例外事由3号のイってどんな意味?求人における年齢制限はあり?

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この記事のまとめ

  • 例外事由3号のイとは、キャリア形成を目的とした場合に年齢制限が認められるもの
  • 例外事由3号のイにより、新卒以外の若年者は新卒者と同じ待遇と定められている
  • 例外事由3号のイに沿った求人では、職務経験を問わないようになっている
  • 転職で気になることがあるときは、エージェントを活用しよう

就職や転職を検討している方のなかには、年齢で躊躇する方もいるでしょう。しかし、例外で認められる場合はあるものの、原則として求人募集にあたって年齢制限を設けることは禁止されています。
このコラムでは、例外事由3号のイをはじめとする年齢制限が認められる場合をご紹介。例外事由3号のイの意味について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「例外事由3号のイ」とは?

例外事由3号のイとは、雇用期間を定めないことを前提として新卒者、あるいはおおむね45歳未満の方を長期勤続によるキャリア形成を目的とする場合に、年齢制限が認められるものを指します。「雇用対策法施行規則」で定められている例外事由に基づき、年齢制限が認められる場合の一つです。

厚生労働省の「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?― 年齢にかかわりなく、均等な機会を 例外事由3号のイ (p.8)」によると、例外事由3号のイの趣旨は、「企業内で長期的に雇用することで、人材育成のために若者を募集・採用すること」とされています。

例外事由の区分は、「1号」「2号」「3号イ」「3号ロ」「3号ハ」「3号ニ」の6項目です(それぞれの詳細は後述)。求人募集で年齢制限を設ける際、企業側は求職者や職業紹介事業者に向け、書面などにその理由を記載する必要があります。

  • ・求人の掲載例:35歳未満(長期勤続によるキャリア形成を図るため、例外事由3号のイ)

求人票に上記のような表記がされている場合があるので、仕事を探すときは確認してみると良いでしょう。

「正社員になれるのは何歳まで?」という疑問がある方は、「正社員になれるのは何歳まで?フリーターの最終期限やメリット・デメリット」のコラムもチェックしてみてください。就職と年齢の関係や、何歳までに就職活動をスタートすれば良いかを解説しています。

参照元
厚生労働省
募集・採用における年齢制限禁止について

求人における年齢制限の原則禁止とは

2007年に改正された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号) 第九条」によると、企業が年齢制限を設けて求人募集をかけることは、原則的に禁じられています

ここでは、求人募集において年齢制限が原則禁止されている理由とメリットと解説するので、ぜひご一読ください。

参照元
e-Gov法令検索
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求人における年齢制限が原則禁止の理由

求人における年齢制限が原則禁止の理由には、就業人口の減少が挙げられるでしょう。

内閣府の「令和6年版 高齢社会白書(全文)(PDF版) 図1-1-2 高齢化の推移と将来設計(p.3)」によると、少子高齢化に伴い、15〜64歳における2050年の就業人口は5,540万人の見込みであることが分かります。2023年の就業人口と比べて、約1,800万人減少することが懸念されているようです。

そのため、年齢にとらわれず、一人ひとりがもっている能力や経験、ポテンシャルなどを判断材料として就業人口を増やす必要があります。就業の意欲があるフリーターや若年者、高齢者の積極的な採用を促せば、就業人口の減少防止や雇用機会の拡大が期待できると考えられているようです。このような背景から、現在は年齢に縛られない平等な判断のもとでの採用が義務付けられています。

ただし、例外として年齢制限つきの求人が認められる場合もあるので注意しましょう。例外については、次項で詳しく確認してみてください。

「転職は何歳までできるの?」と不安に感じている方は、「転職は何歳まで?年齢制限はある?未経験から採用されやすい業界も解説」のコラムもおすすめです。年代別の就職の壁や未経験・異業種に転職する際のポイントについて紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

参照元
内閣府
令和6年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)

年齢制限を禁止するメリット

年齢制限を禁止することで、「応募できる求人が増える」といったメリットがあります。求人に年齢制限が設けられている場合、「条件を満たしていないから応募できない」「興味があるけど働けない」という場合も考えられるでしょう。

年齢制限の原則禁止は、企業と求職者のつながりを減らさないためにも、必要なことであるといえます。

年齢制限が認められる例外事由6区分

例外事由1〜3号のニまでの6区分について、それぞれ詳しく解説します。年齢制限が例外的に認められる場合についてチェックしてみてください。

例外事由1号

定年があり、かつ労働者を期間を定めずに雇用する前提である場合は、定年年齢を上限として年齢制限を設けても問題はありません

しかし、定年よりも下の年齢を上限として募集すると違反と見なされます。

定年年齢を上限とした求人の書き方

例外事由1号に沿っている求人:定年が60歳なので、60歳未満の方を募集する

禁止されている求人:定年が60歳であるにも関わらず、50歳未満の方を募集する

例外事由2号

労働基準法など、法律や条例によって就業可能な年齢が定められている職業を募集する場合は、年齢制限をかけられます

法律や条例により年齢が定められている求人の書き方

例外事由2号に沿う求人:

  • ・18歳以上からクレーン運転士を募集する(労働基準法第62条 危険有害業務の就業制限)
    ・18歳以上から警備員を募集する(警備業法第14条 警備員の制限)

