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タクシードライバーの仕事ってどう?きつい?内容や実情を詳しく解説
更新日
この記事のまとめ
- タクシードライバーは運転だけでなく自動車運転前点検や洗車も仕事
- タクシードライバーの勤務形態は昼日勤夜日勤隔日勤の3パターンがある
- 給与形態はA型賃金B型賃金AB型賃金の3つがある
- タクシードライバーの仕事は時間の融通が利きやすく休日が多い傾向
- 長く安定して働けるので平均年齢が高いのもタクシードライバーの特徴
「タクシードライバーの仕事に興味はあるけれど、運転以外の具体的な仕事内容や勤務形態、収入事情が分からない」とう人もいるでしょう。また、タクシードライバーの仕事に「大変」「きつい」といったイメージを持っている人もいるはず。
このコラムではタクシードライバーの仕事内容や働き方、収入、実情を詳しくご紹介します。タクシードライバーを目指すために必要な資格試験についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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タクシードライバーの仕事内容
タクシードライバーの主な仕事は「お客さまを安全に目的地まで運ぶこと」ですが、運転以外にも自動車の運転前点検や洗車といったさまざまな業務があります。
ひとくちに「タクシードライバー」といっても、タクシー会社に勤務するケースと個人でタクシー業務を行うケースに分けられます。タクシー会社勤務の場合は営業所に出勤をして朝礼や車両チェックなどを行いますが、個人タクシーの場合は個人でタクシー業務を行っているため、運行管理や経営管理も自分で行います。そのため出勤する必要がなく、自宅から直接業務をスタートできます。
個人タクシーを開業する条件
個人タクシーのドライバーになるには、65歳未満で二種免許を取得しているほか、35歳未満の場合はタクシードライバーとして法人タクシー事業者に雇用されていた期間が10年以上ある、一定額以上の資金が用意できているといった条件があります。このことから、ドライバー経験がない状態でいきなり個人タクシーを開業することはできません。
タクシードライバーの勤務形態
タクシードライバーの勤務形態は大きく以下の3種類に分けられます。
- 1.昼日勤(早朝から夕方頃まで)
- 2.夜日勤(夕方頃から明け方頃まで)
- 3.隔日勤務(昼日勤と夜日勤を合わせた勤務形態で、勤務時間は20時間程度)
タクシー業界では、隔日勤務がスタンダードな勤務形態だとされています。
隔日勤務は、早朝から翌日の明け方頃まで乗車。そのうち3時間は休憩時間なので、勤務時間は20時間程度です。勤務時間が長いこともあり、休憩は1日3回です。
さらに、1回の乗務時間が19時間を超えた場合は、その後20時間以上休むことが義務付けられているので、翌日は必然的に休日の「明番」に。以上のことから隔日勤務の勤務日数は月に11~13回程度と月の半分ほどが休みになります。
昼日勤と夜日勤の場合だと、一般的なオフィス勤務と同じく1日約8時間勤務で、月の労働日数は22~24日程度。ただし、労働時間は変わりませんが、深夜料金が適用される夜日勤の方が稼ぎやすいといえるでしょう。
タクシー運転手の1日のスケジュール
タクシー運転手の1日の仕事のスケジュールについても見ていきましょう。タクシー会社に勤めるタクシードライバーは、基本的に以下のようなスケジュールで働いています。
スケジュール | 詳細 |
---|---|
出社、点呼 | 営業所に出社をして点呼を行います。タクシー会社に勤務している場合は自身で車両を持っていないため、必ず出社が必要となります。 |
ドライバーの健康チェック | 1人ひとりの健康チェックとアルコール検査を行います。規定以上のアルコール反応が出た場合や体調が悪い場合には乗務ができません。 |
車両点検 | 事故を起こさずお客さまを最後まで安全にお送りできるように、車両点検は毎日入念に行います。 |
朝礼 | 運転する際の注意事項や当日の道路状況、天候などの情報が共有されます。 |
営業開始 | 時間帯によって乗客の層が異なるため、住宅街や駅、病院など考えながら走行することが重要です。 |
休憩 | 休憩時間の長さは決まっているものの、いつ休憩をとるかはドライバーにゆだねられているようです。 |
営業再開 | 乗車率や売上を上げるための工夫をしながら、業務を行います。時間帯や人が多いエリアなどを考慮し、売上UPを目指すのもタクシードライバーの大切な役割の1つです。 |
