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雇用保険の傷病手当は在職中でも受け取れる?支給条件や受給期間を解説
更新日
この記事のまとめ
- 雇用保険の傷病手当は、失業保険の受給中に傷病で求職活動ができない人に支給される
- 雇用保険の傷病手当を受け取るには、失業保険の受給資格を満たす必要がある
- 雇用保険における傷病手当の支給額は、基本手当と同額で年齢別に上限が異なる
- 雇用保険の傷病手当は、条件を満たせばパートやアルバイトを辞めた人も対象になる
- 雇用保険の傷病手当を受給するには医師の診断が必要なので早めに準備しよう
病気や怪我で入院し、傷病手当の申請を検討している方もいるでしょう。雇用保険の傷病手当は在職中に受給できるのか、退職後に申請すべきなのか、迷う方もいるようです。このコラムでは、雇用保険における傷病手当の受給条件や受給期間、支給金額などを詳しく解説。健康保険の傷病手当金との違いも説明します。パートを辞めた場合での受給可否や、傷病手当から雇用保険への切り替え方にも触れるので、よく確認しておきましょう。
雇用保険の傷病手当とは
雇用保険の傷病手当とは、15日以上にわたり病気や怪我で就職活動ができない間、雇用保険の基本手当の代わりとして求職者が受け取れる失業給付金の1つです。基本的に雇用保険の基本手当は、病気や怪我などの理由で就職できない状態にある人には支給されません。失業中に病気や怪我などが原因で求職活動ができない場合も支給対象外になるため、生活の維持を図ることを目的として傷病手当が設けられています。
雇用保険における傷病手当の給付を受けるには、前提として雇用保険の基本手当(失業保険)を受給していることが条件です。基本手当を受給するには、離職日以前の2年間で雇用保険の加入期間が通算12カ月以上である必要があります。
雇用保険への加入状態が分からない場合は、失業保険の基本手当についても詳しく解説している「雇用保険とはどんな制度?概要や加入条件を紹介!」に目を通すと良いでしょう。雇用保険の加入状況をきちんと把握をしておくことをおすすめします。
雇用保険の傷病手当は基本手当とは異なる
雇用保険の基本手当とは、いわゆる失業保険のこと。何らかの理由で離職した人のうち「再就職の意思がある」「求職活動を行っている」など、複数の条件をクリアした人だけが受給できる給付金です。求職中の生活の維持と早期の復職を目的としています。
一方、雇用保険の傷病手当は、前述のとおり、基本手当の受給中に病気や怪我などが原因で、15日以上求職活動ができない場合に受給できる給付金です。傷病手当は、療養中の生活維持と早期の求職活動復帰を目的としています。
雇用保険の傷病手当はパートでも受給できる
パートやアルバイトで働いていた人も、正社員と同様に傷病手当を受け取れます。在職中に雇用保険に加入しており、傷病手当の受給条件を満たしている場合は、申請を検討しましょう。病気や怪我で働くのが困難になってしまった場合も、雇用保険の傷病手当を受給できれば、体調を万全に整えてから次の仕事探しに取り組めます。
非正規雇用の雇用保険加入条件を確認しよう
雇用保険は、失業した際に次の仕事に就くまでの生活をサポートしてくれる保障制度です。アルバイトやパートも雇用期間が31日以上あり、週20時間以上の労働が見込まれる場合は加入できます。非正規雇用で雇用保険に加入したい場合は「雇用保険の計算方法や注意点を解説!加入する目的とメリットを知ろう」のコラムも参考に、加入条件に当てはまる働き方ができる職場を探しましょう。参照元
厚生労働省
ハローワークインターネットサービス
雇用保険と健康保険の傷病手当の違い
傷病手当には、雇用保険の傷病手当のほかに、健康保険の給付金として支給される傷病手当金もあります。一般的に「傷病手当」というと、健康保険の傷病手当をイメージする人が多いようです。どちらも病気や怪我で働けない人の生活を保障するための制度ですが、対象者や支給条件などが異なるため、違いをよく確認しておきましょう。
