就活の軸とは?大切な理由と答え方の例文を紹介

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この記事のまとめ

  • 就活の軸とは、企業や職種を選ぶ基準や譲れない条件のこと
  • 就活の軸を決めるとマッチした企業を見つけやすくなり、効率的な就活ができる
  • 企業が就活の軸を聞く理由は、自社を選んだ理由や求職者との相性を見極めるため
  • 就活の軸の見つけ方には自己・他己分析やインターンシップ、OB・OG訪問などがある
  • 就活の軸は結論から分かりやすく、具体的な理由とともに伝えると効果的

「就活の軸とは?」「必要性の有無は?」と感じる方は多いでしょう。就活の軸は自分が仕事に対して求める条件や基準であり、効率良く就活をするためには必要です。このコラムでは、面接やESで就活の軸が聞かれる理由や効果的な伝え方を業界別や職種別の例文もあわせて解説します。就活の軸を決めて自分の求める条件に合う応募企業への就職を成功させましょう。

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就活の軸とは?

就活の軸とは、企業や職種を選ぶ自分なりの基準や決して譲れない条件のこと。就活における自分の方向性や指針を表すものといえるでしょう。
就活の軸は、「一緒に働く人や環境」「仕事内容」「企業理念」「働く条件や待遇」の4つに分けて考えることで、自分が働きたい仕事や企業がイメージしやすくなると考えられます。

志望動機と何が違うか

志望動機とは、就活の軸を基準に選んだ応募先を志望する理由のこと。つまり、志望動機は就活の軸の先にあるものといえます。まずは就活の軸を定めて、それに基づき自分が就きたい仕事や企業などを明確にしたうえで、「この仕事や企業を選んだ理由」を考えていきましょう。
志望動機を作るポイントは「志望動機の作り方を解説!好印象な回答をするポイントとは」のコラムでポイントを詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
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就活の軸が大切な3つの理由

ここでは、就活の軸が大切な3つの理由を解説します。就活の軸があることによるメリットを確認し、応募企業選びや選考対策に役立てましょう。

1.自分にマッチした企業が見つけられる

就活の軸が決まっていると企業や仕事に求める条件が明確になり、自分にマッチした企業が見つけやすくなるでしょう。就活の軸が定まっていないと、企業に求める条件が曖昧な状態で応募企業を選んでしまいやすく、入社後のミスマッチが生じてしまう恐れも。
就活の軸があれば、将来なりたい姿のイメージや必要なスキル、どの企業であれば実現できるかなども考えやすくなります。

2.就活が効率的に進められる

就活の軸をもとに応募企業が選びやすくなり、就活が効率的に進められるでしょう。ひと口に「仕事」「求人」といっても数多くの会社・求人が存在しています。就活の軸が決まっていないと、どの求人に応募して良いか分からなくなり、企業説明会や応募書類の提出に費やす時間が大幅に増える可能性も。
就活の軸が決まっていれば、自分の求める条件に合う応募企業を絞りやすく、志望動機や自己PRも書きやすくなるでしょう。

3.選考時にアピールしやすくなる

就活の軸があることで選考時にアピールしやすくなるでしょう。面接やESで「就活の軸が何か」と聞かれた場合、就活の軸を伝えることで志望理由に説得力を持たせられ、企業への熱意も伝わりやすくなります。

企業側が面接で「就活の軸」を聞くのはなぜ?

ここでは、企業側が面接で「就活の軸」について聞く理由を解説します。企業側が就活の軸をとおして何を知りたいか理解することにより、面接対策に役立てられるでしょう。

自社を選んだ理由を知るため

面接官は求職者の就活の軸を聞くことで、自社を選んだ理由を判断しています。志望度が低い就活生を採用すると、辞退や早期退職につながる恐れも。企業にとってプラスの人材を選ぶためにも、就活の軸をとおして求職者の入社意欲を見極めていると考えられます。

求職者がもつ価値観や自社との相性などを知るため

求職者がもつ価値観や自社との相性などを知ることも就活の軸を聞く理由といえるでしょう。入社後どのように働きたいかなど求職者の仕事に対する考え方は、自社に合う人材か判断する目安の一つ。就活の軸をとおして求職者を知ることで、ミスマッチを防いでいる意図もあるようです。

就活の軸はどうやって見つける?

