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労働基準法における休日の定義とは?年間の最低日数や休暇との違いも解説
更新日
この記事のまとめ
- 労働基準法での休日は労働義務を負わない日、休暇は労働が免除される日のことをいう
- 労働基準法における休日とは、「法定休日」のことを指す
- 労働基準法では、週1日以上もしくは4週4日以上の休日の付与が義務付けられている
- 労働基準法で定められている法定休日以外にも所定休日や振替休日、代休がある
- 月4日休みでも法定労働時間の規定を満たせなければ、労基法違反になる可能性がある
労働基準法上の休日について知りたい方へ。月4日休みでも法定労働時間を超える場合は、休日の日数を調整する必要があります。
このコラムでは、労働基準法における休日と休暇の違いや、年間休日日数の最低ライン、有給休暇の取得ルールなどについて詳しく解説。時間外・休日出勤時の割増率や、振替・代休の取得ルールも詳しく説明します。正しい知識のもと、法で定められた休日を確保しましょう。
休日と休暇は異なる意味をもつ
「休日」と「休暇」は異なる意味をもちます。あまり気にしたことがない方も多いかもしれませんが、働くにあたってはきちんと理解しておきたい内容です。
一般的に、休日と休暇には下記の違いがあります。
- ・休日:労働義務がない日
- ・休暇:本来は労働義務がある日だが、申請すると免除される日
休日は必ず発生するもので、休暇は労働者が申請するものと覚えましょう。
「法定休暇」と「特別休暇」の違い
休暇には「法定休暇」と「特別休暇」の2種類があります。両者はそれぞれ定義や取得条件が異なるので、違いをよく確認しておきましょう。
法定休暇:年次有給休暇・産前産後休暇などが該当
法定休暇とは、労働基準法に定められた年次有給休暇や産前産後休暇、生理休暇などのことです。年次有給休暇は、雇い入れから6ヶ月継続勤務し、かつ全労働日の8割以上を出勤している労働者に対して付与されます。
業種や業態、正社員やパートといった契約形態は問いません。年次有給休暇は以下のとおり、勤続期間が長くなるほど増加します。
雇い入れ日からの継続勤務期間 | 付与される休暇日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月以上 | 20日 |
参照:厚生労働省「労働基準行政全般に関するQ&A」
なお、以前は会社が労働者に年次有給休暇を付与する義務はありませんでした。
しかし、2019年4月からは、年次有給休暇が10日以上ある労働者に対し、企業は年5日取得させることが義務化されています。詳細は「有給休暇とは?付与の目的・日数・取得義務などについて解説」のコラムで確認してください。
参照元
厚生労働省
労働時間・休日
特別休暇:企業が独自に定める休暇
特別休暇とは、労働基準法の定めには関係なく企業が独自に定めている休暇のことです。特別休暇には、慶弔休暇や夏季・冬季休暇、病気休暇、リフレッシュ休暇などがあります。
特別休暇の規定は企業ごとに異なり、取得条件もさまざまです。特別休暇を活用したい場合は、勤務先の就業規則などで確認しましょう。
休日の種類については「仕事の休みには種類がある!有給休暇や慶弔休暇など制度の違いを紹介」でも紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
労働基準法における「休日」の定義
労働基準法において、「休日」は「法定休日」と「所定休日」の2種類に分かれます。労働基準法では休日の定義が明確に定められているので、確認しましょう。
労働基準法で定められた休日は「法定休日」を指す
労働基準法で定められている休日は「法定休日」といい、労働者は取得する義務があります。
一方、「所定休日」は企業が任意で労働者に与える休日のことです。法定休日と違い、所定休日に取得義務はありません。一般的に、法定労働時間の要件を満たせない場合において所定休日が付与されます。
基本的に休日は、午前0時から午後12時までの24時間を指し、日をまたいで連続24時間休んだとしても休日として扱われません。そのため、看護師や工場勤務など夜勤のある仕事で「夜勤明けは休日?」と考える方もいるかもしれませんが、休日には該当しないのです。
法定休日は週に1日以上もしくは4週に4日以上が原則
労働基準法の第35条では、「週に1日以上」もしくは「4週に4日以上」の休日を労働者に与えるよう義務付けられています。労働基準法によって義務付けられた最低限の休日が「法定休日」であり、要件さえ満たしていれば曜日を固定する必要はありません。土日や祝日を法定休日にするかどうかも会社に委ねられます。
たとえば、就業規則で「毎週月曜日」と定めれば月曜日が法定休日です。「毎週休みはあるが固定ではない」「4週のうち1週目と4週目は月曜が休日、2週目は休みなし、代わりに3週目は火曜と水曜の2日が休日」なども問題はありません。
労働基準法で休日出勤の回数は決められている?