健康保険の傷病手当金は療養による休職者向けの給付金
健康保険の傷病手当金とは、在職中に病気や怪我で療養する必要が生じた場合に支給される給付金のこと。失業後に給付対象となる雇用保険の傷病手当とは、支給条件が異なります。原則として、健康保険の傷病手当金は、健康保険に加入中の正社員や一部の非正規社員が対象です。
健康保険における傷病手当金の支給を受けるには、怪我や病気で仕事を休んだ日から4日を過ぎても仕事ができない状態だと認められなければなりません。支給額は、標準報酬月額の平均にあたる額の2/3程度です。健康保険の傷病手当金は、支給を開始した日から通算1年6カ月まで支給されます。
なお、傷病手当金の対象となる「健康保険」とは、一般企業の従業員とその家族が加入する職域保険のことであり、国民健康保険のことではありません。国民健康保険は、個人事業者や年金加入者などが加入する保険なので、間違わないように注意しましょう。
参照元
全国健康保険協会
病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
雇用保険と健康保険の傷病手当で異なる点
雇用保険の傷病手当と健康保険の傷病手当金は、支給対象者と支給条件が異なります。雇用保険の場合は失業者、健康保険の場合は休職者です。雇用保険ではハローワークで失業保険の受給資格を取得してからの傷病が対象となるのに対し、健康保険の傷病手当金は在職中の傷病が対象となります。
すでに説明したとおり、両者は支給の条件も異なるので、以下の表で主な違いを把握しておきましょう。
雇用保険 | 健康保険 | |
---|---|---|
対象者 | 失業保険受給者 | 健康保険加入者 |
傷病の対象となる期間 | 失業保険の受給中 | 在職中 |
主な支給条件 | 失業保険の受給認定後、傷病により15日以上の求職活動ができない場合 | 在職中に連続する3日を過ぎ4日目以降も業務を行えない場合 |
雇用保険の傷病手当を受給するための3つの条件
雇用保険の傷病手当を受給するには、前提として失業保険の受給資格が必要です。具体的な受給条件を詳しくまとめたので、申請前によく確認してみましょう。
1.雇用保険の基本手当を受給する資格がある
傷病手当を受給するには、雇用保険における「基本手当」の受給資格者である必要があります。一般的な離職者における基本手当の受給条件は、離職日以前の2年間で雇用保険に加入していた期間が12カ月以上あることです。さらに、働く意志や能力があり、再就職を目指して努力しているにも関わらず、失業している状態でなければなりません。
なお、倒産や解雇などの会社都合で離職した「特定受給資格者」や、労働契約期間満了(雇い止め)により離職した「特定理由離職者」に該当する場合は、受給条件が異なります。両者のどちらかに該当する人は、離職日以前の1年間で雇用保険の被保険者であった期間が6カ月以上あれば、受給が可能です。
雇用保険の受給資格について、さらに詳しく知りたい方は「ハローワークで失業保険の手続きをするために必要な持ち物や書類とは?」をご覧ください。
2.離職後にハローワークに求職の申し込みをしている
雇用保険の傷病手当を受けるには、離職後にハローワークで求職の申し込みをしていることが条件です。求職者のサポートや雇用保険(失業給付)の手続きを行うハローワークは、全国各地に拠点があります。お住まいの最寄りにあるハローワークで求職の申し込み手続きを行いましょう。
3.病気や怪我が原因で15日以上仕事に就けない
3つ目の受給条件は、前述したとおり、病気や怪我により15日以上続けて求職活動や就労が困難であることです。ただし、病気や怪我の発生がハローワークでの求職申し込み前である場合、受給対象になりません。すでに雇用保険の基本手当(失業保険)を受給しており、求職の申込みも終えている状態で15日以上療養中の場合は、傷病手当への切り替えが可能です。
参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当について