ここでは、就活の軸を見つける方法を紹介します。就活の軸を考えるには、自分がどのような条件や環境を求めているかを知ることが必要です。自分の仕事に対する考え方を知り、就活の軸を見つけましょう。

自己分析をしてなりたい自分を探る

自己分析をしてなりたい自分を探ることは、就活の軸を見つけるのに有効です。自己分析とは、これまでの自分の経験を棚卸しして自分の考えを深く分析・理解すること。これまでの出来事を振り返り、自分の物事に対する考え方やどのような事柄や経験に価値を見出しているのかを確認しましょう。
自己分析を行う方法は「自己分析とは?就活や転職でどう使う?基本と簡単に行う方法をご紹介」のコラムでコツを解説しているので、チェックしてみてください。

就活の軸はいくつ考えたほうが良いか

就活の軸は「就活の軸とは?」で先述した4つの分類のうち、「一緒に働く人や環境」「仕事内容」「企業理念」の3つに該当するものを決めておくことがおすすめ。いずれもほかの企業ではなく自社でないといけない理由につなげやすいでしょう。
「働く条件や待遇」を面接官に就活の軸としてアピールすると、「条件が合えばほかの企業でも良いのでは?」とマイナス評価につながってしまう恐れがあるため注意が必要です。
就活の軸は一つだと応募企業に求める条件が厳しくなるか、もしくはほかの企業にも該当する抽象的なものになる可能性も。就活の軸が多過ぎても、すべての内容を志望理由に活かすのが難しい場合もあるでしょう。志望理由に活かせる範囲内で決めることをおすすめします。

他己分析を活用する

他己分析を活用するのも就活の軸を決めるには効果的。他己分析とは、第三者に自分の考え方や行動を分析してもらうことです。客観的な意見から自分では気づかなった一面を発見でき、就活の軸につなげられる場合があります。
他己分析の詳しいやり方は「他己分析とは?やり方や得られるメリットについて解説!」のコラムを参考にしてみてください。

インターンシップに参加して実際に体験する

インターンシップに参加し、実際に企業で体験することも就活の軸を決める方法の一つです。厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析-人手不足の下での『働き方』をめぐる課題について-第4節就業者・雇用者の動向コラム1-2-⓷」によると、大学4年生の就活生がインターンシップに参加したことがある割合は全体の73.3%でした。

参加の有無割合
参加したことがある(1回)22.2%
複数回参加したことがある51.1%
参加したことがない26.7%

引用:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-第4節就業者・雇用者の動向
コラム1-2-⓷図インターンシップの参加状況等について
(p45)」

インターンシップに参加したことが1回以上ある就活生のほうが、参加したことのない就活生よりも多いことが分かります。企業の雰囲気や実際の業務などは体感してこそ分かるもの。インターネット上の情報だけで就活の軸に合っていると判断したものの、「実際に経験してみたら違った…」という事態を防ぐためにも、企業の実際の業務や雰囲気を経験してみましょう。
インターンシップの詳しい内容は「インターンシップとは?参加のメリットや目的を解説!社会人は参加できる?」のコラムもあわせて参考にしてみてください。

参照元
厚生労働省
令和元年版労働経済の分析

OB・OG訪問で企業研究をする

就活の軸は、OB・OG訪問による企業研究をすることにより決められる場合もあります。OB・OG訪問は実際に働いている社員の声を聞ける貴重な機会であり、より就活の軸を具体的に考えられるでしょう。目標となる先輩社員がいたら就活の軸について聞いてみることをおすすめします。

就活を進めるなかで「就活の軸」もブラッシュアップしよう

就活の軸は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。就活を進めるなかで得られる情報により変わる場合もあるでしょう。
「なかなか結果につながらない」「改めて就活について見直したい」と思ったら、もう一度就活の軸を確認してみてください。就活で得た情報をもとに就活の軸をブラッシュアップすればよりマッチした応募企業を選べるでしょう。

面接で活かせる就活の軸の答え方

ここでは、面接で活かせる就活の軸の答え方のコツを紹介します。「企業側が面接で「就活の軸」を聞くのはなぜ?」で先述した、企業が就活の軸について聞く理由を意識したうえで伝えられるよう対策しましょう。