例外事由3号のイ

若年者の雇用問題解決の観点から、「職務経験を問わず、新卒以外の若年者(既卒者や第二新卒者など)は新卒者と同じ待遇にする」という取り決めが設けられており、企業側はこれを守らなくてはいけません。

35歳未満の若年層向け求人の書き方

例外事由3号のイに沿う求人:職務経験を問わず、高卒以上の35歳未満の方を募集する

禁止されている求人:実務経験があることを条件として35歳未満の方を募集する

例外事由3号のロ

技能やノウハウを引き継ぐ必要がある職種において、特定の年齢層(30〜49歳のうちの5〜10歳の範囲内の年齢層)が相当程度不足している場合は、無期限雇用を前提としてその層のみを募集することができます

技能やノウハウを引き継ぐ必要がある求人の書き方

例外事由3号ロに沿う求人:20~29歳が10人、30~39歳が1人、40~49歳が20人の職場で、30~39歳に限定して募集する

禁止されている求人:20~35歳の方に限定して募集する(30~49歳の範囲外で、5~10歳を超過している)

例外事由3号のハ

芸術作品のモデルや映像作品の役者など、表現の真実性が必要とされている場合は、年齢制限つきで募集できます

表現の真実性が必要とされている求人の書き方

例外事由3号のハに沿う求人:ドラマに登場する幼稚園児役を未就学児の子役に限定して募集する

禁止されている求人:キャンペーンモデルを30歳未満に限定して募集する(表現ではなく商品の提供・販促が目的であるため)

例外事由3号のニ

60歳以上の高齢者を対象としている場合や、国が施策の一環として特定の年齢層の雇用を促している場合は、年齢制限が認められます

60歳以上の高年齢者向け求人の書き方

例外事由3号のニに沿う求人:60歳以上の人を募集する

禁止されている求人:上限年齢を設ける(60歳以上75歳未満の人を募集など)

35歳以上55歳未満の氷河期世代向け求人の書き方

例外事由3号のニに沿う求人:35~54歳(例外事由3号二:就職氷河期世代向けの募集のため)

例外事由3号のニに該当する求人の場合、これまでの職務経歴は聞かれないため、「社会人経験がなくて不安」という方も安心です。

以上の6つの例外事由に該当しない場合は、年齢制限をかけた求人募集は認められません。

「就職したいけど年齢が気になる」という方は、「就職できる年齢に制限はある?早めに行動するべき理由や職探しのコツを解説」のコラムをご一読ください。

年齢はもちろん、就職や転職で不安なことがある場合は、転職エージェントを活用すると良いでしょう。

若年層向け転職エージェントのハタラクティブでは、経験豊富なキャリアアドバイザーがプロの目線で転職に関するお悩みに対応します。

求人紹介だけでなく、自己分析や企業分析の方法、書類の書き方、面接対策の指導など、必要なサポートを行うので、転職活動が初めての方も安心です。所要時間1分程度でできる、性格から分かる適職診断もおすすめ。転職活動を始めようか迷っている方は、ぜひ一度ハタラクティブまでご相談ください。

例外事由3号のイに関する疑問Q&A

ここでは、例外事由3号のイに関するよくある疑問をQ&A方式で解決します。

正社員になれるのは何歳までですか?

実際には、正社員の年齢制限はありません。しかし、就職支援サービスの利用年齢の上限が34歳で設けられている場合もあり、年齢を重ねるごとに正社員になれる割合は下がる傾向にあるでしょう。

40代になると、キャリアやスキルが見合わない場合は採用されにくかったり、企業側が育てにくいといった理由で見送りになったりすることもあるため、年齢を重ねると就活は難航するといえます。

例外事由3号のイの前提が無期雇用契約なのはなぜですか?

例外事由3号のイはそもそも、社員の長期勤務によるキャリア形成を目的に作られた制度であるため、「同一企業に長期で雇用されること」が前提となるからです。

無期転換ルールが導入されたことで、有期雇用契約から無期雇用契約につながる可能性もありますが、未だ有期雇用契約では同一企業でのキャリア形成が難しいのが実状といえます。
無期雇用契約については、「無期雇用とは?パートや派遣は該当しない?正社員との違いを解説!」のコラムもぜひご一読ください。

例外事由3号のイの求人は、新卒と待遇面で何が違いますか?

例外事由3号のイはキャリア形成(人材育成)だけでなく、待遇面においても新卒と同じように対応するのが前提となっているため、基本的には変わりません。

ただし、経験や能力によって差が出るのは新卒採用においても起こり得るという点では違いが出てくるでしょう。「就職したいけど年齢が気になる」という方は、「就職に年齢は関係ある?ベストタイミングは?20・30代別の傾向も紹介」のコラムも参考にしてみてください。

年齢制限を超えている求人に応募しても良いですか?

「30歳未満」の表記があっても、それ以上の年齢の方による応募は可能です。ただし、例外事由3号のイは企業側が人材育成を行ううえで必要とされる経験年数などを考慮して、記載されるものと考えられるため、30歳以上の場合は選考を突破できる可能性が制限年齢内の方と比べて低くなるでしょう。

20代向け転職エージェントのハタラクティブでは、これまでの経験や希望などをふまえた求人紹介を行っています。「例外事由3号のイ」に関する疑問も解消しながらサポートするので、ぜひご活用ください。

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