雇用保険における傷病手当の支給金額
1日当たりの傷病手当の支給額は、雇用保険の基本手当(失業保険)と同額です。1日当たりの基本手当の金額は、原則として「離職日の直前の6カ月に毎月支払われた賃金の合計÷180」のおよそ45〜80%で、賞与は含まれません。
なお、基本手当日額は離職時の年齢によって支給額(給付率)が異なります。金額は毎年8月に見直されますが、令和5年8月1日現在の上限額は以下のとおりです。
年齢 | 1日あたりの基本手当額 |
---|---|
30歳未満 | 6,945円 |
30歳以上45歳未満 | 7,715円 |
45歳以上60歳未満 | 8,490円 |
60歳以上65歳未満 | 7,294円 |
引用元:厚生労働省「ハローワーク インターネットサービス-基本手当について」
そのほか、失業保険についてもっと詳しく知りたい方は、失業保険について書かれているコラム「失業保険の受け取り方のステップとは?支給額のルールと注意点も紹介」をぜひご覧ください。
参照元
ハローワーク インターネットサービス
基本手当について
雇用保険における傷病手当の受給期間
雇用保険の傷病手当を受給できる期間も確認しておきましょう。病気や怪我で働けない期間の日数により受給できる手当も異なるため、療養期間の長さに合わせて適切に申請する必要があります。
傷病手当の受給期間は基本手当の給付日数を基準に決定
雇用保険の傷病手当を受け取れる期間は「基本手当の所定給付日数-すでに基本手当を受給した日数」です。基本手当の所定給付日数は、年齢や離職前に雇用保険に入っていた期間、会社を辞めた理由によって異なります。
それぞれの条件における基本手当の所定給付日数は「失業保険は条件によって受給金額が変わる?手続き方法や計算方法を紹介」のコラムを参考にしてください。
療養期間の長さにより受給できる手当・期間が異なる
病気や怪我で仕事に就けない期間が15日未満の場合は、傷病手当を受け取れません。傷病手当が受けられるのは、ハローワークに求職の申し込みをしたあとに、病気や怪我で働けない期間が15日以上ある場合のみです。療養期間が15日未満の場合は、基本手当を受給できます。
一方、療養期間が15日以上30日未満の場合は、傷病手当の受給が可能です。療養期間が30日以上になる場合は、働けるようになるまで基本手当(失業保険)の受給を保留し、療養期間の分だけ基本手当の受給期間を延長できます。延長できる期間は、もともとの基本手当の受給期間を含めて最長4年間です。
延長しない場合は、本来の基本手当の受給期間からすでに支給済みの日数を除いた期間の範囲で、傷病手当が給付されます。基本手当の延長手続きの方法は「失業保険は延長できる!必要書類や手続きのやり方を詳しく解説」のコラムを参考にしてください。
待機期間と給付制限期間が支給されない
基本手当の受給資格取得後から支給されるまでの7日間の待機期間と、自己都合退職で設けられる給付制限期間は、基本手当(失業保険)は支給されません。待機期間と給付制限期間は、傷病手当も受け取れないので注意しましょう。雇用保険における傷病手当の申請方法
雇用保険の傷病手当を受け取るには、ハローワークでの手続きが必要です。申請する際の基本的な流れを解説するので、よく確認しておきましょう。
手続きに必要書類を準備する
雇用保険の傷病手当の手続きに必要な書類は「傷病手当支給申請書」と「雇用保険被保険者証」の2つです。傷病手当支給申請書は、ハローワークで受け取れるほか、ハローワークインターネットサービスでもダウンロードできます。
なお、「傷病手当支給申請書」は医師の証明が必要です。傷病名、病気や怪我の状態、就労不能の期間、就労が不可能だと認められる医学的な所見などについて、医師に記載してもらう欄があります。書類の準備には時間がかかることもあるので、受診している医療機関に早めに依頼しておきましょう。
参照元
ハローワークインターネットサービス
傷病手当支給申請書
ハローワークに申請書を提出する
