性を解説
この記事のまとめ
- 自己分析とは、自分自身を分析し価値観や適性の理解を深めるもの
- 自己分析のメリットには、「やりたいことの明確化」「仕事のミスマッチ防止」などがある
- 自己分析の種類には、「自分史」や「モチベーショングラフ」などがある
- 自己分析は、まずは過去の自分を振り返ることから始める
- 1人で自己分析をするのが難しい場合は、就職・転職エージェントに相談するのもおすすめ
「自己分析とはそもそも何?」「どんなやり方があるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。自己分析とは、自分自身を分析し、価値観や適性の理解を深めるための方法です。
このコラムでは、自己分析を行うメリットや基本的なやり方について紹介します。また、自己分析の種類や分析方法、就職・転職活動で活かすための志望動機の作り方なども解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
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自己分析とは?
自己分析とは、自分の経験や思考から「長所・短所」「得意・不得意」「価値観」などを客観的に分析し、自分自身を深く把握するための作業です。就職や転職といった求職活動の一環として行われるのが一般的です。自己分析の結果は、向いている業界・仕事を分析するときや、志望動機や自己PRを考えるときに役立ちます。
自分の価値観や適性の理解を深める
自己分析は、自分自身を分析し、価値観や適性の理解を深めるために行います。自身の価値観や適性が明確になることで、就職・転職先を選ぶ際に自分の強みが活かせる職場を選びやすくなったり、仕事のミスマッチも事前に防げたりするでしょう。
また、自己分析で自分のことを深く知ることで、「何のために就職・転職するのか」「何を重視して仕事を選ぶのか」も具体的になるため、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
就職・転職活動の面接では、自分の「長所や短所」や「就職・転職の軸」を聞かれる機会も多いため、面接対策にもつながるでしょう。
自己分析が役立つ場面
自己分析は、以下のような疑問を解消するためのヒントになります。
- ・自分の強み(アピールポイント)は何か
- ・長所、短所は何か
- ・大切にしている価値観は何か
- ・学生時代・アルバイト時代に努力したことは何か
- ・課題や困難に直面したときにどのような行動を取るか
- ・得意なこと、苦手なことは何か
- ・モチベーションが高まるポイントは何か
- ・子どものころやりたかった仕事は何か
- ・どのような仕事に興味があるのか
- ・なぜその業界や職種を志望するのか
就職活動や転職活動をするにあたって、自分が志望する業界や職種をある程度絞らなくてはなりません。「自分の強みは何か」「モチベーションが高まるポイントは何か」などを多角的に分析することで、適職を導き出せるでしょう。
自己分析はメリットの有無や大きさでやるべきか判断するものではなく、仕事選びや選考でのアピールを考える際に必ず実行が必要なものといえます。
効果的な自己分析のやり方を知りたい方は「自己分析とは?実施のメリットと就活や転職活動での必要性を解説」のコラムもあわせてチェックしてみてください。
就活・転職活動における自己分析の必要性
ここでは、なぜ自己分析が必要なのか、その理由を2つ紹介します。「メリットを確認しても、自己分析をする必要性が分からない」と疑問を感じている方は、ぜひチェックしてみてください。
客観的に自分を理解するため
自己分析をすることによって、自分の「長所・短所」「得意・不得意」「価値観」といった特徴を客観的に理解できます。
面接では、「自分を客観視できているか」といった自己分析力が評価の対象になることも。また、企業への志望動機を明確にしたり、オリジナリティのある自己PRを考えたりするためにも、自分を客観視する作業が大切です。
就職活動(転職活動)の軸を定めるため
自己分析は、就職・転職活動の軸を定めるために欠かせません。「就職活動の軸」とは、求人探しや面接対策をする際の方向性や譲れないものを定めるものです。自己分析は、その軸を定めるために必要な「強み」や「価値観」を明確にしやすくなります。
自己分析をしないと求職活動の方向性を見失い、「自分の強みが分からなくなる」「回答がぶれてしまう」「企業のニーズに合わないアピールをしてしまう」などの失敗につながることもあるでしょう。
就職活動の軸を決める方法については「就活の軸の決め方とは?必要性や面接での回答例も紹介!」を参照ください。
自己分析はいつまでにやるべき?