休日出勤の回数について制限は設けられていませんが、法定休日を遵守する必要があります。1週間に1回、4週間に4回の法定休日を守り、企業は労働者の負担を考えながら休日出勤を命じる必要があります。参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
労働基準法における休日のルール
労働基準法には法定休日の取得基準が定められているものの、規定の法定休日だけでは法定労働時間の要件をクリアできません。ここでは、法定休日と法定労働時間の両方の要件を満たすために、知っておくべきルールを詳しく解説します。
労働基準法における休日のルール
- 法定労働時間を超えないように休日数を設けるのが基本
- 1日8時間労働での年間休日数は最低105日必要
- 高度専門職に対しては年間休日104日以上が義務
法定労働時間を超えないように休日数を設けるのが基本
法定休日だけでは法定労働時間の規定をクリアできない場合、所定休日を設けて休日数を調整しなければなりません。労働基準法では、休日以外の労働時間を「1日8時間、1週間で40時間以内」と定めています。月4日休みでも週あたりの労働時間が40時間を超える場合は、ルール違反です。
たとえば、1日の労働時間が6時間の場合、週1日の休日(法定休日のみ)でも「1週間40時間」を超えないため問題ありません。
しかし、1日の労働時間が8時間の場合、4週に4日の法定休日を設けても、週40時間の法定労働時間を超える可能性があります。多くの企業が週休2日を採用しているのは、週5日・1日8時間の労働で法定労働時間の上限に達するためです。土日が休みの企業の場合、日曜を法定休日に、土曜を所定休日にしているケースが多いでしょう。
なお、法定労働時間を超える場合は割増賃金の対象になります。「所定労働時間とは?8時間以上はアリ?賃金や残業代の計算方法も解説」のコラムで詳しく解説しているので、あわせて確認しておきましょう。
1日8時間労働での年間休日数は最低105日必要
労働基準法では週単位の休日数は規定されているものの、年間休日数は定められていません。
しかし、1日8時間・週40時間以内という法定労働時間の要件を満たすためには、一定の休日数を確保する必要があります。たとえば、週5日・1日8時間勤務の場合だと以下のとおり、最低でも年間に105日の休日が必要です。
例)週5日・1日8時間勤務の場合
365日÷7日×40時間=2085.7時間
2085.7時間÷8時間=約260日
365日-260=105日
週休2日を条件として計算しましたが、実際には「祝日+年末年始+夏季休暇(お盆)」も休みのところが多いでしょう。国民の祝日は年間に16日です。年末年始を6日間、夏季休暇を3日間とすると単純計算で130日となります。土日に祝日などが重なる場合もあることを踏まえると、年間に120日前後の休日があれば、カレンダーどおりに十分な休日を確保できる企業と考えて良いでしょう。
労働者一人あたりの平均年間休日数
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況」によると、2022年度の労働者一人あたりの平均年間休日総数は115.6日でした。調査の結果から、企業規模が大きくなるほど年間休日数も増えていることが分かります。
企業規模 | 労働者1人あたりの平均年間休日総数 |
---|---|
1,000人以上 | 119.3日 |
300~999人 | 117.3日 |
100~299人 | 113.1日 |
30~99人 | 111.2日 |
平均 | 115.6日 |
参照:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況/第4表 年間休日総数階級別企業割合、1企業平均年間休日総数及び労働者1人平均年間休日総数 (5p)」
企業の規模によって差はあるものの、年間休日が少なくても有給消化率が高ければ全体の休日数が上がる場合もあります。
年間休日数については「年間休日数とは?定義や平均的なお休みの日数を解説!」のコラムも確認してみてください。
参照元
厚生労働省
就労条件総合調査
高度専門職に対しては年間休日104日以上が義務
先述したとおり、労働基準法では一般労働者の年間休日数についての定めはありません。しかし、高度プロフェッショナル制度の導入により、高度専門職には4週4日以上かつ年間休日数を104日以上にすることが義務化されています。
高度専門職とは、金融関係のディーラーやアナリスト、コンサルタントといった高い専門知識を要する職種のことです。
参照元
厚生労働省
「働き方」 が変わります!!