帰庫・洗車 | 営業所へ帰庫し、次のドライバーのために洗車と車内清掃を行います。 |
納金・退社 | その日の売上を会社に納品すれば退勤になります。 以上で1日の業務は終了です。 |
タクシードライバーの実情
終電を逃してしまったときや急ぎの用事ができたときなど、24時間さまざまな場面で活躍するタクシー。観光地や首都圏などではタクシーの需要が高い状態が続いているのに対しドライバーの高齢化などで人手が不足しており、最近では求人も多く出ています。また、配車アプリの台頭により手軽になったため、たくさんの人がタクシーを使う人が増えたのも需要が高まった要因といえるでしょう。
タクシードライバーの収入事情
タクシー業界の給与形態には「完全歩合制」と「固定級+歩合制」の2パターンがありますが、タクシードライバーの給与形態のほとんどが歩合制です。なお、歩合制も以下の3種類に分けられ、各タクシー会社によって採用しているものが異なります。
A型賃金
基本給+歩合給+賞与で構成される給与形態。
A型賃金のメリットは、固定給があるため安定した給与が得られることです。タクシーの仕事を始めて間もない場合でも、一定の給与が確保されているので未経験からスタートする場合はA型賃金がおすすめ。勤続年数によって昇給が見込めるため、安定して給料を増やしたい方にも向いているでしょう。
毎月の賃金が安定している一方で、固定給があるため歩合給の割合が低いのもポイント。どんなに高い成績を残しても、大きく給与が上がることはないようです。
B型賃金
完全歩合制の給与形態。
タクシー会社に所属していても、個人の毎月の売り上げから諸経費を除いて歩合率をかけた金額が支給されます。頑張れば頑張った分だけ稼げるため、経験豊富で常に一定以上の売上を上げることが可能なタクシードライバーにとって、需要が高い形態といえます。
一方で、十分な売上を上げることができない経験が浅いタクシードライバーにとっては、給料が少なくなってしまうリスクがある賃金形態となります。社会情勢によってタクシーの需要が減った場合など、給与が不安定になるリスクもある給与形態といえるでしょう。
AB型賃金
A型賃金とB型賃金の中間の給与形態。固定給と歩合給の合算によって得られる給与のうち、一部が積立金として徴収され年2~3回の賞与で還元される給与形態です。A型賃金に比べると歩合率が高く、B型賃金に比べて給与の安定性が高いという、どちらの利点も兼ね備えた給与形態といえるでしょう。
歩合制のお給料形態についてさらに詳しく知りたい方は、「歩合制とは?メリットとデメリットや固定給との違いなどを紹介!」のコラムも合わせてチェックしてみてください。
タクシードライバーの平均年収
タクシードライバーの年収は、300〜600万円程といわれています。年収に大きな開きが出る理由として考えられるのは、地域によるタクシー料金の差と個人の実力差。また、説明した賃金形態も年収に影響を及ぼします。
タクシードライバーは勤務のペースや体調管理をしっかり調整できていれば、安定して長く働ける仕事です。幅広い年代の方が勤務しているので、年齢に関係なく活躍でき、努力次第で収入アップも狙える魅力的な仕事だと言えるでしょう。
タクシードライバーとして収入を上げる3つのポイント
タクシードライバーとして収入を上げる3つのポイント
- 空車時間をつくらない
- 割増料金を活用する
- お客さまを拾いやすい場所や周辺状況を把握する
成果や売上に応じてお給料がもらえる歩合給を採用している会社が多いタクシードライバーの収入は、どれだけ効率良くお客さまを乗せるかによって大きく変動します。
1.空車時間をつくらない
タクシーが空車の時間は利用者がいないため料金が発生せず、もちろん収入にはなりません。そのため、いかに空車時間を作らずにお客さまを乗せられるかが収入アップのカギとなります。
「常にタクシーを探す人が多い通り」「利用者の多い駅回り」など、空車時間を作らない工夫は売上アップを目指す上での基本。また、空車の時間を削減するためにもお客さまを降ろした場所の近くで次のお客さまを乗せるなど、効率よく集客できるよう意識するのがポイントでしょう。
2.割増料金を活用する
割増料金が発生する隔日勤務や夜日勤で働くことも、収入を上げるポイントの1つです。夜から深夜にかけての時間帯は、終電を逃した人などの利用が見込まれる駅周辺やオフィス街、歓楽街を中心に走行すると良いでしょう。深夜帯は公共交通機関が動いている日中に比べて長距離の可能性が高いので、より効率的に稼げます。
3.お客さまを拾いやすい場所や周辺状況を把握する