自己分析は、いつまでにやっておかなければいけないという明確な基準はありませんが、就職・転職活動を始める前までに済ませておくのが効果的です。自己分析では、就職・転職活動で活かせるアピールポイントを知れるだけでなく、自分の適性も分かるため適職を見つける際にも役に立つでしょう。
また、自己分析と同時に企業研究も行っておくと、より自分に合った企業や仕事を見つけやすくなるため、スムーズに就職・転職活動を進められます。
「就活の時間配分は?自己分析・企業研究にかかる期間や面接の長さを解説!」のコラムでは、就職や自己分析などにかかる期間について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ハタラクティブアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
自己分析を行う4つのメリット
ここでは自己分析を行うメリットについて4つ挙げてご紹介します。「自己分析には意味がある?」と疑問に思う方は以下を参考にしてみてください。
自己分析を行うメリット
- 自分のやりたいことが明確化できる
- 自己PRや志望動機の説得力をアップさせられる
- 回答内容にぶれがなくなる
- 仕事とのミスマッチを防げる
1.自分のやりたいことが明確化できる
自己分析を行うことで、自分の本当に好きなことや大切にしている価値観が分かり、自分のやりたいことが明確化できるメリットがあります。やりたいことが明確化されることで、就職や転職活動の軸を決めやすくなり、仕事を選ぶ際に役立つでしょう。
「自己分析が大事!「やりたいこと探し」の方法とは」のコラムでは、やりたいことを探すための自己分析の方法について詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
2.自己PRや志望動機の説得力をアップさせられる
自己分析では、就職活動や転職活動の自己PRや志望動機を伝える際の、アピールポイントとその根拠を探せるでしょう。
面接では、強みだけではなく、その根拠となるエピソードを具体的に示す必要があります。
「自分の強みはもう知っている」という人でも、それを示す根拠はすぐに思い出せない場合があるでしょう。自己分析を行い、自分を客観視し、強みだけでなくその根拠を明確にしておくことが大切です。
3.回答内容にぶれがなくなる
自己分析をしっかりしたうえで面接に挑めば、一貫性を持った回答をしやすくなるでしょう。自己分析が不十分だと、志望動機と自己PRの内容がずれてしまい、「本当のことをいっているのか」と疑われる恐れもあります。
面接では発言の整合性が確かめられるので、自己分析によって自分自身を十分理解しておきましょう。
4.仕事とのミスマッチを防げる
自己分析を徹底しておくことで、入社後に自分がやりたい仕事とのミスマッチを起こすリスクを減らせるでしょう。せっかく入社できても、「思っていた仕事内容と違った」と早期離職してしまう人もいます。自己分析を行うことで、自分の強みや価値観と企業が求めるものを照らし合わせ、相性を確かめやすいでしょう。
また、自己分析に加えて企業研究を行うことで、自身のやりたいことや強みと企業のビジョンをマッチさせやすく、より自身が理想とする企業に就職しやすい可能性があります。企業研究の方法については「企業研究のやり方を解説!調べることや就職・転職活動への活かし方も紹介」をご一読ください。
自己分析のやり方4ステップ
ここでは自己分析を行う際のやり方をご紹介します。1〜4ステップまでまとめてあるので、自己分析を行う際の参考にしてみてください。
1.過去の自分を振り返る
まずは自分の過去を振り返り、出来事を箇条書きで書き出します。新卒の場合は「学業」や「部活」「アルバイト」など、転職者の場合は前職で印象に残っていることを、時系列で一覧にするのがポイントです。
「好きなこと」「得意なこと」「苦手なこと」「継続したこと」「嬉しかったこと」など、さまざまな視点で思い出してみましょう。時系列にするときは、「中学時代」「高校時代」「大学時代」のように区切って書き出しておくと、整理しやすいです。
出来事は、困難やトラブルといったネガティブな体験談でも問題ありません。長所や短所、自己PRなどを考えるときにも役立ちます。
2.エピソードを深く掘り下げる
過去の出来事を振り返ったら、書き出したエピソード一つひとつを掘り下げていきます。エピソード一つにつき、次のような内容を考えてみましょう。
- ・取り組んだ内容と経緯
- ・具体的な印象深いエピソード
- ・良かったこと
- ・困難に感じたこと
- ・困難の場合は解決に向けて工夫した点
- ・出来事から得た学び