連続勤務日数もチェックしよう
労働基準法では、連続して働ける日数が最大12日と決まっています。1週間が7日のため「連続勤務は6日では?」「7日では?」と考える方も見られますが、12日が正解です。「連続勤務日数は何日まで?7日は違法?上限の基準や有給休暇との関係を解説」では、連続して働ける日数について詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
労働基準法における休日出勤・時間外労働のルール
労働者が休日出勤や時間外労働を行うことに関して、労働基準法ではさまざまな取り決めがあります。労働基準法における休日出勤・時間外労働の重要なポイントをチェックしておきましょう。
労働基準法における休日出勤・時間外労働のルール
- 休日・時間外労働させるには36協定の届け出が必須
- 休日出勤・時間外労働時は割増賃金の支払いが必要
- 休日出勤時の振替休日と代休は明確に区別して対応する
- 休日を与えなかった場合は罰則が科せられる
休日・時間外労働させるには36協定の届け出が必須
企業が労働者に時間外労働をさせるためには、36協定の届け出が必要です。36協定(サブロク協定)とは、休日・時間外労働をさせるにあたって企業と労働者が締結する協定のこと。休日・時間外労働を行う業務の種類や、日・月・年あたりの時間外労働の上限を決め、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
36協定で定める時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です。特別な事情がある場合は例外として上限の引き上げが可能ですが、適用期間などの制限があります。詳細は「36協定と残業時間との関係は?制度について詳しくご紹介!」のコラムでご確認いただけます。
参照元
厚生労働省
36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
休日出勤・時間外労働時は割増賃金の支払いが必要
休日出勤や時間外労働をした場合、企業は労働者に対して割増賃金を支払わなければなりません。割増賃金とは、労働者が休日出勤や時間外労働などを行った際に、既定の賃金よりも割増して支払うものです。
法定休日に出勤した場合の割増賃金率は35%、60時間以下の時間外労働に対しては25%割増になります。なお、月60時間を超える法定時間外労働を行った場合は、50%以上の割増賃金率で計算した額を支払わなければなりません。
管理監督者は割増賃金の規定適用外
管理監督者は割増賃金の規定が適用外です。残業代や休日出勤手当などの支払い義務はありません。
ただし、対象となる管理監督者は、労働条件の決定や労務管理について経営者と一体的な立場にある人のことを指します。肩書きではなく実態によって判断する必要があるため、企業によっては支給している場合もあるようです。
所定休日の出勤は休日手当の対象外
所定休日は労働基準法で定められた休日ではないため、35%の割増賃金率は適用されません。しかし、週の労働時間が40時間を超えた場合は時間外労働として処理され、25%の割増賃金率が適用されます。たとえば、土曜日が所定休日で日曜日は法定休日の場合、土曜出勤は25%増、日曜出勤だと35%増となるケースもあるでしょう。休日の種類によって手当の計算方法が変わるため、よく確認してください。
休日出勤時の振替休日と代休は明確に区別して対応する
法定休日に出勤する場合、振替休日と代休を明確に区別して対応する必要があります。
振替休日とは、あらかじめ休日を労働日に変更し、代わりとしてほかの労働日に取得する休日のこと。代休とは、休日出勤をした代わりとして、その日以降の労働日に取得する休日のことです。
振替休日は出勤分の休みの取得が義務付けられている一方、代休は義務ではありません。代休の場合、あらかじめ休日を振り替えたわけではないので、休日に働いたぶんが割増賃金の対象になります。詳しくは「休日出勤の割増率の計算方法を解説!残業や代休についてもご紹介」のコラムでも確認しておきましょう。