結論から述べて分かりやすく伝えることを意識する

就活の軸を聞かれたら、結論から述べて分かりやすく伝えるよう意識することが大切。結論を最初に述べることで、論理的かつ端的に自分の考えを伝えられるためです。
結論のあとには、就活の軸を決めたきっかけや理由を具体的なエピソードも交えて伝えましょう。面接官があなたの感情や考えをイメージしやすくなり、より印象に残りやすくなると考えられます。

その企業でなければいけない具体的な理由を添える

就活の軸は、その企業でなければいけない具体的な理由を添えると有効です。理由が曖昧だと企業に対する熱意がないと捉えられる可能性も。企業を選んだ理由が明確に伝わるよう企業で実現したいことなど将来に対する考え方を一緒に伝えると、好印象につながりやすくなると考えられます。

前向きな言葉に言い換える

就活の軸を前向きな言葉に言い換えることも効果的な伝え方といえるでしょう。たとえば、「福利厚生が充実していて待遇が良い企業」とそのまま伝えるよりも、「長く活躍できる環境がある企業」と前向きな伝え方をするほうが熱意も伝わりやすいと考えられます。
就活の軸が叶うと企業にどのような価値を提供できるかを考えると、前向きな言葉に言い換えやすくなるでしょう。

一貫性のある内容にする

就活の軸は面接で聞かれるほかの質問と一貫性のある内容にすることが大切。志望動機や自分の強みなどに関する答えと内容が矛盾していると、就活の軸に説得力がなくなってしまう場合も考えられます。自己分析が不足しているなどマイナスな印象を与えないためにも、就活の軸の内容に合った答え方ができるよう準備しておきましょう。

ESで就活の軸を伝える際のポイント

ここでは、ESで就活の軸を伝えるポイントを紹介します。ESでの効果的な答え方を知り、書類選考の突破にお役立てください。

結論から伝える文章構成にする

ESでも面接で就活の軸を答える場合と同様に、結論から伝える文章構成にすることが大切。結論のあとに、就活の軸を決めた理由やエピソード、その企業でなければいけない理由がくると分かりやすい文章になります。
ESで分かりやすい文章を書くコツは、「ESの書き方とは?避けた方がいいことと好まれる文章」のコラムで解説しているので、ぜひご一読ください。

文字数に合わせた数の就活の軸を書く

ESで就活の軸を伝える際は、文字数に合わせた数の就活の軸を書きましょう。ESにより、200文字や300文字、400文字など指定の文字数が違う場合もあります。基本的には複数の就活の軸をすべて書くのではなく、一番重視している就活の軸をエピソードとあわせて答えると良いでしょう。
ただし、指定の文字数が100文字程度など少ない場合や箇条書きでの記載を指定された場合などは、すべての就活の軸を書く必要があると考えられます。

指定の文字数の8割以上になるように書こう

ESに指定の文字数を記載されている場合は、8割以上の文字数になるように書きましょう。基本は指定の文字数まで書くのが理想的。しかし、どうしても指定の文字数まで書くことが難しい場合は、最低限の文字数以上で書く必要があります。たとえば、400文字の指定で合った場合は、320文字以上になるように書きましょう。

「就活の軸」の例文

ここでは、就活の軸の例文を紹介します。業界別や職種別の例文一覧を参考に、自分の考えや価値観に合った就活の軸を考えてみてください。

業界別の場合

業界別の例文を見てみましょう。業界別の特徴から考えるのも就活の軸を明確にする方法として効果的です。

IT

「私の就活の軸は、新しいサービスの開発で暮らしを豊かにする仕事です。御社のセミナーで、最新技術の開発が次世代社会を豊かにすることを知り、大きな可能性を感じました。次々と新しいサービスを生み出している御社で、私も人々の生活を豊かにする仕事をしたいと考えています。」

IT業界は、ハードウェア業界やソフトウェア業界、通信業界などがある業界です。面接で業界を選んだ理由について聞かれる場合もあるため、答えられるように準備しておくと良いでしょう。

金融

「私の就活の軸は、経済の面からお客さまに寄り添う仕事をすることです。ゼミの活動でビジネスの活性化について研究し、金融業が経済の面から支える役割を担っているやりがいのある仕事だと知りました。この地域で長年中小企業のビジネスに寄り添い貢献しているのは御社です。私も御社の一員となり、お客さまに寄り添いビジネスの発展に貢献できる仕事をしたいと考えています。」