深堀りするコツは、「なぜ?」「どうして?」を繰り返すことがポイントです。「なぜその活動に取り組んだのか」「なぜ続けられたのか」「どうしてそう感じたのか」と、自問自答を繰り返しましょう。
また、困難やトラブルに関する内容は、「採用の場にふさわしくない」と捉えがちですが、そのようなことはありません。「解決するために工夫した点」や「経験から得られた学び」があれば、有効なアピール材料になります。どのようなエピソードでも採用の場でアピールできる可能性があるため、漏れなく書き出しておきましょう。
3.分析内容を整理して強みや価値観を見つける
これまで洗い出してきたエピソードから共通点を見つけます。「内容は違うけど解決に向けた動き方は一緒」「同じようなことを困難として感じやすい」など、さまざまな角度から自分の傾向を分析してみましょう。その結果が自分の強みや価値観を見つけるヒントとなります。
強みは、特別なものである必要はありません。「ほかの候補者よりも良く見せたい」という思いで、嘘の強みを考えるのはやめましょう。嘘やごまかしは、入社後にバレてしまう恐れがあります。
面接官に「一緒に働きたい」「うちに来て欲しい」と思ってもらえるような強みを選んで、自己PRや志望動機などに活かしましょう。
4.強みや価値観から求職活動の方向性を考える
見つけた強みや価値観をもとに、「就職活動(転職活動)の軸」を定め、方向性を決めましょう。自分が「何に対して熱意を持って取り組めるのか」というモチベーションの源を把握し、それを実現できる企業や職種が何かを考えます。
難しい場合は、将来なりたい自分の理想の姿をイメージし、「目的達成のために何をすべきか」「どんな仕事で自分の強みを活かせるか」を考えてみるのも手です。
自己分析の結果を求人選びに活かせば、入社後にミスマッチを感じるリスクをある程度抑えられます。自分に合ったした企業や職種を選ぶためにも、自己分析をしっかり行いましょう。
自己分析の進め方について知りたい方は「フリーターが自己分析するのは何のため?やり方がわからない方へのヒント集」のコラムも参考にしてみてください。
自己分析の種類や分析方法
自己分析には、「自分史」や「モチベーショングラフ」「ライフラインチャート」などさまざまな種類があり、それぞれ分析方法が異なります。
ここでは、自己分析のやり方8種類と分析方法について詳しく解説するので、自分に合った方法を見つける際の参考にしてください。
自己分析の種類や分析方法
1.自分史
自分史とは、自分の過去の体験や感情、行動を時系列で振り返ることで、自分自身の「価値観」や「性格」「強み・弱み」「人生の傾向」などの理解を深めます。
自分史を作る際は以下のステップで作成すると効果的です。
内容 | ポイント | |
---|---|---|
1.時期で分ける | 人生をいくつかの期間に区切る(例:幼少期、小中高、大学、社会人など) | 振り返りやすいように時系列で整理する |
2.出来事・感情を書きだす | 各時期で印象に残っている経験や感情を思い出す | 成功・失敗、嬉しかったこと・悔しかったことなども含める |
3.共通点・傾向を探す | 振り返った出来事から、自分の行動パターンや特徴を見つける | 強み・弱み、やる気が出るとき、苦手な環境などを意識する |
4.特徴や価値観をまとめる | 見つけた傾向から「自分らしさ」を言語化する | 強み、モチベーションの源、大切にしている考え方などを整理 |
自分史を書くときは、「ネガティブな体験」も避けずに書くことが大切です。辛い経験や失敗のなかにこそ、自分の価値観や成長のきっかけが隠れていることが多いからです。
また、他人と比較しないことも重要といえます。自分史とはあくまでも自分自身の過去と向き合う作業のため、他人と比べて優劣を測るのはやめましょう。
2.モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、過去の人生を掘り下げながら自分のやる気(モチベーション)の上下をグラフで可視化する自己分析方法です。
時間の流れ(年齢や学年)を横軸に、モチベーションの高さを縦軸にして、気持ちの浮き沈みを線でつなぎながら、自分の感情や価値観、行動パターンを見える化します。
モチベーショングラフを作成するときは、以下のポイントに注意して作成してみてください。
ステップ | 内容 |
---|---|
1.横軸に「年齢」や「学年」を取る | 例:小学生~現在まで |
2.縦軸に「モチベーションの高さ」 | 例:下が最低(やる気がない状態)、上が最高(やる気がある状態) |
3.出来事を思い出しながらモチベーションの高さに合わせた線を曲線にして引く | 各時期のやる気の状態をグラフに描く |