休日を与えなかった場合は罰則が科せられる
規定の法定休日を満たしていなければ、労働基準法の第35条ならびに第119条に基づき、罰則が科せられます。法律違反とされた場合の罰則は、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金です。同様に、休日出勤の代わりに振替休日を付与しなかったり、割増賃金が支払われなかったりする場合も法律違反になります。
企業と36協定を締結しておらず、休日の取得や割増賃金の支払いが行われていない場合は、労働基準監督署もしくは総合労働相談コーナーなどに相談しましょう。「仕事で休みがないのは労働基準法に違反する?つらい状況を乗り切るには」のコラムも参考にしてください。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
休日に呼び出しや電話対応があった場合
休日と設定されている日に労働者を呼び出したり、電話対応させたりすると、実際に作業した時間が労働時間とみなされます。賃金を支払わなければ、企業側が労働基準法違反になる恐れがあるでしょう。ただし、労働者の指示なく自主的に対応した場合はこの限りではありません。
労働基準法上の休日や休暇に不安を抱えているなら転職も視野に入れよう
労働基準法では労働者の生活を守るために、休日や休暇の最低限の原則が定められています。休日が少ない、有給を取りづらい、休日出勤が多いなど、ワークライフバランスを整えられない状況が続く場合は、思い切って転職を検討するのも一つの手です。
転職を検討する場合は、転職エージェントを活用してみましょう。転職に関する相談に乗ってもらえるので、自分に合った仕事を見つけられる可能性が高まります。希望に合った求人を探したいなら、就職・転職エージェントのハタラクティブの利用も検討しましょう。
実際に取材を行った企業のみを取り扱っているため、会社の雰囲気や業務内容などを詳しくお伝えできます。サービスの利用は無料ですので、今の環境を変えてみたいと考えている方はお気軽にご相談ください。
労働基準法で定める休日に関してよくあるFAQ
労働基準法における休日の扱いでよくある相談に回答します。
休日出勤したのに通常の賃金しか支払われていません
法定休日にあたる日に労働した場合、通常の日当相当分に35%を割増した賃金が支払われなければなりません。また、すでに週40時間を超えている状態で休日出勤すれば時間外労働として扱われます。
時間外労働に対しては25%の割増賃金を支払う義務があるため、通常の日当分しか支払われないのは違法です。正当な給与を請求しましょう。
「給料未払いで生活できない!賃金の請求方法や応じないときの相談先を解説」のコラムも参考にしてください。
月の休みが法定休日日数を満たしていません
法定休日は、労働基準法で定められた「必ず休日にしなければならない日」です。もし、職場で定められた法定休日を無視して労働させられている場合、職場もしくは労働基準監督署に相談しましょう。
ただし、振替休日または代休がどこかの日に適用されている場合は問題ありません。労働基準違反が疑われる場合は、「労働基準法違反の判別基準とは?具体的なルールや対処法を解説」のコラムにも目を通してみてください。
有給のぶんだけ連続勤務するように言われました
有給は「休暇」に相当する休みです。休暇は労働の義務が免除される日であり、原則として別日での出勤は強制できません。そのため、有給を取ったぶんの労働を職場に強制させられるのは違法です。
会社によっては、有給と振替休日を混同して認識している場合があります。誤解があると感じたらすぐに訂正するか、会社に相談しましょう。
有給については「有給とは何かを分かりやすく解説!取得条件やもらえないときの対処法」のコラムでも詳しく解説しています。取得条件などを確認したうえで、会社に相談すると良いでしょう。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。