収入を上げるためには、ただ闇雲にお客さまを乗せるのではなく考えて行動することも重要です。その土地のお客様層を把握してタクシー利用の多い場所を調べたり、その日毎のイベント情報をもとにタイミングを見計らって待機したりなど、効率良くお客さまを乗せられる時間と場所の把握が必要になります。
さらに、タクシーの需要は天候によっても左右されます。雨の日は外を歩くのが大変になるので、稼ぎ時と考えて行動することも重要といえるでしょう。
タクシードライバーは退職金には期待できない
勤めた年月に応じてもらえる退職金ですが、タクシー業界において、会社から退職金が支給されるケースはそれほど多くないといわれています。タクシードライバーは歩合給のため、毎月のお給料に成績を還元していること、タクシードライバーは65歳を超えても勤務できることからも「定年退職」の概念がないことなどが理由のようです。
なお、一般的な退職金の相場については「退職金は何年目から出る?基礎知識や計算方法を解説!」のコラムをご覧ください。
タクシードライバーとして働くメリット
タクシードライバーとして働くメリット
- 時間の融通が利きやすい
- 上司や同僚との人間関係に悩むリスクが低い
- 定年が一般的な会社勤務に比べて遅いため長く働ける
- 休日が多いためプライベートを大切にできる
タクシードライバーは会社に所属していても個人で業務を行うため、時間の融通が利きやすかったり人間関係のトラブルが少なかったりする点がメリットとして挙げられます。また、前述したように定年という概念が一般企業とは異なるため、長く活躍することもできるでしょう。
時間の融通が利きやすい
時間の融通が効きやすいことこそ、タクシードライバーのメリットです。タクシードライバーは1日の最初と最後に営業所に寄る必要があるものの、それ以外は自分のペースで働けます。
いつ休憩を取るかや時間も自分で決められるため、勤務時間が細かく決められている一般的な会社員と比べると自由度が高いのが特徴といえるでしょう。
上司や同僚との人間関係に悩むリスクが低い
働く人々の多くが抱えているストレスが職場での人間関係です。ですが、タクシードライバーは前述したように個人行動が基本。
苦手な上司や同僚に気を遣ったり、後輩の面倒を任されたりするなど、煩わしい人間関係の心配をする必要はほぼないでしょう。そのため、タクシードライバーは、会社に縛られずのびのびと働きたい方には、おすすめの仕事です。
定年が一般的な会社勤務に比べて遅いため長く働ける
上記でも述べたとおり、タクシードライバーは他業種から転職して働きはじめる人が多く、平均年齢が高い傾向にあります。そのため、一般的な会社員より長く働けるでしょう。なお、定年後も引き続き非正規社員として働ける環境を用意している会社も多くあるようです。
休日が多いためプライベートを大切にできる
勤務時間を工夫すれば、よりたくさんの休日を作れるのもタクシードライバーならではのメリットだと考えられます。「タクシードライバーの勤務形態」でも説明したように、隔日勤務であれば1日働くと翌日は休日です。
そのため1ヵ月のうち半分から3分の2は休日となり、プライベートの時間もしっかり確保できます。タクシードライバーは勤務時間が長かったり夜勤があったりするなどハードなイメージを抱かれがちですが、そのぶん休日も多いため自分の趣味や家族との時間を作りやすいでしょう。
タクシードライバーのデメリット
タクシードライバーのデメリット
- 交通事故のリスクが伴う
- 乗客とトラブルになる可能性がある
- 生活リズムが不規則になる
- 収入が安定しない
タクシードライバーのデメリットについても4つまとめました。タクシードライバーは自由度が高い一方で、交通事故やトラブルにあう可能性が高い仕事です。
交通事故のリスクが伴う
車を運転している時間が多いため、交通事故に遭うリスクとは常に隣り合わせです。オフィスワークの仕事と比べると交通事故に遭う可能性は必然的に高くなってしまいます。
だからこそ、タクシードライバーはより一層の安全運転を心がけることが求められます。特に1日中運転を続けていると集中力が低下するため、疲れを感じる前にこまめに休憩を取ることが大切です。
乗客とトラブルになる可能性がある
会社での人間関係に煩わされることはほぼありませんが、お客さまと直接関わる仕事なので乗客とトラブルになる可能性があります。
特に夜から深夜の時間帯は酔っ払ってしまったお客様を乗せることもあるので、より丁寧な応対を心がけることが必要です。丁寧な対応を意識することである程度の問題は回避できますが、お客様対応には注意が必要でしょう。
生活リズムが不規則になる
生活リズムが勤務時間によって不規則になってしまうのも、タクシードライバーとして働く上でのデメリットとなります。タクシードライバーは朝から深夜までの長時間勤務やシフトにより、生活リズムが不規則になりがちです。