4.上下した理由・背景を書き添える | 「なぜ上がった?なぜ下がった?」を言語化する |
5.共通点・傾向を探る | 何がやる気の源か、どんなときに落ち込むかを分析する |
モチベーショングラフを作成することで、自分の人生におけるやる気や気分の浮き沈みパターンや、その背景にある価値観や行動傾向を客観的に把握することが可能です。
また、過去の成功体験や挫折体験を振り返ることで、自分がどのような状況で力を発揮できるのか、あるいは何が自分にとってストレスになるのかといった人生の傾向や特徴も見えてきます。
このような気づきは、自己理解を深めるだけでなく、進路選択やキャリア設計、自己PRの材料としても役に立つのでおすすめです。
3.ライフラインチャート
ライフラインチャートとは、自分の人生を時系列で振り返りながら、「感情」や「満足度」「充実度」の浮き沈みをグラフで表す自己分析の手法です。
モチベーショングラフに似ていますが、より広い意味での「人生の流れ」や「人生の満足度の変化」を振り返るために使用します。
ライフラインチャートの作り方は以下のとおりです。
ステップ | 内容 |
---|---|
1.横軸に「年齢」や「人生の時期」を設定 | 例:幼少期、小中高、大学、社会人など |
2.縦軸に「感情の高低」や「人生の満足度」 | 上に行くほどポジティブ、下に行くほどネガティブ |
3.各時期の出来事・感情を思い出す | 印象的な体験やターニングポイントを書きだす |
4.点をつなげてグラフを描く | 感情の流れ・人生の山と谷が可視化される |
5.背景や理由も記入する | なぜその時期が長かった・悪かったのかを記録する |
ライフラインチャートを作ることで、人生における満足度の高い時期と低い時期のパターンが見えてきます。それにより、どのような環境や出来事が自分にとってプラスに働くのか、逆にどのような状況がストレスや不満につながるのかを客観的に理解できるでしょう。
また、自分にとっての人生の転機や価値観が変わったタイミングも明らかになり、これからのキャリア選択や目標設定のヒントにもなります。
4.マインドマップ
自己分析におけるマインドマップとは、あるテーマを中心に置き、そこから関連するキーワードやアイディアを枝状に広げていく方法です。思考を整理したり、アイディアを可視化したりするのに非常に役に立ちます。
自己分析では、「自分」というテーマから連想される「経験」や「感情」「価値観」「強み」などを広げていくことで、自分の特徴や考え方を視覚的に整理・理解できるでしょう。
マインドマップを作る際に気をつけるポイントは以下のとおりです。
ステップ | 内容 |
---|---|
1.中心に「自分」や「私」と書く | ノートや紙の真ん中に書く |
2.太い枝に主要テーマを書く | 例:性格・経験・価値観・得意なこと・苦手なことなど |
3.枝をさらに細かく展開する | 各テーマについて思いつくことを自由に書き出す |
4.キーワードやイラストで表現する | 文章ではなく単語や絵で整理するのがポイント |
5.全体を見て気づきをまとめる | 共通点や、自分らしさが見えてくる部分に注目する |
マインドマップを書くときのポイントは、思いついたことを自由に書き出すことです。正解や形式にとらわれず、自分の頭のなかにあることをそのまま広げていくことで、新たな気づきにつながります。
また、できるだけ単語で書くように書くようにすると、全体が見やすくなり、思考の流れもつかみやすくなるでしょう。さらに、マインドマップの枝の内容は途中で変わっても構いません。
最初に出てきたアイディアが、ほかのテーマとつながったり、自分でも意外な方向に進展したりする場合もあるでしょう。そのため、書きながら気づいたことを追加・修正する柔軟さが大切です。
5.MBTI診断
MBTI診断とは、Myers-Briggs Type Indicator(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)の略で、アメリカの心理学者マイヤーズとブリッグスが開発した、性格タイプを16通りに分類する性格診断ツールです。
人それぞれの「物の見え方・考え方・判断の仕方」の傾向を明らかにし、自分らしい行動のパターンや、人との違いを理解することに役立ちます。
MBTI診断で分かる4つの性格指標は以下のとおりです。
指標 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
1.エネルギーの向け方 | 外向(E)・内向(I) | 外の世界に興味が向くか、自分の内面に興味が向くか |
2.情報の受け取り方 | 感覚(S)・直観(N) | 五感から事実を重視するか、直感やひらめきを重視するか |
