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出社拒否は甘え?対応方法や退職手続きについて解説
更新日
この記事のまとめ
- 出社拒否とは、出社する意志はあるのに何らかの原因で行けずに休んでしまうこと
- 原因は人それぞれ違うものの、責任感の強さや完璧主義などから出社拒否に陥る人が多い
- 出社拒否が深刻化すると、体調やメンタル面に支障をきたす可能性がある
- 出社拒否が何日も続いている場合は、退職を選択するのも一つの手段
「通勤前になると憂鬱になり、どうしても体が動かない…」といったような経験をしたことはありませんか?これは「出社拒否」と呼ばれる状態です。このコラムでは、出社拒否の原因や対応方法についてまとめました。
会社のことを考えるだけで気持ちが沈んでしまう場合は、心や体がSOSのサインを出しているのかもしれません。出社拒否が長引くとストレスから心身に不調を引き起こす可能性も。このコラムを参考に今後の対応を考えてみましょう。
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出社拒否とは?
出社拒否とは、会社に行きたくない、あるいは行けなくなる状態を指します。具体的には、「出社しようとする気持ちはあるのに、会社に行くことができず休んでしまう」という状態です。そのほか、何らかの理由で本人が意志を持って出社を拒んでいる状態も「出社拒否」と呼ばれます。
たとえば、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年には、感染を回避するためテレワークを希望する人も数多くいました。また、雇用条件や業務内容に納得が行かず出社を拒否する場合もあるようです。
出社拒否の意味は広範にわたりますが、このコラムでは「出社の意志はあるのに出勤できない状態」に焦点を当てて解説していきます。
出社拒否は突然起こることもある
「昨日までは何事もなく出社していたのに、突然会社に行けなくなった」というように、ある日を境に出社拒否に陥ってしまうこともあるようです。この場合、特に前兆がなく異変が訪れるため、「出社拒否」だと気付きにくい傾向があります。
出社拒否は「甘え」とは言い切れない
出社拒否は本人も原因が分からない場合が多く、周囲からは「甘えているだけ」「ズル休みじゃないの?」と思われることも少なくありません。しかし、先に述べたとおり、ある日突然「出社拒否」の状態になる場合もあります。誰にでも起こりうる可能性があることから、企業のなかには会社として出社拒否に悩む社員をサポートするところもあるようです。
出社拒否になる3つの原因
出社拒否になる3つの原因
- 人間関係で悩みがある
- 仕事で過度なプレッシャーを感じている
- 仕事に対する理想と現実のギャップがある
本人には働く意思があるものの、思うように出社できなくなる原因には、自分の性格や職場環境などが影響しているといわれています。以下では、出社拒否の原因になりうる主な事柄を挙げました。
1.人間関係で悩みがある
同じ部署内や取引先など、仕事上の人間関係によるストレスが原因で出社拒否に陥ってしまう場合があります。パワハラやセクハラなどでメンタルにダメージを受け、出社拒否につながるケースも。毎日職場で長い時間を共にするからこそ、相手との関係性によっては精神的苦痛を感じることもあるようです。
人間関係の悩みは、社会で働く人たちが抱えやすい事柄でもあるといえます。「会社の人間関係にストレスを感じる?転職を決める前に試したい対処法を解説」のコラムも参考に、ある程度割り切った付き合い方なども試してみましょう。
2.仕事で過度なプレッシャーを感じている
仕事での過度なプレッシャーは、出社拒否を引き起こす原因になり得ます。たとえば、大規模なプロジェクトを任されたり、新人にも関わらず膨大な量の仕事を振られてしまったりすることで、自身のキャパシティを超えて不安や焦りが募ってしまうようです。
また、責任感が強い方なら、「期待に応えなければいけない」と自分に対してよりプレッシャーをかけてしまうことも。一方で、自分に自信がない方は、成功体験の少なさから「できなかったらどうしよう」と重圧感に苦しむこともあるでしょう。仕事に対して大きなプレッシャーを感じることがストレスにつながり、出社拒否という形になってしまうようです。
3.仕事に対する理想と現実のギャップがある
仕事が自分が納得できる結果にならなかったり、思うような実績が出せなかったりすると、自分の思い描く理想と現実のギャップに落胆してしまう場合も。その結果、働くことへのモチベーションが下がり、仕事に意味を見いだしにくくなってしまうこともあるでしょう。出勤する気力も失ってしまえば、そのまま出社拒否に陥ってしまう可能性も考えられます。
出社拒否をすると懲戒処分になる?
出社拒否が続くと懲戒処分にならないか心配になる方もいるでしょう。
労働契約法第六条によれば、「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する」とされています。
労働契約の締結により労働者は使用者の指揮に沿って働くことに合意したとみなされるため、原則として労働者は業務命令に従わなければなりません。合理的な範囲での業務命令に従わず出社拒否を続ければ、懲戒処分となる可能性もあるでしょう。懲戒処分を行う際には、会社は顧問弁護士等にも相談のうえ、処分を決定することもあるようです。
参照元
e-Gov法令検索
労働契約法
懲戒処分の種類
懲戒処分の種類には、重い順から懲戒解雇、論旨解雇、降格、出勤停止、減給、譴責、戒告があります。最初の違反や軽度の違反であれば戒告にとどめ、違反を繰り返すと徐々に処分が重くなっていくのが一般的です。懲戒処分については「譴責処分とは何のこと?懲戒処分の7つの種類や出世・転職への影響を解説!」のコラムでも解説しています。
処分のなかでも懲戒解雇や論旨解雇は従業員を解雇する非常に重い処分。解雇だけでなく退職金が支払われないことも珍しくありません。
出社拒否すると必ず懲戒処分されるのか?