慣れないうちは大変ですが、休憩時間や休日にしっかり体を休めることで順応することができるでしょう。出勤のスケジュールを考えて生活リズムを整える必要があるので自己管理力も大切になってきます。
収入が安定しない
タクシードライバーの給与形態はすでに述べたとおり「歩合」が収入に直結します。会社員のように固定給でお給料が支払われる訳ではないので、ドライバーによっては歩合を稼げずに苦労することもあるでしょう。
だからこそ、どうすればよりたくさんのお客さまを載せて売上アップに繋げられるかが大切になってきます。
タクシードライバーの仕事が向いている人とは
タクシードライバーに向いている人の特徴
- 気配りができる
- 自己管理ができる
- 1人で過ごす時間が苦にならない
ここまでタクシードライバーの仕事内容や勤務形態、給与形態を紹介してきました。では、実際にタクシードライバーの仕事が向いている人とはどういった人なのでしょうか。主な特徴を3つ解説します。
気配りができる
タクシードライバーの仕事はお客様を目的地まで安全に送ることですが、乗客を増やすためには快適な空間づくりも大切です。お話好きなお客様の場合は聞き手になったりするなど、快適な乗車時間となるよう臨機応変な対応が必要といえるでしょう。
自己管理ができる
健康状態を維持することは、安全運転の基本です。
勤怠形態で生活リズムが不規則になりがちな仕事であることに加え、長時間の運転は身体への負担が大きいため、健康管理をきちんと行う必要があります。休みの日は十分な休養をとり、ストレスや疲れの解消に努めましょう。
自己管理に自信がないかも...と感じている方は「自己管理能力とは?生活を改善するための具体的な方法を解説」のコラムも一緒に読んでいただき、自己管理力を上げるためには何が必要なのかをチェックしてみてください。
1人で過ごす時間が苦にならない
タクシードライバーは自分1人のペースで働ける仕事ですが、あまりにマイペース過ぎると月の収入が減ってしまう恐れがあります。そのため、1人で過ごす時間を苦に感じない人や、1人であってもコツコツと真面目に働けるような性格の人はタクシードライバーに向いているといえるでしょう。
タクシードライバー以外に一人での業務が多い仕事については、「一人でできる仕事に正社員求人はある?タイプ別におすすめの職種をご紹介」のコラムでご確認いただけます。
タクシードライバーになるには?
タクシードライバーになるには「第二種運転免許」が必要不可欠です。第二種運転免許を取得するには、21歳以上で第一種免許を取得してから3年以上経過している必要があります。そのため、最短でタクシードライバーになるには18歳で第一種免許を取得し、3年後の21歳の時に第二種運転免許を取る必要があるでしょう。
地理に詳しくなければいけない
東京都・神奈川県・大阪府など指定された都市部でタクシー運転手になるためには、地理試験に合格する必要があります。地理試験はタクシー会社に入社後の研修なども受験できるため、事前に資格を取得しておく必要はありません。ただし、地理試験は難易度の高い試験なので、しっかりと勉強をする必要があるでしょう。
地理試験は「安全及び接遇」と「当該指定地域に係る地理」の2科目で構成され、基本的にマルバツの解答形式。それぞれ45問中36問以上、40問中32問以上正解すると合格となります。
年齢制限がある
すでに述べたように、「第二種運転免許」を取得するには21歳以上という条件があります。そのため、21歳以下でタクシードライバーになることは不可能です。
なお、タクシードライバーとして就業できる年齢の上限は法律で定められていません。しかし、高齢ドライバーは交通事故リスクが高まることが懸念されているため、今後は年齢制限の見直しや規制緩和策などが図られる可能性も考えられるでしょう。
女性でタクシードライバーになるには
タクシードライバーといえば男性が多いイメージですが、近年は多くの女性がタクシードライバーとして活躍しています。まだまだ全体を見ると少ない数ではありますが、働き方の多様化により増加傾向です。
タクシードライバーは勤務形態を自分で選択できるため、結婚や出産、子育てなどのライフイベントが多い女性にとって働きやすい仕事と捉えることもできます。
ここまでタクシードライバーの仕事内容や実情をご紹介しました。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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