3.判断の仕方 | 思考(T)・感情(F) | 論理や客観性を重視するか、人の気持ちや価値観を重視するか |
4.生活のスタイル | 判断(J)・知覚(P) | 計画的で整理された生き方か、柔軟で流れに任せる生き方か |
上記の組み合わせで、「INTJ」や「ESFP」などの16タイプに分かれます。
自己分析でMBTI診断を活用することで、自分がどのように物事を考え、感じ、行動する傾向があるのかを知ることが可能です。これにより、自分の強みやコミュニケーションのスタイル、そして他人との違いを客観的に理解できるようになります。
また、自分に合った働き方や職場環境、人との関わり方が見えてくるため、キャリア選択や人間関係の改善にも役に立つでしょう。
「MBTI・16タイプ別に向いている仕事とは?相性の良い性格タイプも解説」のコラムでは、MBTIの16タイプ別で仕事の相性や向いている職業を紹介しているので、あわせてご覧ください。
6.WILL・CAN・MUSTフレーム
「WILL・CAN・MUSTフレーム」とは、自己分析やキャリア設計に使われる思考整理のフレームワークのことです。WILL・CAN・MUSTフレームでは、自分の理想と現実のギャップや今後伸ばしていきたいスキルなどを明確にできます。
以下の3つの要素を掛け合わせて「自分にとって本当にやるべきこと=理想のキャリア・目標」を見つけるために使用します。
要素 | 意味 | キーワード |
---|---|---|
WILL(やりたいこと) | 自分が心から望んでいること、興味・関心のあること | 夢、熱意、価値観、目標 |
CAN(できること) | 自分ができること、得意なこと、これまで培ってきたスキル | 経験、能力、強み、成果 |
MUST(求められること) | 社会や周囲、組織から求められていること | 役割、責任、市場のニーズ |
WILL・CAN・MUSTフレームの使い方としては、まずはやりたいことや興味、なりたい姿などを自由に紙に書き出すことから始めましょう。その後、自分が得意なことや経験してきたことを整理して、今の社会や会社、周囲から求められていることを考えます。
最後に書いた内容を見比べて、重なりを探したり、ギャップを見つけたりしましょう。
7.ジョハリの窓
ジョハリの窓とは、アメリカの心理学者ジョセフ・ルフトとハリ・インガムが提唱した、自己理解と他者理解を深めるための心理学モデルです。人間関係のなかで、自分がどう見られているか、どこまで自分を理解しているかを4つの領域に分けて整理することで、「本当の自分」や「他人との関わり方」への気づきが得られます。
ジョハリの窓の4つ領域は以下のとおりです。
領域 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
1.開放の窓(開かれた自己) | 自分も他人も知っている自分 | 自己紹介や普段の性格など、共有されている部分 |
2.盲点の窓(見えていない自己) | 他人は知っているが、自分は気づいていない自分 | 無意識の癖、印象、態度など(フィードバックで気づける) |
3.秘密の窓(隠している自己) | 自分は知っているが、他人には見せていない自分 | 本音、悩み、価値観など(自己開示で広がる) |
4.未知の窓(未知の自己) | 自分も他人も知らない自分 | 潜在能力、未知の価値観、極限状態で出る行動など |
ジョハリの窓を活用するためには、まず自己分析を行い、「自分の性格」や「行動傾向」「価値観」などについて整理します。次に家族や友人、同僚など信頼できる他者からフィードバックを受け取ることで、自分では気づかなかった一面を知れるでしょう。
また、自分の考えや気持ちを意識的に他者に伝える自己開示を行うことで、他者との間にある情報のギャップを減らし、信頼関係を築きやすくなります。このようにして、自分も他人も知っている領域(開放の窓)が広がっていくといえるでしょう。
8.ストレングスファインダー
ストレングスファインダーとは、アメリカの世論調査会社「ギャラップ社」が開発した、「自分の強み(才能)」を見つけるための診断ツールです。ストレングスファインダーは、自分の強みを客観的に理解したり、強みを活かして仕事や人間関係、人生全体をより良くしたりする目的があります。
また、苦手なことを克服するよりも、得意なことを伸ばすことに重きを置いている診断ツールです。
ストレングスファインダーの特徴としては、177問の質問に答えることで、34の資質(才能)のなかから自分がより得意な上位5つが分かります。たとえば、「達成欲」や「共感性」「戦略性」など。これらの特徴を理解することで、自己理解を深め、自身の強みを活かした行動やキャリア形成に役立てることができるでしょう。