「出社するように」という会社の命令に従わずに出社拒否をしても、状況や理由によっては懲戒処分にならないこともあります。
懲戒処分はすべての違反に適用されるわけではなく、処分が妥当な場合に限られるからです。企業側は、懲戒処分の事由が就業規則に明記されているか、従業員の行動が就業規則にある懲戒処分に値するか、処分の内容は妥当かなどを慎重に検討する必要があるため、従業員が出社拒否しても簡単には懲戒処分にならないことも多いようです。
さらに、体調不良など正当な理由で出社を拒否している従業員に対して懲戒処分を下すと、会社側が損害賠償を求められることも。出社拒否だけで懲戒処分を行うのは会社としてリスクが高いため、よほどの理由がない限り、一般的には処分対象にならないと考えられるでしょう。
不当な処分を受けたら?
正当な理由があって出社拒否をしたにも関わらず何らかの処分を受けたら、労働組合や労働基準監督署、弁護士といった信頼できる機関・専門家に相談してみましょう。「労働基準監督署に相談できる内容は?方法は電話やメール?」もご確認ください。
「出社拒否したい」と感じたらどう対応する?
「出社拒否したい」と感じたときの対処法
- 会社に連絡する
- 気分転換の時間を作る
- 誰かに相談する
もし「出社拒否したい」と感じたときは、焦らないことが重要です。早めに会社へ連絡を入れたり、気分転換を図ったりするなど、落ち着いて対応しましょう。
会社に連絡する
出社するのが困難になってしまった場合は、会社に欠勤の連絡をします。もし、何日も出社できない状態が続くのであれば、会社側の理解を得られるような説明をすることも大切です。
会社側は、出社拒否となっている従業員に「職場復帰できるのかどうか」を確認する必要があります。そのため、体調不良を理由に会社を長期間休んでいるというような場合、病院の診断書の提出を求められることもあるでしょう。
欠勤の連絡もせず、会社からの連絡や確認にも応じない場合は、会社側が解雇を含めた処分の検討を進めることも。会社への連絡は、早めに対応することが重要です。
気分転換の時間を作る
出社拒否になる要素を減らすためには、普段からストレスを蓄積しないよう心身ともにリフレッシュできる時間を作るのがおすすめです。公園の散策や軽いスポーツで体を動かしたり、好きなことをして落ち着いた時間を過ごしたりと自分が気分転換できる方法を試してみましょう。
また、1日の疲れはその日のうちに取ることも重要。しっかりと睡眠時間を確保し、バランスの良い食事をとって規則正しい生活を心掛けることが大切です。ヨガや読書など、気軽にできるリフレッシュ方法を日常生活に取り入れるのも良いでしょう。
誰かに相談する
出社拒否の状態が続いてしまい悩んでいる場合は、1人で抱え込まず家族や友人などに相談してみましょう。会社の人事や上司に相談できるなら、具体的な対応策が見つかることも期待できます。
責任感が強く、真面目な性格の方が出社拒否に陥ると、「なぜこんなことになってしまったんだろう…」「自分は駄目な人間だ…」と思い詰めてしまうことも。誰かに悩みを打ち明けるだけでも、心の負担はぐっと軽くなるはずです。また、客観的なアドバイスや考えを聞ければ、現状を変えるきっかけがつかめる可能性もあるでしょう。
会社を退職する前にできる対応方法については、「ストレスで退職したいときの5つの対処法!円満退社をするコツは?」のコラムでも解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
出社拒否が続いているなら退職も選択肢の一つ
出社拒否が続き、今の会社で働き続けるのが難しいと感じるなら、退職を選択するのも一つの手段です。環境を変えることで気持ちが切り替わり、出社拒否や精神的なストレスが解消する可能性もあるでしょう。
一つの職場で働き続けることがすべてではありません。出社拒否になった自分を責め過ぎず、物事をポジティブかつ柔軟に捉えて対応することが、再スタートにつながります。
退職する際に必要な対応は?
長期間出社拒否を続けてしまうと、企業によっては約1ヶ月で職務怠慢とみなされ、懲戒解雇となるケースもあるようです。また、懲戒解雇はその後の転職が不利になる恐れも。自分の将来のためにも、早めに決断し、行動に移すことが重要といえるでしょう。
本来であれば、上司のところへ直接足を運び、退職について相談するのがマナーですが、出社拒否の状態が重く、どうしても会社に行けない場合は、電話で相談してみるのも良いでしょう。
会社に相談をしたあとは、退職届をはじめ、退職に必要な書類を郵送します。社員証や健康保険証、名刺など、会社から支給された貸与品の返却も忘れずに行いましょう。
視野を広げて「自分の適職」を考えてみよう
出社拒否の状態に悩む方や退職を決断した方は、一度外に目を向けて自分に合った仕事や職場を探してみるのがおすすめです。視野を広く保てば、良い転職先に出会える可能性が高まるでしょう。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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