金融業界は、企業の経済をサポートする仕事です。「お客さまを支える仕事がしたい」「多くの業界と関わる仕事がしたい」などの就活の軸がマッチしやすいでしょう。

メーカー

「私の就活の軸は、人々の生活を楽にするものづくりに関わる仕事です。ゼミで、家電製品の使用が生活に与える影響について研究しました。御社の開発している家電製品は人々の日々の生活を便利にしており、豊かな生活の実現に貢献しています。御社の一員として、ものづくりに関わり、人々の生活に貢献する仕事がしたいです。」

メーカーはものづくりに関わる業界であり、素材メーカーや部品メーカー、加工メーカーなどがあります。「自分が作ったもので人々の役に立てる仕事がしたい」のような、業界の特徴に合う就活の軸がおすすめです。

不動産

「私の就活の軸は、お客さまの暮らしに寄り添う仕事です。人々の暮らしのなかでも住まいは安心・安全な生活をするために重要な役割を担っています。私の両親が住まいを購入する際に御社が両親の希望に寄り添い、最適な住まいを提案してくれたと聞きました。住まいを提案することはお客さまの人生に関わるやりがいのある仕事です。多くの物件を取り扱っている御社の一員として働くことで、お客さまの暮らしに寄り添い貢献できる仕事をしたいと思います。」

不動産業界の就活の軸では、「人生の転機に関わる仕事がしたい」「住みやすい街づくりに関わる仕事がしたい」などの場合もあるでしょう。応募企業ならではの特色が就活の軸に活かされていると効果的です。

医療・福祉

「私の就活の軸は、人々の健康を支える仕事です。私の祖父は持病があり、普段両親が介護の役割を担っており、私自身も手伝う機会が多くありました。祖父は定期的な通院や訪問サービスにより健康状態を維持できており、医療や福祉の大切さを日々感じています。日々多くの人々の健康や生活を守っている御社で、私も介護士として人々の健康を支える仕事がしたいです。」

医療・福祉業界では、「人々の健康を支える仕事がしたい」「病気に苦しむ人々の力になれる仕事がしたい」など使命感に関するものが就活の軸としてつながりやすいと考えられます。希望する職種の特徴から考えると決めやすくなるでしょう。

職種別の場合

続いて、職種別で就活の軸の例文を紹介します。希望の職種があれば、その職種の特徴から就活の軸を見出してみましょう。

営業職

「私の就活の軸は、長くお客さまに寄り添う仕事です。私は以前パソコン販売に関するアルバイトを3年間行っていた経験があります。そのなかで、パソコンを購入してからのアフターフォローにも関わる機会が多く、長くお客さまに信頼を寄せてもらえるうれしさについて知りました。お客さまに長く寄り添い、信頼関係を大切にしている御社であれば、経験を活かした活躍ができると思っています。」

営業職は、自社の製品やサービスなどを販売する職種です。「自社の製品の魅力を伝えたい」「お客さまに喜ばれる提案をしたい」「お客さまに頼られる仕事がしたい」などの軸もつながりやすいでしょう。

事務職

「私の就活の軸は周囲のサポートができる仕事です。私自身高校ではサッカー部のマネージャーとして、部員が気持ちよく練習や試合をするためのサポートを行っていた経験があります。そのなかで、自分の力が周囲の人に役立つやりがいを知りました。チームプレイを重視されている御社であれば、その経験を活かしながら周囲をサポートする仕事ができると思います。」

事務職はほかの部署を支える役割も担うといえるでしょう。「周囲のサポートができる仕事がしたい」のような業務内容の特徴から考えると、就活の軸が決まりやすい場合もあるためおすすめです。

技術職

「私の就活の軸は、スキルを磨ける仕事です。私の父はシステムエンジニアであり、自分のスキルで活躍できるやりがいについて日々話を聞いています。私自身も自分だけのスキルを磨けられる仕事がしたいと思うようになりました。社員の成長に寄り添う教育体制を重視している御社で、私もエンジニアとしてスキルを磨き貢献できる仕事がしたいと思います。」

技術職はスキルを用いて設計や施工などを行う職種です。例文のような「スキルを磨ける仕事がしたい」「自分のスキルでこだわりを持てる仕事がしたい」などが当てはまりやすいでしょう。

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