自己分析をする際に意識すること
自己分析をする際に意識することとしては、「キャリアプランを立てる際に役立てる」や「自己分析の結果を言語化する」などが挙げられます。以下で、詳しい内容を解説するので、自己分析を行う際の参考にしてみてください。
キャリアプランを立てる際に役立てる
自己分析をするときに意識することの一つに、キャリアプランを立てる際に役立てることが挙げられます。自己分析では、自分の内面と向き合い、「何が得意か」「何を大切にしているのか」「どんな働き方が合っているのか」を明確にできるため、より理想に近いキャリア形成を行うことが可能でしょう。
また、自己分析を通してキャリアプランを立てておくことで、志望動機や面接の際の説得力も高まるのでおすすめです。長期的なキャリアプランを立てておきたいという方は、ライフプランも同時に考えながら自己分析を行うと効果的でしょう。
自己分析の結果を言語化する
自己分析を行う際は、結果が出て満足するのではなく、分かったことを就職・転職活動で活かせるように言語化しましょう。自己分析の内容を言語化することで、頭のなかの曖昧な感覚を明確にでき、より説得力のある志望動機や自己PRを作成できます。
具体的な言語化の方法としては、人と話すのが好きな人であれば、「なぜ話すのが好きなのか」「それをどう仕事に活かしたいのか・活かせるのか」を自問自答し、「エピソード・理由・強み」をセットでまとめることが重要です。
自己分析を言語化することで、自分自身への理解が深まるだけでなく、他者に伝える力にもつながるので、面接対策にもなるでしょう。
自己分析をもとに志望動機を作る方法
自己分析を終えたら、分かった結果をもとに志望動機を作りましょう。自己分析をもとに志望動機を作る際は、「自分の価値観や強み」と「企業や職種の特徴」をつなげて一貫性のある理由を伝えることが大切です。自分と企業や職種との接点を示すことで、「なぜその企業に就職したいのか」が明確に伝わるでしょう。
以下で志望動機の例を紹介するので、参考にしてみてください。
志望動機の例
自己分析で分かった、「相手の立場に立って考えられる力」「粘り強く目標に向かう姿勢」の強みを活かした志望動機例は以下のとおりです。
「私は、貴社の個人のキャリアに寄り添い、長期的な成長を支援する姿勢に魅力を感じ志望しました。私は、人の成長に関わることに大きなやりがいを感じており、それを軸に企業を選んでいます。大学時代は学習塾で講師として働き、生徒一人ひとりの性格や理解度に合わせた指導を工夫するなかで目標達成に向けて伴走する喜びを実感しました。
自分の強みでもある『相手の立場に立って考える力』や『粘り強く目標に向かう姿勢』を活かし、求職者一人ひとりに向き合いながら、より良いキャリア支援を実現したいと考えています。将来的には、個人だけでなく企業側の課題解決にも深く関わり、社会全体の成長に貢献していきたいと思っています」
志望動機の基礎的な作り方に関しては、「志望動機の作り方を解説!好印象な回答をするポイントとは」コラムでも解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
1人で自己分析をするのが難しいときの3つの対処法
1人で自己分析をするのが難しいと感じたら、次の方法を試してみましょう。
1人で自己分析をするのが難しいときの対処法
- 自己分析シートを活用する
- 他己分析をする
- 就職のプロに相談する
1.自己分析ツールを活用する
自己分析ツールを活用することもおすすめです。たとえば、「自己分析シート」を使えば、自己分析を簡単に行えます。自己分析シートは、あらかじめ考えるべき項目が記載されたフォーマットです。次のような問いに対し、一つひとつ空欄を埋めていく形で自己分析を行えます。
- ・過去の活動内容(エピソード)
- ・なぜその活動に取り組んだのか
- ・なぜその活動を続けたのか
- ・なぜ頑張れたのか
- ・どのような困難に直面したか
- ・どのように工夫して解決したか
- ・なぜその対処法を選んだのか
- ・その活動で学んだことは何か
自己分析シートによって、内容や方法は異なります。Webサイトからダウンロードできるものも多く存在しているので、自分が取り組みやすそうなシートを探してみてください。
2.他己分析をする
「自分で自己分析をするのが難しい」という人は、家族や知人に「他己分析」を頼んでみるのも手です。他己分析とは、自分以外の人に自分の長所や短所、第一印象などを分析してもらうことです。あらかじめ質問シートを用意し、「家族」や「友人」「先輩」など身近な人にお願いしてみましょう。
質問は、以下のような内容を参考にしてください
- ・私の第一印象は?