傷病手当の申請書は、直接ハローワークの窓口へ持参するか、郵送で提出します。ハローワークのWebサイトで傷病手当支給申請書を作成すれば、電子申請も可能です。自分に合った方法で提出しましょう。
なお、傷病手当の支給申請は代理人による提出が認められています。出歩けない状態にある場合は、身近な人に申請を依頼しましょう。
雇用保険の傷病手当と民間の医療保険の関係
雇用保険における傷病手当の受給中に気になるのが「民間保険の適用」です。たとえば、医療保険の加入中に傷病により入院が必要になった場合、一般的には医療保険の入院手当等から保障が受けられます。
ただし、なかには「民間保険を適用したら傷病手当が受けられなくなるかも」と不安に思う人もいるでしょう。雇用保険の傷病手当と民間保険の関係について解説します。
雇用保険の傷病手当と民間の保険は同時に受給が可能
基本的に、民間保険の保障は、傷病手当と同時支給が可能です。雇用保険の傷病手当は、療養中の失業者が報酬を得られないときに支給される制度ですが、保険の保障額は原則として報酬に該当しません。両方の支給要件を満たしていれば、どちらも問題なく受給できます。
原則として併給調整はされない
原則として、雇用保険の傷病手当と民間保険の同時受給による併給調整はされません。併給調整とは、2つ以上のお金が支給された際に、片方だけを選択、または支給額が調整される制度です。老齢と障害といった事由の異なる年金や、お金を貸与する奨学金などには併給調整が適用されます。
しかし、雇用保険の傷病手当と民間保険は併給調整の対象外のため、基本的に支給額が減額されることはないでしょう。
怪我が治ったら再就職先を探そう
病気や怪我が治って仕事を探す際は、ハローワークを利用すると良いでしょう。ハローワークでは求人検索ができるほか、応募書類の書き方や面接の受け方についてアドバイスが受けられます。より自分の条件にあった転職先を探したい方は「転職エージェント」を活用するのもおすすめです。
転職エージェントのハタラクティブでは、経験豊富なプロのアドバイザーがマンツーマンで丁寧にサポート。内定までのゴールを一緒に目指すので安心です。入念なカウンセリングを通し、あなたの強みや適性に合った職種・業種をご紹介します。
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こんなときどうする?傷病手当に関するお悩みQ&A
傷病手当を受給する状況は、人それぞれ異なります。想定される傷病手当に関するお悩みについて、Q&A方式で解決するので参考にしてください。
雇用保険の傷病手当と失業手当は両方同時にもらえる?
傷病手当と失業手当を同時に受けることはできません。
傷病手当は病気や怪我によって求職活動ができない場合に、失業手当の代わりとして給付されるものです。制度的に同時受給は認められていません。失業保険の受給条件は「失業保険の受給条件は?給付日数やもらい方などもあわせて紹介!」のコラムで確認しましょう。
病気により休職中でも傷病手当をもらえる?
傷病手当は、原則として休職中には受給できません。
退職後、雇用保険(失業保険)の受給手続きをしたあとに、病気・怪我などで基本手当が受給できなくなった際の代わりとして傷病手当が受給されます。退職していない状態だと健康保険の傷病手当金を受給できる場合があるので、該当するかどうか会社に確認しましょう。休職中の傷病手当金は「休職の申請方法を解説!傷病手当はもらえる?仕事に疲れたときの対処法」のコラムも参考にしてください。
傷病手当から雇用保険(失業保険)への切り替え方は?
病気や怪我が治って再び求職活動ができるようになったら、ハローワークで雇用保険への切り替えを申請しましょう。雇用保険の受給要件についての審査が完了次第、支給が開始されます。雇用保険(失業保険)の申請方法は「ハローワークで失業保険の手続きをするために必要な持ち物や書類とは?」にて詳しく解説しているので、確認してください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。