- ・私の長所とその理由は?
- ・印象に残っているエピソードは?
- ・私の性格はどう思う?
- ・尊敬できる点はどんなところ?
- ・どんな仕事が向いていると思う?
- ・将来どんな人になると思う?
質問するときは、答えだけでなく理由も詳しく述べてもらうと、より深く知れるためおすすめです。自分では気づいていない新たな一面を知るきっかけになることもあるでしょう。
3.就職・転職エージェントに相談する
「自己分析をやってみたけどこれで良いか不安」という人は、プロに相談してみるのがおすすめです。新卒なら大学のキャリアセンターや就職支援サービスへ相談したり、自己分析に特化した就活セミナーへ参加したりすれば、プロの意見を聞くことが可能です。
既卒や転職者の場合は、民間の就職・転職支援サービスのアドバイザーへ相談してみましょう。
就職・転職支援サービスでは求人紹介や求職相談がメインですが、サービスの一環として、自己分析のアドバイスをしてくれることもあります。
多くの求職者を見たアドバイザーならではのノウハウを教えてもらえる可能性があるため、利用してみるのもおすすめです。
転職サービスについては「転職エージェントの使い方を解説!利用時の基本の流れと賢い活用方のコツ」をご一読ください。
「自己分析でつまずいてしまった」「効果的な自己PRにするための方法が知りたい」という方は、
就職・転職支援サービスのハタラクティブをご利用ください。
経験豊富なキャリアアドバイザーが、自己分析のやり方から強みの活かし方まで丁寧にアドバイスしてくれるのがメリットです。「こんなところは強みになる?」などのちょっとしたお悩みにも丁寧に回答いたします。サービスはすべて無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。
自己分析のに関するQ&A
最後に、自己分析を行うメリットに関して抱かれがちな疑問や質問にお答えします。「自己分析のメリットが分からないためいまいちやる気が起きない」という方は、ぜひ参考にしてください。
自己分析とは簡単にいうと何か?
自己分析とは簡単にいうと、自分自身を客観視して「自分はどんな人間か」を知ることです。具体的には、自分自身の過去の経験や出来事を振り返り、自分の特徴や行動傾向、価値観などを整理することをいいます。
自己分析では、自分の長所や短所、興味のあること、適性などを把握できるため、仕事探しに役立つといえるでしょう。「第二新卒に自己分析は必要?転職時や採用面接に活用できるやり方を紹介」のコラムでは、就職・転職活動時に自己分析が必要な理由や面接で活用する方法について解説しているので、ぜひご一読ください。
自己分析はなぜ求職活動で必要?
自己分析は自分の強みや弱みを理解し、就職・転職活動を有利に進めるために行います。自己分析をすることで自分自身を客観的に理解でき、面接や書類選考を有利に進められるでしょう。
逆に、自己分析を全くせずに就活に挑むと、面接時の答えが浅いものになってしまい、採用担当者から「この人は本当にやる気があるのかな?」と思われてしまう可能性も。自己分析の必要性について知りたい方は「自己分析とは?実施のメリットと就活や転職活動での必要性を解説」をあわせてご覧ください。
社会人が自己分析を行うメリットとは?
社会人が自己分析を行うことで、キャリアプランが明確になります。新卒者が就活時に行う自己分析と比べて、社会人が行う自己分析では働いた経験がプラスされます。
そのため、実際に社会に出てみて自分がどう感じたのか、どのようなことをやりたいと思ったのかなどがブラッシュアップできるでしょう。もちろん転職を行う際にも、自己分析は有効です。ぜひ転職活動の一環として自己分析を取り入れてみましょう。
自己分析のメリットについてはこのコラム「自己分析を行う4つのメリット」をご確認ください。
自己分析のやり方がわからない…
自己分析のやり方が分からない方は、一人で悩まず就職や転職のプロに相談するのも一つの手です。相談することで、自己分析のサポートをしてもらえたり、客観的な意見をもらえるでしょう。一人での就職活動や転職活動に不安がある方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。